2024年大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部も参拝した上賀茂神社。現在でも、厄除・災難除・開運などにご利益があるとして、年間約10万人以上の参拝客が訪れる京都屈指のパワースポットとして親しまれています。春の「斎王桜」、5月中旬は葵祭以外にもたくさんある見どころをご紹介します。
目次
- 3.お守りやおみくじ
- 4.春限定!「斎王桜」
- 5.葵祭
- 6.上賀茂神社と下鴨神社の違い
上賀茂神社のご利益/アクセスは?
677年に社殿が建立され、京都内でも古い神社として知られる上賀茂神社。正式名称は「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」と言い、本殿の背後から北北西の位置にそびえ立つ神山(こうやま)に、ご祭神である賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が降臨されたことがはじまりだと言われています。御神紋は、北東の社に群生する二葉葵(ふたばあおい)です。
また、本殿・権殿の2棟の国宝をはじめ、重要文化財41棟を含む敷地全体がユネスコ世界文化遺産に登録されているのも見どころのひとつ。春は美しい桜景色とのコラボレーションも楽しめます。
JR京都駅から訪れる人は、上賀茂神社行きの市バスに乗り、「上賀茂神社前」停で降りるのが便利。京都の街並みを眺めながら散策も楽しみたい人は、地下鉄烏丸線の「北大路」駅、もしくは「北山」駅から徒歩で向かうのもおすすめです(約15〜20分)。
朱塗りの楼門や紫式部が参拝した片岡社まで!上賀茂神社の見どころ
大鳥居
到着したらまず見えてくるのは、宮前広場に設置された朱色の「大鳥居」。2020年12月末に新しくできたもので、高さ約8m、幅約6mと存在感があります。大鳥居の新設に合わせてバスやタクシーの乗降場所も整備されたことにより、広々とした参道に生まれ変わりました。
「大鳥居」をくぐるとすぐに見えてくるのが「一の鳥居」。参道の両側には芝生が広がり、のどかな雰囲気に包まれています。四季折々の景色を眺めつつ、ゆったり歩きながらお参りに向かいましょう。
ならの小川
「斎王桜」や「御所桜」などがある東側の芝生広場の奥に流れている「ならの小川」。従二位家隆(じゅにいいえたか)が、「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」と詠んだ場所であり、「渉渓園」や橋殿、本殿付近まで続くこの小川は、周囲の緑と相まって、自然豊かな景色を作り上げています。
小川に足をつけて涼んでいる参拝客の姿は、上賀茂神社の夏の風物詩。7月には、通常は閉門している夜の境内を解放し、風鈴の音色と幻想的なライトアップに包まれながら、巫女による祈りの神楽舞を眺める夕涼みイベントが開催されます。
細殿の立砂
「ニの鳥居」をくぐると目の前に佇んでいるのが、重要文化財に指定されている「細殿」と、白砂でできた円すい型のふたつの山。約1mの白砂の山は「立砂(たてずな)」と呼ばれ、ご祭神である賀茂別雷大神が降臨したとされている神山をかたどったものです。
左右対称に作られた「立砂」の頂をよく見ると、向かって左には3葉、右には2葉の松の葉が。これは、陰陽道において、奇数(陽)と偶数(陰)が一対になる=神の訪れを願うという意味があるからだそう。「立砂」に触れることはできませんが、付近に参拝者向けの「清めの砂」が用意されており、購入して持ち帰ることもできます。
本殿・楼門
境内で最も重要な建物が、ご祭神を祀る本殿。正面の柱が4本、柱間の間口が3間ある三間社二面流造という典型的な神社建築を用いており、同じ社殿が対になるかのように並んでいますが、向かって右が本殿で、左が権殿。現在の社殿は江戸時代末期の文久3(1863)年に建てられたもので、1953年に国宝に指定されました。
それぞれの社殿の壁に描かれている、狛犬の絵「影狛(かげこま)」も要チェック。これは日本絵画史上最大の画派「狩野派」によるもので、江戸時代の日本絵画を代表する貴重な絵です。
本殿・権殿の前に設けられた朱塗りの楼門も、上賀茂神社を象徴する建造物のひとつ。楼門を背景に写真撮影すれば、自然の緑、青い空、楼門の美しいコントラストを楽しめます。
片山御子神社(片岡社)
上賀茂神社の境内ある24社の摂末社のうち、第1摂社に定められている「片山御子神社(片岡社)」。ご祭神は賀茂別雷大神の母である玉依比売命(たまよりひめのみこと)。縁結び・子授け・家内安全・安産の神として、平安時代から女性を中心に親しまれています。
