専門家に聞いた！女子旅で行きたい「美肌の湯」が楽しめる温泉宿５選

湯上り後、つるつる＆すべすべのお肌に導いてくれる「美肌の湯」。女子旅に行くなら、そんな「美肌の湯」に浸かり、キレイになって帰ってきたいですよね。今回は「美肌の湯」が堪能できることはもちろん、体の中からキレイになる野菜中心の食事が摂れたり、スパが充実していたり…。そんな女子旅にぴったりな温泉宿を温泉ビューティ研究家の石井宏子さんに聞きました。

美肌効果がある「美肌の湯」は、三大美人泉質と呼ばれる「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」が含まれている温泉のことを指します。また、pH値（水素イオン濃度）がpH7.5以上の（弱）アルカリ性温泉も、皮脂の汚れを中和するクレンジング作用で美肌効果が期待できます。

1662年に創業した箱根芦之湯 松坂屋本店は、江戸時代から親しまれてきた老舗旅館。訪れる人たちを魅了する理由のひとつは、毎分200リットルの湧出を誇る湯量豊富な源泉。ここには松坂屋本店でしか体験できない素晴らしい「美肌の湯」があります。

松坂屋本店では宿の敷地内に自家源泉を所有しているので、かけ流しのお湯を贅沢に堪能できます。
「なんと三大美人泉質である「硫黄泉」（血行促進）、「炭酸水素塩泉」（ツルツル美肌）「硫酸塩泉」（しっとり保湿）が贅沢に一つに！　まるで美容液のような温泉なんです（石井宏子さん）」

「新鮮な源泉を存分に体験できる理由の一つは、日帰り入浴を受け付けずに、毎日新鮮な温泉をチェックインとチェックアウトの間の時間に入れ替えているため。つまり、この宿に泊まった人しか入れない貴重な温泉です」

約4,000坪の敷地には6つの館と、趣の違う22室。四季折々で変化する庭を眺めて、お部屋でリラックスしながら非日常の風流を愉しめます。

朝の“旅人朝食”はどこか懐かしく、優しい味付け。自然薯ご飯や自家製納豆をはじめ、ヘルシーかつ栄養満点のメニューが魅力。さらに湯豆腐や山菜などが味わえます。
「美味しいご飯を食べて、十分にリラックスできるので女子旅はもちろん、カップル旅行、母娘旅行にもおすすめですよ」

赤倉観光ホテルは新潟県、妙高高原赤倉温泉の源泉掛け流し温泉が自慢のクラシックリゾートホテル。標高1,000mから望む絶景は、都会の喧騒を忘れて非日常的な時間を与えてくれます。

温泉は、赤倉温泉の源泉かけ流し。「硫酸塩泉」（ハリとうるおい作用）「炭酸水素塩泉」（古い角質や汚れを落とすクレンジング作用）の２つの成分を兼ね備えています。
「２つの泉質でシットリ＆スベスベが同時に叶い、リンスインシャンプーのようなお湯と言われています」

「山の中腹に建っているので、パノラマの大絶景が眼前に広がります。日によって現れる朝の雲海や、遠くまでずっと続くクリアなご来光とともに朝食を食べるのもおすすめですよ」

「Heavenly View Earth SPA by CLARINS」では、自然の香りと呼吸法を組み合わせたメニューや、オールハンドのボディやフェイシャルのトリートメントが受けられます。大地の息吹に包まれているような心地よい時間を過ごすことができます。

トリートメントルームはすべて個室、またはカップルルームなので、友人同士や男女でも利用可能。スパには温泉大浴場の隣にあるので事前に温泉入浴することで、「美肌づくり」のトリートメント効果は更にアップします。

長野県松本市にある扉温泉　明神館。渓谷にひっそりと佇む一軒宿。標高1,050mの山のなかで、約90年にわたって経営されています。四季折々に変わる松本の大自然に包まれながら過ごすことができます。

