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ツバキは元来暖地性の植物であるが風雪のきびしい北陸地方の山地に
従来のツバキ(ヤブツバキ)と異なりツバキが分布いている事がわかり、ユキツバキと命名された。
一躍注目のまとになったのは戦後、間もない頃の事である。
そして1966年には県民投票の結果、圧倒的な支持を得て、新潟県の木に指定された。
それは、ユキツバキが豪雪に耐え、雪解けと共に美しい花を咲かせる性質が県民性を象徴しているからである。
ここ鹿瀬町周辺にはユキツバキが広く自生し、多くのユキツバキの名花発祥の地でもあり、
内外の研究者が調査に訪れる所でもある。
古澤屋の夫婦は根からの花好きで先代の遺志をついで園を開いてから三十年になる。
県下屈指のこのユキツバキ園を訪春園と名付けたのは、春が真先のこの園を訪れ、
この宿を訪れた方々も皆、春のいぶきを感じ自然を満喫できるからである。
1990年4月20日 新潟大学名誉教授 萩屋 薫