麻布台ヒルズに移転した「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」で、幻想的な作品世界に溶け込もう

麻布台ヒルズに移転した「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」で、幻想的な作品世界に溶け込もう

提供:ことりっぷ

 

2022年に惜しまれつつも閉館したお台場の「チームラボボーダレス」が、新たな作品や日本未発表作品を従え、麻布台ヒルズに移転してオープン。新たに構築された境界のない世界をさまよい、鮮やかに光る作品に心ときめく時間を過ごしましょう。

 

神谷町駅の地下に直結するGARDEN PLAZAにある

神谷町駅の地下に直結するGARDEN PLAZAにある チームラボ《人間はカメラのように世界を見ていない》 エントランス「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」東京 麻布台ヒルズ © チームラボ

日比谷線の神谷町駅5番出口の地下に直結するGARDEN PLAZA。その駅前広場からセントラルウォークを抜けた先に、2024年2月9日にオープンした「チームラボボーダレス」のエントランスがあります。

このエントランスも作品のひとつ。浮いているように見える文字は、壁面に遠近感を利用して描かれているものです。館内には狭い通路もあるので、大きな荷物は右手にあるロッカールームに預けておきましょう。床が鏡面になっている作品もあるので、スカートならロング丈がおすすめ。豊洲にある「チームラボプラネッツ」のような水でずぶ濡れになる作品はありません。

 

地図がないから迷うしかない館内

地図がないから迷うしかない館内 《花と人、コントロールできないけれども共に生きる》

チームラボボーダレスは、境界のないアート群による「地図のないミュージアム」。なので館内マップというものが存在しません。さまよいつつも、展示される約50作品の中から、お目当ての作品を見逃さないよう注意しましょう。偶然に出会う作品との運命を楽しむのもよさそうです。

また館内では《Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また出会う》という作品のように、部屋をまたいでボーダレスに移動するものもあるので、作品の説明文がありません。スマホなどで利用できるアプリ「teamLab」があるので、おでかけ前にインストールしておくのがおすすめです。

 

《Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また出会う》

 

ボーダレスな作品が世界の境界を喪失させる

ボーダレスな作品が世界の境界を喪失させる 《人々のための岩に憑依する滝》《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》

展示作品でメインとなるのが「Borderless World」。大小いくつものフロアや通路を使い、流動的なアートが展開されます。エントランスの近くには、お台場で印象的だった滝が流れるような空間も再現され、チームラボの作品を見に来たという実感が高まります。

注目は映像空間の中央に立ち鑑賞する《The Way of the Sea:虚空の宇宙》《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:虚空の宇宙》の2作品。同じ場所で交互に映し出されるアートです。ぐらぐらと視界が揺れて作品世界に没入するかのような神秘的な展示は、きっと動画で撮影したくなるはずです。

世界初公開となる「Megalith Crystal Formation」の空間では、2つの作品、《生命は闇に咲き闇に帰る微小な光》と《Black Waves: 闇から生まれ闇に帰る》が交互に展開され、時空の狭間に誘われたような新たな感覚が湧きあがります。

霧に映像を投影した《溶解する炎》、触れるようで触れない《中心も境界もない存在》など、新しい体験に導いてくれる作品も館内をめぐって体感してみましょう。

 

《The Way of the Sea:虚空の宇宙》 《生命は闇に咲き闇に帰る微小な光》 《溶解する炎》 《中心も境界もない存在》

 

これから目にすることが多くなりそうな「Bubble Universe」

これから目にすることが多くなりそうな「Bubble Universe」 《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光》

チームラボボーダレスで印象的なアートといえば、「Bubble Universe」になるかもしれません。世界初公開となるこの作品を構成するのは、無数の光る球体です。床の鏡面に反射しながら、幻想的な空間を演出しています。

この作品は《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光》という、ちょっと脱力系なタイトル。様々な要素の光が入り混じる球体の中身をじっと見つめているだけでも、つい時間を忘れてしまいそうです。しばらく見つめていると、一番近くの球体が強く輝き、きれいな音色を響かせ始めます。

じつはこの球体には仕掛けがあり、人が近くでじっとしていると反応するようになっているのです。そこからさらに近くの球体へと伝播し、空間上に数学的に配置された球体へと連続していきます。

この球体は「Microcosmoses」にも登場します。《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》では、周囲に配置されたレールの上を球体が制御されながら移動し、また別の世界観を感じさせる広がりを見せてくれます。

 

《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光》 《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》

 

劇場のような空間で光の上演会

劇場のような空間で光の上演会 《彩色球体》

じっくりと鑑賞したいのが「Light Sculpture - Flow」という光の彫刻。のれんで仕切られた小さなフロアで上演されるこの作品は、複数の異なる作品群で構成されており、入り口には上演されるタイトルの一覧が掲示されています。可動式のスポットライトで作り出される実体のない光の集合体が、流れて形を変えてゆく様をゆったりと見ていると、生命や宇宙の創生を想起させてくれます。

 

わくわくする魚の遊園地もある

わくわくする魚の遊園地もある 《スケッチオーシャン》

子どもならずとも笑顔になってしまうのが「学ぶ!未来の遊園地」。隣のフロアで自由に塗った絵をスキャンしてもらうと、《スケッチオーシャン》に放たれて動き出します。触れると逃げ出す魚たちですが、エサ袋に触ってエサをあげることもできたりします。描いたイラストは、館外にある「スケッチファクトリー」で、缶バッチやTシャツ、トートバッグにして持ち帰ることもできます(有料)。

 

《スケッチオーシャン》 トートバッグ3000円(待ち時間20分程度、混雑により異なる)

 

アートなティータイムも楽しめます

アートなティータイムも楽しめます 《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》

展示を見て歩くことに疲れたら、「EN TEA HOUSE」でひと休みするのはどうでしょうか? 館内にあるティーハウスでは、緑茶やミルクラテ、ジェラートなどを注文することができます。メニューに合わせて、器には《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》《茶の木》などの作品が投影され、器を移動させると花や木は枯れていきます。コンピュータプログラムでリアルタイムに描かれるアートも一緒に堪能しましょう。

麻布台ヒルズの地下にできた「チームラボボーダレス」。都内からのアクセスも抜群で、周辺のアートスポットと一緒にめぐるのもよさそうです。境界のない自由なアートに刺激される、そんな感性のリフレッシュをぜひ味わってみましょう。

 

《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》

 

 

文:谷川 梓、撮影:古本麻由未

 

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