提供:ことりっぷ
北野天満宮からはじまるはんなり花街さんぽ
北野天満宮に隣接し、市内のどこからでもアクセスしやすい上七軒。通りには、伝統的なお茶屋、料亭、和菓子店が並ぶ一方で、洋食や洋スイーツの店も点在します。前編では、気軽に入れる町家カフェや雑貨屋さんに立ち寄りました。
後編では、町の中心となる北野天満宮や歌舞練場へ。七夕ライトアップやビアガーデンなど夏の宵を涼やかに過ごせる行事をご紹介します。
北野の夏をそぞろ歩く緑豊かな境内と夜間特別拝観「北野天満宮」
菅原道真公が祀られる御本殿
「北野天満宮」は全国に約12000 社ある天満宮の総本社。地元では天神さんと呼ばれ親しまれています。御祭神にゆかりの深い梅の季節や、受験シーズン前にお参りすることが多いですが、緑に包まれる夏には多彩な行事が催されます。
7月中旬から8月下旬にかけては、梅を天日干しする巫女さんたちを目にすることも
涼やかな表情を見せる初夏の青もみじ(本年度のもみじ苑公開は終了)や、暑さが盛りを迎える8月上旬の夜間拝観など季節ならではの見どころも多いです。境内のライトアップや、無病息災を願う御手洗川の足つけ神事、ふだんは足を踏み入れることのできない国宝御本殿の特別公開など盛りだくさんの内容で参拝者を迎えてくれますよ。
夜間特別拝観中は無数の灯がともされる。七夕の色とりどりの飾りがほんのり照らされ幻想的な雰囲気に
■イベント情報
- 北野萬燈会・七夕ライトアップ
- 8月2日~8月18日 日没~20:00
- 御手洗川足つけ燈明神事
- 8月2日~8月18日 9:00~20:00(最終受付19:40)
- 国宝御本殿特別公開
- 8月9日~8月12日 16:00~20:00(最終受付19:40)
- 公式サイト
- 北野天満宮
カステラのルーツ、ポルトガル菓子を日本へ「Castella do Paulo」
日本のカステラ作りを学んだリスボンの菓子職人パウロさんが、奥様の故郷である日本へポルトガル菓子を伝えるために開いたカフェ「Castella do Paulo(カステラ ド パウロ)」。カステラとその原型とされるパォンデローを一緒に味わえるのが一番のポイントです。
また、修道院で作られていたという焼菓子も種類が豊富。洗濯物の糊として卵白を使用していたため、余った卵黄でお菓子が作られた、など興味深い話が聞けることもありますよ。
「アイスクリームプレート」1000円
こちらは夏季限定の「アイスクリームプレート」。その日のパォンデローとカステラ、自家製アイスクリームのセットです。カステラは京都美山の卵を贅沢に使った、きめが細かいしっとりタイプ。
北野天満宮の新門前名物。幸せ感いっぱいのプリン「北野プリン」
小鳥が幸せを祝福してくれるフォトスポットも。スイーツをかわいく置いて撮ってみて
定番と季節替わりのプリンで常時10種以上がそろう「北野プリン」にも立ち寄ってみましょう。ボトルに入ったプリンがずらりと並ぶ様子は、見ているだけで楽しい気分に。
一番人気の「春告プリン」は、桜とさくらんぼが浮かぶ梅のジュレをクラッシュし、ミルクプリンと混ぜて味わうのがおすすめだそう。夏は、マンゴーやシャインマスカットを使ったフレーバーも登場しています。
「ソフトクリーム 特選抹茶」 500円。トッピングの生菓子や紅白のコーンがかわいい
また、プリンが2種あるのは、昔ながらの卵の風味豊かな「かため」派、クリーミータイプの「やわらかめ」派、どちらの人にも喜んでもらうためなのだとか。
憧れの芸舞妓さんに会える花街の格式あるビアガーデン「上七軒歌舞練場」
京都の夏の風物詩のひとつ、上七軒のビアガーデンの会場となるのが「上七軒歌舞練場」。ここは、舞妓さんたちが初舞台を踏む場であり、その後も春と秋のをどりの会で、日々のお稽古の成果を発表する大切な場所だそう。
歌舞練場内では、まずたいこ橋を渡ってビアガーデンの会場へ向かいましょう。テーブルには浴衣姿の芸舞妓さんが来てくれて、一層華やいだ雰囲気に。芸舞妓さんと談笑したり、涼しげな日本庭園を眺めたり、夢のような夏の宵を楽しんで。
芸舞妓さんから名刺にあたる「千社札」を受け取ると、福が舞い込むといわれていますよ。(保護者同伴を含め未成年者は入場不可)
町のシンボルでもある上七軒歌舞練場へのアクセスは、御前通からと上七軒通からの2通り。「御前」というのは、北野天満宮または御祭神である菅原道真公の前に通じる道という意味です。上七軒通から細い路地に入り耳をすますと、三味線の音が聴こえてくることもありますよ。
文:戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部