岡山県北にある美作三湯（みまさかさんとう）は、湯郷温泉、湯原温泉、奥津温泉の３つのいで湯からなる温泉地。なかでもアクセスしやすいのが、湯郷（ゆのごう）温泉。約1200年前に、比叡山の高僧・円仁法師が白鷺に導かれて発見したというお湯は、薬湯としても知られています。無色透明のラジウム気泡を含む塩化物泉は、「なでしこジャパン」の選手もお気に入りなのだとか。お肌もツルツルにしてくれるから、女性にも大人気です。
窓の外に庭園が見える内風呂は、露天風呂気分で楽しめる。
中庭の露天風呂
館内で毎週代わるフラワーアート
外観
窓の外に庭園が見える内風呂は、露天風呂気分で楽しめる。
中庭の露天風呂
館内で毎週代わるフラワーアート
外観
美作三湯 湯郷温泉季譜の里
館内に広がるのは、いたるところに野の花が飾られた、全館畳敷きの心地よい空間。お風呂は源泉を使い、それぞれに趣向を凝らしたものばかりで、あれもこれも試してみたくなります。一面の窓の外に庭園を眺める内湯や、風や緑の香りを肌で感じる露天風呂、天然鉱石の効果でじんわりと温まる薬石風呂など、ひとつひとつの湯船をじっくりと楽しんでみては？そのほか、備前焼や倉敷ガラス作家の作品が飾られているスペース など、旅心を盛り上げる要素もたくさん。食事は５つの食事処から選べるので、どんな旅のスタイルにも対応できそう。和の雰囲気とリゾートホテルの快適さを兼ね備えたこのお宿で、のんびりと癒されて。
湯郷温泉を発見した円仁法師が建てた「長興寺薬師堂」。歴史を感じさせる街並みは情緒たっぷり。
無料の足湯。美作地方の巨人伝説「さんぶ太郎」の足型をモチーフにした湯船がユニーク。
安廣さんご夫妻が営む温泉街の小さなベーカリー＆カフェ。店内でいい香りを漂わせているのは、卵も牛乳も使用しない、国産小麦の手作りパン。自然発酵に17時間もかけたパンは、素朴な味ながらもっちりとした食感で、お腹も心も満たしてくれます。焼きたてパンとスープ、サンドイッチなどがセットになったランチは、オーガニック食材メイン。温泉でキレイになった身体に、ますます磨きをかけてくれそうです。
TEL:0868-72-0772
住所：岡山県美作市湯郷323-10
時間：10:00～18:00（パンは閉店前に完売することもあり）
休日：水・木曜
アクセス：湯郷温泉下バス停より徒歩５分
雄大な中国山地の山々と吉井川の清流に抱かれた奥津温泉は、江戸時代に開かれたいで湯の里。ここは歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻や版画家の棟方志功など、多くの文化人に愛されてきた場所でもあります。今も昔も多くの人を魅了するのは、自然豊かな環境と、効能あらたかな泉質。アルカリ性の単純温泉は漂白成分を含んでいるため、湯上りのお肌はすべすべになるうえ、身体の芯までほんわか温まります。そんな名湯を楽しめるのが、奥津荘の鍵湯。足元に湧きあがる源泉を心ゆくまで堪能して。
足元からは、新鮮でピュアな温泉が湧いてます！
昭和2年から残っているテール壁
ロビー
外観
足元からは、新鮮でピュアな温泉が湧いてます！
昭和2年から残っているテール壁
ロビー
外観
美作三湯 奥津温泉名泉鍵湯 奥津荘
創業は昭和2年。奥津荘は、当時の趣を残すしっとりとした佇まいの和風旅館です。湯船を満たすのは自然に湧き出る“生きた温泉”。川底をそのまま生かした浴槽に浸れば、気泡とともに岩間から湧き出る温泉を実感できるはず。毎分247リットルと豊富な湯量が湧き出るため、加水も温度調整も一切なし。昔から親しまれるありのままの温泉を楽しめます。全8室の小さな宿ながら、手入れの行き届いた和の空間は快適そのもの。落ち着いた温泉宿の情緒に浸れるお宿です。
自然豊かな吉井川沿いを散策。山間の静かな温泉地らしい情緒にうっとり。
吉井川沿いにある足湯スポット。散策に疲れたら、ここでひと休み。
「米屋倶楽部 奥津」は、奥津の自然を借景に温泉が楽しめるホテル。他の温泉宿と離れた高台に立つここは、大人の隠れ家風の雰囲気もあって、日頃の忙しさを忘れさせてくれそう。木々に囲まれた露天風呂は、嬉しいことに貸し切り利用も可能です。2014年にリニューアルをした館内はモダンな雰囲気で、コーヒーを飲みながらくつろげるカフェスペースもあり。カップルや気のおけない女性同士の旅にもおすすめです。
