受け継がれる伝統。日本のクラシックホテル9選

クラシックホテルとは？

「クラシックホテル」とは、戦前に創業した日本のホテル、もしくは戦前に建設された日本のホテル建築を指す言葉。

明治の文明開化以来、西洋のホテル文化を日本において導入してきた先人たちの足跡を現代に伝え、歴史と伝統を守り続ける日本の9つのクラシックホテルが連携、「日本クラシックホテルの会」を設立しました。 9つのクラシックホテルを巡る「クラシックホテルパスポート」の発行や、各ホテルの長い歴史の中で愛されてきたカクテルを楽しむことができる「クラシックカクテルフェア」など、クラシックホテルの旅を楽しめるイベントも開催しています。

日光金谷ホテル（1873年創業）

創業140年以上の歴史を誇る「日光金谷ホテル」は、現存する日本最古のリゾートホテルです。建物は有形文化財に指定されており、一歩入れば歴史情緒あふれる優雅な空間。

アインシュタインやヘレン・ケラーなど数々の著名人が宿泊したという客室は、創業時の雰囲気を色濃く残し、歴史に思いを馳せながらくつろぎの時を過ごせます。

食事は100年以上受け継がれる自慢の西洋料理。名物の百年ライスカレー、特製日光虹鱒金谷風ディナーなどの由緒あるメニューのほか、日替わりのフランス料理が味わえます。また、オムレツが好評の金谷ホテル伝統「BREAKFAST」も要チェックです。

富士屋ホテル（1878年創業・2020年7月グランドオープン ）

1878（明治11）年創業の「富士屋ホテル」は、箱根にある日本初の西洋式ホテル。建物施設の安全性能を向上するため、約2年間の大規模改修工事を行い、2020年7月にグランドオープンしました。フォレスト・ウイング には、新たに温泉大浴場を設けています。

敷地は約7,600坪。4つの宿泊館と別館のほか、天井高約6mのダイニングで伝統フレンチが食べられる「食堂棟」と挙式＆パーティーができる会場など、全部で8軒の建物が並びます。和と洋が融合した情緒ある雰囲気の洋室が全部で120室。全ての部屋に箱根・宮ノ下の天然温泉を引いており、贅沢な入浴タイムを過ごせます。

万平ホテル（1894年創業）

「万平ホテル」は軽井沢で初の西洋式ホテル。開業したのは1世紀以上前で、ジョン・レノンが好んで宿泊したホテルとしても有名です。

敷地内には本館アルプス館・アタゴ館・ウスイ館・別館・コテージなどが並び、庭園と豊かな軽井沢の緑に囲まれています。床の間を配した和と洋が調和する客室、ライティングデスクを備えた書斎タイプなど、お部屋のデザインも様々。

食事はレトロ空間のメインダイニングで食べるフランス料理、中国料理「萬山楼」、京懐石の「熊魚菴たん熊北店」などがあり、好みで選べる宿泊プランを用意しています。

奈良ホテル（1909年開業）

西の迎賓館と言われる「奈良ホテル」は、「名勝 旧大乗院庭園」と隣接する風光明媚なホテルです。近鉄奈良駅から徒歩約15分の位置にあり、周辺には歴史的建築物が数多く点在。利便性が良く観光の拠点に最適です。

本館は、随所に創業時の暖炉が残る、ノスタルジックな和洋折衷のお部屋。新館は、クラシックホテルの面持ちを引継ぎ、モダンな洋室と畳の和室があります。メインダイニングルーム「三笠」では、創業以来受け継がれてきた伝統のフランス料理が食べられるだけでなく、月ごとに旬を取り入れたメニューも。オールドファッションドバー「ザ・バー」は、明治の趣が漂うレトロな雰囲気がおすすめです。

東京ステーションホテル（1915年開業）

東京のシンボル・東京駅舎にある「東京ステーションホテル」は、100年以上の歴史を誇り、2012年に駅舎の保存・復原の大工事により内装を一新。再び扉を開いたホテルです。

ヨーロピアンクラシックを基調とした客室は、スイートからメゾネットまで11種を用意。復原された駅舎ドームや改札を行き交う人々を眺められる、貴重なゲストルームも見逃せません。各バスルーム^※には、東京ステーションホテルをイメージして作られた、フランスの香水ブランドによるオリジナルのバスアメニティを設置。ラグジュアリーな香りに包まれたバスタイムを演出してくれます。館内には、レストランや大人の雰囲気漂うバー、スパなどの設備も充実。（※メゾネット、スイートルームを除く全客室に設置）

ホテルニューグランド（1927年開業）

横浜・山下公園の横に建つ「ホテルニューグランド」は、昭和初期に横浜港を利用する渡航者のために開業したヨーロッパスタイルのホテルです。

クラシカルなインテリアや美術品が多く飾られる本館には、かつて、ダグラス・マッカーサーが宿泊した315号室も現存。「マッカーサーズスイート」として、当時使われた机などがそのまま置かれています。本館横のタワー館は、全室ハーバービューが特徴。グランドクラブフロア宿泊者のみが利用できるラウンジが魅力で、横浜の夜景をパノラマビューで楽しめます。

本館1階のコーヒーハウス「ザ・カフェ」は、ドリア、ナポリタン、プリンアラモード発祥の店として有名。今でも元祖の味を楽しめます。

蒲郡クラシックホテル（1934年開業）

三河湾国定公園の高台に建つ「蒲郡クラシックホテル」は、1934年に建築された城郭風の外観が特徴のホテル。館内の内装や調度品はアールデコ様式のクラシックな雰囲気で、訪れた人を別世界へ誘います。

客室は全部で27部屋。昭和天皇・皇后両陛下が宿泊したロイヤルスイートやツインルームなどがあり、全ての部屋の窓が大きくとても開放的です。蒲郡のシンボル「竹島」にほど近く、海側の部屋で竹島を見渡すベイビューは絶景。

メインダイニングの食事は、三河湾の新鮮な海の幸と特選和牛を取り入れた本格派フレンチを味わえます。海を眺めながら、スイーツが楽しるティーラウンジもおすすめ。

雲仙観光ホテル（1935年開業）

「雲仙観光ホテル」は、1935（昭和10）年に開業した九州唯一のクラシックホテル。丸太の骨組みと洋岩石の壁が印象的な建物で、館内の至るところでアンティークな装いの調度品を見ることができます。

昭和天皇皇后両陛下をはじめ、数々の著名人が宿泊した特別室や、和とモダンクラシックが融合した和室など、種類豊富な全39室のお部屋を用意。約200畳あるゆったりとしたダイニングルームでは、伝統的なフレンチを堪能できます。

雲仙・地獄温泉の源泉を掛け流しで堪能できる大浴場や、館内の図書室、撞球室(どうきゅうしつ)など、他では体験できないノスタルジックな世界観に浸れます。

川奈ホテル（1936年開業）

「川奈ホテル」は、伊豆半島の雄大な自然の中に佇むクラシックホテル。2つのゴルフコースがあり、その1つ「富士コース」は自然の地形を活かしたコースで、世界のゴルフ場100選にも選ばれています。

2020年4月に本館の客室17室をリニューアルオープン。新たにコネクティングルームを設け、各部屋の床とバルコニーの段差をなくして快適さをアップ。温泉施設「ブリサマリナ」には、眺望にこだわった露天風呂をはじめ、内湯、サウナ、貸切利用可能なプライベートバスなどを完備。

メインダイニングでは、ホテル伝統のフランス料理を旬の素材とオリジナルソースで味わえます。