三重県志摩市の賢島(かしこじま)。英虞湾(あごわん)を望む場所に建つ「汀渚(ていしょ) ばさら邸」は全室露天風呂付きで、本館のほかに独立した別邸もあり、上質なおこもり旅を可能にしてくれます。英虞湾をクルージングしたり、スパでエステを満喫したり、伊勢志摩の海の幸に舌鼓を打ったり、大切な人と特別な時間を過ごせること間違いなし。隠れ家のような雰囲気の中で非日常な体験がしたい…そんな人におすすめしたい「ばさら邸」1泊2日の旅をご紹介します。
優雅な時間を過ごせるラグジュアリーな宿へ
ゆったり落ち着ける大人のための宿「汀渚 ばさら邸」への旅の始まりは、近鉄志摩線の賢島駅から。駅の外に出ると、送迎車のベントレーがお出迎え。ラグジュアリーな車に乗って宿まで向かいます。
「ばさら邸」は英虞湾を望む高台に建つ、敷地面積約5,000坪の隠れ家宿。全室露天風呂付で、独立した別邸「海里のはなれ」「漣のはなれ」を含め、20の客室からなる特別な空間です。静かで趣のある宿に入った瞬間から、上質な1日が始まります。
早速チェックイン。天気がいい日のロビーは窓が開放され、英虞湾から吹く風が通り抜けます。
チェックイン時はお茶でおもてなし。伊勢茶をはじめ、松阪産の茶葉を使った和紅茶など三重のお茶が季節ごとに供されます。お茶請けも伊勢の「神宮白石クッキー」など、地元の銘菓をいただくことができます。
小高い丘から英虞湾を望む別邸「海里のはなれ」
今回宿泊したのは、別邸「海里のはなれ」にある「月の冠(つきのかん)」というお部屋。
小高い丘の坂道に3つの特別室が並ぶ「海里のはなれ」には大きくて立派な門があり、そこをくぐればプライベート感満載な空間が広がっています。
「月の冠」に到着。木々に囲まれた2階建てのヴィラで、別邸唯一のメゾネットタイプです。
中に入ると、1階には12.5畳の和室リビングと間仕切りのできるツインベッドルームがあります。琉球畳の上に木を使ったインテリアが置かれ、とても落ち着いた雰囲気です。
階段を上がると2階にはキングサイズベッドルーム、奥には軽作業のできる書斎が併設されています。「月の冠」には大人4名まで宿泊が可能です。
圧巻なのは、2階にある露天風呂。高台に建っているため、窓をオープンにすると英虞湾が一望できる最高の眺望。1日中ここでお湯につかっていたくなります。
「ばさら邸」のお湯は、宿から約2km離れた私有地に湧き出た伊勢志摩賢島温泉を使用。ナトリウム・カルシウム・塩化物冷鉱泉で肌に優しく、保温・保湿効果も抜群です。「月の冠」はさらにシルキーバス使用となっており、マイナスイオンを帯びた超微細気泡が心地よい癒しをもたらしてくれます。
広いテラスもあり、のんびり日向ぼっこを楽しむことができます。テラス横にある東屋のような建物は、「海里のはなれ」のお部屋のみに設置されたプライベートヒーリングルーム。
プライベートヒーリングルームには岩盤浴に使われる石を使ったストーンカウチや、疲れを癒す水素吸入器などが設置されているため、究極のリラックスタイムを過ごすことができます。
「海里のはなれ」のお部屋は、コスメ類はナチュラル志向の女性に支持されているブランド「THREE」を、シャンプーやコンディショナーなどは日本発のスパブランド「ALL THAT SPA」が置かれているのもうれしいポイント。また、冷蔵庫のドリンクはクラフトビールから野菜ジュースまですべて無料です。
全室露天風呂付きの豪華な客室が多数
「ばさら邸」には、ほかにも魅力的な客室がそろっています。「海里のはなれ」には「月の冠」のほか、同じくヴィラタイプの「花の冠」「翔の冠」というお部屋があり、どちらも100平米を超える広さ。
さらに、2020年7月にオープンした別邸「漣(さざなみ)のはなれ」も特別感満載。眼前に英虞湾が広がり、まさにさざなみの音を聞きながら、ゆっくりと流れる優雅な時間を過ごすことができます。
「漣のはなれ」にもヴィラタイプのプレミアムスイートルーム「天月(あまつき)」と「星見(ほしみ)」があります。どちらも客室の大きな窓から英虞湾が眺められるのが大きな特徴で、客室にいながら自然の中に佇んでいるような感覚に。
