江戸時代の文化や街並みを体感できる「江戸ワンダーランド 日光江戸村」は、子どもたちが忍者やお姫様になりきって一日遊べる、子連れにおすすめのテーマパークです。今回は子連れで楽しむ一日観光モデルコースをご紹介します。
「江戸ワンダーランド 日光江戸村」へのアクセス
東京から「江戸ワンダーランド 日光江戸村」は、電車だと東武鉄道特急利用で約2時間、最寄り駅は「鬼怒川温泉駅」です。「鬼怒川温泉駅」からは路線バスで約15分、タクシーなら約10分で到着します。
車の場合は、都内を出発して東北自動車道から日光宇都宮道路に入り約2時間半のドライブです。
到着と同時に江戸時代へタイムスリップ!「開門の儀」は必見
「江戸ワンダーランド 日光江戸村」のオープンは朝9時(冬季は9時半)。ぜひオープン時間に合わせて訪れてみましょう。「開門の儀」と呼ばれるオープニングイベントを見ることができます。
裃(かみしも)姿のお侍が朗々と声を張り上げて「かいもん!」と発すると、そばに控えた2人のお侍によって重厚な関所の門が開かれます。歴史ドラマで見るシーンにそっくりで、江戸時代へタイムスリップした気分に。テレビでしか見たことのない光景に大興奮!
土日限定イベント「江戸職業体験」予約へ
9:00開門したら、まずは「江戸職業体験」の受付場所「口入屋(くちいれや)」へ向かいましょう。口入屋は大江戸天満宮の向かいにあり、公式キャラクター・ニャンまげの石像が目印です。
口入屋に向かう間も、江戸の町人に扮したスタッフが「おはようごぜえやす」「ようこそおいでなすった」と江戸っ子口調で話しかけてくれます。
「江戸職業体験」とは5~12歳の子どもが参加できる無料イベントで、忍者修業をする「忍者」、剣術のお稽古をする「新撰組」、村内の悪人を捕まえる「捕物(とりもの)」の3種類があります。
一番人気は「忍者」で朝早い時間帯で予約が埋まってしまうこともあるそう。「忍者」を体験したい方は、朝一番で訪れるのがおすすめ。
「江戸職業体験」は受付をすると同時に、衣装の着替えを行います。受付から実際に体験が始まるまで、1時間ほど衣装のままで遊ぶことができます。
無料で江戸コスプレが楽しめるなんてうれしいですね。体験前に、江戸の風情が漂う水飲み場で水分補給をしましょう!
忍者ショーを鑑賞と記念撮影
9:30忍者衣装に着替えたら「忍者からす御殿」へ向かいましょう。大迫力の忍者ショーが鑑賞できる芝居小屋で、ステージを所狭しと駆け回る戦闘シーンが見どころです。
プロのアクション俳優さんが出演していて、見ごたえ抜群!男の子はもちろん、大人もくぎ付けになる迫力の舞台です。
約20分間のショーを鑑賞したら忍者と記念撮影をお忘れなく。忍者姿のわが子と、大人忍者のコラボ写真が撮れますよ。
忍者の衣装でからくり屋敷&巨大迷路
9:50次に、からす御殿のお隣にある「忍者からくり屋敷」へ。
狭い穴から天井裏に上ったり、扉が回転して壁の後ろに隠れたりと、忍者のような体験ができます。忍者姿でからくり屋敷を駆け巡る子どもたちの姿を写真におさめましょう!
からくり屋敷の後は、隣接する「忍者仕掛迷路」にも挑戦!
迷路はかなり難解なので、時間がなければ途中離脱出口から出て、また再チャレンジもできます。次の「職業体験」集合に遅れないよう注意しましょう。
江戸職業体験その1「忍者」
10:10職業体験は受付をした「口入屋」に集合しましょう。そこからいよいよ、忍者修行の始まりです。忍者の親分から心得を受けた後、気功術や手裏剣投げの特訓をし、免許皆伝の卒業試験へと移ります。
特訓自体は意外とすんなり終わりますが、この後の卒業試験は難関!忍者体験の真骨頂は卒業試験なのです。
この試験は、忍者に扮した子どもたちがお城に潜入して、敵に見つからないように巻物を取ってこられたら合格です。2人ずつペアで舞台に上がり、敵役の役者さんと一緒に芝居をするのですが、これが面白い!
