100年前の津軽の
暮らしを今に伝える
青森蔵泊
(青森県黒石市)
約1,000坪の敷地の宿で
贅沢な時間を過ごし
悠久なる農村風景と暮らしにふれる
黒石市は青森県のほぼ中央、津軽平野にあります。新幹線が停車する新青森駅から奥羽本線で1時間20分ほど、車なら約30分と好アクセスながら、農林水産省の「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に認定された大川原棚田や、藩政時代の面影を残す中町こみせ通りなど、懐かしさを感じさせる景観が広がります。黒石市街のはずれにある「青森蔵泊」は、蔵を改装した宿泊棟や見学可能な江戸末期築の母屋などが立つ約1,000坪の敷地をまるごと貸切できる宿泊施設。暮らすように滞在しながら、歴史ある料亭や温泉などにも足を運び、黒石の歴史や自然に触れる旅を楽しみましょう。
「100年前の津軽」の暮らしを今に伝える
母屋や蔵でのんびりステイ
黒石市の中心部から少しはずれた場所にある「青森蔵泊」。約1,000坪の敷地に、1915年に建てられた蔵を改装した宿泊棟、江戸末期の古民家を移築した見学可能な母屋、菜園などが広がります。木々が茂り、草花に覆われた緑豊かな敷地に立つ趣ある建物、まるで時代を遡ったかのような光景は「100年前の津軽を感じてほしい」という宿のテーマそのもの。建物内に入る前からワクワク感が止まりません。
まずは、宿泊棟でチェックイン。扉を開けると正面に重厚な白い蔵の扉が目に飛び込んできます。左側には使い勝手のよさそうなキッチンがあります。電子レンジや鍋、食器などは揃っているので、後は食材を調達するだけでOK。ガスコンロは火力が強いプロ仕様なので、おいしい料理を作ることができそうです。右側には洗面台とシャワー室、男女別にトイレが2つ並んでいます。
蔵の扉を抜けると、天井が高く開放感たっぷりの広間があります。木目と白を基調としたシンプルな空間に、迫力満点のねぷた絵が飾られ、青森らしさを感じさせてくれます。もうひとつ、目を奪われるのが大きな映写機です。これは宿のオーナーが、かつて営んでいた映画館で実際に使用していた貴重なもの。重厚な存在感が、レトロな蔵とマッチしています。
寝室はシングルベッドが並ぶ1階と布団を敷いて寝る2階の2部屋があり、最大10名まで宿泊可能です。快適に過ごせるようリノベーションされていますが、白壁や青森ヒバの柱や梁は、建築当時のままを生かしているそう。夏は涼しく冬は暖かい蔵ですが、各部屋にエアコンも完備されているので、雪深い冬も快適に過ごせます。静かな環境の中、落ち着きのある蔵の雰囲気を感じながら、ぐっすり眠れること間違いなしです。
敷地の奥には、江戸末期に建てられた豪農の屋敷を移築した母屋があります。中には囲炉裏やちゃぶ台、実際に使われていた電話やかんじきなどの生活道具が配され、ノスタルジックなムードがたっぷり。昔の暮らしぶりを身近に感じられる空間になっており、いろいろな場所で記念写真を撮影したくなります。こちらには宿泊できませんが、滞在中は自由に使えるのもうれしいポイントです。
母屋には津軽地方で独自に発展したという、岩石や針葉樹を用いた大石武学流庭園もあります。縁側に置かれたソファに座って庭園を眺めながら、ゆったりとした時間の流れに身をまかせてみるのも素敵です。
季節の野菜を栽培する敷地内の菜園では、収穫体験もできます。この時はキュウリやナス、サンチュが収穫できました。とれたてのキュウリはその場でがぶり!新鮮そのもののおいしさを実感できました。チェックイン時にお願いすれば、屋外でバーベキューができるガスグリルの貸し出し(5,000円)も行っているので、買い出した食材と一緒に焼いて食べてもOK。秋には立派な木に実る栗や柿も楽しめます。
チェックアウト時に、部屋の清掃やベッドメイクを担当しているという昭子さんと道子さんに運良くお会いすることができました。明るくお達者なお二人に元気をもらって、青森の素敵な思い出ができました。
青森蔵泊
住所/青森県黒石市柵ノ木1-43
交通/黒石駅から車で約6分
チェックイン/15:00~21:00
チェックアウト/10:00
料金/1泊1棟23,548円~(税込み/素泊まり/2名利用時1名)、12,204円~(税込み/素泊まり/5名以上利用時1名)※季節・宿泊人数により異なります
スープとソースのハーモニーを楽しむ
ご当地グルメをランチに
黒石のご当地グルメの庶民派代表といえば、今や全国的にも知られている黒石つゆやきそば。昭和30年代、黒石では子どものおやつとして新聞紙などの紙に包んだやきそばが売られていたといいます。太めの平麺を使うのが黒石やきそばの特徴で、香ばしいソースとよく絡んで食欲をそそります。ランチには、このやきそばをスープに入れた黒石つゆやきそばがおすすめです。