「天月」には天窓が付いた露天風呂、「星見」には英虞湾と温泉が一体になったようなインフィニティバスも。
開業当初からある本館にもさまざまなタイプの客室がそろいます。こちらは「杜の棟(壱)」というお部屋で、ベッドが置かれた18畳の畳リビングのほか、外には専用テラスと庭があるのが特徴。広さは約100平米です。
炭酸風呂の内風呂に加え、庭に溶け込むような造りの露天風呂も設置されています。1つの部屋の中で2つのお風呂が堪能できるなんて贅沢ですね。
散策や英虞湾クルージングを楽しむ
お部屋で少し休憩したら、広い敷地内の散策に出かけます。約5,000坪の広い敷地を誇る「ばさら邸」には、見どころあふれる散策スポットがいっぱい。「海里のはなれ」へと続く道の途中にある「獏の庭(ばくのにわ)」は、時間に応じて変化する自然を見ることができます。
敷地内はとても広く、坂道もあるため、近くのスタッフに声をかければカートで目的地まで送ってくれます。
「漣のはなれ」近くの「叶庭(かのうてい)」に着くと、目の前には英虞湾の絶景が!
「叶庭」の先にある専用桟橋には、宿が所有するプライベートクルーザーが2隻停泊しており、クルージングツアーなどに参加できます。
ボートに乗って、英虞湾クルージングへ。英虞湾は内海なので波も穏やか。夫婦やカップルなどで貸し切り利用できるプライベートクルージングやサンセット・シャンパンクルージングなども楽しめます。
クルージングの後は、桟橋を眺めながら休憩できる「SAZANAMI LOUNGE」へ。英虞湾に向かって大きな窓が作られた空間は開放感抜群。
ラウンジに置かれたドリンクやお菓子は自由に食べることができるので、友だちとおしゃべりしたり、サンセットタイムに夕日を眺めたりするのにもぴったりです。
抜群のロケーションを誇る貸切露天風呂へ
クルージングで潮風に当たった後は、貸切露天風呂で体を温めます。「ばさら邸」は全部屋に露天風呂が付いていますが、そのほかにも3つの無料貸切露天風呂と1つの有料貸切露天風呂を備えています。
静けさや厳かさをイメージした無料貸切露天風呂「くゆりのびり」では、庭園を眺めながらシルキーバスを楽しむことができました。
食事までまだ時間があるので、同じく貸切無料の「天の鏡」へも。こちらは占有面積100平米という広さと、英虞湾を一望できるロケーションが大きな魅力。リビングのソファでくつろぎながら過ごす時間は至福です。
伊勢志摩の美味に酔いしれる夕食
お楽しみの夕食は、ダイニング「さかなへん」で。今回の旅で最も楽しみだったのが、こちらの食事です。志摩半島など地のものをふんだんに使ったメニューは、ここでしか食べられないものばかり。料理のファンになって足しげく通うファンもいるのだとか。
客室ごとに用意された個室で食事を楽しみます。
食前酒「伊勢の白酒(しろき)」で乾杯して、夕食がスタート。季節の前菜は栗あずきベースのスープ仕立てで、上品な味わいです。地魚が使われた季節の皿や芯から温まる蓮根仕立ての椀物、一つひとつが丁寧に仕上げられています。
見た目のインパクトに、思わず「うわー!」と声を上げてしまうのが、志摩沖でとれた伊勢海老とほら貝のお造り。1年を通して魚介類が豊富な志摩エリア。伊勢海老のぷりぷりとした食感は、漁港に近いこの場所だからこそいただける新鮮な味わいです。地元の人はよく食べるというほら貝の子どもも、コリコリ食感で絶品です。
そのほかにも魚介の刺身盛りや、目の前で伊勢志摩備長炭を使って焼くハモやアワビなど、志摩の海を感じられる海鮮がたくさん。そのおいしさに幸せをかみしめる時間が続きます。提供される魚介は季節によって変わり、毎年10月からは天然トラフグ「あのりふぐ」やカツオなどが提供されるそう。
三重の地酒の飲み比べも! スタッフに聞けば、料理に合うお酒をレコメンドしてくれます。
黒毛和牛のみすじとサーロインステーキは、備長炭で香ばしさをプラスしたバターソースがさらに食欲をそそります。
フィナーレを飾るのが、伊勢海老菊花しゃぶしゃぶです。菊花はデトックス効果もあり、よい出汁が出るとのことで食べてみたら伊勢海老とベストマッチ!
