美味しい手料理と
心温まるおもてなし
ハートンツリー
(北海道鶴居村)
”美しい村“鶴居で育った
乳牛から生まれる
生乳やチーズを大自然の中で味わう
北海道の道東エリア、釧路市内から車で約1時間の鶴居村は、日本最大の湿原が広がる釧路湿原国立公園に隣接するのどかな地。国の特別天然記念物であるタンチョウが生息していることでも知られています。また、北海道でも有数の酪農の村で、雄大な牧草地でのんびりと草を食む牛の様子があちらこちらで見られます。美しく自然豊かな鶴居村の観光地づくりや、魅力を発信し続けてきた美しい村・鶴居村観光協会は、観光の振興、発展に貢献したとして、2022年9月、第14回観光庁長官表彰を受賞しました。今回は、そんな鶴居村を見下ろす丘の上に立つ「ハートンツリー」に宿泊して、生乳やチーズなどの乳製品を使った料理を堪能。さらに、釧路湿原国立公園をガイドと一緒に散策します。野生動物との出合いも期待できる鶴居村で、豊かな時間を過ごしましょう。
ヨーロッパの田舎のような景色を眺め
美味しいチーズとたっぷりの野菜を食す
鶴居村のメイン通り、道道53号線から見える丘の上に立つ赤い屋根の建物が「オーベルジュハートンツリー」。レストラン、チーズ工房、ゲストハウス、コテージなどが並びます。レストラン裏手のテラスに座って、移り行く空や、目の前の牧草地で過ごすタンチョウやエゾ鹿の様子を眺める時間は本当に心地良く、丘に吹く風と共に日々の疲れが抜けていきます。
「ハートンツリー」の宿泊スタイルは2通り。ひとつはコテージで、1日1組限定の離れになっています。ダブルベッド2つとソファベッド、キッチン、バストイレ付きで別荘に来たような雰囲気。コテージのみペットを同伴することもできます。
もうひとつは、トイレ、シャワールームが共有となるゲストハウス。動物舎だった建物が3つの客室と自炊可能な共有のリビングスペースにリノベーションされたもので、客室はシングルベッド2つとソファベッドがあり、3名まで宿泊可能です。本やゲームなども多数用意されていて、ゆっくりとくつろげます。
お待ちかねの食事は、夕食、朝食ともにレストランで。「私たちは酪農家の応援団なの」とオーナーの服部佐知子さんが言うように、鶴居村の新鮮な牛乳やチーズを使った料理が並びます。食事内容は日によって変わりますが、庭のハーブや野菜をたっぷりと使ったガーデンプレートは定番。北海道型のプレートでサーブされる自家製のハートの白カビチーズは、鶴居産のはちみつと一緒にいただきます。生地に野菜を練り込んだピザや、阿寒ポークと季節の野菜を煮込んだポークシチューなど、夕食はボリュームたっぷり。村では珍しいソムリエもいるレストランなので、料理に合わせてワインをセレクトしてもらえます。(※お酒は20歳になってから)
朝食はしぼりたての牛乳からスタート。濃厚で甘い牛乳は最高のごちそうです。チーズを作るときにできる水分のホエイを使ったパンに、ホエイキャラメルをつけてぜひ。服部さんは「鶴居の魅力は美しい景色と自然、美味しいチーズと牛乳」ときっぱり。天気が良ければテラスで朝食を食べることもできます。料理のおいしさはもちろん、オーナーとのおしゃべりも楽しく、次は連泊で、次は家族と一緒にと、リピーターが絶えないのも納得です。
さらに「ハートンツリー」では焼きたてパン作り体験や料理教室など、さまざまな食の体験も用意しています。今回はストリングチーズ作りにチャレンジ。アツアツのお湯の中でチーズをほぐし、長く引っ張って畳んでを繰り返して、さけるチーズを作ります。所要時間はわずか1時間ほど。余計なものが入っていないので、牛乳のうま味をストレートに感じられます。自分で作ったチーズは格別においしく、素敵なおみやげになりました。
丘の上のオーベルジュ ハートンツリー
住所／北海道阿寒郡鶴居村雪裡496-4
交通／釧路空港から車で約40分、またはJR釧路駅より阿寒バスで約1時間、グリーンパーク鶴居下車、グリーンパーク鶴居より送迎あり（要連絡）
チェックイン／15:00～19:00
チェックアウト／10:00
宿泊料／1泊1名11,880円～(税込み／夕食朝食付き／大人2名1室利用時)