世界最古の長編小説『源氏物語』の作者である紫式部が、恋の成就を願い、参拝に通っていたことでも有名で、その際に詠んだ和歌「ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしずくに立ちやぬれまし」が、境内に歌碑として残っています。良縁や子宝を願う人は、お参りに立ち寄っては。
「片岡社」に訪れた際にぜひ手に取りたいのが、二葉葵の形をしたかわいい絵馬。この絵馬は「片岡絵馬」(500円)と呼ばれ、二葉葵がハート型に見えることから、SNSでも話題を集めています。
絵馬には、十二単の姫君と紫式部が詠んだ和歌が描かれており、願いを書いて奉納すればご利益をいただけそう。あわせて、「縁結御守」(800円)を授かるのもおすすめです。
からすやなすのおみくじ?!上賀茂神社のユニークなお守り・おみくじ
上賀茂神社は、ユニークなお守りやおみくじがあることでも有名。身体健康を願う「錦守(800円)」や、あらゆる方角の災いから守る「八方除守」(800円)、子どもの成長を願う「子ども守」(800円)など多種多様のお守りがそろっています。中でも、御神紋である二葉葵をモチーフにした「身まもり」(1,000円)は、他にないかわいいデザインがお土産にもぴったりです。
おみくじは、ご祭神である賀茂別雷大神の祖父にあたる賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が、三足の烏(八咫烏・やたがらす)に姿を変え、東へ攻める神武天皇を導いたという言い伝えがあり、神社と深い関わりを持つ八咫烏をモチーフにした「八咫烏みくじ」(500円)が人気。上賀茂地域を中心に栽培されている賀茂なすをかたどった「賀茂なすみくじ」(500円)も要チェック!
春限定の絶景を!紅枝垂れ桜の「斎王桜」
上賀茂神社は桜の名所としても有名で、特に「一の鳥居」から「二の鳥居」まで続く参道の脇にある、紅枝垂れ桜の「斎王桜」は見事。そのほかにも、樹齢150年を超える「御所桜」や「風流桜」「みあれ桜」など、さまざまな桜が、3月下旬から4月下旬にかけて境内全体を薄ピンク色に彩ります。
賀茂川の北大路橋と北山大橋の間には、約800m続く「半木の道(なからぎのみち)」が散策路として整備されており、お散歩気分で散策するのもおすすめ。桜の時期になると紅枝垂れ桜が一斉に咲き誇り、桜のトンネルを歩いているような幻想的な景色を楽しめます。賀茂川と桜が織りなす絶景は、眺めているだけで心があらわれるかのよう。
- 例年の見頃
- 4月上旬~4月中旬
2024年は5月15日開催!京都三大祭・葵祭にも注目
毎年5月15日に行われる「葵祭」は、京都三大祭のひとつで、下鴨神社と上賀茂神社のお祭りです。約1500年前の飢饉がきっかけで始まり、江戸時代からは行列の飾りに葵の葉が使われ、「葵祭」と呼ばれます。
京都御所からスタートし、下鴨神社、上賀茂神社と約8kmの距離を平安装束の行列が移動します。神社付近は混雑するので、少し離れた場所を選ぶのがおすすめです。
『源氏物語』にも描かれた葵祭。葵祭のヒロイン斎王代(さいおうだい)は毎年いったい誰がなるのかと話題にあがります。
上賀茂神社と下鴨神社の違いは?参拝する順序は?
京都最古の神社であり、ユネスコ世界遺産にも登録されている「上賀茂神社」と「下鴨神社」。京都三大祭のひとつ「葵祭」も両社で行われることから、「それぞれの違いがよく分からない」という人もいますよね。
実は、昔は「賀茂神社(賀茂社)」と呼ばれるひとつの神社であったと言われており、ふたつの神社にはさまざまな共通点がありますが、大きな違いはご祭神。「上賀茂神社」は賀茂別雷大神を、「下鴨神社」は賀茂別雷大神の母親にあたる玉依比売命と、祖父にあたる賀茂建角身命を祀っています。
また、なぜ同じ「かも」なのに漢字表記が異なるかというと、京都の町を北から南へと流れる鴨川は、下鴨神社より上流を「賀茂川」と呼び、鴨川デルタで高野川と合流した後は「鴨川」に名前が変わるからだそう。
参拝する順序はどちらからでもOK。「下鴨神社」から「上賀茂神社」へ向かう場合は、「下鴨神社前」停から京都市営バスで約25分で到着します。
上賀茂神社
- 拝観時間
- [二の鳥居開門時間]5:30~17:00
- アクセス
- 【バス】JR京都駅より、[市バス9]二条城・上賀茂御薗橋・西賀茂車庫上賀茂神社行き乗車、「上賀茂神社前」停下車、徒歩すぐ
【電車】地下鉄烏丸線「北大路」駅より徒歩約20分、もしくは「北山」駅より徒歩約15分 - 拝観料金
- 無料
- 公式サイト
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)
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