昭和の
アパートメントを
リノベーション
LOG
(広島県尾道市)
レトロとモダンが
同居する町で過ごす時間
地元の食材を余すことなく使った
グルメも楽しむ
広島市から新幹線で東に約40分、瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を望む広島県尾道市。海と山に囲まれたのどかな雰囲気漂う港町には、尾道水道を一望できる千光寺や坂道が続くレトロな町並みなど見どころがたくさんあります。さらに近年は、定番の観光スポットに加え、かつての海運倉庫など古い建物をリノベーションした新しい施設が続々オープン。そのひとつ、昭和のアパートメントに現代的なエッセンスを加えた「LOG」は宿泊するだけでなく、地元食材を使ったグルメを堪能したり、尾道の絶景を眺めたりとさまざまな楽しみ方ができます。宿泊者以外でも利用できるカフェやショップもあり、尾道観光の途中にふらりと立ち寄るのもおすすめです。
地元の港や畑を訪ねて手に入れた食材を
ふんだんに使った料理をおしゃれダイニングで
尾道を代表する歴史ある寺院、千光寺に向かう坂の途中に建つ「LOG」。昭和30年代のアパートメントをリノベーションした施設で、館内には宿泊施設のほかにダイニングやカフェ、ギャラリーなどが併設されています。「LOG」は国際的に活躍する設計事務所、スタジオ・ムンバイがインド国外で初めて取り組んだ建設プロジェクト。和紙など自然の素材を館内に取り入れて、尾道の街並みと調和する施設になっています。
館内はアパートメントの様子をそのまま残した部分と、現代風にリノベーションした部分が融合し、どこを切り取っても絵になりそうな空間が広がります。カフェやダイニングは宿泊者以外でも利用可能。宿泊者と地元の人たちが交流できる場を目指しているそうです。
客室は3階に6室。客室すべての床や壁、天井に和紙が張られていて、繭にやさしく包まれる気分になれます。今回宿泊した306号室は1ベッドルーム。入口に土間と浴室、部屋の中央にベッドスペースがあります。ベッドはダブルサイズで、ゆったりと寛げるのもうれしいポイント。浴室にはバスタブも設置されているので、旅の疲れをしっかりと癒せます。
1階のダイニングでいただく夕食は、熊本県を拠点に活動する料理家・細川亜依氏が監修したコース(夕食の利用は宿泊者のみ)。前菜にメインの鍋、鍋の〆、デザートが付きます。どの料理にも尾道の食材が余すことなく使われているのが特徴。器も料理に合わせて全国各地の作家のものを使用しています。季節により内容は異なり、この日の前菜は、ハーブの青いかき揚げやパプリカとマンゴー、生姜ドレッシングであえた極上の春雨など。ここでしか味わえない食材の組み合わせに驚きっぱなしでした。
メインはカレー鍋。昆布やいりこで出汁を取ったカレースープに、尾道の野菜や瀬戸内海で獲れた海鮮をしゃぶしゃぶしていただきます。甘味と辛味のバランスが絶妙なカレーに新鮮な魚介類と野菜の相性は抜群。別添えの温泉卵を入れると、まろやかな味わいに変わりました。〆は、野菜や魚介のうま味が凝縮された出汁に尾道ラーメンの麺を入れてカレー中華に。一度で二度おいしいメインに大満足。
朝食も細川亜依氏が監修。この日のメニューは尾道の野菜を贅沢に使ったスープとサラダ、パンケーキ、リコッタチーズと果物です。メインのパンケーキには、目の前で地元産のチーズをたっぷり削ってくれます。その上からメープルシロップをかけて甘じょっぱさを楽しむのもおすすめです。ダイニングの大きな窓から見える庭の様子は、夜と打って変わって明るく爽やか。1日が気持ち良くスタートできます。
