新幹線、在来線、貨物も!鉄道ジオラマな景色に釘付け「名古屋プリンスホテル スカイタワー」
名古屋の都市風景を一望できる「名古屋プリンスホテル スカイタワー」。高さ140m以上のお部屋からは新幹線をはじめ、JRの在来線に私鉄の特急電車など、日本有数の路線数を見ることができます。鉄道ファンからは「この風景はNゲージ(ジオラマ)と同じサイズ!」という歓喜の声も。
さらに1日4室限定の「トレインビュー&プラレールルーム」に宿泊すると、お部屋に箱いっぱいのプラレールセットが用意されています。広い空間にレールを自在に配置したり、頻繁に走る電車を窓から眺めたり。時間を忘れて鉄道に魅了される「名古屋プリンスホテル スカイタワー」の滞在をご紹介します。
観光・ビジネス両方に便利なロケーション
東日本と西日本の中間に位置し、日本5大都市の一角をなす愛知県名古屋。「名古屋プリンスホテル スカイタワー」が位置するのは、名古屋駅に近く、中京テレビや愛知大学が並ぶ整然としたささしまエリアです。
地上36階建ての超高層ビル「グローバルゲート」の上層階を占め、エントランスから31階直通の専用エレベーターで一気に地上から天空の世界へ。
駐車場98台分のスペースが地下にあり、1階は旅情を誘うトランクが目印の車寄せスペースも完備。公共交通機関で向かうなら、名古屋駅から1駅、あおなみ線「ささしまライブ」駅に直結しています。
重厚感と開放感を兼ねそなえたロビー
31階エレベーターホールに到着すると、日本を代表する左官職人・挾土(はさど)秀平さんの作品『ラピスラズリの海』が目の前に現れます。柔和な波模様に誘われるまま歩みを進めると…
高さ約30mもの吹き抜けが頭上に広がり、雰囲気が一変。窓からは陽光が注ぎ、悠々と置かれたソファセットなど、くつろぎの雰囲気が感じられます。
地球儀を模したオーナメントや船のマストをあしらった柱と、随所に海の気配が感じられますが、それもそのはず。実は「空の浮きふね」をコンセプトとし、刻一刻と明るさが変わる天井の照明も、夜の海を照らす星空をイメージしているのです。
シティホテルでありながらも、ちょっとした船旅も味わえ、非日常な始まりに気分も高揚。チェックインを終えたら、宿泊フロア専用のエレベーターに乗り換えて、お部屋を目指します。
絶景と特別なアメニティが待つ「トレインビュー&プラレールルーム」
吹き抜けを中心に、その周りを口の字型 にお部屋が配された造り。「トレインビュー&プラレールルーム」を選ぶと、コーナールームに泊まれるので、贅沢にも二方向の景色を堪能できます。
コーナールームは、59.5平米のデラックスルームと79.4平米のプレミアムルームがあり、それぞれベッド2台(セミダブル以上 デラックス120cm・プレミアム140cm)のツインルームもしくはベッド1台(キングサイズ)のキングルームがあります。
さらに車いす仕様のユニバーサルルーム(78平米)も完備。ゆとりのある洗面スペースが特徴的で、浴室やトイレには手すりがそなえられています。
すべてのお部屋が洗い場付きの浴室になっているのも使い勝手が良いと高評価。スペースが広く、ファミリーで滞在してもゆったりと入浴できます。
全室に床から天井までの掃き出し窓が設けられ、お部屋の延長線上に青空や名古屋の市街地といった外界の風景が続きます。そして、そこには都市に欠かせない列車の姿も。
お部屋の向きによって、名古屋駅を発着する新幹線や車両基地で停車中の車両が見られます。
どの方向からも列車を望めるという希少な環境で、このトレインビューをもっと楽しんでほしいという想いから、オリジナル冊子を作成。鉄道写真家が監修し、眼下を走る列車・車両について写真を中心に詳しく解説しています。
鉄道ファンが選んだ、こだわりのプラレールセット
「トレインビュー&プラレールルーム」の魅力は、鉄道による絶景だけではありません。お部屋で遊べるプラレールセットは、子どもにとって待ちに待った瞬間。
新幹線のN700系、在来線の315系といったJR東海の車両に加え、近鉄の特急電車「ひのとり」もしくは名鉄の特別車「ミュースカイ」など、7種類の車両が付いています。
実際にお部屋から見える車両と同じものをそろえているという徹底ぶりで、その中には、運行情報が不明で、目撃できれば幸せになると言われるドクターイエローも。
線路や架線を点検する、新幹線のお医者さん的存在のドクターイエローは名古屋駅も通過します。鉄道ファンの中ではツイッターなどSNSで情報を収集することが多く、運が良ければ実際に遭遇することも。これには子どももプラレールを忘れて、釘付け状態に。
プラレールセットには、「桃太郎」という愛称で親しまれている貨物列車も入っています※が、これも名古屋ならではの事情があります。名古屋駅を観察していると、16両編成の新幹線に匹敵する貨物列車の存在に気付くはず。