※コテージ貸切1泊1名14,080円～(税込み／夕食朝食付き／大人2名1室利用時)
ストリングチーズ作り5,500円(昼食・飲み物・デザート付き)
雄大な景色を眺めながら食べる
地元産そば粉100％の十割そば
メインの通りから湿原方面に入った牧草地に面した一軒家がそば処「雪裡(せつり)」。見渡す限りの牧草地の向こうに、雄阿寒岳、雌阿寒岳、阿寒富士の山々が連なります。「この景色にひかれてここで店をはじめたんですよ」と店長の矢島さん。以前は村の中心地で食堂を営んでいましたが、そばだけを提供したいとこの場所へ。村内に1.2ヘクタールのそば畑を持ち、6月の種まきから9月の収穫、製粉、製麺、提供までを一貫して自らの手で行っています。
「雪裡」のそばは丸く太い麺が特徴。多くの店のように打ったそばを包丁で切るのではなく、戦前から使い続けている押し出し式の製麺機で丸い麺を作っています。つなぎを使わない十割そばは、もちもちの食感で表面はツルツル。のど越しもさわやかです。1人前200gとボリュームもたっぷりの「もりそば」(1,000円)が定番。自家畑の玄そばを使用していますが、残量が少なくなった場合は道内産の玄そばをブレンドしています。
一番人気は「かしわ(中)と豚丼のセット」(1,500円)。かしわは鶏肉が乗った温かいそばで、甘めのつゆで仕上げています。豚丼には鶴居村のブランド豚「三恵豚」を使用。サツマイモ入りの餌で育てた豚は柔らかく、うま味もたっぷり。3時間ほど煮詰めたタレに豚肉を絡め、山椒を1～2振り。爽やかな風味がたまりません。村の中心地から離れていますが、わざわざ訪れたいお店です。
杜のそば処 雪裡
電話番号／080-9581-1895
住所／北海道阿寒郡鶴居村雪裡南
交通／釧路空港から車で約35分
営業時間／11:00～14:00
定休日／(祝日の場合は営業)
廃校となった小学校の体育館が大変身
鶴居村初のブルワリー
(※お酒は20歳になってから)
2022年11月に新たにオープンする「Brasserie Knot」。廃校となっていた茂雪裡小学校の体育館がブルワリーに生まれ変わりました。ブルワリーなのに「Brasserie」と名付けたのは、単なるビール工場ではなく人々が訪れる場所にしたいという思いから。「Knot」は結び目という意味で「クラフトビールが地域と、自然と、人々との結び目になれる可能性を確信して」と、代表の植竹大海さんが名前の由来を教えてくれました。
外観は体育館そのものですが、内部はまさにビール工場。仕込みから始まるすべての製造過程を見学できます。定番のビールはFLOWER、BIRD、WIND、MOON、DOTOの5種。このほか季節のビールなどを加え、最終的には20種類の異なるビールを提供予定。そのためにと20個のタップをすでに用意しています。アルコール度数や風味がそれぞれ異なるので、好みの味を探しましょう。
「ビールは主役でなくていい。アウトドアや音楽のシーンをサポートできる存在でいたいんです」と植竹さん。釣りやアウトドア好きが高じて、ビールも風味を損なわずに持ち出せるビール専用の水筒も用意しました。鶴居村のキャンプ場や公園で「Brasserie Knot」のビールを水筒から注いで飲む、そんな人たちが増えそうな予感です。
Brasserie Knot
電話番号／0154-65-6281
住所／北海道阿寒郡鶴居村茂雪裡69-8
交通／釧路空港から車で約45分
営業時間／11:00～17:00
定休日／月・火曜
料金／※2022年11月より小売り販売開始予定。詳細は公式サイトをご確認ください。
約2000年前の姿を今に残す
釧路湿原の最深部、キラコタン岬へ
ツアーのスタートは早朝5時。眠い目をこすりながら、ガイドでありカメラマンでもある和田正宏さんの案内で、まずはバスで釧路湿原の入り口まで移動します。途中、牧草地では鶴居村の酪農についての話を聞いたり、野生動物を発見したり。冬のイメージのタンチョウも、春から秋の繁殖期は湿原や草原で子育てをしており、この日も車の中から仲睦まじいタンチョウの様子が見られました。鶴居村に住む人たちにとってタンチョウは、鳥というより一緒に過ごしてきた仲間。タンチョウが住みやすい環境を村の人たちが整えています。