潜入がばれそうになった時は「松の木」や「ふすま絵」になりきったり、侍や姫のかつらで変装したりと、子どもたちが自由な発想で演じます。ぎこちない演技の子どもたちをプロの役者さんがアドリブでいじるなど、場内は終始爆笑の渦。
最後に全員が「免許皆伝」を受け取って、約1時間の忍者体験は終了です。今回体験したのは屋内バージョンのもので、屋外バージョンはまた違った内容を楽しめます。
「忍者修行の館」で平衡感覚を失う!
11:00次の職業体験「新撰組」の受付までの空き時間で訪れたのは「忍者修行の館」。ここでは本格的な忍者体験を楽しむことができます。
山の斜面を利用してわざと傾けて建てられた館の中では、平衡感覚がなくなります。
まっすぐ歩くのも至難の業で、大人から子どもまで大はしゃぎ!体幹が鍛えられ、体育会系男子にぴったりなスポットです。
江戸職業体験その2「新撰組」の予約へ
11:15次の職業体験「新撰組」の予約へ。衣装を着せてもらう「受付」ができるのは、体験開始のぴったり1時間前から。「受付」をする前に、各回20名の枠を先着順で押さえる必要があり、枠が埋まってしまうと次回以降の回にまわされてしまうので、早めの予約がおすすめです。
※受付時間は時期によって時間帯が変わります。
「新撰組」の受付開始!早めに並ぶのがおすすめ
11:40受付開始時間の11時40分に再集合。すでに体験受付所のお隣「荒物 沼田屋」の先まで長い列ができています。江戸職業体験の受付は一人ひとりの年齢を聞き、最後までやり切れるか意思確認をするなど丁寧に行われるため、比較的時間がかかります。
筆者の場合は、並び始めてから受付を終えるまで20分以上かかりました。職業体験の受付の列は、早めに並ぶのがおすすめです。
ランチは江戸風の食事処へ
12:10次の職業体験の前にランチタイム。日光江戸村では、蕎麦や天ぷら、炭火焼の焼き鳥など、さまざまな和食がいただけます。
9軒の飲食施設が並び、食事処には困りません。一番人気はお蕎麦屋さんで、混雑時には名前を書いた順に呼ばれるので、早めに行って記名しておきましょう。
この日は「田丸屋」で、牛すじどてめし(1,300円)やこんにゃく田楽(150円)、ゆば刺し(800円)などをオーダー。普段はあまり食べないメニューに挑戦できるのも、江戸村ならではの「食の歴史体験」ですね。
新撰組の衣装でランチをいただきましたが、まるで「討ち入り前の腹ごしらえ」のような一枚に。普段はなかなか撮影できないシチュエーションなので、ぜひ食事中の写真も撮ってみてください。
江戸職業体験②「新撰組」で本格的な剣術を教わる
12:40「新撰組」の職業体験は、主に剣術の稽古です。剣の達人ぞろいだった新撰組ならでは、まずは剣術を極めることが一番大切な仕事。靴を脱いで道場に入り、刀の抜き方からかまえ、振り下ろし方までを繰り返し習います。体験の所要時間は約40分~60分(夏場は約40分)となっています。
講師役の役者さんは剣捌きが見事で、ドラマの殺陣シーンを間近で見ているような迫力です!
