至る処に温泉地が点在する広大な東北エリア。日本の原風景や冬の雪景色など東北ならではの景観が魅力的です。絶景を独り占めしたり、自然の恵み豊かな宿グルメを堪能したり、贅沢なプライベートタイムを過ごせる露天風呂付き客室のある温泉宿を旅行作家の野添ちかこさんにご紹介いただきました。
野添ちかこさん「露天風呂付き客室がある東北の温泉宿」 ステイリスト
水郷の原風景が広がる山形県南陽エリアに建つ和モダン旅館「山形座 瀧波(たきなみ)」。米沢上杉藩時代の屋敷を移築復元した築350年の母屋を持つ、歴史を感じる湯宿です。
蔵をリノベーションした部屋や手斧梁が印象的な部屋、山形にゆかりある芸術作品を配した部屋、木造小学校の趣を残した部屋など、客室は趣の異なる全19室。全室に源泉掛け流しの露天風呂が付いていて、開湯920余年の効能豊かな赤湯温泉を心ゆくまで堪能できるほか、大浴場にて蔵王石の大岩風呂や檜風呂が楽しめます。
食事は、料理長自ら摘み取る置賜(おきたま)地方のご馳走山菜、庄内浜の新鮮魚介、山形の厳選米などをオープンキッチンで。日々献立の変わるメニューを一期一会でいただけます。
ハイグレードで洗練された温泉旅館で全室に露天風呂を完備。しかも生まれたての源泉を空気に触れさせずに注ぐというこだわりよう。微かに硫黄の香り漂う無色透明な湯は細胞にまで染み渡るやさしくかつパワフルなお湯です。地元の有機野菜や無農薬野菜、山菜などのおいしさを生かした夕食では、オープンキッチンのダイニングで舞台を見ているような楽しさも同時に味わえます。
明治元年創業の老舗旅館「肘折温泉 丸屋」。限定7室と、まるで大人の隠れ家のような湯宿でプライベートな時間を過ごせます。
2つの源泉から引湯したナトリウム塩化物炭酸水素塩泉を青森檜や金山杉の内湯で堪能でき、露天風呂と露天風呂付き客室の檜葉箱湯では源泉100%掛け流しの湯を楽しめます。日本家屋の面影を残す客室は、わら聚楽や漆喰壁が取り入れられ、木は金山杉や檜葉、欅などを使用。天然のわら床の畳に癒される空間で日常を忘れてリラックスを。
食事は、その日採れたての山菜や新鮮野菜、山形牛や川魚など旬の味覚を専用個室でゆっくりいただけます。
レトロモダンで、落ち着く空間。全7室のうち、露天風呂を備えているのは「月山」。青森檜の箱湯に100%かけ流しの温泉が注がれています。シャンプーなども自然素材、料理には契約農家が育てた有機無農薬野菜などを使うなどこだわっているのに、最上級の客室でも2万円台と利用しやすい料金帯なのもうれしい。
蔵王国定公園内にある「竹泉荘 CHIKUSENSO ONSEN」は、美しい森が広がる大自然の中で寛げるリゾートホテル。上質なインテリアを設え、アート作品を随所に取り入れたラグジュアリーな空間が広がります。
湯量豊富な遠刈田温泉を源泉掛け流しで堪能でき、男女別の露天風呂や大浴場、無料貸切露天風呂など、館内全ての温泉施設に引湯。専用露天風呂付きのスイートルームもあり、離れのような造りでプライベート感たっぷり。記念日などの宿泊におすすめです。
夕食は宮城県内最上級ランクの仙台牛を使った肉料理をメインにした懐石料理。素材にこだわった、ボリュームたっぷりの旬の味を楽しめます。ホスピタリティに溢れた接客が好評で、ワンランク上の滞在が叶います。
2万坪の広い敷地を持つラグジュアリーな温泉リゾートで、ゆっくり過ごすのにぴったり。バーでは、仙台の名門ホテル出身のベテランバーテンダーさんが至極のカクテルをつくってくれます。
緑豊かな景勝地・奥入瀬渓流の岬に佇む「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。渓流と苔むす岩が織りなす自然美や名瀑を眺める露天風呂にて、季節の表情を楽しみながらの入浴を。
部屋のタイプは渓流を間近に感じられる部屋や和室、モダンルーム、プライベートテラス付きのペットルームなどさまざまに用意。露天風呂付き客室では、渓流と四季折々の自然を望む大パノラマの中で湯浴みを楽しめます。せせらぎをBGMに安らぎの時を過ごしてみては。
食事は青森りんごを味わうビュッフェ、小鳥のさえずりが聞こえる渓流テラス朝食がいただけます。食後は、朝の渓流散策がおすすめ。
※新型コロナウイルスの影響により、ビュッフェレストランは一時的に営業を中止しております。
岡本太郎の遺作『森の神話』が暖炉に使われたラウンジは、外の景色ともうまく調和していて、和める空間です。このホテルは「苔ガールステイ」や「氷瀑ツアー」など四季を通じてさまざまな自然体験プランが用意されているのが売り。「露天風呂テラス付き」の客室を選べば、大きな窓から緑を眺めながらの湯浴みができて、気持ちいいですよ。
山形県は蔵王連峰を見渡す緑豊かな葉山高台に建つ「かみのやま温泉 日本の宿 古窯(こよう)」。三大美人泉質として知られるナトリウム、カルシウム、塩化物、硫酸塩温泉と、天然の化粧水として話題のメタケイ酸を多く含有した湯で美肌の入浴を。展望大浴場、樽露天風呂、古窯の貸切露天風呂などで浸かれます。
客室露天風呂は9部屋あり間取りはもちろん佇まいもさまざま。半月形の檜風呂や岩露天風呂、楕円形の茶寮露天風呂などが用意され、葉山を眺めながらの入浴や、和の情緒あふれる茶寮にて寛ぎの入浴を楽しめます。
食事は、独自ルートで仕入れたこだわりの米沢牛や山形牛、10年の歳月をかけて開発した山形県米に舌鼓を。朝食ビュッフェでは契約農家の朝採れ野菜が人気です。
1300年の歴史を誇るこの宿は、敷地内から発掘された奈良時代の窯跡がその名の由来。「楽焼回廊」にはこれまで訪れた著名人の描いた楽焼が並んでいて、宿の歴史を垣間見ることができます。100%かけ流しの露天風呂がついた客室は9室あり、湯船の形状は檜風呂、石風呂、一枚岩を掘り下げた丸い岩風呂などさまざま。大浴場に行かなくても温泉に浸かることができます。
野添 ちかこ(のぞえ ちかこ)さん
旅行作家、温泉ナビゲーター。神奈川県出身。旅行・観光の業界新聞記者を経て、2006年フリーランスに。Web、雑誌、書籍などの企画・編集・執筆に携わりながら、日本各地の温泉と宿の隠れた魅力や面白い情報を独自の目線で分かりやすく伝えている。