キラコタン岬のあるエリアは、天然記念物区域であり、特別保護区の国有地であるため立入には文化庁の許可が必要。訪れる際にはガイドツアーへの参加をおすすめします。今回のルートでは、途中で湿原も通るので長靴を履いて行きます。釧路湿原はもともと海だった場所で、約2000年前に今のような形になりました。そんな湿原の生い立ちや歴史、周囲の木々や草花の話を聞きながら湿原の最深部へ。木々の中を歩くと、心も体も浄化されていきます。
林の中を歩くこと30分ほどで、湿原の最深部となるキラコタン岬に到着です。海抜約10ｍのこの場所から30㎞ほど先の海岸まで流れるチルハツナイ川は、絶滅したと思われていたタンチョウが再発見された場所。現在では1,800羽ほどのタンチョウが確認されています。また、このエリアで縄文式住居跡が100数十カ所以上見つかっているというのも驚きです。湿原の中を蛇行する川の様子は、釧路湿原を代表する風景。手つかずのその美しさにただただ感動するとともに、この自然をずっと守っていくことの大切さを実感しました。
TAITO ネイチャー倶楽部
電話番号／0154-64-3111
住所／北海道阿寒郡鶴居村鶴居西1
交通／釧路空港から車で約40分、またはJR釧路駅より阿寒バスで約50分、鶴居中学校下車すぐ
時間／5:00～9:00
期間／4月下旬から10月下旬
料金／大人5,800円(1名のみの場合6,800円)、小学生3,500円、幼児2,300円、乳児(保険料)550円※保険料・長靴レンタル料込み
店の上をタンチョウが飛ぶレストランで
ハーブたっぷりのランチタイム
給餌のシーズンには、250羽ほどのタンチョウが集まるという鶴見台にあるレストラン。冬にはタンチョウが店の上を飛来して鶴見台とレストラン裏手の牧草地を行き来するそうで、タンチョウを間近で見ることができます。冬の給餌のシーズン以外でも、牧草地でタンチョウやエゾ鹿、キタキツネなどの野生動物や野鳥たちを見ることができます。
レストランの窓の外には約600坪の庭があり、季節ごとにさまざまなハーブや花が咲き乱れます。「数や種類は本当に多くて数えきれません。6月末から秋まではバラも見ごろになります」と話すのは、庭の手入れをされている奥様。バラのシーズンには、バラのエキスを抽出したバラソフトも季節限定で登場。庭を歩けば、甘い花々の香りに包まれ穏やかな気持ちに。
ランチには鶴居村産の牛乳で作ったヨーグルトや、レモングラスなどのハーブを使った「丹頂カレー(サラダ・デザート付)」(1,390円)がおすすめ。北海道産の十穀米に、黒米とクランベリーでタンチョウをイメージしています。ひと口食べるとグリーンカレーの辛さとさわやかなハーブが口の中に広がります。ホースラディッシュを使った「山わさびラーメン」(980円)もあっさりとしていて人気です。
どれみふぁ空
電話番号／0154-64-3987
住所／北海道阿寒郡鶴居村鶴見台
交通／釧路空港から車で約25分、またはJR釧路駅より阿寒バスで約50分、鶴見台下車すぐ
営業時間／10:00～16:00
定休日／火・第3水曜(2月は無休)
鶴居村のおいしいが揃う
地域の情報発信基地
湿原のヤチボウズのように丸くなったタンチョウをモチーフにした鶴居村のキャラクター「つるぼー」。そんなつるぼーグッズも数多く扱う「つるぼーの家」は、道の駅のような存在で多くの観光客や地元の人が集まります。店内には、鶴居村の特産のチーズやヨーグルト、肉製品、ワイン、スイーツなどがたくさん。村のイベントや施設のパンフレットも用意されています。
人気は「メンチカツぎゅっち」(400円)。隣町の標茶町特産「星空の黒牛」のミンチに鶴居産のナチュラルチーズ2種を加えた「つるぼーの家」オリジナルの商品です。肉汁とチーズがアツアツで食べ応えも十分。店頭で揚げたてが食べられるテイクアウトの他、冷凍食品としても販売しています。また「たんちょうソフト」(330円)もおすすめの一品。鶴居村の生乳100％で濃厚なアイスと、メープルコーンの優しい甘みがたまりません。
