『紀伊山地の霊場と参詣道』は、和歌山、三重、奈良の三県にまたがる3つの霊場(吉野・大峯/熊野三山/高野山)とそれらを繋ぐ参詣道で、2004年7月に世界遺産に登録されました。
紀伊山地の森林に覆われた山々は、古くから神仏の宿る場所として人々の信仰を集めていました。
そこに開かれた霊場は修験道・神仏習合・真言密教と異なる思想の文化を保ちながら、それらを繋ぐ道による交流で相互に発展し日本の精神文化の形成に大きく寄与しています。
自然と人々の信仰心によって生まれた『文化的景観』が評価される、世界でも珍しい文化資産です。
古より神々が宿る聖地として人々から厚い信仰を集めた聖地・熊野。すべての人々がこの古道・森に受け入れられてきました。歩くたびに古道に咲く草花、鳥のさえずり、風やときおり降る雨から新しい発見ができます。ココロもカラダもキレイになれるそんな体験をあなたもしてみませんか。
熊野古道の出発点「滝尻王子」でまずは道中の安全祈願。セラピストさんたちと一緒に軽いストレッチをしてココロとカラダをほぐします。セラピストさんが吹くホラ貝の音を五感で感じながら神聖な気持ちでいざ出発です。
生まれ変わりに挑戦!胎内くぐりは、女性がこの岩穴を抜けると安産するといわれています。とっても大きな岩が洞窟のようになって細い出口から外へ這い出る体験スポット。こんなに狭いところをとおれるのかなといざ体験してみると生まれ変わったかのような気持ちになるのは私だけでしょうか
滝尻王子から急な山道を数百メートル上がると胎内くぐりと乳岩があります。乳岩はかつて陸奥の藤原秀衡夫婦が熊野詣の途中、婦人がこの地で産気づき、男の子を産んだ場所。生まれたばかりの子をつれて熊野詣をするわけにも行かず、やむなく岩屋に子供をあずけ、参拝をすませて帰ってくると、子供はオオカミに守られ元気にしていたと伝えられています。
樹齢800年の大きな杉が9本、継桜王子にあります。みんなで手をつないで木を囲んで見るとその大きさにびっくりします。体と顔をあててみるととってもあったかく、長い歴史を刻んできた杉のやさしさを感じることができます。
熊野古道ウォーキングの楽しみのひとつに様々な王子との出会いがあります。王子とは参詣途上で儀礼を行う場所。ウォーキング中に冷たい水に触れることで疲れを癒すことができる水呑王子などそのひとつひとつに違った趣や五感を刺激してくれる。そんな場所がここにはあります。
おすすめの宿、川湯温泉の民宿・大村屋の手作り熊野古道弁当が人気です。栗ご飯や筍ご飯、おいなりさん、古代米おにぎり、南紀名産のめはりずしなど季節のおにぎりが入る手作りお弁当。「旅の想い出をたくさん詰め込んでお持ち帰りください。」との心配りのため、竹で編んだ弁当容器は、再利用できます。前日までの予約が必要。
地元の婦人会が運営する休憩所の横に熊野本宮を望む眺望スポットがあります。コーヒーやみかんを味わいながらほっと一息。休憩した後は本宮までもうひとふんばり。
熊野詣の人々が夢にまでみた聖地、熊野本宮大社には3つの社殿があります。向かって左手が牟須美、速玉の両神、中央は主神の家津美御子神、右手は天照皇大神を祀っています。決まった順番に願いながら遥か千年続く詣の歴史に包まれた気持ちになります。
ヤタガラスとは三本足のカラス。この三本足のカラスは『古事記』『日本書紀』に登場するもので、イワレヒコ(後の神武天皇)が熊野地方に上陸したとき、天の神から使わされ、一行の道案内をしたとされます。この導きによってイワレヒコは敵対する敵を打ち負かし、大和平定を成し遂げることになります。よってヤタガラスは勝利のシンボルとして日本サッカー協会のシンボルマークとされ有名です。
熊野古道・中辺路を歩く楽しみにスタンプ押印があります。これは各王子や茶屋跡など36ヶ所で訪れた記念にスタンプを押すことができるもの。中辺路、本宮などの協会で押印帳を購入してコースすべてのスタンプをすべて押印すると、完全踏破証明書が贈られます。ぜひ挑戦してください。