旭川沿いに位置する湯原温泉の特長は、なんといっても豊富な湯量。温泉郷には15の源泉があり、調査済みの泉源だけでも、毎分3,984リットルの総噴出量を誇るのだそう。人工的に掘り出した温泉ではなく、自然噴出の温泉だけを利用しているこのような温泉地は、日本でも貴重な存在。泉質はアルカリ性単純温泉。皮膚にしみ込みやすく、角質化した皮膚をキレイにしてくれるから、入浴後はきっと、ツルツルのお肌を実感できるはずです。
カラフルな浴衣を借りて、温泉情緒を満喫。
紅梅の湯、当館で一番広い内風呂
落ち着いた本畳のお部屋
外観
カラフルな浴衣を借りて、温泉情緒を満喫。
紅梅の湯、当館で一番広い内風呂
落ち着いた本畳のお部屋
外観
美作三湯 湯原温泉湯の蔵 つるや
造り酒屋に遡る宿。手入れがゆき届いた中庭には、当時から絶えることなく湧き続ける井戸も残っています。そんな美しい庭を眺めたり、温泉街を浴衣で散策することも、このお宿の楽しみのひとつ。いち早く色浴衣貸与のサービスを始めたここには、色とりどりの浴衣が揃います。浴衣を着慣れない人も、着付けを手伝ってもらえるから安心。そのほか、湯原温泉を使ったオリジナルのコスメなど、女性の心をくすぐるアイテムが盛りだくさん。源泉100％かけ流しの温泉や本畳敷きが落ち着く和室、手間暇をかけた料理など、全24室のこじんまりとした館内は、心を癒してくれるもので満たされています。
帯も浴衣もいろいろな種類があって、どれにしようか迷ってしまうほど。
中庭を散策。50匹の鯉が泳ぐ池で、しばしのんびり。
初めて訪れたのにどこか懐かしさを覚える、鞆の浦。江戸時代には潮の流れを利用して航行する船の「潮待ちの港」として栄えた街でもあります。当時の面影を薫らせる町家や寺社が残された街中は、散策にもぴったり。広島県第二の都市、福山市から車で30分圏内とアクセスは良好ながら、古き良き日本の港町風情をたっぷりと肌で感じることができます。散策した後は、瀬戸内海の絶景に抱かれながら、温泉でゆっくりと癒されて。泉質はラジウム温泉で、身体の芯から温まります。
景勝館 漣亭
耳に優しい瀬戸内海の潮騒、肌で感じる木の温もり、囲炉裏から漂うほのかな炭の香り･･････。ここで過ごすだけで、心身が生まれ変わりそうな予感。鞆の浦を一望する露天風呂は、船や樽の形をしたヒノキ造り。水面が茜色に染まる朝焼けや、月明かりに照らされた夜の海まで、刻一刻と変わる鞆の浦の景色を眺めながらの温泉が楽しみです
ホテル 鴎風亭
海面に近いロビーからは波間を行き交う船、海上約15ｍにある露天風呂からは、穏やかな瀬戸内に浮かぶ島々。三方を海に囲まれているこのホテルは、館内のさまざまな場所から、バラエティに富んだ眺めを楽しむことができます。食事は、近海で獲れた魚を中心とした会席膳。小ぶりながら脂が乗った魚は、ついお酒も進んでしまうおいしさです。
汀邸 遠音近音
江戸時代の建物を改築した古民家風の宿。すべての客室に露天風呂が完備され、宿泊は17歳以上に限定されているここは、大人のためのスモールラグジュアリーでもあります。エントランスに入ると、たちまち江戸時代の風情に迷い込み、なんだかタイムスリップした気分。仙酔島を一望する貸し切り風呂や、客室のウッドデッキに設えたお風呂も、至極の時間へと導いてくれます。
スタートは「ホテル 鴎風亭」。心地のいい瀬戸内海の風を浴びながら、海沿いをのんびりとお散歩。
港の入り口を示す「常夜燈」は鞆の浦のシンボル。1859年に建造されて以来、海上の安全を見守り続けてきました。周辺には魚を干す素朴な風景が。
鞆の浦の名物といえば、生薬リキュールの「保命酒」。薬味の成分が溶け込んだ甘いお酒で、お湯割りで飲むと体がポカポカと温まります。
街から坂を登ったところにある「医王寺」や、そこから石段を登った「太子殿」から、港町を一望！
