世界自然遺産の奄美大島から飛行機で約15分の近さで、透明度が高く美しい海に込まれた喜界島(きかいじま)。奄美大島の東方約25km先に位置しており、サンゴ礁が隆起してできた珍しい島です。現在も年平均約2mmずつ隆起し続けていて、地質学的にも世界から注目を集めています。
島内では美しいビーチはもちろん、サンゴ礁の石垣やサトウキビ畑が広がる南国ならではの景色を満喫できます。また、源平関連や太平洋戦争関連の史跡が数多く点在しているのも特徴。この記事では、喜界島の定番観光スポットや穴場スポット、名産や交通アクセスをご紹介します。
手久津久(テクヅク)の巨大ガジュマル
喜界島に生息する中でもひときわ大きなガジュマル。樹齢は100年を超えると推測され、高さ約17.7m、幹周り約16m、枝張りの直径は約42mと、空を覆い隠すほどの存在感はまさに圧巻。平成17年に放映された中村獅童主演のドラマ「実録・小野田少尉遅すぎた帰還」のロケ地としても知られています。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字手久津久
- アクセス
- 【車】喜界空港から約15分
【自転車】喜界空港から約40分
サトウキビ畑の一本道(シュガーロード)
島の東北部にあり、海へと続く約2.5kmの一本道。広い青空とサトウキビ畑に囲まれた非日常的な風景が魅惑的で、別名「東シナ海へと続く道」とも呼ばれています。映画やテレビのロケ地としてもたびたび登場していて、観光客も多く訪れる定番スポット。南国らしい開放感に包まれながらジャンプして撮影するのが人気です。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町長嶺、伊実久、小野津
- アクセス
- 【車】喜界空港から約20分
【自転車】喜界空港から約60分
ハワイビーチ(あんなどぅまい)
島の最北端に位置し、岩場の間に砂浜が広がる美しいビーチです。ハワイのように美しい海であることから、「ハワイビーチ」と呼ばれるようになりました。島では昔からの方言で「あんなどぅまい」の名で親しまれています。海の色が何層にも違って見え、透明度が高くシュノーケリングにも最適。海岸周辺は隆起珊瑚と希少な植物が見られる国立公園としても指定されています。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字小野津
- アクセス
- 【車】喜界空港から約25分
【自転車】喜界空港から約60分
スギラビーチ(中里海水浴場)
天然の入江を利用した約250mのビーチ。真っ白な砂浜に透き通るような海が広がり、熱帯魚も多く泳いでいます。サンゴのリーフで囲まれているため波がとても穏やか。潮の満ち引きを気にせずに一日中海遊びが楽しめるビーチです。また、バーベキューやグランドゴルフ、キャンプなども盛ん。夕方の美しい日の入りの景色もおすすめです。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字中里
- アクセス
- 【車】喜界空港から約15分
【自転車】喜界空港から約40分
阿伝集落 サンゴの石垣
昔ながらのサンゴの石垣が多く残る貴重なスポット。先人の人々は、台風対策として家の垣根をサンゴの石垣でつくり、風や潮を防いでいました。車の普及に伴い石垣からブロック塀へと変わり行く中で「阿伝集落」では今も、先人が築いた高く積まれた石垣を見ることができます。平成29年には嘉鈍(かどん)集落と共に国立公園にも指定されています。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字阿伝
- アクセス
- 【車】喜界空港から約40分
【自転車】喜界空港から約3時間
オオゴマダラ・アサギマダラ観測地
様々な種類の蝶が訪れる喜界島。保護蝶「オオゴマダラ」や、全国を渡る蝶「アサギマダラ」は中でも人気の蝶。大きな羽を広げて優雅に舞う姿から「南の島の貴婦人」とも呼ばれています。喜界町農産物加工販売センターの裏には「オオゴマダラ」が好む草が植えられていて、季節により金色に輝くサナギや美しい蝶の姿を見ることができます。
- オオゴマダラ観測地
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町湾(喜界町農産物加工販売センター裏)
アクセス:【車】喜界空港から約5分、【自転車】喜界空港から約30分 - アサギマダラ観測地
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町滝川(百之台国立公園展望台付近「蝶の道」)
アクセス:【車】喜界空港から約25分、【自転車】喜界空港から約2時間
喜界島の史跡(源平関連)
写真提供:喜界島観光物産協会
平安時代、保元の乱で敗れた源為朝が喜界島の沖合から放ったとされる雁股の矢にちなんだ泉・雁股の泉(かりまたのいずみ)、平氏討伐を企てたとされ流刑となった高僧・俊寛の墓、壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門が上陸したといわれている地、源氏の追っ手に備えて見張りをした森など、喜界島には源平関連の史跡が多く残ります。
- 雁股の泉