村の味を代表するTSURUIブランドのチーズは「メンチカツぎゅっち」に使われているSILVERとMILDのほか計6種類。熟成期間によって味わいが異なるので、そのまま食べたり、ピザのトッピングなどで加熱したり、おみやげに持ち帰ったりして楽しんで。11月から7月には、甘さが評判の「つるいトマト」も登場。火・金曜のみに入荷するトマトを心待ちにしている地元の方が多いそうなので、見つけたら即購入を。
つるぼーの家
電話番号／0154-64-5350
住所／北海道阿寒郡鶴居村鶴居東1-1-3
交通／釧路空港から車で約50分、またはJR釧路駅より阿寒バスで約50分、鶴居中学校下車すぐ
営業時間／9:00～18:00(冬期は～17:00)
定休日／冬期の月曜
どこまでも広がる景色を
どさんこ(北海道和種馬)の
背の上から眺める
どさんことは、正式名称を北海道和種馬といい、現在日本に8種類いるウマの在来種のひとつ。江戸時代に東北から連れて来られた南部馬が定着したそうです。どさんこは背中までの高さが130㎝ほどで、サラブレッドに比べ30㎝ほど小さいのが特徴。丈夫な足腰を持っていて荷物の運搬馬として、北海道の開拓にも活躍しました。
乗馬体験は、牧場内での引馬から釧路湿原国立公園を訪れる1日コースまで4種類。初めての乗馬でも、乗り方や降り方、止め方、曲がり方などの基本をレッスンしてもらえるので安心です。広大な牧草地を抜け、山林や林の中に入ると自然の懐に入っていくような感覚で、ちょっとした冒険気分を味わえます。運が良ければ、エゾ鹿やタンチョウ、キタキツネ、エゾタヌキなどの野生動物にも出合えます。
トレッキングの間には、ガイドが馬のことや鶴居村のあれこれを楽しくレクチャーしてくれます。サラブレッドより低いとはいえ馬の背から見る景色は、普段の目線からグッと上がり別世界。四季折々の北海道ならではの牧歌的な雰囲気を五感すべてで感じられます。馬の歩に合わせて体が心地よく揺れ、風が運ぶ草木の香りも爽やか。おとなしくてかわいいどさんこの温かさにも癒されます。
鶴居どさんこ牧場
電話番号／0154-64-2931
住所／北海道阿寒郡鶴居村字久著呂71-1
交通／釧路空港から車で約50分、またはJR釧路駅から釧路バスで約50分、鶴見台下車、送迎あり(要予約)
営業時間／引き馬9:00～16:00、ホーストレッキング9:00～14:00※コースにより異なる
定休日／なし
料金／1日コース17,300円、半日コース9,100円、45分コース4,500円、引き馬1,100円
※1日コース、半日コースは要予約。体重90㎏以下、10歳以上65歳まで(1日コースは中学生以上)
宿泊施設の紹介
鶴居村の小高い丘の上にある「ハートンツリー」。村の乳製品をたっぷりと使った料理が自慢です。朝焼けに始まり、夕日、満点の星空と遮るものがない自然と一体になれる宿で「ただいま」と帰ってくるリピーターの多い宿です。かわいいヤギにも出合えます。
丘の上のオーベルジュ
ハートンツリー
| 住所 | 北海道阿寒郡鶴居村雪裡496-4 |
|---|---|
| 交通 | 釧路空港から車で約40分、またはJR釧路駅より阿寒バスで約1時間、グリーンパーク鶴居下車、グリーンパーク鶴居より送迎あり(要連絡) |
| チェックイン | 15:00～19:00 |
| チェックアウト | 10:00 |
| 宿泊料 | 1泊1名11,880円～(税込み／夕食朝食付き／大人2名1室利用時)、 コテージ貸切1泊1名14,080円～(税込み／夕食朝食付き／大人2名1室利用時) |
＜新型コロナウイルス対応＞
- ○スタッフ対応
- 手洗い・うがい・マスク着用
- 定期検温を実施
- ○除菌対応
- 定期的な館内の除菌清掃
- 客室の除菌清掃
- ○換気対応
- 定期的な館内の換気(コテージは宿泊客が対応)
- 定期的な館内共有部分の換気
- ○客室対応
- 消毒液の設置
北海道鶴居村の
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