「立ち湯「雪月花」では目の前の自然の音や光を感じながら腰上までの立ち湯が堪能できます。お湯は“アルカリ単純泉”無色透明で滑らかな肌合いで、クレンジング作用が期待できるので湯上り肌はしっとりツルツルになります」

明神館のほとりを流れる、薄川（すすきかわ）源流に沿ってたつ「お鷹棟」。 渓流の水音に癒されてぐっすり眠れます。

宿内にある「ナチュレフレンチ　菜」では、マクロビの考え方を取り入れたフレンチを楽しめます。自家菜園を持っていて、シェフ自ら収穫して作っています。

「料理がとても美しくて、写真映えも抜群！　視覚からも楽しめるメニューです」

たっぷり美肌の湯に浸かったら、木漏れ陽のテラスで読書をしたり、大切な友達と自然の声を聞きながらお喋りしたりと、ゆったりした時間を楽しむのも贅沢な過ごし方のひとつ。

箱根湯本温泉 養生館 はるのひかり は、温泉と食で心身の「養生」ができる温泉宿。上質な食事と温泉に浸りながら、日ごろ溜め込んだ疲れをとり、のんびりとリフレッシュできます。

「養生館 はるのひかりの泉質はナトリウム・カルシウム－塩化物・硫酸塩泉。弱アルカリ性の優しいお湯でお肌はしっとりスベスベに！　春から秋は半露天風呂になっているので、涼しく開放的な空間になっています。あつ湯、ぬる湯の湯船があり、源泉かけ流しの湯量で調整しているので、体に負担なく温浴を楽しめますよ」

ご主人が育てている無農薬野菜をはじめ、自家製の味噌や醤油、藁苞納豆（わらづ納豆）など、美肌を促してくれる食材が豊富です。

「ストイックなマクロビではなく、旬食材をバランスよく取り入れた養生食が提供されます。添加物や科学調味料を一切使わない、素朴で優しい味が魅力なんです」

いくつか種類のあるお部屋の中でも、お一人様滞在用部屋は大人気で女性の一人旅客も多いのだそう。木の温もりが優しいお部屋で体をしっかり休ませてあげれば、翌朝にはすっかりリフレッシュできます。
「チェックアウト後は、宿の前からバスに乗って旧街道から元箱根に行くこともできるので、箱根神社や芦ノ湖周辺のパワースポットめぐりもオススメですよ」

宮城県にある、鳴子温泉郷　極上の貸切露天風呂　旅館大沼は昔から女性に愛され続けた＜婦人名湯＞という看板をかかげています。なんと百年もの歴史を持つ温泉旅館です。

「大浴場をはじめ、内庭露天風呂など8つのお風呂が楽しめます。自家源泉の純重曹泉は、肌表面の老廃物・汚れを取り除くクレンジング作用があるので、湯上り後は本当に肌がツルツルになるんです」

一汁三菜プランは、玄米菜食を中心とした宿泊プランで、発酵玄米と近隣で採れたお野菜中心のメニューが提供されます。食事で体の中のデトックスを促し、美肌の湯にも浸かることで、体の内側・外側を同時に磨くことができます。

「温泉のデパートと呼ばれているくらい、色んな温泉が楽しめる鳴子温泉。東北新幹線で約１時間半、東京から仙台までは案外近いと感じるはず。新幹線を降りてからローカル線にのんびり揺られる時間も楽しいですよ」

「美肌の湯」が堪能できるのにプラスして、体の内側からキレイになれる野菜中心料理や、スパが体験できる女子旅にピッタリの温泉宿をご紹介しました。これからの旅行の計画に、是非取り入れてみてくださいね。

石井宏子さん　 温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト
温泉の美容力を研究する日本でただひとりの温泉ビューティ研究家。生涯旅人の人生をスタートして年200日ほど日本・世界を旅する。温泉地の自然環境にも着目し、ドイツにて「気候療法士」資格を取得。温泉、水、自然環境、食事など旅を通じて、心も体もきれいになる新しい旅“ビューティツーリズム”を提唱。