楽天トラベル

宿・航空券・ツアー予約

楽天トラベルトップ > 観光案内「たびノート」・沖縄 > 「久米島ジョーグー」ぶらり旅 秋

久米島ジョーグーぶらり旅秋

~久米島の人~

自然・文化・人・食といった沖縄の魅力がギュッと詰まって、沖縄を満喫するのにちょうどいい久米島を、沖縄に移住したライターが取材します。
ちなみに「ジョーグー」とは沖縄の方言で「好き」という意味です。

自然・文化・人・食といった沖縄の魅力がギュッと詰まって、沖縄を満喫するのにちょうどいい久米島を、沖縄に移住したライターが取材します。

那覇から飛行機で約30分。車で周囲を回れば、一周約40分。人口約8000人の久米島は沖縄のいくつもの離島の中でも、海も山も畑もあり豊かな水に恵まれて、人々の暮らしがちょうどよいサイズで成り立っている印象がある島だ。この島の風景は、なんだかまるで故郷のように懐かしい。きっと、たんたんと重ねられた人々の暮らしの営みが、島の風や土に染み込んでいるからなのだろう。サトウキビの葉を波立たせる風が「おかえり」と言ってくれているような気がして、ふと、大きく息をつく。

新鮮で懐かしい
島の暮らし体験

ホームビジット

久米島には「ホームビジット」という体験プログラムがある。
島で暮らすご家庭を訪ねて半日いっしょに暮らすように過ごす、いわば宿泊をしない民泊体験だ。私が訪れたのはフクギの木に囲まれた築60年を超える古民家に住む、宇江城さんご夫婦のお宅。お二人は昭和始め頃の生まれで80代後半になられるそうだが、たいへんお元気。親しみを込めて「オジー」「オバー」と呼ばせていただこう。庭の木陰のテーブルで「家の中よりこっちのほうが、風が通って涼しいさー」とオジーとオバーは笑顔で迎えてくれた。

「じゃあ、畑を見に行こうかね」とオジー。青々とした葉が茂る畑に行って、葉をかき分けると驚くほど大きなずっしりとした実が現われた。シブイ(冬瓜)だ。獲れたばかりのシブイの実には硬い産毛が生えていて、抱えるとチクチク手に刺さり思わず「いててっ」と声をあげてしまうが、これが新鮮な証拠。他にもゴーヤーやモーウイ(赤毛瓜)、ナーベラー(へちま)などなど、沖縄ならではの野菜がたくさん植えられ、実りの季節を迎えていた。

お世話になった宇江城さんご夫婦

お世話になった宇江城さんご夫婦

新鮮で懐かしい島の暮らし体験

オジーの畑で島野菜の大漁

新鮮で懐かしい島の暮らし体験

新鮮で懐かしい島の暮らし体験

「前はもっと広く(畑を)していたけど、今はこれだけさー」とオジーは言うけれど、こんなに広い畑をご夫婦二人で今もやっているのかと思うと、その体力にあらためて舌を巻く。

新鮮な島野菜はすぐにその日のお昼ご飯に。オバーが腕をふるって作ってくれたのは、「ゴーヤーちゃんぷるー」「ナーベラーンブシー(へちまの味噌炒め)」「シブイ(冬瓜)のおつゆ」「島らっきょうとイカの和え物」。

新鮮で懐かしい島の暮らし体験

ちゃんぷるーに入れる島豆腐は手で崩しながらフライパンに入れると味が良くからむし、ナーベラーンブシーは最後に入れる島ニンニクが隠し味、おつゆはキャンベルの缶スープで味付け……と次から次に手際よく料理をしながら、島の料理ならではのコツをオバーが教えてくれた。野菜を切ったり、鍋の中を混ぜたり、味噌を入れたり、あれこれ手伝ううちにあっという間に大皿に料理が山盛りになる。

強い日差しを浴びて育った滋味深い島野菜づくしの味は、まさに「島のおふくろの味」。木漏れ日が降り注ぐ野外のテーブルで、できたての料理を頬張ると、汗をかいた体に健康的な野菜の旨みがすっと入りこんでくる。日差しと涼しい風と料理が合わさって、なんとも贅沢な味わいだ。

