「海外に行かずとも別世界に来たようなステイがしたい」という方におすすめなのが、東京駅に隣接する「シャングリ・ラ 東京」。
東京の中心に位置しながらも、そこはアジアンリゾートを思わせるような静粛でラグジュアリーな世界。抜群の眺望と、思わず釘づけになるアートやインテリア、最高級の美食と5つ星ホテルならではのおもてなしが待っています。東京駅隣接で叶う、桃源郷(シャングリ・ラ)での極上ステイをたっぷりとお届けします。
※レストランなどの営業時間は、新型ウイルス感染拡大予防のため変更となる可能性があります。ご確認の上ご利用ください。
東京駅隣接ならではの心強いおもてなしで、旅はスタート
「シャングリ・ラ 東京」は、東京駅に隣接する複合ビル「丸の内トラストタワー本館」の上階に位置します。
東京駅の日本橋口を出たら、駅を背に右へ。するとすぐに、エントランスが見えてきます。専用のエレベーターで、ホテルがある上階へ。
東京駅隣接だからこそ! の特徴的なおもてなしも。そのひとつが、ベルスタッフが東京駅のホームまでお迎えに来てくれる「ミート&グリートサービス」。
東京駅は、慣れていない人はもちろんですが、東京で暮らしていても駅構内で迷ってしまうことは少なくありません。ホテルまで案内してくれるうえ、重い荷物も預かって運んでくれるので、スムーズな移動ができます。
いざ、桃源郷へ。館内を彩る数々のアートやシャンデリアにも注目
「シャングリ・ラ 東京」は、香港を拠点とする高級ホテルグループ「シャングリ・ラ ホテル&リゾーツ」の日本初進出ホテルとして2009年にオープンしました。
ホテル名は、1933年に発表された、ジェームズ・ヒルトンによる小説『Lost Horizon(邦題:失われた地平線)』に由来するもの。舞台となった地上の楽園こそが、桃源郷と謳われる「シャングリ・ラ」です。中国の奥地にあり、平穏と温かなおもてなしにあふれたこの伝説の地を再現する。その想いこそが、ホテルの原点です。
エントランスの大きなアートがイメージしているのは、外界と桃源郷の境界にある山の中のオアシス。この絵、つまりエントランスの扉の向こうは、もう桃源郷(シャングリ・ラ)というわけです。
一歩足を踏み入れると、そこはもう別世界。都会の喧騒を一瞬にして忘れるような、静粛で優美な空気感と、アジアンリゾートを思わせる甘美で華やかな香りに包まれます。消毒と検温は、こちらでしっかり行います。
カウンターに飾られた大きなアートにも目を奪われますが、実はこのアート、約800枚もの薄い「卵殻手(らんかくで)」という磁器のタイルから成るもの。清王朝時代の山々の風景が描かれた磁器が並べられていて、近くで見るとその繊細さに驚かされます。
館内には共有スペース・客室などいたるところに、2,000以上のアートがあるそう。28階ロビーの壁面を彩るのは、モクレンの森をイメージした刺繍アート。中国・蘇州に古くから伝わる伝統的な刺繍技術を持つ女性たちによって描かれたもので、気品漂う色づかいや、凛とした美しさに思わず釘付けに。
こちらも、28階。中国で受け継がれる漆塗りに金箔を施した中国絵画の傑作「清明上河圖(せいめいじょうがず)」のレプリカ、中国若手女性アーティストが春夏秋冬を表した油絵など、時代を問わない名作が並びます。
そして、館内でひときわ異彩を放っているのが、27~29階をつなぐ大階段の天井からつられたシャンデリアです。
月に照らされた天上の雲から、ゆっくり降り注ぐ雨粒を表現しているというこのシャンデリアの長さはなんと、約10メートル。その迫力、華やぎ、煌めきは圧巻です!