新しい発見もあり、伊勢志摩の食材の新鮮さと豊富さを実感する夕食でした。
貸切露天風呂とエステでさらに癒される
夕食の後は、有料貸切風呂の「湯舎 傘亭(ゆや かさてい)」へ。こちらは京都・東山の高台寺をイメージした露天風呂でサウナも付いており、さらにビールやワイン、ノンアルコールビールなどさまざまなドリンクが飲み放題。
そして、1日の締めくくりはスパ「ARANYA(アランヤ)」で。木々に囲まれた場所にある独立したスパ棟は、これまたプライベート感満載。アメリカのスパブランド「SUNDARI(スンダリ)」のアーユルヴェーダの原理に基づいた施術を受けることができます。
厳選された植物原料と良質なエッセンシャル オイルを使用したボディトリートメントのほか、アーユルヴェーダで最も人気の高い、額のポイントにオイルを垂らす「シロダーラ」も受けられます。
部屋のお風呂やラウンジでくつろぎ就寝
お部屋に戻ったら、またまたお風呂につかってのんびりするのもよし。
寝る前にもうちょっと飲みたいときは、宿泊者専用ラウンジ「時の家 aoi」でワインなどをいただけます。
露天風呂で体を目覚めさせて朝食へ
翌朝、体を目覚めさせるために貸切露天風呂の「月の宮」へ。貸切露天風呂は朝6時から使用可能です。
「月の宮」は伊勢神宮をイメージしたお風呂で、紀伊長島の木から出るお湯と湾曲した白壁、白い玉砂利が敷き詰められており、とても神秘的な空間でした。
朝食は和食か洋食のどちらかを選ぶことができます。どちらも朝食とは思えない豪華さです。
朝食にも地元三重県の素材が満載。洋食のオムレツは濃厚な伊勢地鶏の卵が使われています。
「ばさら邸」で使われるお米は、三重県多気郡明和町で栽培されている「ばさら米」。化学肥料や農薬を抑えたこだわりのお米で、噛むほどに甘みが広がります。「ばさら米」で作る鯛茶漬けも絶品でした。
旅の思い出にお土産を買ってチェックアウト
朝食を満喫したら、チェックアウトの時間に。名残惜しいですがロビーに併設されたお土産処で、旅の思い出の品を選びましょう。
伊勢志摩のお母さんたちが毎日手作りで焼いている「プレミアム焼き菓子」や、宿オリジナルの「福壺最中」などがおすすめです。
スタッフの方に丁寧にお見送りされて、ラグジュアリーな体験を満喫した1泊2日の旅を終えます。伊勢志摩の温暖な気候と宿の行き届いたおもてなしに癒された旅でした。
非日常の空間と特別な時間に浸る旅を、「汀渚 ばさら邸」で叶えてみてください。
汀渚 ばさら邸
- 住所
- 三重県志摩市阿児町鵜方3618-74
- アクセス
- 近鉄賢島駅より車で約5分(無料送迎あり)
- 客室数
- 20室
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
撮影/島田香 取材・文/各務ゆか
関連記事