「一度入浴すればお肌が若返るようになり、二度入浴すればどんな病も治癒してしまう。その効能が効かなかったことは聞いたことがないので、人々は神の湯と呼んでいる」。そんな記述が1300年前の風土記に残されている、玉造温泉。ここは古代から人々を癒してきた美肌の湯として知られています。足湯やショップが点在する温泉街をそぞろ歩いてリフレッシュ、宿の温泉で美肌を仕上げて、心とお肌に嬉しい旅を。
玉造温泉 佳翠苑 皆美
版画家の棟方志功や作家の松本清張など、多くの文化人に愛されてきた宿。庭を眺める美肌の湯や、山々の借景を楽しむ最上階の展望風呂で、効能あらたかなお湯を楽しんで。そのほか、麦岩石を使用したサウナや、気分転換にぴったりの手湯・足湯も完備。タオルに温泉を浸してスチーム効果でお肌を温める「美顔入浴」は、お肌がしっとりすると、女性に密かな人気です。
出雲・玉造温泉 白石家
到着したら、まずは庭が見えるロビーでほっと一息。その後は、色とりどりに用意された花柄の浴衣を着て、温泉街へ。パワースポットの「玉湯作神社」や足湯を巡った後の楽しみは、湯船の底まですべて古代ヒノキでできた大浴場「織姫」。柔らかなお湯が心地よくて、心までピカピカに磨かれそうです。
温泉街の真ん中を通る玉湯川。昼はのどかな光景、夜はライトアップされたロマンチックな景色が楽しめます。
川沿いの足湯へ。熱いお湯とぬるめのお湯の2種類が用意されているから、お好みで選んで。
「勾玉橋」にあったのは、約2mもの勾玉のオブジェ。ここで記念写真をパチリ。
温泉街の一角にある「玉造アートボックス」は、築50年の旅館を改装した複合施設。お土産店や個性派のショップ、カフェが入っています。訪ねたのは、2階にあるカフェ「mame café」。出雲の老舗「來間屋生姜糖本舗」の生姜糖を使った「生姜甘酒（480円）」や、自分で抹茶を点てていただく「お点前・抹茶カプチーノ（550円）」など、ユニークなメニューが充実しています。
TEL: 0852-67-5050
住所：島根県松江市玉湯町玉造1241
玉造アートボックス 2F
営業時間 ：9：00～19：00（L.O18：00）
定休日： 火曜日
「湯が湧き出る田地」という意味から名づけられた湯田温泉の開湯は約600年前。その名の通りお湯が豊富なここは、今も昔と変わらず、無色透明のアルカリ性単純泉が滾々と湧き続けています。温泉街には6つの足湯があって、それらを巡るのも、楽しみのひとつ。また、この温泉街は風水の条件にも恵まれた立地で、パワースポットとしても有名。湯田温泉は、お湯よし、環境よしの温泉地なのです。
湯田温泉 湯の宿 梅乃屋
「入れば入るほど美しい肌になる」「肌の酸化を防ぎ、新陳代謝が活発になる」と呼ばれる名湯を存分に楽しめるよう、露天風呂は加水も温度調整も一切行なわない100％源泉かけ流しの天然温泉。内風呂は、高温の温泉と低温の温泉をバランスよく合わせているので、熱いお風呂が苦手な人でも楽しめます。お風呂の後は、旬の魚とたっぷりの地野菜でお腹を満たして。
湯田温泉 湯別当 野原
創業は室町時代という、湯田温泉最古の温泉宿がこちら。昭和に建てられた建物はどこか懐かしい薫りで心が和みます。内風呂では、ポコポコと湧く源泉の音に耳を澄ませながら、のんびりと入浴を。料理は一年を通して、山口の名物、フグをご用意。派手さこそないけれど、もてなしの心が伝わる、ほのぼのとしたお宿です。
湯田温泉 西の雅 常盤
温泉街のメインストリートに立つ大型旅館。名物女将自らがパフォーマンスをする「女将劇場」や、趣が異なる10のお風呂など、宿での楽しみ方もチョイスが豊富。日本料理界の巨匠、大田忠道がプロデュースした夕食は、舌も目も楽しませてくれるゴージャス和会席。客室のセレクトも8タイプあるので、カップル旅行やグループ旅行、女性同士の旅など、どんなスタイルでもくつろげます。
湯田温泉は足湯が充実していることでも有名。湯田温泉駅前、井上公園、湯の町通りなど無料で楽しめる足湯が6ヶ所もあるのです。足を温めることで全身の血液の循環がよくなることはよく知られていますが、効能はそれだけではありません。山口大学の研究によれば、なんと、足湯を習慣的に行うことにより、白血球の一種で細菌やウィルス、ガン細胞を壊す働きを持つ「ナチュラルキラー細胞」が活性化されるのだとか。すべて歩いて回れる湯田の足湯を巡れば、足元からヘルシーになれそうです！