沖縄の定番食材ポーク缶

沖縄の定番食材ポーク缶

豪快に手で島豆腐を崩してゴーヤーちゃんぷるーに投入

豪快に手で島豆腐を崩してゴーヤーちゃんぷるーに投入

島野菜づくしオバーの味

島野菜づくしオバーの味

フクギの木陰でオジーとオバーの昔話を聞きながら

フクギの木陰でオジーとオバーの昔話を聞きながら

テーブルを囲んでいっしょにたくさん食べながら、笑いながら、おしゃべりしながら。オジーとオバーの口からは、60年前に家を建てた時の話、戦争の時代からアメリカの統治時代に通貨が次々と変わって苦労した話、畑の話、子育ての話など、数十年を経た日々が、つい昨日のことのように語られる。この島に根づき、繰り返され続けてきた日々の暮らしをその言葉の端々から鮮やかに思い描くことができて、なんだか私はオジーとオバーのほんとうの子どもか孫にでもなった気分で、何度も二人の話に相づちを打っていた。

新鮮で懐かしい島の暮らし体験

ホームビジット情報はこちら

※外部サイトへリンクします

島の思いが染み込んだ
サンシンの調べ

三線教室

三線教室を受けた体験交流施設「あじまー館」では、島のお菓子づくり教室も開催

三線教室を受けた体験交流施設「あじまー館」では、島のお菓子づくり教室も開催

島の風景を思い浮かべると、ゆるやかなサンシン(三線)の旋律も頭の中で流れ出す。街なかで、住宅地で、居酒屋で、海辺で、気づくとその音色はいつもどこかで鳴っている。自分も奏でることができたらなぁという憧れは、沖縄が好きな人なら一度は持ったことがあるのではないだろうか。私もその一人だ。

久米島でできる体験プログラムに「三線教室」があるというので参加させてもらった。教えてくれたのは、ベテランのサンシン奏者でサンシンの製作や修理も手がけているという新垣清昴さん。「サンシンというのはただ楽器として弾くものじゃなくて、『唄三線(うたさんしん)』といって、唄と一体にならんといけないわけさ」と新垣さんは教えてくれた。

今回は取材だったのでマンツーマンの指導

今回は取材だったのでマンツーマンの指導

サンシンの楽譜は「工工四(くんくんしー)」と呼ばれる独特なもので、開放弦と三本の弦をそれぞれ指で抑えた音が、工、四、五、合、中、乙などの漢字で表されている。まずは、この音の指を抑える位置を覚えることからスタート。繰り返し繰り返し、指と耳が音を覚えるまで何度もフレーズを弾く。ツメ(指につけるサンシン用のバチ)の持ち方、角度も教えてもらい、さらに何度も繰り返す。冷房がきいている室内での教室なのに、集中しているといつのまにか手に汗がにじむ。思い通りの音を出すのはなかなか難しいが、やっているうちになんとか「この音だ」というのが少しずつわかってくる。

ひととおり音階と指の位置を覚えてから、いよいよ一曲。『安里屋ユンタ』という沖縄民謡の代名詞のひとつとも言える曲を教えてもらった。まずは、サンシンの演奏部分を区切りながら何度も練習して通して弾けるようになってから、唄と合わせる。指の運びを間違えると、「あい、そこは違うよ」とピシリと新垣さんから指導が入る。2時間みっちり教えていただいて、ようやくつっかえつっかえながらもなんとか一曲、歌いながら弾くことができた。
「毎日少しずつでもサンシンに触り続けていたらすぐに上手になるはずよ」と新垣さん。
自分の手で音を鳴らすことができて、これまでちょっと手が届きづらいもののように感じていたサンシンが、ぐっと身近に感じられるようになった。もちろん「唄三線」を奏でられるようになるには、まだまだ奥深く長い道のりが必要だろうけれど。

  • 講師していただいた新垣さん
    講師していただいた新垣さん
  • 独特な音符「工工四(くんくんしー)
    独特な音符「工工四(くんくんしー)
  • 丁寧な指導でこちらも真剣に
    丁寧な指導でこちらも真剣に

島の思いが染み込んだサンシンの調べ

練習の後、新垣さんはとても興味深い話をしてくれた。 「実は、久米島は水も豊富で豊かな島だから、他の離島と比べてもともと民謡が少なかったわけさ。八重山や宮古は、重税に苦しんだり作物が不作になったりすることも多く、苦労が絶えなかったと聞いています。そういう島には生きるために人々を力づける民謡がたくさん根づいていた。でも、久米島にも唄三線を愛する人がたくさんいて他の島の民謡や沖縄の古典を勉強する人も多かったから、久米島のサンシン愛好者はどんどん増えて、引き継がれてきたわけさ」。

豊かな島だから民謡が少ない。とは何とも驚く話だが、そうした中で唄三線を愛し楽しむ人たちが一生懸命勉強して引き継いだからこそ、今ここに三線の音色が響いている。その音がどこか、からりと明るくやさしい気がするのは、豊かさと平和を守ろうとし続けてきたこの島で鳴っているからなのかもしれない。

