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人気宿のスタッフが魅せるおもてなしの流儀

人気宿のスタッフが魅せるおもてなしの流儀

人気宿のスタッフが魅せるおもてなしの流儀山陰海岸国立公園の一角に佇み、目の前に広がる日本海の雄大な景観が印象的な「日和山温泉 ホテル金波楼」。その絶景を目の前に自慢の温泉、新鮮な海の幸を堪能することができます。また、海のテーマパーク「城崎マリンワールド」を併設するなど、自然を生かした豊富なアイデアも長年愛され続ける理由です。
今回は歴史あるこのホテルで受け継がれてきたおもてなしの心を、今津一也総支配人(50)にうかがいました。

お客様と会話することで、
思い出につながる情報を届けたい

「接客はもちろん、窓掃除もお客様の送迎もなんでもやりますよ!」と、笑顔を見せるのは今津一也総支配人。総支配人として運営管理やマネジメントに務めるかたわら現場に立ち、お客様とのコミュニケーションを図ることも欠かさないそうです。
「私自身が、『人と接することが好き』というのもありますが、もちろん理由はそれだけではありません。お客様と直接接しお話をすれば、なぜ我がホテルを選んでくれたのか?そのうえでお客様がどんなことを望まれているか?などもわかるからです。会話から感じとれたことを生かして、お客様の旅がより心地よく、よりよい思い出になるためのお手伝いをひとつでも多くしたいというのが一番の理由ですね」。  
今津総支配人は、例えば会話の中で「美しい景色が見たくてね」という言葉をいただけば、目の前に広がる景色にまつわる逸話やビューポイントなどをお伝えすることがあるそう。また、「美味しいカニを食べたくて」という方とは、お食事で召し上がっていただく地元・兵庫県豊岡市が誇るブランドがに「津居山がに」のお話に花が咲くそうです。

総支配人ながら接客も積極的に務めるという今津さん総支配人ながら接客も積極的に務めるという今津さん

「何かご質問をいただく際でも直接顔を合わせれば、お尋ねいただいたことへの返答以上の会話が生まれるものです。ここに生まれ、育ち、暮らす自分たちだからこそ知っている自然の表情、この地の楽しみ方などもあります。些細な会話の中で、自分の引き出しにある情報をお客様にお届けし、それが少しでも旅の思い出につなげていただければうれしいですね。目の前に広がる壮大な景色も、温泉も、食事も、ホテル金波楼の自慢です。しかし、眺めのいい旅館は日本各地にあります。良質な温泉も新鮮な幸もほかで味わえます。たくさんの選択肢がある中で、我がホテルを選んでいただいたのですから、だた『見た』『食べた』だけではなく、ここへお越しくださった意味を感じていただいたり、ここでしか得られない『記憶』や『思い出』を残していただきたい。それを演出するのが私たちスタッフの役割であり、私たち流のおもてなしだと考えています」。

日本海を望む絶景を最大限に
堪能いただくことが一番のおもてなし

ホテル金波楼の最大の魅力はなんといってもロケーションです。2層吹き抜けのロビーラウンジの先には雄大な日本海が広がります。目の前の海をまるで独り占めするかのように望めるその景色は圧巻です。
「やはりこの眺望こそがこのホテルの一番の見どころであり、原点です」と今津総支配人。「実はホテル金波楼のルーツは村おこしにあります。ホテルが位置する瀬戸という地域は、大きな漁港のある津居山や歴史ある温泉郷の城崎に比べて知名度が低く、アクセスも決していいとは言えない寒村でしたので、この村に新しい産業を興すための起爆剤として着目したのがこの壮大な景色でした。『この絶景を多くの人に体感いただこう』ということからまずは村営の組合事業として料亭や遊覧船、釣り遊びなどからスタートし、のちに村から事業を引き継ぎ、料亭を旅館として昭和12年に創業したのが当ホテルの始まりです。そもそもは『他に何もない』ところだったからこそ、この景色を大切する意識が非常に強かったのだと思います。一面ガラス張りのロビーもまたその意識が受け継がれ、体現されたことのひとつです」。
エントランスをくぐると、まずはロビーで壮大な景観が出迎えてくれます。そして大浴場、もちろんお部屋からも絶景を望むことができます。「限られた時間ですが、終始この壮観を目の前にくつろいでいただく。それこそが我がホテルだからこそできる最大のおもてなしであり、私たちの真髄なんです」と今津総支配人。

