「山形座 瀧波」で築350年の建築と開湯920年余の赤湯温泉を堪能

山形県置賜(おきたま)地方にある赤湯温泉は、開湯920余年の歴史ある温泉郷。大胆なリノベーションを経た「山形座 瀧波(たきなみ)」は全客室に源泉かけ流し露天風呂を備え、地元農家から届くオーガニック野菜など、置賜盆地の食の豊かさを堪能できる注目のお宿です。それでは、里山時間に癒される理想の旅を叶えに出かけましょう。

 

 

新幹線で好アクセスな赤湯温泉「山形座 瀧波」

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

山形県南部・置賜地方にある、赤湯温泉「山形座 瀧波」。最寄りの赤湯駅は山形新幹線の停車駅なので、東京駅から乗り換えなしで約2時間20分と好アクセス。移動疲れの心配がありません。赤湯駅からは車で約5分、宿からの送迎が日に2回出ています。

 

 

飲みやすいと評判の「飲泉所」

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

茅葺きの立派な門をくぐって敷地内に入ると、玄関の前に飲泉所があります。飲みやすいと評判ですが、飲んでみると期待以上においしくてびっくり。胃腸の病などに効能が期待できるそうです。

 

古民家をリノベーションした本館ロビー

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

古民家や蔵を改装したお宿は、玄関から一歩入るとその開放感に驚きます。もとは庄屋さんのお屋敷だったという本館ロビーにはデザイナーズ家具が配置され、足元は山形県産の杉材を使用した浮造りの廊下が続いています。

 

山形座 瀧波

ゆとりある畳スペースには、座って寛げるライブラリーコーナーも。木や畳のぬくもりが心地良く、田舎のおばあちゃんの家で過ごしているような安心感。靴を脱いでもてなす日本旅館の魅力を感じます。

 

ウェルカムドリンクと旬のフルーツ

山形座 瀧波

旬の山形名物サクランボには、品種名を添えてある気配りの細やかさです。ご当地で食べ比べができるとは思いもよらず、素敵なサプライズでした。さっぱりとしたナスのお漬物も一緒にいただきます。

 

山形座 瀧波

ウェルカムドリンクは、瀧波オリジナルコーヒーのほか、ノンカフェインのクロモジ茶、秘伝豆のずんだシェイク。そして米どころの山形らしく、キリッと冷えた日本酒も選べます。フルーツにも合うおいしい日本酒です。

 

蔵をリノベーションしたメゾネット客室「KURA」

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

「山形座 瀧波」には3タイプの客室が用意されています。移築した蔵をリノベーションした「KURA」のメゾネットタイプでは、1階にリビングと洗面所、シャワーブース、露天風呂があります。

 

山形座 瀧波

明るい洗面スペースと、その奥にシャワーブース。シャンプーなども揃っています。シャワーブースを開けると縁側と露天風呂へつながっています。

 

山形座 瀧波

アメニティは、世界基準のオーガニック認証を受けている国産コスメ「do organic」。サスティナビリティに配慮した基礎化粧品で、日本人の肌に合う玄米や黒大豆の成分でできています。お肌がしっとり落ち着く使い心地。

 

山形座 瀧波

源泉に浸かれる客室露天風呂は、蔵王石をくり抜いた野趣あふれる岩風呂。泉質は含硫黄ナトリウム・カルシウム塩化物泉。かすかな硫黄の香りで、湯上がりはお肌しっとり。湯守さんが温度を調節し適温で入浴できます。

 

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

階段を上がった2階は畳敷きの寝室。三角の天井や窓の位置、柱の組み方に蔵だった頃の面影があります。もとの建物を残したリノベーションは、歴史の風情を感じられますね。

 

広々とした客室「KURA 01」スイートルーム

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

こちらは最も面積の広い客室「KURA 01」。入り口は当時の蔵そのままの鉄の引き戸。一歩中に入ると、プライベートな庭を眺める2つのリビングルームと2つの寝室。まるで邸宅のような趣です。

 

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

「KURA 01」は6名まで宿泊可能で、広いお庭と露天風呂が付いています。欄間や違い棚など、当時の建築の魅力が大切に残されていて、デザイナーズ家具とともに楽しめる空間。

