月がコンセプトの
モダンホテル
月と海(長崎県長崎市)
月や日のめぐりに身をゆだね
海辺でゆらりと過ごす茂木の旅
海と山に囲まれた自然豊かな港町、茂木。橘湾の穏やかな海面に映る月光が、揺らめく布のように見えることから、「布引（ぬのびき）の月」と呼ばれ、ここから望む月は、ひときわ美しいと評されています。2020年オープンの「月と海」は、その月の美しさをコンセプトにしたモダンホテル。部屋の窓からは青い海がどこまでも広がっています。美しい橘湾、昭和の風情が残る懐かしい町の佇まい、地元の人々の優しい笑顔…。茂木の素朴で温かな魅力にふれる旅に出かけましょう。
扉を開くと眼下に広がる青い海
夜は月明かりに心澄ませて
「上弦の月」「新月」など、それぞれの部屋名を月の満ち欠けになぞらえ、部屋ごとに窓の形や間取りといった部屋のしつらえが異なるホテル「月と海」。全14室の内9部屋がオーシャンビューとなっています。静かな波の揺らぎをただ見つめ、太陽と月がめぐる姿に心動かされ、時間の流れに身を委ねる…何でもないようにみえて唯一無二の「特別」な体験がここにはあります。
元は「恵美」という割烹旅館を改装したホテル。入り口の暖簾は茂木の特産品・ビワの葉を使って染め上げています。
フロントでチェックイン。茅葺職人に特別に作ってもらったという茅製のフロントデスクが印象的です。看板ねこ「ウニ」も元気よくお出迎え。館内はコーヒー、ジュース類がフリードリンクになっていて、海に面したロビーで飲み物片手にくつろぐ人の姿も見られます。
扉を開けると、青く、広々とした海が大パノラマで迫ってきて圧倒されます。海の向こうに望めるのは雲仙岳や天草諸島…晴れた日には鹿児島まで見渡せるとのこと。この宿のポイントのひとつは1部屋につき1本のウェルカムシャンパンのサービスがあること。部屋で飲んでも良し、ロビーで飲むのも良し、食事時にレストランで乾杯しても。波音を感じながらシャンパングラスを傾けるのは最高の贅沢です。（※お酒は20歳になってから）
夕食は、館内のレストラン「海まち食堂mog」で。茂木や近隣の漁港で獲れる魚を使った創作料理が並びます。この日は特製手巻き寿司でした。具は幻の柑橘類「ゆうこう」を餌に養殖された長崎の特産「ゆうこうシマアジ」や「ゆうこう真鯛」の刺身に野菜など。ローストビーフや冷製茶碗蒸し、デザートまで付いて食べ応え充分です。
ホテルの夕食ではバーベキュープランも選択可能（4人〜）。会場は「月と海」隣接の「nagasaki house ぶらぶら」にて。「雲仙ハム」やラム肉など4種の肉類に、鯛の塩釜焼き、7種の野菜が付いたボリューミーなプランです。野菜は豪快に皮付きのまま丸ごと焼きます。野菜のうま味がギュッと濃縮され、スイーツのような甘さです。海の傍、キャンプ気分で大切な人たちとバーベキューを楽しむのもいいですね。
「月と海」は朝日も最高です。天気がよければ海から昇る美しい朝日を眺めることができます。海岸線を赤く染めながら薄暗闇から顔を出す太陽。生まれたての光を全身に浴びると、身も心もきれいに浄化されていきます。
茂木では不定期ながら「グッドモーギング」という心ときめく活動を展開中です。ヨガやテントサウナといった各種アクティビティや、朝マルシェなどを開催。茂木の魅力をダイレクトに感じることができるのは、全ての物事がスタートする朝の時間帯だからこそ。
朝のすがすがしい時間を過ごしたら、茂木の干物専門店「梅のや」の干物がメインになった朝食をいただきます。ご飯とお味噌汁はお代わり自由。いっぱい食べて、朝から元気をチャージ！
月と海
住所／長崎県長崎市茂木町2190-7
交通／長崎自動車道長崎ICから車で約9分
チェックイン／16:00～22:00
チェックアウト／11:00
料金／1泊1名15,000円～（税込み／朝食付き／大人1名1室利用時）
問屋だからこそできる
珍しいふぐ料理作り体験
