エントランスからつながるGALLERY9.5は、
九条と十条の間にホテルが位置することから名づけられた自由度の高い空間です。
ギャラリーでは、京都を拠点に活動するクリエーターを紹介する企画展をはじめ、
彫刻家・名和晃平氏がディレクションを務める「SANDWICH」との共同プロジェクトも進行中。
さまざまな展覧会やイベントを通し、世界中から訪れた人々や地域で暮らす人々が同じ時間を共有し、
新しい発想のきっかけが生まれるような刺激に満ちています。
この度、ホテル アンテルーム 京都では、2025年4月12日(土)から6月15日(日)までの期間、苅部太郎 個展『洞窟の解剖学』を開催いたします。
苅部は、社会的な問題に関心を持ち、政情不安定国などでのフォトジャーナリズム、ロボットなどの人工物と関係を結ぶ人々を捉えるドキュメンタリー領域でキャリアをスタートさせました。
近年では先端テクノロジーに主眼をおき、写真メディアや人・マシンの認識システムの根源に立ち戻りながら、「人がものを見る経験」を通して社会の実相を再認識する作風を特徴としています。
本展では、<あの海に見える岩を、弓で射よ>シリーズに加えて、新作<Typical World>シリーズを展示いたします。
どちらも画像生成AIのバイアスを引き出し、現代社会における視覚体験を再考する作品です。新作<Typical World>で使用される”Stable Diffusion”は、
現在世界中で使われている主要な画像生成AIツールのひとつで、特定の企業が開発しています。
どこかの誰かの「ものの見方」で作られている以上、生成される画像は一見虚構の世界だけで完結しているようでいて、
現実の社会的規範や政治性、信念体系などが確実に反映されています。
画像生成AIで画像を生み出す際、「typical(=典型的な)」に続けて、作家の物差しで選んだ言葉を追加すると、AIが見せたいありきたりな世界が写し出されるのです。
そのTypical Worldは現実世界と影響し合い、特定の世界観が増幅されていくでしょう。光を失った洞窟の闇の中では、自分の影と他者の影を見分けることは、難しいのです。
/プロフィール
苅部 太郎(かりべ たろう)
1988年愛知生まれ、東京在住。アーティスト、写真家。主な展示に「あの海に見える岩に、弓を射よ」MASQ(東京、2024)、「Electric Caveman」HECTARE(東京、2023)、「沙織」KG+ SELECT(京都、2021)、Auckland Festival of Photography(NZ、2024)、浅間国際フォトフェスティバル(長野、2023)など。
Japan Photo Award・Elisa Medde賞(2024)、Tokyo Frontline Photo Award /川島崇志賞(東京、2022)などを受賞。
会期 | 2025年4月12日(土)〜6月15日(日) |
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時間 | 10:00-20:00 |
会場 | HOTEL ANTEROOM KYOTO l Gallery 9.5 |
住所 | 〒601-8044 京都府京都市南区東九条明田町7 |
TEL | 075-681-5656 |
協力 | JAPAN PHOTO AWARD |
問い合わせ先 | info@hotel-anteroom.com(担当:新原 / 曽根原) |
※本展はKYOTOGRAPHIE2025 KG+に参加しています