写真のライブラリーはスタジオ・ムンバイにあるビジョイ・ジェイン氏の書斎をイメージした空間で、建築関係や旅関係の本などが閲覧できます。ここでひと休みしつつ、旅の計画を練るのもいいですね。ギャラリーでは「LOG」ができるまでの軌跡を展示しています。ライブラリーとギャラリーは宿泊者限定ですが、ガーデンやカフェ、ショップは宿泊者以外も利用可能。ガーデンでは四季折々の景色を眺められ、ピンクの壁が印象的なカフェでは旬の果実を使ったスイーツやオリジナルドリンクが楽しめます。「LOG」で使われている地元の食材を使った食料品を販売しているショップも必見です。
LOG
住所/広島県尾道市東土堂町11-12
交通/JR尾道駅から徒歩約15分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
チェックイン/15:00~20:00
チェックアウト/11:00
宿泊料/1泊1室 62,700円~ (税・サ込み/夕食朝食付き/1ベッドルーム、2名利用の場合)
※カフェ11:00~17:00(LO16:30)、ショップ9:00~18:00
尾道の町をイメージした話題の複合施設
館内のライフスタイルショップや
ベーカリーに注目
尾道水道沿いに建つ「ONOMICHI U2」は、本州と四国をつなぐ全長約70kmの自転車道、しまなみ海道の本州側の始まりの地にある、日本初のサイクリスト向けに特化した複合商業施設。かつての海運倉庫をリノベーションした建物にはホテルやレストラン、カフェ、ライフスタイルショップ、サイクリングショップなどが並び、ホテルの客室には自転車を持ち込むことができます。
正面入り口を入ると、自転車のメンテナンスやレンタサイクルなどのサービスを行う「GIANT STORE onomichi」があります。いろいろな種類の自転車が並び、見ているだけでワクワク。瀬戸内の作家さんの作品を中心に取り扱う「SHIMA SHOP」には、マグカップやカトラリー、文房具などが並びます。「ONOMICHI U2」オリジナルのマスキングテープ(430円)は、旅の記念にぴったり。
館内の奥にあるベーカリー「Butti Bakery」。店名の「Butti」は広島弁で「とても」を意味する「ぶち」からきていて「とてもおいしい」パンを届けたいという思いが込められています。天然酵母のルヴァン種を使用した食パンの上に、季節の野菜などがたっぷりトッピングされた「のっけトースト」(302円)が人気。ほかにも惣菜パンやおやつパン、焼き菓子なども豊富に揃います。テラス席でいただけば、海風も心地よいティータイムに。
ONOMICHI U2
電話番号/0848-21-0550
住所/広島県尾道市西御所町5-11
交通/JR尾道駅から徒歩約5分、または山陽自動車道福山西ICから車で約20分
GIANT STORE onomichi
電話番号/0848-21-0068
営業時間/9:00~18:00
定休日/火曜
SHIMA SHOP
電話番号/0848-21-0533
営業時間/10:00~18:00
定休日/無休
Butti Bakery
電話番号/0848-21-0564
営業時間/9:30~18:30
定休日/無休
尾道の海の幸と山の幸をふんだんに使用
ボリュームも栄養も満点ランチを堪能
「ONNOMICHI U2」にある「The RESTAURANT」では、瀬戸内海の魚介類や尾道産の野菜を使ったグリルやパスタなどが味わえます。ランチからディナーまで営業しているので、幅広いシーンで利用できるのもうれしいポイント。シックな色の家具で統一された店内は、落ち着いた雰囲気です。ゆったりとしたソファ席やテーブル席などが約70席あり、広々としています。
今日はランチに「豪快魚介のペスカトーラ フェトチーネ」(2,310円)をチョイス。愛媛県産の鯛や広島県向島のムール貝、瀬戸内海で獲れたイカなどがたっぷりです。魚介類は身がしっかりとしていて食べ応え抜群。パスタは生麵を使っているのでもちもちの食感です。「岡山黒豚のグリル ピペラード」(2,200円)は炭火でグリルされた豚肉に、玉ねぎやパプリカなどの地元産の季節野菜が盛られています。香ばしい豚肉に甘みのある野菜がベストマッチ!