 

露天風呂から桜が見える客室「SAKURA」

山形座 瀧波

窓から桜の花を楽しめる「SAKURA」の客室。夏には深緑、秋には紅葉と四季を感じられます。あえてむき出しにした梁(はり)には、移築を手掛けた先々代が試行錯誤した補修痕が残っています。

 

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

2階の客室はひのき造りの露天風呂。24時間かけ流しで、思い立ったら好きな時間に入れます。穏やかな景色と心地よい香りに包まれてリラックス。日々の疲れがすっと消えていく幸せな時間です。

 

天童木工の家具をしつらえた客室「YAMAGATA」

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

「YAMAGATA」と名付けられた客室には、山形県が誇る家具メーカー「天童木工」の家具が配置されています。美しいフォルムや触り心地。インテリアでもご当地らしさを楽しめるなんて素敵な提案ですね。

 

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

こちらも足元までの開放的な窓に露天風呂付きです。ヨガやストレッチなどを日課にしている方やワーケーションをする方にもおすすめのお部屋。

 

岩風呂の贅沢と蔵に臨む大浴場

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

夜中でも好きな時間に入浴できる大浴場。女湯は、シャンプーなどが備え付けられた洗い場と内湯、露天風呂があります(男湯は洗い場と露天風呂)。もちろん源泉かけ流し。巨大な蔵王石の露天風呂はぜひ体験していただきたいです。

 

山形座 瀧波 山形・赤湯温泉

女湯の露天風呂は蔵が目の前という面白い造りで、回廊のようにつながった建物の外側を眺められる個性的な空間。温度管理に手間を掛けていて、いつも快適に入浴できます。

 

食を通して置賜の恵みを旅するディナー

山形座 瀧波

夕食はレストランでいただきます。置賜地方の山の幸、そして庄内や三陸の海の幸まで、美しい盛り付けでサーブされる料理。最上鮎の羽前蒸しは、エスプーマ―に柑橘の香りが効いて爽やか。一品ずつお酒をペアリングしていただきます。

 

山形座 瀧波
山形座 瀧波

登場するお酒は、日本酒もワインも志の高い生産者が作ったおいしいものばかり。山形は米どころのイメージですが、最近はワイナリーが増えているそうで、置賜だけで県内の半数を占めています。

 

山形座 瀧波
山形座 瀧波

ワラビ、あいこ、ミズなど、旬の山菜がたっぷりいただけて大満足。どこで採れたものかなどエピソードを聞けるのは贅沢ですね。毎日手打ちで提供される最上早生(もがみわせ)そばは、塩でいただきます。日本酒とぴったりです。

 

山形座 瀧波
山形座 瀧波

香草のパン粉でカリッと仕上げたスズキにスナップえんどうのソース。丸くてかわいい舟形マッシュルームと山形地鶏のクロケッタ。鮮度や調理法でこんなに香りが立つのかと驚きました。

 

山形座 瀧波
山形座 瀧波

肉厚の米沢牛に山ウドと細竹を添えて。スタッフが毎日手入れをしているというフランス製のラギオールナイフを使っていただきます。米沢牛のきめ細かな脂と柔らかさを堪能しました。

 

山形座 瀧波
山形座 瀧波

最後は土鍋で炊いた地元のお米と合わせ味噌汁。シンプルなことなのに、炊きたてごはんのおいしさに心がふるえます。毎日何気なく口にする食事のありがたさを改めて感じます。

 

山形座 瀧波

お米は、「夢ごこち」をはじめ4種類の有機米。稲を刈り取ったのち、茎に残った旨みが米粒に行き渡るように天日干しを施しており、甘みと旨みが満ちた完熟されたお米を堪能できます。

 

卵料理と和食で目覚める瀧波の朝食

山形座 瀧波

朝も夕食と同じレストランでいただきます。土鍋で湯気を上げるのは、山形名物の芋煮です。温かく口あたりの良い和朝食が体にやさしく染み渡ります。

 

山形座 瀧波

やさしい味の甘酒、お膳にはお魚、山菜の和え物、米沢牛の時雨煮、炊きたてのごはんに合う小鉢が並びます。ほんのり甘い、サクランボの漬物はこの土地ならではの一品です。

 