「ホテルDNAのひとつ」とも言われるシャンデリアは、館内に50以上。すべてチェコ製で、最高級レベルのクリスタルガラスが使われています。
ホライゾンクラブフロアで、チェックイン。名物メロンジュースも堪能
今回宿泊したのは、最上階に位置する「ホライゾンクラブフロア」客室。特別なクラブフロアに宿泊すれば、同階にある「ホライゾンクラブラウンジ」でチェックインが可能です。
ホライゾンクラブフロアまたは、スイートルームの宿泊者のみが利用できるラウンジ。ゆったり落ち着いた特別なフロアからのスタートに、高揚感も高まります。
チェックイン時には、リフレッシュメントのドリンクを(リフレッシュメント10:30~20:00)。
アルコール・ノンアルコールがそろったメニューの中で、1番人気はメロンジュース。目当てに訪れる方もいるというほどの代名詞的存在です。濃厚なメロンジュースが運ばれてくると、テーブルはフレッシュな香りに。ごくごくと飲み干してしまう上品な甘さで、はまるのも納得です。
見た目も豪華! 上質な紅茶とともに季節のアフタヌーンティーを
チェックインしたあとは、アフタヌーンティーをいただくために28階の「ザ・ロビーラウンジ」へ。広々としたエレガントな空間で、ゆったりくつろげるソファー席も多く用意されています。
ラウンジでも目を奪うのは、豪華なシャンデリアです。
一つひとつのピースは、東京都のシンボルでもあるイチョウの葉がモチーフ。約890ものクリスタルガラスのイチョウの葉が、空間を豪華に演出します。
大きな窓の下には、東京駅の丸の内駅前広場。レトロな駅舎、行き交う電車が、まるでジオラマのようです。
いただいたのは、季節限定のアフタヌーンティー。春の「桜アフタヌーンティー」は、上段に老舗和菓子店「喜田家(きたや)六人衆」とコラボレーションした桜色の上生菓子やオペラケーキなどのスイーツ5種。中段は、スモークサーモンの手毬寿司といったセイボリー、下段には3種類のスコーンが並びます。
紅茶も、もちろんこだわりです。ロサンゼルス発のオーガニックティー「アートオブティー」のもので、メニューと相性のいい茶葉がこの日は13種類ラインナップ。まずは、花のような香り漂う「オリジナルヒマラヤン ブレンド」を。ほかにも、「チョコレート モンキー」、「ガーデン オブ エデン」など珍しい茶葉も堪能しました。
桜アフタヌーンティーは春限定(~2021年4月30日まで)。訪れる度に、季節ごとのメニューを楽しむことができます。
ザ・ロビーラウンジ アフタヌーンティー
- 営業時間
- 平日:14:30~17:30
週末・祝日:13:00~15:00、15:30~17:30 - 料金
- 桜アフタヌーンティー 6,050円(サービス料15%別)
お土産にもおすすめなのが、アフタヌーンティーのテイクアウトメニュー。美しいセッティングが施され、自宅でも贅沢な気分が味わえます。
テイクアウトアフタヌーンティー
- 場所
- 1階「ザ・ブティック by シャングリ・ラ」
- 受取時間
- 11:30、12:00、12:30(3日前までに要予約)
※桜アフタヌーンティーの予約は、2021年4月27日まで - 料金
- 2人前 17,280円
客室はゆったりとした造り。大きな窓からは、東京の景色を一望
今回宿泊したのは、36階の「ホライゾンクラブプレミアルーム」。約68平米の広さがあり、窓際にはゆったりとしたソファーも。館内には200の客室がありますが、どの部屋も50平米以上のゆったりとした造りになっています。
大きな窓の向こうには、高層ビルや東京の街並みが広がるほか、ダイナミックにそびえ立つスカイツリーもよく見えます。部屋によっては、皇居側の眺望も楽しめます。
「ウェルカムアメニティ」には、麻布十番の人気店「あげもち屋」とコラボレーションしたあげ餅を用意。
誕生日や結婚記念日には、別料金で特別なアメニティをお願いすることも可能なので、ケーキやシャンパン、お花などを注文する人も多いようです。
石張りで高級感ある、洗面ルーム。洗面台も広々とした造りになっています。右側の壁には、埋め込み型のテレビも設置されています。
天井までガラス張りのビューバス。夜になれば、昼間とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しむことができます。バスタブトレーもセットされているので、飲み物や本などを置いて、ゆっくりくつろぐのも特別な時間です。
ホライゾンクラブフロアはモルトンブラウン、そのほかの客室にはロクシタンのアメニティを用意。バスピローやバスソルトなどもそろっています。高級ドライヤー「REPRONIZER(レプロナイザー)」も完備。
特徴的な客室サービスのひとつが、靴磨き。英国の紳士靴ブランド「ジョンロブ」のトレーニングを受けたスタッフが、シューケアをしてくれます。夜間に預けておけば、翌朝には美しく磨き上がってきます。
ジャケットをさっとかけられるラックには、時計やアクセサリーを置くことができる小さなトレーも。こんな使い勝手の良さにも、ホスピタリティが表れていました。
部屋には浴衣、パジャマ、ガウン、ヨガマットも用意されています。スリッパはふかふかで、履き心地抜群!
