レトロな街並みを楽しむ!「全国のむかし町めぐり」おすすめ観光スポット25選

レトロな町並みを楽しむ!『全国のむかし町めぐり』スポット25選

武家屋敷が立ち並び歴史ロマンの風情漂う城下町、日本の原風景が感じられる山里。日本には、そんな歴史に触れることができる街並みがたくさん残っています。そのような街並みの数々を「むかし町」として紹介している書籍『全国 むかし町めぐり』(ジー・ビー/1,848円)より、おすすめスポットをご紹介します。古くから受け継がれてきた文化や暮らしを感じられる街で、ひと味違う旅情を味わってみませんか。

 

書籍紹介

 

『全国 むかし町めぐり』(ジー・ビー/1,848円)

駅を降りてちょっと歩いたら目の前に現れる宿場町や、蔵造りの通り。山間のわずかな地に寄せ合い、川から引かれた水路に沿って静かに佇む茅葺屋根の家々。大正モダンな木造建築。そんな街並みが残る、歴史の香りに満ちた「むかし町」65カ所を全て独自現地取材し、掲載しました。

レトロを愛でる喫茶店や食事処に立ち寄ったり、懐かしい光景を目当てに出かけたり。本書をたよりに、日本のむかし町めぐりをお楽しみください。

 

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全国むかし町めぐり

 

福岡県北九州市

門司港(もじこう)

門司港(もじこう)
門司港(もじこう)
門司港(もじこう)

日本三大港のひとつ。モダンとレトロが融合

横浜、神戸と並ぶ国際貿易港としての歴史をもつ門司。明治から昭和初期にかけて、海外との玄関口として建てられたレンガ造りの建物などが点在しています。ネオルネッサンス様式の駅舎を復元した門司港駅は、鉄道駅舎として初めて国の重要文化財の指定を受けました。駅を中心にブラブラすれば、ハイカラという言葉がぴったりの風景があちこちにあります。

 

おすすめは「旧門司三井倶楽部」「旧大阪商船」などの見どころをチェックしながら門司港レトロ中心エリアを散策するルート。跳ね橋を渡り「旧門司税関」まで足を延ばしたら、駅方面へ戻りつつ「海峡プラザ」で名物を味わうのも◎。

 

 

【画像1】港町のシンボル「旧門司税関」
【画像2】全長約108メートル、1日6回跳ね上がる日本最大級の歩行者専用跳ね橋「ブルーウィングもじ」。現代とレトロが並ぶ街並みを橋ごしに眺められます
【画像3】大正3年開業の門司港駅。ネオルネッサンス様式の木造駅舎に降り立てば、気分が一気に盛り上がります

 

門司港

アクセス
【電車】JR鹿児島本線「門司港」駅からすぐ
インフォメーション
門司港レトロ総合インフォメーション:093-321-4151

 

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大分県臼杵市

臼杵(うすき)

臼杵(うすき)
臼杵(うすき)
臼杵(うすき)

古地図の街並みが残る、キリシタン大名の城下町

キリシタン大名として知られる大友宗麟が築城した臼杵城を中心に、時代が変わっても発展を続けてきた歴史と文化の街。臼杵市教育委員会に残る江戸時代初期の貴重な町割り(昔の区画)が今もそのまま残り、当時のにぎわいを伝えています。

 

残念ながら臼杵城は櫓や庭園の一部、石垣などを残すのみですが、街並みには建物も多く保存されています。神社仏閣、商家や武家屋敷などが石畳の道に連なり、活気に満ちていた時代の人々が飛び出してきそうな雰囲気。南蛮文化やキリシタン文化に続き、江戸末期には造り酒屋や味噌、醤油といった醸造業、廻船問屋などが集ったといいます。いまどきのカフェやポップなお店は少なく、昔ながらの渋さが魅力。特に歴史好きの人にはたまらない街でしょう。

 

さらに時代をさかのぼり、石造文化にも触れることができます。平安末期から鎌倉時代、阿蘇の大噴火で堆積した凝灰岩に祈りを込めて多くの石仏がつくられました。国宝として残る貴重な石仏に心が安らぎます。

 

2時間以内でめぐれる街並散策コースから、2時間で臼杵石仏とその周辺まで回るコース、ボランティアガイドとともに3~4時間で散策するコースなど、時間と体力、興味に合わせて楽しめるのもうれしい。温泉や豊後水道の恵みである海の幸など、プラスアルファのお楽しみも豊富なので、1泊2日の旅先にもおすすめです。雨が降ると石畳が鈍く輝き、なんともいえない風情を漂わせる……。思わず雨を願いたくなる街です。