「ホテルから望む景色を味わってもらうことが最大のおもてなし」と語る今津さん「ホテルから望む景色を味わってもらうことが最大のおもてなし」と語る今津さん

また、今津総支配人はこの地の美しさを多くの人に知ってもらいたいという思いから、日々の景色を自ら撮影し、ホームページなどで公開しています。水平線から日が昇り赤く染まった海、虹がかかった珍しい光景、雲海が流れ込んだ神秘的なシーン…。大自然が織りなすその景観は、息をのむほどの美しさです。インターネット上で見つけたそれらの写真に魅了され、海外から訪れる方もいるそうです。
「しかし、いくら壮大な景色がこの地にあっても、それだけではお客様に足を運んでいただけません。創業者や先輩たちは、常にどういった付加価値をつければこの地にもっと興味を持っていただけるのか試行錯誤を重ねてきました。そして、そういった歴史の中で生まれてきたのが、沖に浮かぶ『龍宮城』です」。
ホテル金波楼の目の前の海には、総支配人が「龍宮城」と呼ぶ小さな島が浮かんでいます。島にはまるで宮殿のような建築物が建っており、それを目にした誰もが「あれは何だろう?」と不思議に思います。「誰もが知るおとぎ話『浦島太郎』の伝説は日本の各地に存在しているのですが、実は豊岡市の隣の『丹後』がその最有力候補と言われているんです。そんなことから昭和25年に誕生したのが、あの『龍宮城』です(笑)。あそこに乙姫がいるかどうかはさておき、目の前に『龍宮城』が佇んでいるとなれば、子どもはもちろん大人でも心が弾むのではないでしょうか。龍宮城のように心に響く要素を点在させていることも、先代から受け継がれている私たち流のおもてなしの心なんです」。  
龍宮城は朝日に照らされればなんとも美しいシルエットが浮かびあがり、気象条件が揃えば雲海に包まれ、まるで天空に浮いているかのような神秘的な光景も見ることができるそうです。また、龍宮城を目にしたお客様の多くからは、『あれは何ですか?』というお言葉をいただくそう。その一言から始まった会話は丹後に伝わる浦島の逸話に広がるなどして、この地にもっと興味を持っていただくきっかけにもなっているそうです。

今津さん自ら撮影したホテルからの風景。この画像を見て訪れる観光客も多い今津さんが撮影したホテルから見える龍宮城。この画像を見て訪れる観光客も多い

美しくも荒々しい自然と
共存していくことは私たちの使命

ホテル金波楼には海の遊園地「城崎マリンワールド」を併設していることも特徴のひとつです。海の生き物の鑑賞はもちろんのこと、イルカやアシカショーなども見ることができます。また、アジのフィッシングも長年人気を誇るアトラクションです。
「フィッシングは50年以上も続いているアトラクションです。釣ったアジをその場で天ぷらにして食べることができるのですが、そのインパクトも大きいのか印象深い思い出として心に刻んでいただけることが多いようです。そのため、おじいちゃんやパパが小さい頃に楽しんだ釣りを、孫や子どもに体験させたい。そんな思いから3世代、4世代に渡り思い出を引き継いで訪れていただいていることも少なくありません」。
もちろん毎年いらしていただくお客様も多いそうですが、5年、10年、なかには40年ぶりに訪れていただいて、釣り遊びの昔話に花が咲くこともあるそうです。当時は小さな子どもだったのに成長し、結婚し、子どもができ、孫ができて、またその子がお越しになる。そんなドラマに直面すると感慨深いと同時に、このホテルが『ずっとここにあり続ける意味』を改めて感じるそうです。
「どのご家族にとっても、旅行はハッピーな記憶であるはずです。その中で、『また来たい』と記憶に残していただけことは、とても嬉しいことです。雄大な自然はこのうえない美しい姿を見せてくれる一方、激しく荒れ狂うときもあります。だから自然と共存していくことは、そう簡単なことではありません。龍宮城にしてもアジ釣りにしても、思いつくことができてもそれを維持していくのには苦労がつきものです。台風が来れば海が荒れて魚が流されてしまったり、龍宮城の屋根が飛ばされてしまうこともあります。しかし、それでもなお続けていくというのは、こうした印象深い景観をキーにして、お客様の人生にとって幸せな記憶や大切な思い出を紡いでいただく場所として、これからもこの地ならではの魅力を語り続けていきたいですね」。
日本はもとより海外の方からも長年に渡り愛され続けているホテル金波楼。美しくも荒々しい壮大な自然を生かし、それと上手く付き合うことができるのは、根底にお客様に喜んでもらいたいという「おもてなしの心」が息づいているからこそなのです。

日和山海岸の魅力を伝えるために、
欠かせない電気自動車

日和山海岸の美しい情景を日々、写真に残しているという今津総支配人。その撮影の相棒として欠かせないのが、日産自動車の電気自動車(EV)「e-NV200」です。
「急勾配な山道もスイスイ登ってくれる頼もしい存在です。バンなので三脚などの撮影機材もすっぽり収まり、本当に便利です」と今津総支配人。ほかにもお客様の荷物の運搬や食材などの買い出し、従業員の送迎などに大活躍している一台のようです。
「積載量がありつつも小回りがきくという点も魅力ですね。日和山海岸周辺には、マイクロバスでは大きすぎてどうしても入れない絶景スポットも多いんです。そんな場所に、この車を使ってお客様をお連れするツアーなども構想中です」。

日産e-NV200 送迎や運搬に活躍する日産e-NV200

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