提供:ことりっぷ
神戸市内に7店舗展開する、神戸住民ご用達の「神戸にしむら珈琲店」。なかでもJR三ノ宮駅から神戸の観光名所・異人館街をつなぐ北野坂にある「北野坂 にしむら珈琲店」は、元は会員制の喫茶店だった場所。かつては財界人、画家、作家などの文化人からプロスポーツ選手、芸能人まで、著名人が集ったといい、店内は海外から取り寄せた高級な調度品にあふれています。喫茶店というよりは、上質なホテルのラウンジのような優雅な時間を過ごせます。
北野坂でひときわ存在感が光る英国風の洋館
戦後まもなく創業した「神戸にしむら珈琲店」。1974年に日本初といわれた会員制の喫茶店として、この北野坂店をオープンし、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに一般に開放されるようになりました。
蔦の絡まる赤煉瓦の建築は、オーナー川瀬喜代子さんが戦時を過ごした上海の英国風洋館をモチーフにしたもの。門構えから店内へと続くアプローチ、店の入口と、すべてに古き良き趣があり、異国に迷い込んだような気持ちになれます。
店内は贅を極めた洋館の応接間のようなインテリア
絵画が飾られた絨毯敷きの店内は、応接間をイメージ。家具はフランスやドイツで買い付けたもので、テーブルや布張りの椅子はていねいにメンテナンスしながら、オープン当初と同じものを使い続けています。
元会員制ということもあり、店内には海外から集めた重厚な調度品を揃えています。ドイツ製の手回しのオルゴールは、かつてはジュークボックスとして使われていたもの。お客が選んだ曲がBGMとして流れていたといいます。
女性を描いた美しいステンドグラスは、使わなくなった暖炉の前に。季節に合わせて模様替えするそうで、年始には正月飾りを飾るなど和洋折衷なインテリアが独特の雰囲気を演出しています。
正統派なルックスの秋冬限定モンブラン
ケーキはこちらの系列のパティスリー「セセシオン」のもの。今の季節、1番人気は秋冬限定のモンブランです。メレンゲ菓子の上に和栗のクリームを絞り、栗のコンポートをのせたシンプルな構成。生クリームや洋酒を使っていないので、上質な和栗の風味がしっかり感じられます。
自家焙煎のコーヒーは、ブレンド、ストレートあわせて約10種。コーヒーを淹れるときに使うのは、毎朝、兵庫県西宮市にある井戸からくみ上げた宮水です。西宮は日本でも有数の酒どころ。日本酒づくりに使われる天然水で淹れたコーヒーはとてもまろやかになるそうです。
北野坂店でしか飲めないコーヒーが「カフェ ロワイヤル」1200円。スプーンに角砂糖をのせてブランデーを染み込ませ火をつけて砂糖が溶けたらコーヒーの中に入れて飲むという演出に驚きます。青い炎とブランデーの香りを楽しんでください。
自家製のふわふわ食パンでつくる華やかなフルーツサンド
軽食メニューで人気が高いのが「フルーツサンドウィッチ」。系列のベーカリーカフェ「ブロードバール セセシオン」から届くしっとり系の食パンで旬のフルーツとホイップクリームをサンドしています。
生クリームは動物性の乳脂肪48%のものを使用。しっかり濃厚で、たっぷりサンドしたフルーツとのバランスが絶妙。冬になれば「苺のサンドウィッチ」1350円が登場し、こちらも人気です。
コーヒーゼリーは、食べたとき、コーヒーのコクが際立つように専用のブレンド豆を用意。パフェ仕立てにしたものは、季節のフルーツをたっぷり盛り付けているため、とても贅沢な気分になれます。
メニュー表にあえて写真を載せていないため、テーブルに出されたときに驚くお客さんが多いんだとか。ちょっとしたサプライズ感がうれしいですね。
ランチは2階にある「シェ・ラ・メールにしむら」で
食事は2階にあるレストラン「シェ・ラ・メールにしむら」へ。フレンチを軸とした創作料理で、四季折々の素材を盛り込んでいます。
コースはAコース3300円~。グラタンにパン、サラダ、デザート、コーヒーor紅茶が付いた「北野坂グラタンセット」2300円、好きなメニューを自由に選んで組み合わせされるアラカルトもあります。
テーブルクロスがひかれたテーブルでナイフとフォークでいただくランチコースは、特別感たっぷり。喫茶店の2階なら比較的気軽に訪れやすいので、レストランデビューしたい人にぴったりです。
ドリップコーヒーやキャンディをお土産に
レジ横ではドリップパックやオリジナルのキャンディ、中山手本店の外観をモチーフにした手ぬぐいなどを販売。神戸の喫茶店を象徴する「神戸にしむら珈琲店」のアイテムなら、神戸みやげとしても喜ばれそうです。
北野坂店から南西へ徒歩3分の場所には、中山手本店があります。木組み様式の北ドイツ風の5階建てのビルで、街のラウンドマークにもなっているので、近くに立ち寄った際はチェックしてみてくださいね。