 

 

【画像1】ボランティアガイドや無料レンタサイクルなど、散策に来る観光客をもてなす工夫をする街
【画像2】61体が国宝に指定される、日本を代表する石仏群は臼杵駅からタクシーで約15分。臼杵城址は市民の憩いの場。春は桜が見事
【画像3】大分といえばフグ。豊後水道のトラフグは日本有数の味わいかつ鮮度がいいのだとか


臼杵

アクセス
【電車】JR日豊本線「臼杵」駅から徒歩約10分
インフォメーション
臼杵市役所おもてなし観光課:0972-63-1111 

 


大分県日田市

日田(ひた)

日田(ひた)
日田(ひた)
日田(ひた)

天領として栄えた商家町。基盤目通りに蔵を訪ねる

山々に囲まれた盆地であり、江戸幕府直轄の天領としての歴史を持ち、市内の中心を三隈川が流れる水郷の街でもあります。町めぐりは天領時代の面影を残す豆田エリアから。かつては掛屋と呼ばれる幕府や諸藩の公金出納に携わる業者が集う地域で、当時の町割りや水路が今も暮らしに息づきます。

 

「日田天領おひなまつり」など歴史的な行事では現在も多くの人が集います。和菓子屋やカフェなどに商売替えする商家も多く、建物ウォッチングと買い物やお茶を同時に楽しめます。

 

 

【画像1】街のあちこちに佇む蔵は、昔ながらの焼酎の酒蔵や生まれかわって観光施設として使われています
【画像2】長屋造りや黒漆喰の建物など、町家と商家、武士の家が混在して残る貴重なエリア
【画像3】酒蔵資料館

 

日田

アクセス
【電車】JR久大本線「日田」駅から徒歩約15分
インフォメーション
日田市観光協会:0973-22-2036 

 

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大分県杵築市

杵築(きつき)

杵築(きつき)
杵築(きつき)
杵築(きつき)

商家を見下ろす武家の高台。1日かけてめぐりたい坂の街

日本最小の杵築城のもと、江戸時代には3万2千石の城下町として栄えた街。北と南の高台に武家屋敷が、高台にはさまれた谷あいには商家が発展したサンドイッチのような構成です。保存状態のいい建物が多く、どこを撮っても絵になる光景が広がります。

 

ただし、当然ながら坂だらけ。坂をのぼりおりしながら見まわるので、体力に自信がないと心配? 大丈夫です。老舗お茶屋さんや和菓子屋さん、ニューフェイスの甘味処や資料館に雑貨屋さんと、休憩を兼ねて散策できるお店や施設がそろっていますから。時間に余裕があれば、町めぐりの醍醐味をたっぷりと堪能できるはず。

 

 

【画像1】武家屋敷と商家の街をつなぐ坂の中でも人気が高い「酢屋の坂」。石畳の坂道の両側に土壁の武家屋敷が並びます
【画像2】高台にある武家屋敷の通りでは江戸時代にトリップしたような気分が味わえます
【画像3】質がいいだけに、ほとんど市外に出荷されてきた杵築のハモ。最近、地元でもハモ料理を提供しようという取り組みが広がっています。蒸しハモやハモしゃぶ、「はもサンド」などメニューも広がっています

 

杵築

アクセス
【電車・バス】JR日豊本線「杵築」駅から国東観光バス「杵築バスターミナル」下車
インフォメーション
杵築市観光協会:0978-63-0100 

 


岡山県倉敷市

倉敷(くらしき)

倉敷(くらしき)
倉敷(くらしき)
倉敷(くらしき)

雅な景観に身を置いて「ひやさい」をぶらり旅

江戸時代、幕府直轄の天領として栄えた倉敷は、街中に江戸時代の情緒を感じさせる風雅な街として人気。備中(岡山県西部)、美作(岡山県北西部)、讃岐(香川県)を統括する代官所が置かれたため、一大都市として繁栄した歴史をもちます。また、現代の街歩きの中心である、その名も「美観地区」と呼ばれるエリアには伝統的な建物が多く残り、整備された景観を保っています。

 

川に沿って立ち並ぶ白壁の蔵、倉敷川の川舟流しなど倉敷を代表する美観は見逃せませんが、地元の人しか入らないような路地も楽しいもの。地元では「ひやさい」と呼ばれる路地には、こだわりの個人店、全国にファンが多い隠れた名店が点在しています。カフェや食事処、ゲストハウスをはじめ、倉敷ブランドの帆布やガラスなど、ものづくりを大切にする土地ならではの逸品に出会えるかも。中でもジーンズ生産は盛んで、デニムストリートも存在します。

