りくカフェ

りくカフェママたちの笑い声もうれしいBGM。写真左から、及川さん、鵜浦さん、吉田さん。

りくカフェ
元気がもらえる健やかカフェ

陸前高田の高台。
すがすがしい空気と緑、かわいらしいハーブガーデンの中、
モダンなデザインだけれど落ち着ける建物があります。
「りくカフェ」は、震災後、
地域の人々が誇りに思える、力が湧きでる場所をつくりたい
という思いから生まれたカフェ。
発起人は、被災した医師やその奥様、地域の女性たち。
新たな土地に、新たに医院と歯科医院、薬局を建て直し、
「みんなが集まれる地域の憩いの場をつくろう」と決意。
立ち上がろうとする気力と意志に、感銘を受けた
学者や、名だたる大企業、建築のプロたちが共鳴。
最初は小さいながら、思いの詰まった仮設スペースからスタート。
そこから建築家やクリエイター、世界からも注目される
現在のカフェが誕生しました。

3人に、薬剤師の黄川田さんが加わって、得意の「りくカフェ」ソングを熱唱！

発起人の一人でもある歯科医の奥様、吉田和子さんは
「夫がよくいうのは、敗者（歯医者）復活！」と笑います。
現在のスタッフは地元の女性たち。
「お客さんがいないとスタッフで女子会な感じですよ」
「みんなママ友ですものね」と鵜浦さん、及川さんも笑顔。
この「仲良し」は、強い絆とチームワークが生んだもの。
そもそも、カフェの設立も、運営も、
隅々までスタッフの皆さんの意志が形になったものです。
一過性のもので終わらせないように、継続していくために
また、ボランティアの力だけに頼らないように
NPO法人を立ち上げるなど経営面で覚悟を決めての真剣勝負。
東北産材を使うことやキッチンの使い勝手、レイアウトも
コンサルタントや外部の人の主導ではなく、
みなで話し合い、決めてきました。
むしろ、その真剣さが周囲の協力を得るエネルギー。
協力者たちもこのエネルギーをもらいに
りくカフェというプロジェクトに集まってきたのです。

りくカフェランチメニューは塩分控えめの健康志向。素材の味がちゃんと伝わります。

カフェとしてのメニューも充実。
特に人気なのはランチメニュー。
医療機関が隣接しているので通院帰りの方も楽しめて、
健康維持の観点からも、減塩、体に優しい食材が中心。
ママ友たちのやさしさが伝わる美味しいお食事です。
地域のためのコミュニティスペースは、いまや
旅人のためにも開かれています。
著名アーティスト、海外の学生たちなど、
壁には関わった人々の思い思いのサインが。
「カフェのロゴは、たまたま来たお客さんが
グラフィックデザイナーだったので
頼んでみたら制作してくれたんです。
それから彼も仲間入りして」
と、また笑顔の鵜浦さんに、吉田さんが
「協力をお願いしたくせに、私たち、何案も出させて
偉そうに選んじゃってね」と明るい表情。
ここに生きる人たちの決意が、
不思議な縁でさまざまな人と結ばれ育まれてきた場所。
そして、これからここを訪れる旅人も、
ただただ、ここでゆったりと時間を過ごせば、
それもまた、りくカフェを育む力になるのです。
ココロの底から笑ってる。
キラキラしたお母さんたちの笑顔で私たちもキラキラに！