「ふぐ問屋なかざき」は長崎県内で獲れる天然・養殖ふぐの加工・販売しています。あまり知られていませんが、長崎はふぐの養殖生産量全国1位（出典：農林水産省水産統計「令和3年海面漁業・養殖業生産量」）。ここでは県内産のふぐの皮と魚のすり身を使った、珍しいすり身団子作り体験が楽しめます。小学生でもできる作業なので、親子で体験する人も少なくありません。会場は「ふぐ問屋なかざき」近くの「茂木コミュニティー地域交流センター」です。
良質なコラーゲンをたっぷり含んだふぐの皮は、ハサミで切ってすり身に加え、食感のアクセントに。地元でキビナと呼ばれる小魚の手開きにも挑戦します。全てをすり鉢に入れたら、力を込めてリズミカルにゴリゴリ混ぜます。混ぜる際の力加減や時間によってすり身の状態が変わってくるので、仕上がった団子の味は千差万別。その人の個性が表れるそうです。
すり身を丸めて団子状に。…いえいえ、形は丸である必要はありません。ハート型でも、お魚型でもオッケー。自分だけのとっておきの形を作ったら、パン粉を付けて油でからりと揚げます。お皿に盛り付けたら完成。美味しそう！
こちらではふぐ料理に特化した食事処「漁師飯なかざき」を併設。ふぐダシを使った特製うどんやカレー、ふぐの唐揚げなどが驚くほどリーズナブルに味わえます。中でも特製うどんはぜひ試してもらいたい逸品。キラリと澄んだふぐダシの上品な甘み、味わい深さは一度食べると忘れられません。「なかざき」オリジナルのバッテラには肉厚にカットした天然ふぐを使用。シソの味がアクセントになり、満腹でも最後までさっぱりおいしく食べられます。「ふぐダシうどんとバッテラ（季節メニュー）、小鉢のセット」（1,280円）のほか、「ふぐラー油」や「ふぐ味噌」などの調味料もふぐ尽くし！
ふぐ問屋・漁師飯なかざき
電話／095-836-0700
住所／長崎県長崎市茂木町2188−13
交通／長崎自動車道長崎ICから車で約9分
営業時間／11:00〜16:00（漁師飯は〜14:00、夜は要予約）、福団子作り体験は10:00～の1日1回
定休日／月曜、木曜
料金／福団子作り体験2,000円（＋1,000円で料理付き）
※4〜20人まで、事前に要予約、エプロン・三角巾は持参、アレルギー不対応
旅の思い出に
世界に一つだけのステンドグラスを作ろう
ステンドグラスのアクセサリーやオーナメント作りが楽しめるスポットです。ピアスやネックレス、オーナメントなどから作りたいものを選べます。今回はガラスのオーナメント作りに挑戦！作るものを決めたら、約40種類の中から使いたいガラスをチョイス。色も厚みも様々で、どれにしようか目移りしてしまいます。
使用するサイズにカットしてもらったガラスの周りに銅テープを巻き、銅テープ用の塗料を塗ったらいよいよハンダ付け。「ハンダ付けの良い点は何度でもやり直しがきくところですよ」と講師の黒川先生。じっくり何度でもやり直すか、直感を信じてサクッと一度で終わらせるのか、性格が出るところです。
きれいに洗浄してもらったら完成です。所要時間は1時間程度。ライトの光に当てても自然光にかざしてもそれぞれ違った輝きを放つステンドグラス。自分で作ったものは愛着もひとしお。家に飾れば見る度に長崎のことが思い出されるはずです。
ガラス工房 Amber
電話／090-5082-1115
住所／長崎県長崎市北浦町2694-11
交通／長崎自動車道長崎ICから車で約12分
営業時間／10:00～16:00
定休日／不定休
料金／ステンドグラス作り体験3,000円～
※3日前までに予約を。2～7人まで対応。それ以上は会場を茂木コミュニティー地域交流センターに変えて対応可能。対象年齢10歳～（10歳以下でも親同伴で参加可能）。
老舗菓子店で地元銘菓「一口香」や
ビワスイーツをおみやげに
おみやげを探しに立ち寄ったのは、創業1844年の老舗和菓子店「茂木一まる香本家」。中国伝来の香ばしい焼き菓子、一口香（いっこうこう）（1個130円）やビワゼリー（1個378円）をはじめとする茂木特産のビワを使ったスイーツが評判です。