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町大字小野津
アクセス:【車】喜界空港から約20分 - 僧俊寛の墓
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町湾
アクセス:【車】喜界空港から約5分、【自転車】喜界空港から約10分 - 平家上陸の地
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町志戸桶
アクセス:【車】喜界空港から約25分 - 平家森
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町大字早町
アクセス:【車】喜界空港から約20分
喜界島の史跡(太平洋戦争関連)
写真提供:喜界島観光物産協会
太平洋戦争末期、沖縄へ向かう特攻機の中継基地だった現在の喜界島空港。国内唯一の現存建物とされる戦闘指揮所跡や、爆撃から特攻機を守る掩体壕(えんたいごう)など、島の至る場所に太平洋戦争関連の史跡が残されています。空港周辺に咲くテンニンギクはかつて、特攻隊員に贈った花束の種が落ちて自生するようになったとされ「特攻花」と呼ばれています。
- 戦闘指揮所跡
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町中里
アクセス:【車】喜界空港から約1分、【自転車】喜界空港から約1分 - 掩体壕
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町中里
アクセス:【車】喜界空港から約5分、【自転車】喜界空港から約10分 - 震洋格納壕跡
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町大字早町
アクセス:【車】喜界空港から約20分、【自転車】喜界空港から約1時間30分 - 爆弾釣鐘
- 住所:鹿児島県大島郡喜界町大字佐手久
アクセス:【車】喜界空港から約20分、【自転車】喜界空港から約1時間30分
百之台国立公園(ひゃくのだいこくりつこうえん)
喜界島の中央部に広がる標高203mに位置する公園。約700ヘクタールもの広大な隆起珊瑚礁の高台地で、展望台から太平洋と東シナ海を一望でき、眼下にはサトウキビ畑やエメラルドグリーンの海、海岸のサンゴ礁を眺めることができます。その美しい景観は奄美十景のひとつにも数えられ、定番の観光スポットとして人気です。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字嘉鈍
- アクセス
- 【車】喜界空港から約30分
【自転車】喜界空港から約2時間
七島鼻 ポイント211(百之台国立公園内)
百之台国立公園の南端部にあり、標高211mに位置する喜界島の最高地点。広大な太平洋や東シナ海、奄美大島を眺める開けた景勝地で、通称「ポイント211」の名で親しまれています。戦時中に敵機襲来を発見する役割を担っていた旧日本軍の通信施設跡があるほか、パラグライダーの離陸地としても利用されています。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字花良治
- アクセス
- 【車】喜界空港から約30分
【自転車】喜界空港から約2時間
荒木・中里遊歩道
スギラビーチ(中里海水浴場)から荒木漁港の近くまで続く約2kmの遊歩道です。階段状の隆起サンゴ礁や、国の天然記念物に指定されている海岸に生育する植物群落を見ることができます。別名「夕日の散歩道」と呼ばれるほど幻想的で美しい夕日を眺めるスポットとしても知られています。運が良ければイルカが飛び跳ねる姿が見られることも。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町中里、荒木
- アクセス
- 【車】喜界空港から約5分
【自転車】喜界空港から約30分
喜界島周辺のダイビングスポット
写真提供:喜界島観光物産協会
島全体が約12万年もの年月をかけて海底から隆起し続けるサンゴ礁である喜界島。周辺には150~200種類ものサンゴが生息しているといわれます。南西部の荒木集落沖には世界でも有数の長寿を誇る、400年以上生きている「ハマサンゴ」も。サンゴ畑に限らず、回遊魚が群れる漁礁など、多彩なダイビングスポットがあります。
喜界町農産物加工販売センター
喜界島の農産物を活かした加工品の製造や研究の場として島民に親しまれている施設。館内には販売コーナーがあり、生産量が日本一といわれる喜界島の白ゴマを使ったドレッシングやそら豆を使ったお茶やしょうゆ、喜界島ならではのスイーツなどが購入できます。併設のカフェでは喜界島産にこだわったメニューも提供。
センターに立ち寄った際には隣接する「オオゴマダラ」の観察地に立ち寄るのもおすすめ。黄金色のサナギや優雅に羽ばたく様子が観察できるかもしれません。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町湾1298
- 営業時間
- 8:30~17:15(加工場のみ土日祝休み)
ゆいカフェ:平日 9:30~17:00、土日祝 10:00~16:00(オーダーは閉店時間の30分前まで) - アクセス
