【随所にこだわりの技法が…】
建設当時の樅峰苑の施主であり、頑なに自らの理想を追求した 12代目当主・小山田治右衛門は、建設の3年前に甚大な被害を 出した「強首地震」での教訓から建築にあたって耐震性を重視し、当時の宮大工であり匠長であった井上喜代松を1年間京都に 派遣し耐震技術を習得させたほか、建材の一つ一つにまで妥協を許さず最高のものを求め、樅峰苑を完成させました。
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〔玄関口の縁側〕 16.3mという長大な一枚通しの天然秋田杉を使った廊下や、三部屋通しの長押など、さりげない贅の極みがここにあります。
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〔階段室〕 宮大工ならではの技が作り上げた鹿鳴館風の意匠。和風の造りから一転して、ルネサンス調の親柱や手すりなど凝洋風の技法が凝らされており、また階段の天井は折り上げ天井となり、その下部の欄間は和風。さらに背後の天井は舟型天井となっており見事な対比を見せています。
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〔奥座敷〕 左側の付書院、弧を描く窓、上部欄間の繊細な組子など日本建築の美が凝縮された奥座敷。床柱には世界三代銘木の一つといわれる『鉄刀木(たがやさん)』が使われています。
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