提供:ことりっぷ
「サザエさん」を生み出した漫画家・長谷川町子が長年居を構えた桜新町は、“サザエさんの街”として知られています。駅前のサザエさん通り周辺には登場人物たちの全7か所12体の銅像が並ぶほか、「長谷川町子記念館」や「長谷川町子美術館」があるなど、見どころがいっぱい!素敵なカフェやショップもある「長谷川町子記念館」を覗いてみましょう。
長谷川町子の世界観を堪能できる2つの建物
蒐集した美術品の展示をする「長谷川町子美術館」
桜新町駅からサザエさん通りを下ること徒歩7分。赤いレンガの大きな建物が左右に見えてきます。
左手側に見えるのが、町子さんが姉の毬子さんと共に建てた「長谷川町子美術館」で、右手側に見えるのが町子さんの生誕100年を記念して建てられた「長谷川町子記念館」です。
「長谷川町子美術館」は、「蒐集した絵を社会還元したい」という町子さんの強い意志で建てられた美術館。町子さんが姉・毬子さんと趣味で美術館巡りをする中で蒐集した絵画や骨とう品などの美術品を公開しています。年3回展示を入れ替え、さまざまなテーマで紹介しています。
町子さんの作品好きにはたまらない「長谷川町子記念館」 記念館前にあるサザエさんといじわるばあさんが町子さんに話しかける銅像
「長谷川町子記念館」は、2020年にオープンしたばかりの記念館。町子さん自身が手がけた「サザエさん」や「いじわるばあさん」などの作品を鑑賞できるほか、漫画の中の世界観を再現したり、町子さんの生涯について学ぶことができます。
もっと「サザエさん」が好きになる3つの展示室
タッチパネル式のモニターで作品を鑑賞できる
館内は、常設展示室と企画展示室があります。1階の常設展示室「町子の作品」では、「サザエさん」や「いじわるばあさん」などの作品や世界観を楽しめる空間が広がっています。
懐かしい昭和の茶の間を再現 自由に落書きができるデジタル技術を駆使した「板べいの落書きコーナー」 姉妹社版の単行本がずらりと並ぶ本棚 町子さんが手がけた貴重な絵本も
タッチパネル式のモニターで作品を鑑賞できたり、デジタル技術を駆使して壁に自由に落書きができるなど、最先端の展示は子どもから大人まで楽しめる工夫がいっぱい。木のぬくもりを感じられる空間には、本を開いたり塗り絵を楽しめる畳敷きの小上がりもあります。
町子さんが実際に使っていた机の展示も
2階の常設展示室「町子の生涯」では、町子さんの誕生から亡くなるまでの一生涯を貴重な写真や出版物などとともに紹介してます。「のらくろ」の原作者・田河水泡に弟子入りしたり、姉妹で出版社「姉妹社」を立ち上げたりと、激動の昭和の時代を垣間見れる見ごたえたっぷりの展示になっています。
ほかに、2階には、企画展示室もあり、年3回のペースで企画展を開催しています。3月24日までは企画展「わかめちゃん」を開催中。漫画の原作で描かれたわかめちゃんとアニメのわかめちゃんの違いなど意外な発見があっておもしろいですよ。
町子さんの一生涯を紹介した2Fの常設展示室
オリジナルグッズが買えるショップとカフェ
館内のミュージアムショップ「購買部」とカフェ「喫茶部」は、入館料なしで気軽に立ち寄ることができます。購買部には、サザエさんの復刻初版本をはじめ、茶碗やアルミの弁当箱、ノートやバッグなどの心くすぐるオリジナルグッズがいっぱい。
「ほうじ茶(ドライパパイヤ付き)」(500円) 「サザエさんグラス」(770円) 「サザエさん昭和ファッションノート」(990円)
喫茶室のおしながきはコーヒーや紅茶をはじめ、町子さんが執筆中に飲んでいたほうじ茶やほぼ毎日、欠かさずハーフカットのパパイヤを食べていたエピソードを元に用意したドライパパイヤなど、8種類のドリンクとお茶うけをラインナップ。コーヒーカップは100個用意されており、ひとつひとつ違う100種類の絵柄がデザインされています。 注文したら「サザエさん」の登場人物の名前が記されたカードが手渡され、商品が準備できたら「波平さ~ん」「マスオさ~ん」というように、名前で呼ばれるのも楽しいですね。
ドリンクのテイクアウトもOK
桜新町の商店街のお店では、「サザエさん」をモチーフにした商店街限定グッズや焼き菓子などのスイーツを買うこともできます。街をめぐって「サザエさん」探しをしてみるのもおすすめです。
文:田賀井リエ 撮影:古本麻由未