新型コロナウイルスに対するワクチン接種が進み、いよいよ「その先の世界」が気になっている人も多いのでは。「海外旅行には行けるようになるの?」「イベントの開催はどうなる?」そんな疑問に対して、活用の期待が広がるワクチンの接種証明書について、デジタル庁が内閣官房とともに進めている電子交付の概要が明らかになりました。
スマホアプリでのワクチン証明がニューノーマルに?
7月から紙での申請と交付がスタートしている新型コロナウイルスワクチンの接種証明書。内閣官房とともにそのデジタル版について検討を行ってきたデジタル庁では、年内の開始を目処に、電子交付の準備を進めてきました。
気になるデジタル版証明書の仕様について、今回公開された案ではスマートフォンのワクチン接種証明アプリを活用する形とされ、アプリをダウンロードすることで、接種情報が読み取れる二次元コード(QRコード)付き証明書が取得できるとしています。
二次元コード(QRコード)に紐づけられるのは、漢字氏名、生年月日、ワクチン名、メーカー名、ロット番号、接種日、証明書ID、発行日といった情報です。
証明書の申請は、アプリを通してマイナンバーカードの活用を想定。マイナンバーカードに加えて4桁の暗証番号を入力することで、二次元コード(QRコード)付きの証明書が交付されます。
また、海外へ渡航する人向けに、パスポートの情報を読み取って追加する機能も用意。光学文字認識機能を使ってパスポートのMachine Readable Zone情報を読み取ることで、ローマ字の氏名や国籍・地域、旅券番号などを二次元コード(QRコード)付き証明書に追加することが可能となっています。
さらに、航空券やホテルなどのオンライン予約サイトでの利用を想定したAPIも提供予定。これを活用することで、サイト上で接種券番号と生年月日を入力すれば、接種回数や接種日などの情報が自動入力されるといった仕組みが実現可能になります。これまで、一部自治体では電子申請が可能であったものの、ワクチン証明書は基本的には窓口や郵送での紙ベースでの交付が必要でした。スマホアプリの運用が開始されれば、ぐっと手軽に、よりスピーディに交付を受けることができそうです。
航空券の手配やホテルの予約はもちろん、ライブイベントのチケット確保など、今後旅行を含めてさまざまなシーンで活躍しそうなデジタル版ワクチン接種証明書。コロナ後の新しい日常において、アプリのダウンロードと申請が欠かせないニューノーマルとなりそうですね。