店内ではビワゼリー作りの製造風景や一口香を焼き上げる様子などを見学することもできます。長崎空港や長崎駅かもめ市場などでも購入できる一口香ですが、「カリッと食感の“焼き立て”はここでしか買えないのよ」と地元の人たちは誇らしげ。常にあるとは限らない、焼き立ての一口香に出合えるとラッキーです。
一口香の材料は小麦粉、水飴、砂糖、蜂蜜、ゴマと至ってシンプル。おまんじゅうのようにも見えますが、なんと中身は空っぽです。焼き上げる時に中の餡が膨らんで空洞になり、内側に張り付いた餡はまるでカラメルのような味と食感に変身するのです。
また、この店で一口香と二枚看板の存在感を放つのがビワゼリー。長崎県のビワ出荷数は全国1位（出典：農林水産省作物統計調査「令和3年産びわ、おうとう、うめの結果樹面積、収穫量及び出荷量」）で、日本のビワ栽培発祥の地といわれる茂木は今でも一大産地です。サイズ感にこだわったビワの実をシロップ漬けにし、食感を損なわないように種周りの甘皮を手作業で丁寧に取り除きます。手間隙を惜しまず作り上げた結晶がこのビワゼリー。食べればビワの甘さに優しい気分になります。
茂木一まる香本家
電話／095-836-0007
住所／長崎県長崎市茂木町1805
交通／長崎自動車道長崎ICから車で約8分
営業時間／9:00〜17:00
定休日／水曜
茂木の海をお皿に
天然魚の活き造りは格別の味
目の前の橘湾で獲れた新鮮な魚料理が味わえる地元でも評判の店でランチをいただきます。こちらは天然の魚にこだわり、店で出される魚は店主自ら船に乗り、獲ってきたものを提供しています。仕入れのコストが抑えられるので、値段も手ごろな上、抜群の鮮度を誇ります。
清潔感がある店内は、テーブルもお座敷も広々。笑顔を絶やさず、明るい声でもてなしてくれる女将の接客にも癒されます。昼は手軽なランチ、夜は予算に応じたコースメニューなどが堪能できます（夜は要予約）。
ランチタイムに人気なのは活魚定食（1,650円）。アジ、タイ、ヒラメなど季節によって内容が替わる活き造りに、ご飯、味噌汁、小鉢などが付いています。タイミングがよければ刺身に天然の車エビや赤エビが入っていることも。テーブルに運ばれてきた時から魚がピチピチと元気に動き、魚のイキの良さと店主の料理の腕の確かさが分かります。
川正
電話／095-836-3756
住所／長崎県長崎市茂木町2188-4
交通／長崎自動車道長崎ICから車で約9分
営業時間／11:00〜14:00、18:00〜23:00
定休日／月曜
※活魚定食は釣果状況によって提供できる数量が異なる
宿泊施設の紹介
元割烹旅館「恵美」の建物の趣を残しながら、快適に過ごせるホテルとしてイノベーションしたのが「月と海」。それぞれ個性的なしつらえの全14部屋のうち9部屋がオーシャンビュー。予約制レストラン「波まち食堂 mog」からも大海原の絶景が望められます。時間が過ぎるのを忘れそう。
月と海
| 住所 | 長崎県長崎市茂木町2190-7 |
|---|---|
| 交通 | 長崎自動車道長崎ICから車で約9分 |
| チェックイン | 16:00～22:00 |
| チェックアウト | 11:00 |
| 料金 | 1泊1名15,000円～（税込み／朝食付き／大人1名1室利用時） |
＜新型コロナウイルス対応＞
- ○スタッフ対応
- 手洗い・うがい・マスク着用
- 定期検温を実施
- ○除菌対応
- 定期的な館内の除菌清掃
- 客室の除菌清掃
- ○換気対応
- 定期的な館内の換気
- 定期的な館内共用部分の換気
- ○客室対応
- 消毒液の設置
- 体温計の設置
※掲載している観光情報は2024年6月時点の情報です。
※掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
※店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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