大自然のパワーを感じる国立公園内にある絶景宿！旅行作家おすすめ5選

美しい自然を守り、日本の宝として後世に伝えていこうと環境省が指定した国立公園。人と動植物が共生し、四季折々の変化をみせる自然公園の中にも温泉宿は存在しています。旅行作家で温泉ナビゲーターの野添ちかこさんが、大自然のパワーを感じてリフレッシュしたいときに立ち寄りたい絶景自慢の宿を紹介してくれました。

湖面と一体化したような露天風呂

支笏湖をクルージング　撮影／野添ちかこ

「春から秋の間、宿泊者は宿が所有するクルーザーで支笏湖のクルージングができます（1人2,700円／30分・2名～ ※2018年7月現在）。“支笏湖ブルー”といわれる透明度の高い湖で、船に乗せてくれる宿の方がラッパを吹くとその音がこだまして響き渡ります。天然露天風呂は湖面とお湯が同じ高さになるようになっていて、湖と温泉が一体化したような体験ができます。丸駒温泉旅館では、名産のヒメマス料理が楽しめるのですが、新鮮なお魚はとてもおいしいです！」（野添さん）

支笏洞爺国立公園に属する支笏湖に面した湖畔の一軒宿。天然露天風呂では全国でも約20箇所しかないといわれる、足元から湧く湯につかることができます。大正4年の創業当時から変わらない、浴場と湖を岩場で隔てただけの野趣あふれる造り。夕食に支笏湖で捕れるヒメマスを使った囲炉裏会席を味わえるプランもあります。

湯けむりが立ちこめる「野天風呂」

混浴の樽風呂　撮影／野添ちかこ

「もくもくと温泉蒸気が上がってくるエリアに野天風呂が点在。混浴がいくつかありますが、レンタルの湯あみ着があるので女性も存分に露天風呂を堪能できます！国立公園ならではの手つかずの温泉で、ダイナミックな自然との一体感を味わえます」（野添さん）

標高1,100ｍのブナの原生林が広がる十和田八幡平国立公園に位置する秘湯「ふけの湯」。300年前からこんこんと湧き出る効能豊かな源泉掛け流しの温泉で、男女内風呂、露天風呂、混浴野天風呂、混浴枡風呂、混浴樽風呂を備えています。食事は地元の山菜や食材をふんだんに使った女将こだわりの手作り薬膳料理が味わえます。

清流蒲田川が目の前に広がる露天風呂

内風呂からは槍ヶ岳が一望　撮影／野添ちかこ

「200年以上昔の古民家を移築した宿。洗練された雰囲気で、女性でも安心して宿泊できます。北アルプスの槍ヶ岳を内風呂からも、露天風呂からも、眼前に望むことができます。無色透明の温泉で、貸切風呂がたくさんあるので、カップルやご夫婦におすすめです。内風呂は女性が上の階、男性はその真下のところにあり、川の真ん中に立っているような景色が眺められます。毎朝、餅つき体験を実施しており、つきたてのお餅が食べられます。都会ではなかなかできない、日本らしい体験ができる宿です」（野添さん）

岐阜県を含む4県にまたがった北アルプス一帯を占める中部山岳国立公園。その清流・蒲田川沿いに佇む古民家造りの一軒宿。築200年の庄屋屋敷を移築した母屋は古き良き時代の風情を残しています。開放感のある風呂からは槍ヶ岳が一望でき、奥飛騨の情緒を楽しむことができます。

阿蘇五岳を眼前に望む「満天望温泉」

黒毛和牛の溶岩焼　撮影／野添ちかこ

「露天風呂からの絶景はNo.1と言える温泉宿。お釈迦様の寝姿のように見える“阿蘇五岳の涅槃像”を眺めることができます。晴れていれば夕日がきれいに見えるのですが、空と山が茜色に染まった景色が印象的です。宿泊料は1万円程度とリーズナブル。この金額でこの料理のクオリティ！？と驚きます。本州宿泊ではありえない宿泊金額です。日帰り入浴もできるので、1人旅の際に車でふらりと立ち寄るのも良いですね。アウトドア派は併設するオートキャンプ場をセレクトするのもおすすめです」（野添さん）

くじゅう連山と阿蘇、祖母の山々、緑の草原を見渡すコテージスタイルの宿泊施設。季節ごとに表情を変える久住と阿蘇の大自然を体感できます。阿蘇五岳を眼前に望む自慢の露天風呂「満天望温泉」は、昼の眺めはもちろんのこと、夜には満天の星空が広がる下で湯につかることができます。

展望風呂からの夕日

ライブ感が楽しめる専用ダイニング　撮影／野添ちかこ

「静かな天草の海に、砂岩と松に覆われた大小の島々がぷかりと浮かんでいる様子は、本州の海しか馴染みのない私にとって新鮮な海景色でした。大浴場からの夕日の眺めが良く、また客室の露天風呂からも茜色に染まる海が眺められてプライベート感を満喫できます。ホテルINホテルの『天使の梯子』では、宿泊者だけが利用できる専用ダイニングで、名産の車エビをはじめとする海の幸をシェフが目の前の鉄板で焼いてくれて優雅な気分に浸れます」（野添さん）

雲仙天草国立公園内・松島温泉にあり、上天草の海が一望に見渡せるホテル。夕暮れにはあたり一面が赤く染まり、浮かぶ島々のシルエットが溶け込む様子を展望風呂から眺めることができます。季節に応じた旬の海の幸や地元農家から仕入れた幻の地鶏と呼ばれる天草大王など、天草ならではの食材を使った料理も人気。全8室の天然温泉の露天風呂付スイートルームを備えた別館「天使の梯子」は、上質なおもてなしの大人の隠れ家。

いかがでしたか？　国立公園という雄大な自然の中に身を置いて、のんびりと温泉につかる。心と体を整える時間は、きっと最高の贅沢になるはず。大自然のパワーを感じてリフレッシュしたいときに、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

野添 ちかこ（のぞえ ちかこ）さん

旅行作家、温泉ナビゲーター。神奈川県出身。旅行・観光の業界新聞記者を経て、2006年フリーランスに。Web、雑誌、書籍などの企画・編集・執筆に携わりながら、日本各地の温泉と宿の隠れた魅力や面白い情報を独自の目線で分かりやすく伝えている。