ランチには+550円で、サラダと自家製フォカッチャのビュッフェ、ワンドリンクを付けられます。サラダは地元の季節野菜を使ったオリジナルドレッシングと一緒に。尾道にある「尾道造酢」の酢をブレンドしたいちじく酢のドレッシングは、甘味と酸味のバランスが絶妙で野菜をどんどん食べたくなります。館内でも販売しているので、気に入ったらおみやげに購入することもできます。
The RESTAURANT
電話番号/0848-21-0563
住所/広島県尾道市西御所町5-11 ONOMICHI U2内
交通/JR尾道駅から徒歩約5分、または山陽自動車道福山西ICから車で約20分
営業時間/11:30~15:00(14:30LO)、ティータイム14:30~16:00(15:30LO)、17:30~21:30(21:00LO)
定休日/無休
坂道が続くノスタルジックな町並みを散歩し
リニューアルされた公園で絶景を独り占め
尾道に来たら必ず見ておきたい、尾道水道の絶景。千光寺山にある展望台、千光寺公園からの景色が評判です。山麓駅から千光寺公園までは、ロープウェイでは約3分、徒歩では約20分。せっかくなので行きは歩いて目指します。千光寺公園までは迷路のような坂道が続きます。路地奥に雑貨店やカフェなどが建ち、歩いているだけで気分もアップ。坂道が続く町並みは、ノスタルジックな雰囲気で多くの人に愛され、さまざまな小説や映画の舞台にもなりました。
千光寺にお参りし、尾道ゆかりの歌人の詩が刻まれた石碑のある「文学のこみち」を過ぎると「千光寺公園」に到着。標高144mほどの千光寺山の山頂にある「千光寺公園」の展望台は、2022年3月に約65年ぶりのリニューアルを終えたばかり。愛称は頂上を意味する「PEAK(ピーク)」。スタイリッシュなデザインが印象的です。奥行きが小さく、細長いのでどこからでも景色を楽しめるのが特徴。展望台からは尾道水道の町並みや瀬戸内海に浮かぶ島々が望めます。天気の良い日は四国山脈まで見渡せるそうです。
ロープウェイは1957年に開業。現在のロープウェイは三代目の車両です。窓からは尾道の町並みを見下ろすことができ、春には桜などの季節の花が彩りを添えます。運行は毎時15分で、混雑状況によっては臨時便も。尾道の街に吸い込まれていくような気分を味わいながら「千光寺公園」を後にしました。
千光寺公園
電話番号/0848-38-9184(尾道市観光課)
住所/広島県尾道市西土堂町19-1
交通/JR尾道駅から徒歩約15分、山麓駅から千光寺山ロープウェイで約3分山頂駅下車すぐ
または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
料金/ロープウェイ片道500円 (往復700円)、子ども 片道250円(往復350円)※駐車料金 600円
懐かしさと新しさが合わさった商店街に佇む
昭和の文豪も愛した蒲鉾店でおみやげ探し
尾道での買い物は、JR尾道駅から東に約1.2㎞続く商店街「尾道本通り商店街」へ。尾道の名産品を購入できる老舗の名店や、レトロ喫茶、モダンなカフェなどが集まっています。のんびりとお散歩していたらおいしそうな練り物の看板を見つけました。1913年創業の「桂馬蒲鉾商店」は、蒲鉾を中心とした練り物を扱う店。明治から昭和にかけて活躍した文豪、志賀直哉ゆかりの店で、小説『暗夜行路』に登場する「隣のお婆さん」は初代の祖母がモデルとなっているそうです。
店内には作り立ての練り物がずらり。「目にも美しいものをお客様に届けたい」という初代の思いが込められた練り物の中には、干し柿や将棋の駒など、ユニークな形のものも並んでいます。練り物は、ひとつからの購入もできて、おみやげにもぴったり。その場で食べたい人は、店の外のオーブントースターで温めることもできます。
こちらはおみやげで人気の詰め合わせ「ふらっと尾道」(1,740円、右)と「百年蒲鉾」(各920円、左)。「ふらっと尾道」にはごぼう天や豆竹輪、梅焼など約6種類が入っています。「百年蒲鉾」は白と紅の2種類。「百年蒲鉾」は瀬戸内海でとれるグチやハモを使用しています。化学調味料不使用なので、子どもからお年寄りまで安心して食べられます。あっさりとした優しい味わいで、食事にもおつまみにもおすすめ。
桂馬蒲鉾商店
電話番号/0848-25-2490
乗船場所/広島県尾道市土堂1-9-3
交通:JR尾道駅から徒歩約5分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間/9:00〜17:00
定休日/木曜
老舗茶舗が厳選したお茶を持ち帰り
リラックスタイムを彩る香り高い逸品
時が止まったようなレトロな雰囲気の佇まいが素敵な「今川玉香園茶舗」。1878年創業の茶舗では、店主が厳選した日本全国や台湾の茶葉を取り扱っています。店舗の隣にはお茶専用の土蔵があり、一定期間、茶葉を熟成させています。
店内の壁には、茶葉の入った箱がずらり。選りすぐりの単一品種のお茶のほか、尾道の料理に合うようにブレンドされた商品も揃います。「お客様のお茶を飲む状況などをヒアリングして、一人ひとりに合ったものをおすすめしています」と店主の今川さん。気さくな今川さんと話しながら選ぶのが楽しい!