海から吹きサトウキビの畑やフクギの木の間を流れる風のように、サンシンの調べは島をわたる。そこにはきっと島に暮らしてきた人、今も暮らす人、それぞれの思いがそっと染み込んでいる。久米島でサンシンを弾きながら、そんなことを思った。

三線教室情報はこちら

※外部サイトへリンクします

文・長嶺陽子

フリー編集者兼ライター。結婚を期に沖縄へ移住。
那覇の泡盛居酒屋「カラカラとちぶぐゎ~」で女将としても奮闘中。

久米島町観光協会 体験交流型観光商品開発販売促進プロジェクトチーム(取材協力)

ホームビジット 0泊1食 民家体験プログラム(夕食付き)
料金:5,000円/1名(税別)
定員:2~7名

※料金については予告なく変更する場合があります。

三線教室
料金:3,000円/1名(税別)
定員:2~20名

TEL098-851-7973

FAX098-851-7146

Kumejima Topics

夢と希望を乗せ久米島を走る宮崎駿さんデザインのバス

夢と希望を乗せ久米島を走る宮崎駿さんデザインのバス

バスの車体に大きく描かれた亀のマーク。これは久米島に子ども向けの保養施設を作る際に、施設を作り上げていく中、連帯を高めるためのシンボルマークを事業総責任者の堀野富洋氏が依頼し、宮崎駿監督が快諾して描いてくれたものです。「久米」と大きく書かれた地球が描かれた水がめを背負った亀には、久米島町民が自らの力で島の未来を切り開いていくことへの願いが込められています。
このマークを堀野氏が監修し、地元のデザイン会社が車両全体にデザインし、バスは完成しました。現在、バスは子供達の夢を乗せ、久米島空港と営業所(字謝名堂)の間を往復しています。

  • 上江洲家

    1. 上江洲家

    1750年頃建てられた琉球王朝時代の士族の屋敷で、重要文化財に指定されています。具志川城主の末えいである上江洲家は、代々地頭を勤めた旧家でした。屋敷の周囲はフクギの老木と立派な石垣で囲まれ「石垣殿内」とも呼ばれています。久米島町西銘816 TEL.098-985-2418

    上江洲家情報はこちら※外部サイトへリンクします

  • ヨンナーサイクル久米島

    2. ヨンナーサイクル久米島

    高性能電動アシスト付のレンタサイクルで、海に山、バリエーション豊富な島のコースを満喫できます。特製マップで島の秘境めぐりはいかがでしょう。小さなお子様連れもチャイルドシート付自転車で、ご家族一緒に楽しめます。久米島町字謝名堂583 TEL.050-7521-9850

    よんなーサイクル久米島情報はこちら※外部サイトへリンクします

  • 登武那覇園地

    3. 登武那覇園地

    琉球王朝時代の築かれた登武那覇城跡(とんなはじょうあと)周辺が公園となっており、久米島の東側が一望できる景勝地。天気の良い日は、ハテの浜や近隣の島々も見ることができます。久米島町字宇根登武那覇原

  • 畳石

    4. 畳石

    幾何学的な亀の甲羅にも見える模様がびっしりと並ぶ不思議な光景。この模様はおよそ2千万年前に溶岩が地中で固まる際にでき、時間をかけて表面が侵食されて平らになって地表に現れたものと言われています。久米島町奥武島

    畳石情報はこちら※外部サイトへリンクします

  • パーラースリーピース

    5. パーラースリーピース

    豚骨ベースのこだわりのスープに久米島産の味噌と島唐辛子、麺は地元の久米島そば。ひき肉&もやしのトッピングも相性抜群。久米島味噌系そば発祥の店とも言われています。沖縄の黒糖を使用したコクのある糖蜜ぜんざいもおすすめです。久米島町比嘉160-3 TEL.098-985-7037

  • おやつ村

    6. おやつ村

    久米島産のサトウキビから作った純黒糖を、昔ながらの地釜炊き製法で作っています。また、自家製のサーターアンダギーやオリジナリティ溢れるネーミングの鬼嫁まんじゅうなど、黒糖を使用したお菓子も販売。久米島町比嘉88 TEL.098-985-8115

久米島MOVIE

久米島町役場ページ※外部サイトへリンクします。

久米島町観光協会ページ※外部サイトへリンクします。

久米島町FaceBook※外部サイトへリンクします。

平成28年度久米島町観光誘客促進事業

このページの先頭へ