ゆるやかに続く道。木々の間をすり抜ける。
落合の石畳
かつての旅人を思いながら歩く
車で向かっていくと、つい見逃してしまうような森の中。
落合の石畳のはじまりは、決してわかりやすくはありません。
しかしひとたび足を踏み入れてみると、
深い森に覆われた石畳の道はとても風情があります。
上を見上げれば深い森に覆われ、足元は苔むした石。
決して明るくはありませんが、
時折、葉の間から差し込んでくる日光は、
とても神々しく感じます。
道に光が落ちると幻想的な風景が現れる。
遊歩道として整備されていますが、
起伏もあって、少々骨のある道です。
なぜならここは、中山道の一部なのです。
信濃国から美濃国へ入る、最初の宿場町が落合宿です。
新茶屋から落合宿までは約2,475メートル。
そのなかで石畳区間は、約840メートルを誇ります。
実はかつてのものが一部は保存されていましたが、
残りは復元されたものです。
しかし、どこがつなぎ目かわからないくらい、
きれいに整えられています。
時折現れる苔むした道もまた、美しい。
落合宿から馬籠宿までの中山道散策コースは、
美濃から木曽を向かうコースでもあります。
約1時間程度で歩けるので、
人気ハイキングコースになっています。
その途中に、落合の石畳が含まれます。
苔むした石の道は、かつて多くの旅人が歩いた足跡を
刻み込んでいることでしょう。
途中、島崎藤村の筆跡で書かれた
「是より北木曽路」の碑を越えれば、
また違う道/世界が始まります。
落合の石畳
岐阜県中津川市落合
中央自動車道中津川ICから車で15分程度