古民家ホテルで
美濃の伝統文化に
触れる
NIPPONIA美濃
商家町(岐阜県美濃市)
紙漉きと旧紙商宅の滞在で
美濃ならではの
文化と伝統をめぐる旅
戦国武将・金森長近によって築かれた商人の町・岐阜県美濃市は、古くから特産品の「美濃和紙」で栄えてきました。富の象徴でもあった「うだつ」の上がる旧商家が今も残る街並みは、国の伝統的建造物群保存地区に指定されています。和紙の原料問屋を営んでいた豪商の別邸や蔵を改装した宿に泊まり、古民家を利用したカフェや工芸品のショップに立ち寄りながら古い街並みを散策したり、伝統工芸の手漉き和紙の紙漉きに挑戦したり…和紙の里・美濃ならではの体験を楽しんでみませんか。
本場・美濃和紙の職人がレクチャー
伝統工芸の手漉き体験に挑戦
地元の伝統工芸・美濃和紙の手漉き体験ができる「Warabi Paper Company」で、本場の職人さんに教わりながら手漉きに挑戦。工房がある蕨生（わらび）地区には、紙漉きに適した不純物が少ない超軟水の地下水が湧いています。「かつては、住民の9割が紙漉きを生業にしていたそうです」と教えてくれたのは、和紙工房を営む千田崇統さん。東京やロンドンでの暮らしを経て、ふるさとの岐阜に帰郷し、現在は和紙を使ったアート作品の作家としても活躍しています。
和紙の主な原料は楮（こうぞ）、ミツマタ、雁皮（がんぴ）といった植物の靭皮繊維。各植物のやわらかな内皮より取り出し、トロロアオイと呼ばれる植物の根を浸した粘度のある液と混ぜ合わせることで和紙の原料液を作ります。工房では楮を蒸して皮を剥離するところから手作業で行っているので、タイミングがあえば原料液ができるまでの作業工程も見学できます。
和紙の原料について学んだら、いよいよ手漉き体験がスタート。最初に、簀桁（すけた）と呼ばれる昔ながらの道具で原料液を浅くすくい、紙の表面を作っていきます。表面がうっすら白くなったら、今度は原料液を深くすくって縦横交互に揺すり繊維を絡ませます。
漉いたばかりの湿った状態の和紙にモミジやシダの葉、色和紙、金箔などを使って模様をつけていきます。さらに、薄い和紙をもう1枚漉いて、模様の上から貼り合わせたら体験は終了。
完成した手漉きの和紙がこちら。光を通すと色合いが変わり、繊維の凹凸や質感をより感じられます。持ち帰った和紙は、ランプシェードを手作りしたり、額に入れて飾ったりしてはいかがでしょうか。
Warabi Paper Company
電話／0575-34-0310
住所／岐阜県美濃市蕨生726
交通／長良川鉄道美濃市駅から車で約15分
※体験の予約は「NIPPONIA美濃 商家町」へ。
体験日時は応相談
本美濃紙と木の趣に触れる
和紙で富を築いた豪商宅を改装した
古民家再生の宿
「NIPPONIA美濃 商家町」は、和紙で財を築いた美濃の豪商の旧邸宅と蔵を改装した古民家ホテルです。松久才治郎が客人をもてなすために建てた別邸と蔵からなる「YAMAJOU棟」は、数寄屋風の趣深い部屋に中庭を眺めるヒノキの浴槽がしつらえられ、旧・須田万右衛門邸であった「YAMASITI棟」はドッグランつきの蔵やリバーアクティビティも楽しめる人気のスポットとなっています。
敷地内には築100年以上の主屋を囲むように、金庫蔵、原料蔵、道具蔵が点在しています。建物はいずれも間取りや建具などをできる限り残して改修。解体時に出た土壁を漉き込んだ壁紙や、古い書付を落水紙で表現した障子紙など、至るところにかつての面影が見られます。すべての客室に、現代の和紙漉き職人とアーティストによる和紙アートが飾られているので、チェックしてみてください。
主屋の中で最も格式の高いお部屋「満月」。床の間のある主座敷の居間、寝室、茶室、ヒノキの湯船を備えた浴室があり、どこからでも庭を望むことができます。継ぎ目のない廊下の床板や風を取り込む無双窓など、往時の豪奢な造りは細部にまで至ります。障子紙はすべて重要無形文化財の本美濃紙で、日中は部屋全体がやわらかな光に包まれます。
一棟貸しの3つの蔵は、金庫や土間、井戸枠など当時の面影が残ります。写真のお部屋「金剛」では、銀行員が常駐していたという座敷奥のダイヤル式鉄扉があり、重厚な雰囲気を醸し出しています。
金庫の鉄扉の中は一部が吹き抜けになっており、1階がリビング、2階が寝室に。金庫蔵ゆえに紫外線を通さず湿度が保たれていたため、100年以上経った今でも柱や梁の木材がきれいな状態で残っているそうです。
アメニティにも注目を。吸水性・吸湿性に優れ、消臭・殺菌効果もあるという、和紙の糸を使ったフェイスタオルを備えています。また、枕カバーも、うだつの上がる街並みの中にある「松久永助紙店」で作られた和紙素材を使用しています。
「NIPPONIA美濃 商家町」では往時の暮らしを体感してもらいたいと、いずれの客室にもあえて時計とテレビを備えていません。夜は静寂の空間で、時を忘れてのんびり過ごすのも一計ですし、あらかじめ購入した地酒を持ち込んで、ゆっくりと嗜むのもいいかもしれません。(※お酒は20歳になってから）
障子越しにやさしい光が差し込み、鳥のさえずりで目覚める気持ちのいい朝。朝食は各客室に運ばれてきます。美濃焼の器に盛り付けられた季節の煮物やおひたしをはじめ、少量多品目の多彩な和食はいずれも心がホッとする素朴な味わい。岐阜県産の米「はつしも」を土鍋で炊いた白飯は、粒が立って艶もあり、おかわりしたくなること間違いなしです。