※プラレールセットには、貨物の牽引車「桃太郎」と「レッドサンダー」がランダムに入っています
新幹線の長さは400mにわたるので、貨物列車も相当な規模。東京ではあまり見かけませんが、それは貨物車両が専用線を走るので主要駅を通る機会が少ないため。しかし、名古屋では線路の都合上、名古屋駅を通過する必要があるため頻繁に行き来する様子を見られるのです。
キッズ・ベビーの豊富なアメニティ
プラレールセット以外にも、トーマスの絵本や乗り物のDVDも置いてあります。プラレール遊びがひと段落した時や、夜になって外が見えなくなった時に重宝しそう。
このプランでは、キッズアメニティも特別にプラレール仕様。コップ、巾着、歯ブラシの3点で、自宅に持ち帰ってからも使えると好評です。
子ども用スリッパや、サイズごと(100cm・120cm・140cm)のパジャマ、ハンカチや歯ブラシセットなども希望に応じて用意してもらえます。添い寝は小学生までで、ベッドガードもレンタル可能。
赤ちゃん用グッズでは、哺乳瓶消毒器(ミルトン)、おむつポット、ベビーベッドを借りられますが、数に限りがあるので、事前に予約をしておくと安心。コンビニやドラッグストアもホテルと同じビル内にあり、離乳食やおむつの調達に便利です。
ゆっくりと時が流れるホテルステイを満喫
お部屋に入るやいなや、子どもはプラレールに夢中。セットの中には基本的なレールが100個近くあり、珍しいガーター橋や駅用プレートレールにも興味津々。
手元に集中しつつ、電車の走る音がかすかに近づくと急いで窓際へ。名古屋駅側のお部屋だと、右側ではJR東海の在来線・新幹線と名鉄名古屋本線が、一方の左側をあおなみ線と近鉄名古屋線が走行。お部屋の両側から車両が行き来し、臨場感のある光景を眺められます。
ひっきりなしに登場する列車に子どもは終始飽きることなく満足な様子。目の前の景色を自分でも再現してみようと必死になったり、部屋に置いてあったプラレールの絵本から新たなアイデアを探したりと、ひとり黙々と作業に励みます。
コーナールームには、仕事や読書にぴったりな書斎スペースもあります。子どもの様子を見つつ、ワーケーションとしても滞在できそう。
ラグジュアリー感が増す、大人用アメニティ
コーナールームの特典は子どもだけでなく、大人にも。通常のアメニティと異なり、ReFa(リファ)のビューテックドライヤープロ、ビューテックカールアイロンがあり、シャワーヘッドもReFaのファインバブルSになっています。
さらに真珠肌へと導く、「ミキモト コスメティックス」のスキンケアセットもコーナールームだけに用意されたもの。メイク落とし・洗顔フォーム・ローション・保湿クリームの4点が入っていて、手ぶらで宿泊できるのもうれしいポイントです。
ヘアブラシ、バスソルト、歯ブラシセットは全室に備わっていて、上下に分かれたナイトウエアとコーナールーム限定でバスローブも常備。枕は通常のものに加え、そば殻・パイプ・低反発の貸し出しもあります。
ミニバーに収まりきらない、充実の品ぞろえ
冷蔵庫にはビール、ソフトドリンク各種、スナックがそろっていて、引き出しの中にはウィスキーやブランデーのミニボトルも(有料)。
お酒に合わせて数種類のグラスが用意され、ワイングラスが常備されているのも珍しいです。コーヒーメーカーや湯沸かし器、無料のミネラルウォーターも置いてあります。
ファミリーも利用しやすい「クラブラウンジ」
専用のカードキーでアクセスできる「クラブラウンジ」は、コーナールームに宿泊したら、ぜひ訪れたい場所。31階ロビー奥に構えており、一部の宿泊者のみが利用できるのです。
10時のティータイムより、ノンアルコールのスパークリングワインを含むソフトドリンク、ワインやリキュール各種を用意。
15時にはマカロンや季節のスイーツなどが並び、17時から21時までのカクテルタイムはオードブルが登場します。
茶色や白など落ち着いた色合いの家具や調度品が、和やかな雰囲気をかもし出します。「大人な空間」という印象ですが、ファミリーにも気軽に利用していただけるようにと、高さの低いソファを改めて購入したのだとか。歓迎の気持ちがうかがえ、ぐっと敷居も下がります。
滞在中は何度も訪問できるうえ、チェックアウト後も14時までクラブラウンジは利用可能。もともとチェックアウト時間が12時と遅めな設定ですが、それでも次の目的地を目指す前に落ち着ける場所があるのはうれしいです。ここでくつろいだ後、のんびりとホテルを去る方も多いと聞きます。
季節ごとに異なる食事を味わえる「Sky Dining 天空」