- 【車】喜界空港から約5分、【自転車】喜界空港から約30分
トゥヌムトゥ公園
緑豊かな高台に位置する穴場的な公園です。眼下に北西部一帯を、遠くに海や奄美大島を望む開けた景色が魅力的で、写真映えも抜群!腰を下ろして休憩ができる東屋のほか、木製のブランコが設置されています。童心にかえってブランコに揺られてみれば、大自然と心地よい風に包まれて開放的な時が過ごせそうです。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字城久
- アクセス
- 【車】喜界空港から約10分
【自転車】喜界空港から約60分
喜界島サンゴ礁科学研究所
写真提供:喜界島サンゴ礁科学研究所
日本で唯一の「サンゴ礁研究」に特化した研究所。サンゴ礁が隆起して形成された世界的にも珍しい喜界島には過去から現在の記録が地形に残されており、ここを拠点として、海洋・地質に関わる生物についての調査や研究が行われています。
サンゴ礁についての教育啓蒙活動も行っており、2021年には実践型教育プログラム「KIKAI college(キカイカレッジ)」を開講。夏季はお子さまも参加できるプログラムの開催や、「サンゴCAFE」「サンゴミュージアム」の期間限定オープンもあるので、公式サイトを見てサンゴを学ぶ旅行計画を立てるのもおすすめです。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町大字塩道1508
- 開館時間
-
9:00~17:00、休み:土日祝日、年末年始
※展示室の見学は通年・平日は基本的に可能。但し、調査時やイベント開催時に変則的になる場合あり(電話でお問い合わせが確実です)。 - 電話
- 0997-66-0200
- アクセス
- 【車】喜界空港から約20分
- 公式HP
- 喜界島サンゴ礁科学研究所
喜界ガーデンゴルフ
空港サイドと海岸線の間にあり、自然の地形を活かしたゴルフ場。比較的フラットなコースですが、東シナ海や奄美大島を眺められるスポットもあり、開放感抜群のロケーションで島ゴルフを楽しめます。サンゴの石垣で堀をふち取った池など、南国ならではの造りにも注目です。
- 住所
- 鹿児島県大島郡喜界町湾451-1
- 営業時間
- 4~9月:17:00まで、10~3月:15:30まで
- 電話
- 0997-65-1855
- アクセス
- 【車】喜界空港から約5分、【自転車】喜界空港から約30分
シマあるきガイド
ボランティア組織「よんよ~り喜界島」による島のガイドサービスです。「よんよ~り」とは島の言葉でゆっくりという意味で、地域住民の方と一緒に島内をじっくり散策できます。湾集落内の史跡を巡る「湾コース」、集落の景観や戦跡を巡る「中里コース」、集落の原風景を散策する「荒木コース」など様々なコースがあります。
- お申し込み・お問い合せ
- 喜界島観光物産協会 0997-65-1202(受付時間:9:00~16:00)
- 料金
- 大人 500円、高校生以下 50円
黒糖焼酎工場
黒糖焼酎は、米をベースに仕込みの段階で黒糖液を用いる希少な焼酎。現在は奄美群島でのみ商品化が許されており、黒糖由来のやわらかな風味が魅力です。喜界島では創業100年を越える老舗の蔵元「朝日酒造」と「喜界島酒造」でつくられていて、時期によっては工場や蔵の見学、試飲ができることも。豊かな味わいをぜひ楽しんで。
- 朝日酒造
- 営業時間:9:00~16:00
TEL:0997-65-1531
住所:鹿児島県大島郡喜界町湾41-1
アクセス:【車】喜界空港から約2分、湾港から約2分 - 喜界島酒造
- 営業時間:8:00~17:00
TEL:0997-65-0251
住所:鹿児島県大島郡喜界町赤連2966-12
アクセス:【車】喜界空港から約5分、湾港から約1分
黒糖製造工場
島一面にサトウキビ畑が広がる喜界島。台風が多い気候や弱アルカリ性の土壌がサトウキビの栽培に適しているとされ、サトウキビを使った加工品が観光客はもちろん、現地の島人にも人気です。黒糖製造工場も多く、黒砂糖やザラメ、黒糖豆、黒糖のお菓子などがつくられ、オンラインショップでも全国へ向けて販売されています。
- 飛行機利用
-
奄美空港と鹿児島空港から、喜界空港行きの便があります。
・東京から(奄美直行・奄美大島乗換) 約3時間55分
・大阪から(奄美大島乗換)約2時間35分
・福岡から(鹿児島経由・奄美大島乗換)約3時間40分
・鹿児島から(喜界島直行・1日2便)約1時間10分
・沖縄から(奄美大島乗換)約2時間20分
・奄美大島から(喜界島直行・1日3便)約15分 ※2022年3月27日より「1日2便」に変更予定
喜界空港について - フェリー利用
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鹿児島~喜界~知名航路(奄美海運)の利用になります。
・奄美大島(名瀬)より約2時間
・鹿児島(鹿児島本港北埠頭 北埠頭ターミナル)より約11時間
奄美海運(鹿児島~喜界~知名航路)の航路・時刻表・料金等
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