「NIPPONIA美濃 商家町」のある本住町の周辺一帯には、国の伝統的建造物群保存地区に選定される「うだつの上がる町並み」が広がっています。「うだつ」とは、火災の類焼を防ぐため屋根に設けられた防火壁のことで、かつては装飾性を競う富の象徴でもありました。地位や生活が向上しないといった意味を持つ「うだつが上がらない」の語源になったことでも知られます。家ごとに異なるうだつを見比べたり、カフェやショップに立ち寄ったりしながらぶらり歩きを楽しみましょう。
NIPPONIA美濃 商家町
住所／岐阜県美濃市本住町1912-1
交通／長良川鉄道美濃市駅から徒歩約13分
チェックイン／15:00～18:00
チェックアウト／10:00
料金／1泊1名20,900円～（税・サ込み／朝食付き／3名利用時）
他にはこんな体験も！
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契約農家から仕入れた
地元の新鮮な無農薬野菜を堪能「体にやさしいイタリアン」がコンセプトのイタリア料理店「DONI DONI」は、地元の旬の素材を活かした味が人気のレストランです。岐阜市内で15年間レストレランを営んできた女性シェフが、古民家に暮らしながら地域に溶け込んだアットホームな空間を作りたいと、美濃へ移住・移転したのだとか。その時期にとれる野菜によってメニューを組み立てるため内容は月替わり。見た目や触感を大切に、素材の持ち味を生かすシンプルな調理を心掛けているそうです。
DONI DONI
電話／0575-36-2600
住所／岐阜県美濃市俵町2122
交通／長良川鉄道美濃市駅から徒歩15分
営業時間／12:00～14:00（ランチ営業は土日祝のみ）、18:00～21:00
定休日／木曜、他不定休あり
※ディナーは予約制 -
創業140年の老舗が作る
和紙アイテムをお土産に「松久永助紙店」は明治9年（1876年）から続く和紙問屋です。「NIPPONIA美濃 商家町」の主屋や蔵を築いた松久才治郎の兄・松久永助によって創業されました。現在は和紙・生地などの素材から、紙糸を特殊加工したオリジナルの和紙製品を取り揃えています。なかでも人気なのが、宿のアメニティとしても備えられていた美濃和紙タオルです。紙糸を50%ほど使用していて、吸水性がよく軽量で使い勝手が抜群。ハンドタオル、フェイスタオル、バスタオルといったサイズや、カラーバリエーションも豊富です。
松久永助紙店
電話／0575-33-0007
住所／岐阜県美濃市本住町1929
交通／長良川鉄道美濃市駅から徒歩12分
営業時間／9:00～17:00
定休日／土・日曜、祝日は不定休 -
かがり火きらめく
伝統的な鵜飼漁を目の前で！地域の人たちで手厚く保全・保護されてきた「清流長良川の鮎」が、世界農業遺産に認定されていること、ご存じですか？岐阜市内だけでなく美濃地方でも、伝統的な漁法である鵜飼を体験することができます。鵜飼とは、鵜を巧みに操り川魚を獲る漁のこと。約1,300年前から続く漁法だといわれており、戦国時代には現在のように見物できるようなったというから驚きです。かがり火のもと鵜が鮎を獲るその姿は、荘厳そのもの。ぜひその目に焼き付けてください。
小瀬鵜飼観覧船（関遊船）
電話／0575-22-2506
住所／岐阜県関市小瀬76-3
交通／東海環状自動車道関広見ICから車で約5分、関シティターミナルからタクシーで約15分
問合時間／10～16時
実施期間／5月11日～10月15日（要予約）
乗船時間／19時頃、20時頃の2回（季節により変動あり）
料金／大人3,700円、小学生以下2,600円、３歳未満は無料
宿泊施設の紹介
和紙の里・美濃の旧邸宅や蔵をリノベーションしたホテル「NIPPONIA美濃 商家町」では、築100年を超える貴重な商家の質実剛健ながら凜としたたたずまいの中、当時に思いを馳せ歴史を感じて滞在することができます。併設のギャラリーで不定期に開催される展覧会で美濃和紙のアートを鑑賞するなど、美濃の伝統文化に触れる拠点としておすすめのお宿です。
NIPPONIA美濃 商家町
| 住所 | 岐阜県美濃市本住町1912-1 |
|---|---|
| 交通 | 長良川鉄道美濃市駅から徒歩約13分 |
| チェックイン | 15:00～18:00 |
| チェックアウト | 10:00 |
| 料金 | 1泊1名20,900円～（税・サ込み／朝食付き／3名利用時） |
＜新型コロナウイルス対応＞
- ○スタッフ対応
- 手洗い・うがい・マスク着用
- 定期検温を実施
- お客様との距離を意識した接客
- ○除菌対応
- 定期的な館内共用部分の除菌清掃
- 客室の除菌清掃
- ○換気対応
- 定期的な館内共用部分の換気
- 客室ご利用前後の換気
- ○客室対応
- 備品を都度、除菌清掃
※掲載している観光情報は2024年6月時点の情報です。
※掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
※店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
岐阜県美濃市の
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