 

倉敷のシンボル的な存在、大原美術館の外観はギリシャ神殿のよう。それでも和風な倉敷の街並みに溶け込んで、独特の存在感を醸し出しています。実業家・大原孫三郎が設立したこの美術館の核となっているのは、孫三郎の支援を受けてヨーロッパで活動した画家・児島虎次郎が熱心に収集した作品です。美観地区から一歩離れて本町、東町界隈の落ち着いた街並みを散策すれば、観光客がぐっと減って人々の暮らしを感じます。建物、アート、食べ歩きと尽きない魅力を堪能しましょう。

 

 

【画像1】歩きやすく整備された美観地区。のんびり散策が気持ちいいけれど、行動範囲を広げるならレンタサイクルもおすすめ
【画像2】夜の美観通りも撮影に人気
【画像3】国産ジーンズ発祥の地といわれる倉敷。400メートルほどの「ジーンズストリート」には、ジーンズショップ以外にも魅力的なお店がいっぱい

 

倉敷

アクセス
【電車】JR山陽本線「倉敷」駅から美観地区まで徒歩約15分
インフォメーション
倉敷市文化観光部観光課:086-426-3411  

 

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広島県尾道市

尾道(おのみち)

尾道(おのみち)
尾道(おのみち)
尾道(おのみち)

映画の舞台でも親しまれる、日本遺産の寺社と坂の街

古い街並みを残しながら、しまなみ街道の一部として整備された尾道。小津安二郎、大林宣彦など映画監督の巨匠が代表作にその情景を印象的に取り入れていることでも知られています。昭和のムードが漂う問屋街、いく筋も伸びる坂道とそこに点在する寺社、千光寺山ロープウェイの眼下に広がる街と尾道水道。猫の街という顔もあることが、人々の穏やかな暮らしを物語っています。

 

1泊すれば尾道水道に映る灯りが幻想的な夜景や、SNSなどで紹介される猫と警備員さんの攻防で話題になった「尾道市立美術館」も堪能できます。

 

 

【画像1】「天寧寺海雲塔」越しに望む風景はフォトスポットとして知られています。五百羅漢や坐禅体験ができるなど訪れがいのあるお寺
【画像2】歩いてのんびりまわるのもいいけれど、のぼり坂はちょっと大変というならバスで「千光寺公園」まで行き、寺社や路地を散策しながらおりてくるのもおすすめです
【画像3】食品各社からカップ麺も販売され全国区となった尾道ラーメン。80年以上の歴史をもつという味ですが、お店によって様々。もともと「中華そば」といって提供されていたものなので、尾道では今でも「尾道ラーメン」と呼ばない店も多いとか

 

尾道

アクセス
【電車・バス】JR山陽本線「尾道」駅からおのみちバス「浄土寺下」下車
インフォメーション
尾道市役所観光課:0848-38-9184 

 

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島根県津和野町

津和野(つわの)

津和野(つわの)
津和野(つわの)
津和野(つわの)

山間に開けた城下町で、鯉の泳ぐ水路沿いをぶらり

山陰の小京都と呼ばれる雅な里。山陰と山陽を結ぶ街道の要所である盆地が実際の規模より大きい15万石ともいわれた隆盛を誇った理由は、水に恵まれ質のいい和紙が生産できたからだとか。豊かな水は防火のための水路として街中を縦横無尽に流れています。鮮やかな錦鯉、岸辺の緑、昔ながらの白壁が水面にきらめき優美な世界をつくりだしています。

 

森鴎外や画家・安野光雅の故郷でもあり「森鴎外記念館」「安野光雅美術館」をはじめ「葛飾北斎美術館」「津和野カトリック教会」など見どころもたくさんあります。

 

 

【画像1】白い石造りのゴシック様式が目を引く津和野カトリック教会では、色鮮やかなステンドグラスが見られます
【画像2】赤い瓦屋根は津和野の建物の特徴。白壁とのコントラストが清々しい
【画像3】お土産にぜひ買いたいのが、全国菓子大博覧会で最高位である名誉総裁賞を受賞した「源氏巻」。こしあんをカステラ生地で巻いた素朴な和菓子は、しっとりした食感と程よい甘さにこだわっています

 

津和野

アクセス
【電車】JR山口線「津和野」駅から徒歩すぐ
インフォメーション
津和野町観光協会:0856-72-1771 

 


山口県萩市

萩(はぎ)

萩(はぎ)
萩(はぎ)
萩(はぎ)