市内では店ごとに出汁やトッピングの異なる黒石つゆやきそばが食べられますが、その中でも注目の一軒が1977年創業の「お食事処 妙光」です。その昔、ソース焼きそばを間違ってラーメンスープ入りの器に入れてしまったのが誕生のきっかけという、元祖つゆ焼きそば(漬物・小鉢付き850円)が人気です。
豚肉やキャベツ、ピーマンなどの野菜と炒めた太平麺のソースやきそばを、鶏ガラ、豚ガラ、煮干し、昆布などで出汁をとった醤油ベースのラーメンスープにイン。あっさり味のスープにソースの酸味が不思議とマッチし、仕上げに加えた揚げ玉が味のアクセントになっていて、食べ進めるにつれてクセになるような味わいです。ねぷた絵師でもある大将が手がけた津軽凧に見守られながら、どんどん箸が進みます。
お食事処 妙光
電話/0172-53-2972
住所/青森県黒石市元町66
交通/弘南鉄道黒石駅から徒歩約15分
営業時間/11:00~18:00
定休日/不定休
稲作の豊凶を占う奇祭も行われる
ゆるやかな斜面に広がる棚田へ
黒石市には、2021年4月に農林水産省の「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に、青森県で初めて選定された大川原棚田があります。これは、伝統文化の継承や農作物供給の促進、自然環境の保全などを目的に、優良な棚田を認定する取り組みです。集落に近い山間部を切り拓いたという大川原棚田に、足を伸ばしてみました。
山の斜面を利用して階段状に造られる棚田ですが、大川原棚田は斜面が比較的なだらか。約32.6ヘクタールの広さに、300枚近くの田んぼがあるといいます。風にそよぐ緑の稲穂と周辺の山々、青い空が織りなす、まさに日本の原風景と呼ぶにふさわしい景色の中を歩きながら、約600年もの昔に苦労を重ねて棚田を切り拓いた人々に思いを馳せます。
棚田のすぐそばを流れる中野川では、毎年8月16日の夜に奇祭とも称される「大川原の火流し」が行われます。アシガヤを編み上げた長さ3m弱・幅約1.5m・帆柱3mほどの舟3隻に火をつけて、1隻あたり5~6名の若者が引いて数百メートルに渡って川を下ります。途中、深みにはまったり岩にぶつかったりしながら流れていく様子は、戦国時代をほうふつとさせる光景なのだとか。この3隻は早生・中生・晩生の稲に見立てたもので、その燃え方からその年の豊凶を占ったり、集落の人々の無病息災を祈ったりします。
大川原棚田
住所/青森県黒石市大川原
交通/東北自動車道黒石ICから車で約20分
湯治場の風情が残る温泉地で
源泉かけ流しの熱めの湯でスッキリ
温湯(ぬるゆ)温泉は、さかのぼること400年以上前、足を怪我した鶴がこの地の葦原に舞い降り、7日間で傷を癒やして飛び立ったという伝説が残る、歴史ある温泉地です。江戸時代、この温泉をいたく気に入った左大臣・花山院定煕(かざんいんさだひろ)の長子・忠長が、「温もりが長く続く湯」とのことから温湯温泉と命名したと伝わります。温泉の周囲には湯治客が宿泊した客舎が残り、ノスタルジックな湯治場の雰囲気を楽しめます。
共同浴場の男女別の浴場はそれぞれ2つの湯船があり、ひとつは43.5℃の熱めの湯、もうひとつは41℃のぬるめの湯。どちらも源泉100%で、地下のパイプを通して温度を調整しています。初めはどちらの湯も熱く感じられましたが、入って出て、を繰り返していると徐々に体が慣れて心地よい感覚に。泉質はナトリウム-塩化物泉でクセがなく、しっとり肌になじみます。湯上がりの肌はつるつる、気分もスッキリ! 寒さが厳しい津軽の冬も、体を芯からポカポカと温めてくれます。
ロビーの一角には、湯上がりにひと息つける休憩所も備えています。また、温湯温泉は東北各地で作られるこけしの中でも自由な発想で人気の津軽系といわれるこけしの発祥地の地。ガラスケースには名工によるこけしがズラリと並んでいるので、個性豊かなこけし観賞も楽しめます。
鶴の名湯 温湯温泉
電話/0172-54-8591
住所/青森県黒石市温湯鶴泉79
交通/東北自動車道黒石ICから車で約10分
料金/中学生以上300円、小学生以下100円、3歳以下無料
営業時間/5:00~22:00(最終入館21:30)
定休日/無休
実際に使用されたねぷた絵を使った
灯ろう作りにチャレンジ
黒石駅から10分ほど歩いたところにある「日本の道百選」に選ばれた中町こみせ通りは、築200年以上の建物が軒を連ねる木造のアーケード街。江戸時代の姿を今に残す街並みは、「重要伝統的建造物群保存地区」や「美しい日本の歴史的風土100選」にも選定されています。造り酒屋や喫茶店を営む建物などに立ち寄りながらのんびり散策していると、まるで藩政時代にタイムスリップしたような気分に。
