利休庵－「おくど」にこだわった健康懐石

利休庵小宿の造りを生かした、日本古来の趣があります。

利休庵
「おくど」にこだわった健康懐石

扉をいくつかくぐっていきます。
すごく質素でミニマルな引き戸たち。
いきなりいい雰囲気で、扉を開けるのにワクワクします。
一歩足を踏み入れると、こぢんまりとしていながら
奥へと長い造り。まるで京都の町家のよう。
その一番手前には、銅の羽釜が鎮座しています。
ここ「利休庵」には「おくど茶寮」という名前が付いていて、
「おくど」というのは京都の言葉で、お釜のことを指します。
いわゆる炊飯のオープンキッチン。五つ星お米マイスターの
土屋一さんが厳選したお米を、こちらで丹念に
炊き上げています。つや、香り、甘み、粘り、歯ざわり。
どれをとっても一級品。お米に最もこだわり、
それを一番お客様の目に触れる場所に設置。
日本人の心に響く演出です。が、自信がないとできません。

利休庵ご飯が炊かれている様子を見ることができます。

お米へのこだわりだけではありません。
元々、豆乳や湯葉が人気だったという経緯から、
思いきって、肉や魚を使わない健康懐石に
特化しているのです。
それで寂しい食事になっては意味がありませんが、
「この素材でこれだけの料理ができるのかと驚かれます」
とのこと。
食材は地産地消が基本。
素材の持つ力を最大限引き出す味付けに力を注いでいます。
最近増えているベジタリアンにもオススメしたい料理です。

利休庵小鉢がかわいい利休膳（11月の例）。

利休庵は全8室。目的をしぼってゆっくりしたいときに、
ちょうどいい大きさです。
しかし“過剰なサービス”はしていません。
小さい宿が持っているアットホームな雰囲気を
大切にしながら、お客様に干渉し過ぎず、詮索もほどほどに。
その距離感がゆったりと過ごせる秘訣なのでしょう。
早めにチェックインして、食事もゆっくりと。
それが楽しいと思えるお宿です。