山形座 瀧波

卵料理は2種類から選べます。お米を食べて育った鶏の卵だそうで、黄身の色が鮮やか。イタリアンの夕食とは違う和のメニューに、里山の豊かな食文化を改めて感じました。

 

置賜と赤湯の風土を感じるバスツアーへ

山形座 瀧波

朝食後はバスツアーへ参加。宿や地域のことを簡単に教えてもらえます。この日は金や銀が採れたという十分一山(じゅうぶいちやま)へ。山頂まで登ると目の前に広がるの絶景!ここはパラグライダーの訓練場になっているそうです。

 

山形座 瀧波

ガイドを務める須藤前社長。口上が楽しくてすっかりファンになってしまいます。サクランボ畑やレトロな温泉街など、道中も街の魅力をたっぷり聞けて笑顔にあふれたツアーです。最後は景色を背景に記念撮影もしてもらえますよ。

 

宿で出会ったかわいいお土産

山形座 瀧波

ロビーのそばにある売店コーナーからお土産探し。定番のお菓子のほか、地元置賜の食品やセンスの良い工芸品などを取り扱っています。左から「米織小紋ジッパーポーチ」(2,970円)、「アルカディア手ぬぐい 南陽市」(1,320円)、「米織小紋丸形がま口」(1,650円)、「荻原農園の豆菓子」(各500円)。

 

瀧波周辺の赤湯温泉街を散策

山形座 瀧波

山形座 瀧波から徒歩約1分。こちらは赤湯温泉の源泉地。小さな広場のようなこちらでは、誰でも無料で足湯と飲泉を体験できます。

 

足湯・あっこポッポ湯

住所
山形県南陽市赤湯482-2

 

山形座 瀧波

山形座 瀧波のすぐ隣にある「赤湯温泉 湯こっと」は、地元の方が利用する日帰り温泉。50年以上続いた公衆温泉「あずま湯」「とわの湯」を引き継いで2022年に完成したばかりの新しい公衆温泉。

 

赤湯温泉 湯こっと

住所
山形県南陽市赤湯3004−1
営業時間
6:00〜22:00(30分前に受付終了)
定休日
火曜日(祝日の場合は木曜日)
入浴料
大人300円、小学生以下100円

 

山形座 瀧波

山形座 瀧波から徒歩約8分のところにある「結城酒店 赤湯温泉店」は、老舗の酒屋さんで、置賜ワインを数多く取り扱っています。こんなにたくさんあるとどれを買ったら良いか迷います。

 

山形座 瀧波

結城酒店では試飲が充実しているので、味を確かめて購入できるものもあります。店主の結城さんは地元のお酒にとても詳しいので、お土産選びを相談してみては。

 

結城酒店 赤湯温泉店

住所
山形県南陽市赤湯772-2
営業時間
9:00~18:00
定休日
水曜

 

地産地活の精神でおもてなし

山形座 瀧波

「地産地消ならぬ『地産地活』です。私たちスタッフは収穫を手伝うこともあり、農家さんとの距離が近い。食材を聞かれれば応えられる。コスパより、どれだけお客様の琴線に触れるストーリーを届けられるかを大切にしています」と、ゼネラルマネージャーの須藤さん。

 

里山の良さを実感する温泉宿

山形座 瀧波

源泉かけ流しの質の良い湯につかり、地場の食材をその土地の酒で楽しむ。静かにくつろぐ時間がこれほど心地良いとは。居心地の良さも去ることながら、スタッフさんの親しみやすさに、まるで新しい故郷ができたような気持ちです。皆さんもぜひ、「山形座 瀧波」で、里山のやさしさに癒されてみませんか。

 

山形座 瀧波

住所
山形県南陽市赤湯3005
チェックイン
15:00
チェックアウト
11:00
総部屋数
19部屋
アクセス
JR山形新幹線「赤湯駅」より車で約8分/東北中央自動車道「南陽高畠IC」より車で約10分

 

 

取材・写真・文/Junko Saito 


※この記事は楽天トラベルガイドによって取材・作成されたものです。

2023/2/20
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