<御柱の木落し坂近くの仙郷>
諏訪大社下社の少し北、急勾配の坂道を登りきるとあたりは一変、毒沢仙峡の鬱蒼と生い茂る杉木立に覆われた高台に神乃湯が建っていた。玄関は土間風で、民芸調の木造づくり。こぢんまりした部屋の窓辺は、仙郷の緑も清涼感あふれ、空気もおいしい。 「神乃湯」の由縁は、祖父母の幼子が瀕死の病床のさなか、夢枕で弁天様から「持ち山(毒沢仙峡)の鉱泉で治せよ」とお告げを受け、沸かし湯と飲泉のおかげで完治したのが宿の興りだとか。戦前は自然の鉱泉水そのものが売薬許可を受け、皮膚薬にもなった過去の歴史をもつ。 明礬泉と緑礬泉の両方の成分をふくむ珍しい鉱泉だ。