こちらは、ネコのパッケージがかわいい尾道紅茶シリーズ。尾道では戦前、セイロン茶の輸入を行っていましたが、第二次世界大戦で輸入が禁止に。それから65年後の2005年に輸入が再開され「尾道紅茶」として販売されることになりました。扱っている茶葉は5種類。缶入り100g (1,296円~)や袋入り80g(1,080円~)、「尾道紅茶 アソード(ティーバッグ)」5種類×2個入り(1,080円)などが揃います。今回は、今川さんにアドバイスをもらいベーシックな「ディンブラ」と、ミルクティーにおすすめという「ウバ」をチョイス。いずれも洋菓子にぴったりです。お茶と一口に言っても種類はたくさん。いただくシーンを考えてチョイスするとティータイムや食事が楽しくなります。
今川玉香園茶舗
電話番号/0848-37-3766
住所/広島県尾道市久保1-6-8
交通/JR尾道駅から徒歩約16分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間/9:00~18:00
定休日/不定休
リーズナブルな価格で堪能する
瀬戸内海でとれた鮮魚を使った刺身や寿司
瀬戸内海の鮮魚を堪能したいなら寿司と魚料理の「保広(やすひろ)」へ。1967年の開店以来、地産地消にこだわり、海の幸は地元の漁師さんから直接仕入れたもの、野菜や米も尾道やその周辺でとれたものを中心としています。
「保広」はカウンター席が7席、座敷が5卓。こぢんまりとした店内は木のぬくもりを感じられるやさしい雰囲気が漂います。一人でも利用しやすいカウンター席の前に、その日のおすすめの鮮魚が並びます。調理風景が目の前で眺められるのでライブ感たっぷり。座敷は靴を脱いでゆったりと寛ぎたい人にぴったりです。
今回いただいたのはランチの「刺身定食」(1,800円)。しっとりとした鯛、コリコリとした食感のイカやタコの刺身をお店でブレンドした醤油につけてどうぞ。ほかにはゲソとエビ、小エビの酢の物、鯛のアラを尾道の天然水で煮込んだあら汁などがつきます。ご飯は広島県産のせら高原のコシヒカリで、粘り気と爽やかな風味が絶妙。刺身は大きめに切られていて、異なる食感が楽しめます。さらに酢の物や自家製の漬物の味にほっこり。ほかにも季節の鮮魚を使った「上握り鮨」(2,000円)も人気です。尾道の新鮮な食材をたっぷりと味わうことができ、大満足のランチになりました。
保広
電話番号/0848-22-5639
住所/広島県尾道市土堂1-10-12
交通/JR尾道駅から徒歩約6分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間/11:30~14:00、17:00~21:00(LO20:30)
定休日/月曜(祝日の場合は翌日)
宿泊施設の紹介
昭和30年代のアパートメントをリノベーションした「LOG」。壁や天井に和紙をあしらった客室は繭に包まれたような気分になります。ダイニングでは尾道の旬の食材を使った夕食や朝食を提供。地元の人と観光客の交流の場になってほしいというスタッフの思いを込めて、宿泊者以外も利用できるカフェやショップも用意されています。
LOG
住所 | 広島県尾道市東土堂町11-12 |
---|---|
交通 | JR尾道駅から徒歩約15分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分 |
チェックイン | 15:00~20:00 |
チェックアウト | 11:00 |
宿泊料 | 1泊1室62,700円~ (税・サ込み/夕食朝食付き/1ベッドルーム、2名利用の場合) |
施設営業時間 | カフェ11:00~17:00(LO16:30)、ショップ9:00~18:00 |
<新型コロナウイルス対応>
- ○スタッフ対応
- 手洗い・うがい・マスク着用
- 定期検温を実施
- ○除菌対応
- 定期的な館内の除菌清掃
- 客室の除菌清掃
- ○換気対応
- 定期的な館内(料飲エリア)の換気
- 定期的な館内共有部分の換気
- ○客室対応
- 消毒液の設置
- 体温計の設置
広島県尾道市の
いいもの、美味しいもの
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※掲載している観光情報は2022年10月時点の情報です。
施設・イベントの情報は変更になる場合がございますので、
事前に各公式HPなどでご確認ください。