夕食は、30種類近いメニューが並ぶ、ブッフェレストラン「Sky Dining 天空」へ。夕暮れから刻一刻と、きらびやかになる名古屋の夜景を眺めながら、季節ごとに変わるブッフェ料理をいただけます。この眺望を楽しみに宿泊者以外もディナーやランチに訪れるのだとか。
※プラレールプランで宿泊の際は夕食がプランには含まれないので、レストランへの予約とお支払いが別途必要となります
この日は子どもに人気のピザやドリアに加え、目の前ではイタリアのトスカーナ地方で有名な「牛肉のタリアータ」が仕上がり、思わず手が伸びるはず。
※2023年5月12日以降はブッフェの内容が異なります
「お客さまに出来立てのおいしさを味わっていただけるパフォーマンスボードの料理は特におすすめです。
デザートのモンブランも特別な絞り機を導入していて、ご注文をいただいてから作るので、味だけでなく完成までの工程もお楽しみいただけます。」と、スタッフ の金川さん。
都会を照らす、あたたかな鉄道夜景
空が暗くなり、お部屋に戻ると昼間の開放的だった景色が一転、平らだった名古屋市街が光の海と化し、幻想的な世界が目の前に広がります。
お部屋の灯りを消して、しばし夜景の美しさに見入っていると、一筋の白い光が視界を横切ります。その正体は新幹線。建物や道路の照明が固定されている分、鉄道が放つ灯りはより活動的です。
名古屋のご当地食たっぷりの朝食
朝食も昨夜に引き続き、「Sky Dining 天空」へ。和食と洋食に加え、プリンスホテルで人気のカレーも登場します。
「名古屋めし」と称した一角には、手羽先や味噌カツなどご当地メニューが勢ぞろい。名古屋コーチンの卵で作った茶わん蒸しも味が濃厚です。
特製の出汁を注いでいただく、きしめんとひつまぶしは量も控えめなので、ぜひ両方とも味わってほしいメニュー。きしめんは、つるりと喉越しが良く、ひつまぶしもワサビと出汁が効いて、さっぱりとした味わいです。
ブッフェに彩りを添えるジェラートは、夕食時だけでなく朝食時もいただけます。バニラやチョコレートなどの定番に加え、季節のフルーツも含む5種類のフレーバーを楽しめます。
パフォーマンスボードでは、ふくよかな香りとともにフレンチトーストが焼き上がり中。日替わりでオムレツと交互に提供されます。
もっちりとした弾力で、噛むごとに柔らかな甘みが広がり、ベリーソースとの相性も抜群です。
お片付けを後押しする秘密道具
ホテルステイを満喫した滞在も、いよいよチェックアウトの時間。お部屋を見渡してみると、ばっちりプラレールは遊んだままの状態です。数が多い分、子どもにお片付けをさせるのも至難の業かも…と危惧をしているママパパも少なくないはず。
そんな心配事を払拭してくれるのが、チェックイン時にフロントで渡される「お片付けシート」。プラレールや絵本など、借りたおもちゃの数を確認して、お片付けをするとチェックアウトの際に、ごほうびシールをもらえるのです。
これには子どももお片付けに積極的。お部屋もきれいになり、気持ちよくチェックアウトできます。
「トレインビュー&プラレールルーム」に宿泊すると、リニア鉄道館の入館券が付いているので、午後はそちらへ向かって鉄道三昧な過ごし方も。またレゴランドのオフィシャルホテルなので、フロントで当日券を購入したら現地でスムーズに入場することができます。
鉄道の由緒ある地にあるホテル
「名古屋駅を俯瞰的に見られる場所にホテルがあるので、地上を走っていた名鉄線や近鉄線が名古屋駅の地下ホームに潜る瞬間も見ることができます。反対側の西側には車両区があり、夕焼けに照らされた車両や線路は美しく、お部屋によって様々な鉄道風景をお楽しみいただけるのが魅力です」と、今回のコラボ企画を担当し、鉄道ファンでもある藤縄さん。言葉に熱が込められています。
ホテルのすぐ近くには中川運河が通り、かつて海からの荷物を運ぶために貨物駅が広がっていたと言います。交通の要地だった場所に立つ「名古屋プリンスホテル スカイタワー」。朝な夕なで、いつもそばには鉄道の存在が。名古屋の発展を支えてきた歴史ある土地に、鉄道ファンが引き寄せられるのも自然の流れなのかもしれません。
名古屋プリンスホテル スカイタワー
- 住所
- 愛知県名古屋市中村区平池町グローバルゲート 31階
- アクセス
- 名古屋駅よりあおなみ線で1駅「ささしまライブ」駅直結 または、ささしまウェルカムバスにて「グローバルゲート南」で下車
- 駐車場
- あり(グローバルゲート地下1階の共用駐車場。2,500円/泊をフロントにて精算)
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:24:30)
- チェックアウト
- 12:00
- 総部屋数
- 170室
取材・写真・文/浅井みら野