最上階37階の特別な空間で、カクテルタイム
夕食の前には、ホライゾンクラブでカクテルタイムを(17:30〜20:00)。シャンパン、ワイン、ウイスキー、日本酒、カクテルなど充実したライナップの中から、自由にオーダーすることができます。
いただいたのは、白ワインをベースにしたオリジナルカクテル「東京ホライゾン」。徐々に日が落ちていく窓越しの景色と相まって、幻想的な雰囲気に。
フードも大充実。ミニコース仕立てになっていて、前菜、スープ、メインのお魚やお肉料理、デザートまで。季節の食材を生かした、見た目も華やかな料理がテーブルを彩ります。
ラウンジの奥にはフードが並べられています。ここでシェフが盛りつけた料理をスタッフが各テーブルまで運んでくれます。
メニューは、新型コロナウイルス感染対策の一環で非接触型に。QRコードを読み取り、各々のスマートフォンでデジタルメニューを参照するシステムになっています。
夜景とシャンデリアが織り成す空間で、素材にこだわったイタリアンに舌鼓
お待ちかねのディナータイムは、28階にあるイタリアンレストラン「ピャチェーレ」で。2フロア分吹き抜けの天井から下がるベネチアングラスのシャンデリア、キャンドルの光、窓の外に広がる高層ビルの夜景が織り成すドラマティックな空間に、心も高鳴ります。
料理長の古屋豊樹さんは、フランス料理のキャリアも持つシェフ。フレンチのエッセンスも取り入れた見た目も美しいイタリア料理で、多くの人を魅了しています。
季節の旬が味わえるコース料理がスタート。前菜は、カンパチのカルパッチョ、あん肝のムースなどがひとつのプレートに。完熟トマトのソース、ミカンのパウダーが爽やかに香ります。
こちらも前菜の一品。赤ワインでコーティングしたフォアグラのテリーヌを、甘酸っぱいリンゴのマリネとともにいただきます。チョコレートアーモンドがアクセントを加え、食感も楽しめます。
魚介の旨味が凝縮したリゾットやパスタを経て、この日のメインはラム肉のロースト。真空低温で時間をかけて調理された北海道産仔羊は、驚くほどのやわらかさ! ミックスビーンズや、ホワイトアスパラ、姫タケノコ、そしてグリーンのソースが春の息吹を感じさせる一皿です。
デザートには、北海道「タカラ農場」の、スプーンですくえるほどやわらかいチーズと、青梅の契約農家のハチミツを使ったアイスクリームの盛り合わせ。
生産者とのつながりや、食材ができる過程も大事にしているという古屋シェフ。チーズ工房に見学に行ったり、生産者の畑に出向いたりすることもあるそうで、しっかりとそのこだわりを感じられました。
ピャチェーレ
- 時間(ディナー)
- 17:00~20:00(LO19:00)
- 料金
- コース14,300円~(サービス料15%別)
※アラカルトメニューも用意
29階には日本を代表する老舗料亭「なだ万」も。
本格的な懐石はもちろん、日本近海の新鮮な魚介を使った江戸前寿司、シェフのパフォーマンスも楽しめる鉄板焼きなど、バラエティにあふれる和食の数々。アーティスティックでモダンなインテリアも印象的な店内には、眺めのいいダイニングエリア、寿司カウンターほか個室も用意されています。
なだ万
- 時間(ディナー)
- 17:00~20:00(LO19:00)
- 料金
- コース14,850円~(サービス料15%別)
※アラカルトメニューも用意
丸の内の夜景とともに、オリジナルカクテルを
ディナーのあとに立ち寄った「ザ・ロビーラウンジ」は、昼間とはうって変わって、落ち着いた雰囲気に。丸の内のビル群を眺められる窓際の席で、カクテルをいただきました。
シグネチャーカクテル「シャングリ・ラ マティーニ」(2,750円)は、日本酒の原料・アベリアの花の酵母がフルーティな味わいを醸し出します。「ブリティッシュ ネグローニ」(2,200円)は、上品なアールグレイが香るリッチな味わい。特別な日をさらに特別に演出してくれます。
※料金はいずれも、サービス料15%別
ザ・ロビーラウンジ バータイム
- 時間
- 17:30~20:00(LO19:00)