「変身体験」で江戸の町を散策
13:40「新撰組」が終了したら、変身体験へ。日光江戸村の名物で、お侍さんやお姫様、町娘などの「江戸人」に衣装変身できるコーナーです。
人気の理由は、バラエティに富んだ衣装と本格的な着付け。子どもがかわいい着物姿で江戸の町を歩く姿を見られるのは、うれしい体験です。
変身体験ができるのは、水車小屋の隣の「変身処 時空」。まるで呉服問屋の大店のようです。好きな変身メニューを選んだら、カウンターの奥の更衣室で着付けとヘアセットへ。
ちなみにロングヘアの女の子は、オプションでヘアセットをつけることをおすすめします。きちんと髪を結ってかんざしなどの小物もついて、500円は格安ですね。髪型が決まると、着物姿がぐっと本格的になっておすすめです。
天気が良ければ町娘になってお散歩しよう
14:00今回は姉妹で「町娘」(1人3,500円)に変身。着付けを終えて、すっかり江戸の町並みに溶け込んでいます。
どこで撮っても本当にフォトジェニックで、花見団子(100円)を食べ歩く姿もすっかり様になっています。
江戸時代の雑貨屋さんでの一コマ。当時の町娘はこんな風にショッピングを楽しんだのでしょうか。
また「江戸ワンダーランド 日光江戸村」では、屋形船に乗ったり(1人600円)、だるまの絵付け(500円)やせんべいの手焼き(1枚200円)をしたりと、さまざまな江戸のプチ体験が用意されています。
だるまの絵付けは、手のひらサイズの真っ白いだるまに、サインペンで自由に彩色するもの。サインペンなので、小さいお子さんでも無理なく楽しめます。
虎模様にしてみるなど子どもならではの発想でユニークなだるまがたくさん生まれますよ。体験時間は15~30分ほど。
せんべい焼きの体験もおすすめ。焼き上がりまでは10分ほどで、お店の方が「裏返して」「きつね色になるまで放っといて」などアドバイスしてくれるので、失敗することはなく楽しめます。
一番の見どころ!「花魁道中」
15:0015時近くになると、大勢の方が「火の見櫓(やぐら)」と「日本橋」を結ぶメインストリートに集まってきます。お目当ては、毎日15時から行われている「花魁(おいらん)道中」。花魁とは、遊郭にあまたいる遊女の中でも最も美しく教養があり、トップの座を極めたものだけに与えられる称号です。
たくさんの従者を従えて、火の見櫓の方角から花魁がやってきました!花魁だけが身につけることを許される黒塗りの高下駄を履き、八文字という独特の歩き方で、すり足をしながらゆっくりと歩を進めてきます。
※時期によって時間帯が変わります。
その美貌と迫力は素晴らしく、見ごたえ抜群。子どもたちにも花魁の美しさは伝わるようで、小さいお子さんも一心に見入っていました。
花魁の後ろには、これまた美しい遊女たちが付き従います。色とりどりの着物が艶やかで、見ているだけでうっとり。この花魁道中は所要時間が5~10分ほど。ぜひ家族そろって見物してみてください。
着物を返すまでもうひと遊び
15:10花魁道中も見終わり、変身体験の着物を返却する16時までもうひと遊び。江戸時代の遊びといえば、「遊技場・矢場」での弓矢(1回600円※矢5本)。現代ではなかなかできない弓に矢をつがえる経験です。ゲーム画面とは違った遊びを、体験してみましょう。
名物ソフトクリームに舌つづみ
〆は冷たいスイーツで。「矢場」からもすぐ、火の見櫓の前の「山くじら」などでテイクアウトできます。名物はニャンまげそふと(400円)ですが、甘酸っぱいとちおとめのいちごジャムを添えた、花魁そふと(500円)もまた美味です。
ぜひ縁台に腰かけて、ゆっくり味わってみてくださいね。
江戸旅行のラストは芝居見物で
16:00変身体験の着物を返却して、最後は芝居見物へ。欽ちゃんこと萩本欽一氏が手がけたお芝居が人気の「両国座」(1日4公演 約30分)や、江戸から続く伝統芸能の「水芸」が見られる「水芸座」(1日3公演 約20分)などの最終回公演を楽しみましょう。
どの芝居小屋も芸達者な役者が揃います。芝居後は、ツーショットの写真撮影に応じてくれる気さくさも魅力です。
ニャンまげグッズはお買い忘れなく!お土産コーナー
16:30最後に立ち寄りたいお土産売り場。中でも人気のニャンまげグッズが充実しているのは「関所」の手前にある「恵比寿屋」です。
チョコクランチ(550円)を始め、クッキーやおせんべいなどの食べ物系から、文房具やぬ いぐるみまで。ユニークなニャンまげグッズが揃います。
子連れで楽しみたい、日光江戸村の魅力
「江戸ワンダーランド 日光江戸村」ではかわいく変身した子どもを見ることができ、写真好きのファミリーにはぴったり。
江戸人変身からアトラクション、グルメなど楽しみどころ満載の日光江戸村。ぜひ特別な思い出を作ってくださいね。
日光江戸村の地図
EDO WONDERLAND 日光江戸村
- 住所
- 栃木県日光市柄倉470-2
- 開館時間
- 9:00~17:00 ※12月~3月までは9:30~16:00
- 入館料金
- 大人(中学生以上)4,700円 小学生2,400円 未就学児 無料
- チケット予約
- 江戸ワンダーランド 日光江戸村 入場Eチケット - 楽天トラベル観光体験
- 休館日
- 毎週水曜日(祝日は開館)、2019年12/8~12/21の14日間、施設メンテナンスの為休館
日光江戸村周辺のホテル
取材・文・写真/Akiko Tanaka
取材協力/EDO WONDERLAND 日光江戸村