そんな中町こみせ通りにある「IRODORI」は、黒石ねぷた祭りで実際に使われたねぷた絵を再利用した灯ろうやうちわ、短冊などを扱う雑貨店。色鮮やかなねぷた絵を組み合わせて作った灯ろうが並ぶ店内は、うっとりするような美しさです。黒石のねぷたは、道幅が狭いためサイズが小さめで絵が細かいのが特徴。そのため、小さくカットしてもねぷた絵らしさを生かせるといいます。
こちらでは灯ろう作り体験も実施。早速、自分だけのオリジナル灯ろう作りに挑戦しました。いくつかサイズがある中から、2段になった中サイズの灯ろうをチョイス。まずは、すでにカットされたねぷた絵をどう組み合わせていくかを選んでいきます。色も柄もさまざまで、なかなか決められずにいると、「面によって色味を変えてみたり、同系色で統一してみたりしてもキレイですよ」と、スタッフが的確にアドバイスしてくれます。40分ほどかけて選び終えたら、あとは木枠に糊付けをして完成です。できあがった灯ろうはLEDライトにかぶせて点灯!大満足の出来栄えで、自分への思い出に残るおみやげになりました。
IRODORI
電話/0172-55-6188
住所/青森県黒石市中町38-1
交通/弘南鉄道黒石駅から徒歩約10分
営業時間/11:00~15:00、土・日曜、祝日10:00~16:00
定休日/火曜
料金/ねぷた灯ろう制作体験 ミニ小3,960円、ミニ大4,950円、中(二段)5,940円、大(三段)7,920円 (全てLED照明付き)※要事前予約
1895年創業の名料亭で
四季の風景を愛でながら地元の味覚を堪能
黒石陣屋跡地の御幸公園のすぐそばに、黒石初の料亭として1895年に開業した「富士見館」。明治・大正期には地元の名士が集い「地域の政治は富士見館で決まる」といわれたほどの老舗です。春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景観が美しい庭園を眺めながら、個室でゆったり旬の地元食材をいただけます。
個室は2名から利用可能な小部屋から100名を収容する大広間まで8室ほど。一部リノベーションや増築は行っていますが、中庭を望む太鼓橋や庭園、部屋のしつらえには創業時の趣が残されています。
昼・夜ともに完全予約制で、昼は2,200円から、夜は3,300円からと良心的な値段です。予約の際に予算を伝えれば、4代目の気さくな女将が相談に応じてくれます。料理は、毎朝板前さんが市場に足を運び、旬や鮮度にこだわって選んだ食材を使うため、内容はおまかせ。中でも、三方を海に囲まれた青森ならではの魚介料理が好評です。
写真はお昼のメニュー3,300円の一例。帆立貝のチーズ焼き、青森サーモンや真ダコ、アマダイなど県産刺身、貴重な高級魚めぬけの西京焼きなど、ふんだんに取り入れた旬の魚介がたっぷりです。ほかにも、身欠きニシンや茄子のしそ巻き、地元で親しまれている山菜・みずの漬物といった、ホッと心が温かくなるような郷土料理も並びます。新鮮な海の幸から風味豊かな山の幸まで、津軽の味覚の奥深さを存分に味わうことができました。
料亭 富士見館
電話/0172-52-8851
住所/青森県黒石市袋井2-63
交通/弘南鉄道黒石駅から徒歩約10分、東北自動車道黒石ICから車で約10分
営業時間/11:00~22:00(最終入店20:00頃) ※完全予約制
定休日/不定休
宿泊施設の紹介
青森県黒石市の市街地からほど近い場所にある1日1組限定の宿泊施設。約1,000坪の敷地には、蔵をリノベーションした宿泊棟、滞在中はいつでも内部を見学できる築約150年の母屋や菜園などがあります。昔ながらの津軽の暮らしを体感するような、穏やかな時間が過ごせます。
青森蔵泊
住所 | 青森県黒石市柵ノ木1-43 |
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交通 | 黒石駅から車で約6分 |
チェックイン | 15:00~21:00 |
チェックアウト | 10:00 |
料金 | 1泊1棟23,548円~(税込み/素泊まり/2名利用時1名)、12,204円~(税込み/素泊まり/5名以上利用時1名)※季節・宿泊人数により異なります |
<新型コロナウイルス対応>
- ○スタッフ対応
- 手洗い・うがい・マスク着用
- 定期検温を実施
- ○除菌対応
- 定期的な館内の除菌清掃
- 客室の除菌清掃
- ○換気対応
- 定期的な館内の換気
- 定期的な館内共有部分の換気(スタッフが常駐しないので宿泊客が対応)
- ○客室対応
- 消毒液の設置
※掲載している観光情報は2024年6月時点の情報です。
※掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
※店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
青森県黒石市の
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