無料で利用できるアクティビティも充実! 皇居周辺のサイクリングも体験
宿泊者には、BMWの自転車を無料で貸し出してくれるサービスも。そこで、翌日は朝から自転車を借り、近隣をめぐることにしました。
ホテルの近くには、皇居や東京駅などビュースポットもたくさん。普段見慣れている場所でもすぐそばを自転車で走る機会はなかなかないので、新鮮な体験です。
BMWの自転車は、安定感があって乗り心地も抜群。爽やかな風を感じながら、どこまでもスイスイと進んでいきたくなります。
29階にあるフィットネスクラブも、宿泊者なら無料で利用可能です。トレーニングウェア、シューズも無料で貸し出してくれるので、手ぶらでOK。旅の荷物を増やす心配がないところも、うれしいポイントです(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、水着貸出しは中止しています)。
20メートルの温水プールには、自然光がたっぷり差し込む大きな窓。皇居を目の前にしたパノラマビューが楽しめます。晴れた日には、富士山も望めます。
プール
- 時間
- 6:30~20:00 ※利用は事前に予約が必要
ジムや泡風呂、サウナも無料で利用可能。世界最高峰のマシンを完備したトレーニングルームで、美しい景色を眺めながら汗を流すことができます。
フィットネス センター
- 時間
- 6:30~20:00
「桃源郷」をイメージしたスパで、極上のリラクゼーション体験も
ジムの隣にあるのは、シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツのオリジナルブランド「CHIスパ」。ここをお目当てに訪れるリピーターの方も少なくないそうです。
桃源郷をイメージした施設内は、静粛な空気と包み込むような心地よい香りが漂い、思わず息をのむよう。「氣」の流れを整えるセラピーである、シグネチャーメニュー「CHIバランス」をはじめ、トリートメントは約30種類がそろいます。
CHIスパ
- 時間
- 12:00~20:00
- 料金
- CHIバランス 22,500円(60分)など
遅めの「ブランチ」で贅沢なパワーチャージ
たっぷり体をリフレッシュさせたら、遅めの「ブランチ」を。ディナーをいただいた「ピャチェーレ」で、シェフお任せの前菜盛り合わせ、選べるメインなど全4品のショートコースをいただけば、朝から贅沢気分に浸れます。
メインのひとつ「骨付き仔羊の香草塩包み焼き」は、2名分からオーダー可能。見た目のインパクトと確かな味わいが人気を集めます。
ピャチェーレ ブランチ
- 時間
- 完全2部制 第1部11:00~、第2部13:00~
※当面の間、土曜日のみ営業 - 料金
- 7,480円(サービス料15%別)
全世界の「シャングリ・ラ」を彩る特別な香りをお土産に
2日間滞在すると、すっかり館内の香りの虜に。この香りが忘れられないという方は多く、1階ブティックやオンラインストアで販売されている「シャングリ・ラ エッセンス」シリーズのディフューザーやアロマキャンドル、ルームスプレーは人気なのだとか。
バニラ、白檀(ビャクダン)、ムスクをベースにしたアジアンリゾートを思わせるこの香りは、全世界のシャングリ・ラ ホテル館内で使われている特別な香り。持ち帰れば、自宅でも旅の続きを楽しめます。
ザ・ブティック by シャングリ・ラ
- 時間
- 11:30~18:30
すっかり東京の中心にいたことを忘れてしまう、至極の1泊2日ステイ。たくさんのアートや豪華なシャンデリア、そして、極上の眺望。美食も心ゆくまで堪能し、まさに地上の天国「桃源郷」にいるかのような気分に。東京駅から瞬時にたどり着ける別世界を訪れてみませんか?
シャングリ・ラ 東京
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
- アクセス
- JR「東京」駅 日本橋口より徒歩約1分、八重洲北口より徒歩約2分
- 客室数
- 200室
- 駐車場
- 58台、1泊3,000円~、先着順
写真/田辺エリ 取材・文/柿沼曜子