提供:ことりっぷ
京都に17ある世界遺産のひとつ、上賀茂神社。カミナリをも別けるほど強大なパワーを持つ神様「賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)」をお祀りしていることから、正式には、賀茂別雷神社といいます。厄除、方除、開運、雷除、災難除、必勝の神様として古くから信仰され、平安時代には『源氏物語』の作者、紫式部も参拝に訪れたという由緒あるお社です。心を込めてお参りし、かわいいお守りやおみくじを授かって、新しい一年の幸せを願いましょう。
賀茂川のほとりにたたずむ世界遺産
鳥居をくぐるときは、一礼をし、神様の通り道となる真ん中は避けて
京都駅からのアクセスは、乗り換えなしなら市バス4系統で約50分、上賀茂神社前のバス停からすぐ。時短なら、地下鉄で北山駅まで行って市バスに乗り換えるという手段もあります。気候がよければ、北山駅から自然豊かな賀茂川のほとりを30分ほどゆるりと歩いて向かうのもおすすめです。
一ノ鳥居から先は神域に入りますが、参道の両脇には青々とした芝生が広がり、のどかな雰囲気に包まれています。二ノ鳥居の手前の小屋は、神様のお使いの神馬「神山号」のための神馬舎。毎週日曜と祝日、祭典日の9時半から15時頃まで参拝者を迎えてくれます。
境内を流れる小川の一帯では、毎月第4日曜、上賀茂手づくり市が開かれる
二ノ鳥居をくぐって神聖な本殿へ
一対は陽と陰を表しているのだそう
ニノ鳥居をくぐった先、細殿(重要文化財)前の一対の円錐形の立砂(盛砂)は、上賀茂神社のご祭神が降臨したと伝わる神山(こうやま)を表しています。神山は実在する山で、本殿から北北西方面に2kmほどの場所にそびえる円錐形の山です。
境内にはいくつもの小さな橋がある。こちらは玉橋
手水舎で手と心を清めたら、せせらぎに架かる小橋を渡ります。古来、川は穢れを流すという意味をもち、川を渡ることでさらに心身が清められるといわれています。
手水舎では、かわいいおみくじがお出迎え 本殿への参道の途中、石段の上に立つ小さな社は癒しの神様・須波神社
紫式部もお参りした「片岡社」
本殿に参拝する前には必ず片岡社でもご挨拶を
楼門前の「片岡社」こと片山御子(かたやまみこ)神社は、上賀茂神社の境内に24ある摂社・末社のなかで第一の神社。上賀茂神社のご祭神である賀茂別雷大神のお母様・賀茂玉依比売命(かもたまよりひめのみこと)を祀ります。賀茂玉依比売命は、平安時代から縁結び、恋愛、家内安全、子孫繁栄、安産の神として信仰を集め、『源氏物語』の作者・紫式部もお参りに訪れたことが、『新古今和歌集』に綴られた和歌からもうかがえます。
ー ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに 立ちやぬれまし ー
「ホトトギス(未来の旦那様)の声を待っている間は、この片岡の社の梢の下に立って、朝露の雫に濡れていましょう」という意味なのだそうです。
十二単姿の姫君を描いた「片岡絵馬」初穂料500円 片岡社や境内の随所で神紋の二葉葵の意匠が見られる 壮麗な楼門をくぐった先にご祭神を祀る本殿がある
楼門をくぐった先の中門が、ご祭神に手を合わせる場所。中門の奥に並び建つ二棟の社殿の、東が本殿、西が権殿で、いずれも国宝に指定されています。年末年始と葵祭の期間以外は、時間内に受付をすれば、神職の方が普段入ることのできない神域を案内してくれる「特別参拝」(500円)も用意されています。
バラエティ豊かなお守り&おみくじ
全3色がそろう「身まもり」各1000円
神紋の二葉葵にちなんでハートのかたちをした身体健全の「身まもり」や、香りがする幸運のお守り「あふひ香守」、縁結び守など、いつもそばに持っておきたくなるかわいいお守りもたくさん。
また、ご祭神の祖父神が八咫烏(やたがらす)の姿となって神武天皇を導いた逸話にちなみ、導きの神として信仰されていることから、黒色の八咫烏をモチーフにした授与品も。何かをはじめたり、はじめようとしている人、導いてほしい人におすすめです。
京野菜・賀茂なすがこの地域の特産品であることにちなんだ「賀茂なすおみくじ」、「八咫烏みくじ」各500円 競馬発祥の地であり、馬とゆかりが深いことにちなむ「馬みくじ」各500円 葵祭にちなむ絵馬や雷の矢絵馬など、絵馬の種類が豊富
参拝後は、コーヒーでホッとひと息
「神山湧水珈琲 煎」は境内西側にある。営業時間は10:00~16:00
コーヒースタンド「神山湧水珈琲 煎」でちょっとひと息。神山から湧き出るまろやかな神山湧水(こうやまゆうすい)を使用、注文ごとに豆を挽いて丁寧に抽出された香り高いコーヒーが味わえます。ほかに、神山湧水で淹れるグリーンティーや棒ほうじ茶、門前名物のやきもちも。
「神山湧水珈琲」(hot・ice)各500円
境内を流れるせせらぎの音に癒されながら、由緒あるお社でお参りすれば、すがすがしく、晴れやかな気分に。素敵な一年になりますように!
文:佐藤理菜子 撮影:マツダナオキ