提供:ことりっぷ
代々木上原にある日本最大のモスク(イスラム教の礼拝所)である「東京ジャーミイ」。伝統的なオスマン様式の建物の内部には、美しい礼拝所やステンドグラスなど見どころがいっぱい。イスラム圏のフードやスイーツが揃うショップ「ハラールマーケット」も充実しています。気になる建物の中を覗いてみました。
誰でも無料で見学ができるモスク
モスクには必ずある白い尖塔
代々木上原駅から歩いて5分、白い尖塔のある建物が見えてきたら、ここが「東京ジャーミイ」です。「ジャーミィ(Camii)」とは、トルコ語で大規模な「モスク」のこと。日本全国100以上のモスクがあるといわれている中でも最大級のモスクだそう。
こちらの建物は、毎日10時~18時まで(金曜は14時~)であれば誰でも自由に無料で見学が可能。より詳しく建物について知りたい場合は、一般見学者向けに、毎週土曜・日曜と祝日の14時30分から所要時間約60分で、ガイド付きで見学ツアーも行われています。
伝統的なオスマン様式の建物 エントランスホールにある伝統的なトルコ民家の応接間
建物に一歩足を踏み入れると、そこはもう異国の地・トルコそのもの。外装や内装には、カリグラフィやタイルなど繊細で優美な装飾が施されたトルコ・イスラム芸術を代表するさまざまな工芸作品が散りばめられています。
壁や焼き物にある装飾模様を見ると、トルコ原産の花であり、トルコの国花でもあるチューリップが多く描かれています。1つの茎に1輪の花をつけるチューリップは一神教の花の象徴として大切にされているそう。歩きながらチューリップを探してみるのもおもしろいかもしれませんね。
繊細な模様のトルコタイル いたるところで見られるチューリップの装飾
まるで別世界の礼拝堂
2階テラス礼拝堂入り口周辺
階段を上って2階に進むと、いよいよ礼拝堂です。2階は広場になっていて、太陽を浴びながらピクニックしている人々の姿もあり、気持ち良い空間が広がっています。伝統的なオスマン様式の建物やデザインをより身近に楽しむことができる、絶好のフォトスポットです。
芸術的な建物の美しさを楽しめる 礼拝堂入り口の扉
礼拝堂に入る前に、いくつか注意点があります。まず、女性は頭髪をスカーフやストールで覆いましょう(ただし、礼拝所入口に貸し出し用のスカーフあり)。また、ノースリーブや半ズボン、ミニスカートなど、肌を露出する服装では入場はできないのでご注意を。
準備が整ったら、礼拝堂の中へ。礼拝堂は、宇宙をイメージしたドーム天井で、ドーム中央から巨大なシャンデリアが吊り下げられています。その周りを6つの小さなドームが支えており、彩り美しいステンドグラスが空間一面を覆っています。シンメトリーの構造と幾何学模様が醸し出す美しさ、そして荘厳な雰囲気に思わず圧倒されます。
まるで別世界「礼拝堂」 ブルーと白、金、赤で統一
礼拝堂内部にある階段で3階へ上ると、女性専用の礼拝所があります。ここからは、天井やステンドグラス、シャンデリアなどの美しい装飾や意匠をさらに近くで見ることができます。1日5階礼拝が行われるのでその様子を眺めるのもおすすめです。
なお、毎週金曜日は「集団礼拝の日」となり、多くのムスリムが訪れるため、礼拝が終わる14時までは見学ができないのでご注意を。
いつまでも眺めていたくなる繊細な装飾
種類豊富な「ハラールマーケット」の人気商品ベスト3は?
宗教施設としての側面のみならず、トルコをはじめとするイスラム文化や芸術を発信する場所としての役割も担っている「東京ジャーミイ」。同施設内には、トルコやマレーシア、インドネシアなどさまざまなイスラム地方の食材を取り扱ったショップ「ハラールマーケット」があります。
こちらでは、トルコの絶品定番スイーツ「バクラヴァ」やヨーグルト発祥の国トルコの濃厚「トルコヨーグルト」、ひよこ豆をつかった中東諸国の伝統的な料理「フムス」、栄養価の高いドライフルーツ「デーツ」をはじめ、魅力的な商品がずらりと並びます。
人気商品ベストは「バクラヴァ」「ロコモ」「デーツ」 建物の裏側にあたるトルコ文化センター入り口
イスラム文化や芸術に触れることのできる「東京ジャーミイ」。まるで異国の世界に迷い込んだかのようなプチトリップ気分が味わえます。ぜひ訪れてみてくださいね。
文:田賀井リエ 撮影:キムラミハル