2016年8月、国登録有形文化財に指定 平成28年に三棟(三筆)全館が国の有形文化財に登録されました。近代和風木造建築の粋をあつめた大正-昭和初期の風情を残す建物です。 本館である玄関棟は二階建ての数寄屋造りで宿泊客室中心の構成。鶴亀棟は三棟中もっとも古く歴史のある建物で、欄間や柱にいたるまで贅をつくした居心地の良いを追求した離れ屋。大広間棟は二階部分に百十畳の大広間を備えた建物。すべての棟が現役稼動しております。 |
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大正初期、松阪公園(松坂城二ノ丸跡)の藤棚の前にて料理屋として開業したのが始まり。 |
文化庁より贈られた登録有形文化財のプレート。建物全体が指定されていますが、建築時期の違いと構造により三つに分かれています。 |
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豪商の町、松阪 |
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基礎となる建物は小津孝之助宅。孝之助は三井、長谷川と並ぶ松阪の豪商小津清左衛門家の庶流小津家一党。八千代初代がこれを買い取り(昭和4年)二階部分を増築しました。八千代の家紋は「丸に抱茗荷」ですが、一部小津家の「剣片喰」をあしらった瓦が残っています。 |
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今も往時のままに |
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宿泊の客室は二階、網代天井や古木風の材を使用するなど、室ごとに意匠を変え趣向を凝らしています。同じく二階大広間の折上格天井など、随所に時代を感じさせる様式が残っています。 | ||
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