市内に4つの重伝建地区。古地図のまま歩ける街

明治維新の立役者たちが共に学んだ地であり、江戸時代の城下町絵図をそのままたどれる街。明治日本の産業革命遺産として世界遺産にも登録されています。明治維新の足跡をたどるか、産業遺産を見て歩くかそれとも、小京都や城下町の雰囲気にひたるのか。町めぐりも好みに合わせてコース設定したいところ。

 

歩いてめぐれる歴史的な街並みは、町屋や土蔵が多い「浜崎」、城下町特有の鍵曲が見られる「平安古」、武家屋敷が並び、伊藤博文や高杉晋作が育った「堀内」。それぞれ歴史を背景にした特徴があるので1日ではもったいない。連泊して満喫したくなります。

 

 

【画像1】市内4つの重要伝統的建造物群の中で、宿場町である佐々並エリアは萩市と山口市の中間に位置し、市街地から離れています
【画像2】素晴らしい保存状態の武家屋敷が立ち並ぶのは、各戸の努力と地域の人々の助け合いの賜物
【画像3】外敵が侵入しにくいように築かれた鍵曲。様々なお菓子にも加工される名物の夏みかんがのぞいています

 

アクセス
【電車・バス】JR山陽本線「新山口」駅から高速バス・スーパーはぎ号「萩バスセンター」下車、堀内まで徒歩圏内。JR山陽本線「萩」駅から各エリアへはバス
インフォメーション
萩市観光協会:0838-25-1750

 


京都府京都市

伏見(ふしみ)

伏見(ふしみ)
伏見(ふしみ)
伏見(ふしみ)

酒蔵がずらり立ち並ぶノスタルジック空間

京都市の南の玄関である伏見。この地はかつて“伏水”と書かれていたほど質の良い水が豊富で、古くから酒造りが盛ん。日本に稲作が伝わった弥生時代から酒造りをしているとされる日本有数の酒どころです。

 

濠川沿いに立ち並ぶ数多くの酒蔵の中でも酒どころ・伏見を象徴する「月桂冠大倉記念館」は、京都市有形民俗文化財に指定されています。のちに徳川家康は、この地に日本で初めて、銀貨の鋳造や地金の売買を行う「銀座」を設置。高瀬川を整備して京・伏見・大阪をひとつの水路で結んだことにより、伏見港は日本最大の河川港とし発展していきます。

 

時を経て、幕末に坂本龍馬が襲撃されたのが船宿「寺田屋」。当時の建物は鳥羽伏見の戦で罹災、焼失してしまい、現在の姿は再建されたものです。しかし当時の風情を漂わせる趣のある佇まいは健在で一見の価値があります。

 

酒造りと平安から江戸、明治維新にかけて続く歴史の舞台として常ににぎわっていた伏見の街。月桂冠の蔵元である大蔵家の前の道は、要所であった伏見奉行所を守るため、大きくL字型に曲がっています。薩摩軍と幕府軍とのせめぎあいの場は、現代においてはまるで散策用に余裕をもたせた街並みのようです。何度も激しい合戦の地になりながら、今にその姿を伝える月桂冠の貴重な建物群。かつて合戦の際には双方の藩士たちを伏見のお酒が元気づけていたことでしょう。一歩街歩きを始めれば、いたるところで史跡にめぐり合う伏見。実に奥深い街です。

 

 

【画像1】月桂冠の蔵が望める水辺の風景に癒やされます。「月桂冠大倉記念館」のすぐそばから乗船できる十石船での観光もおすすめです
【画像2】坂本龍馬が襲撃された「寺田屋」は謎の多い歴史的事件の舞台
【画像3】海外からの観光客にも大人気の伏見神社。酒蔵の街並みから神社まではバスで30分ほど

 

伏見

アクセス
【電車】京阪本線「伏見桃山」駅・近鉄京都線「桃山御陵前」駅(隣接)、京阪本線「中書島」駅すぐ
インフォメーション
伏見観光協会:075-622-8758 

 

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滋賀県近江八幡市

近江八幡(おうみはちまん)

近江八幡(おうみはちまん)
近江八幡(おうみはちまん)
近江八幡(おうみはちまん)

近江商人が作り上げた和と洋が織りなす街並み

滋賀県中部、琵琶湖東岸に位置する近江八幡。安土城の城下町として発展し、江戸時代以降に近江商人が巨万の富を築いた街は、当時のハイカラな建築が今もなお残されています。中でも建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏が設計したヴォーリズ建築は「池田町洋風住宅街」をはじめ市内に20軒以上現存するそう。

 

「新町通り」には純和風の近江商人たちの本宅がずらり。さらに歩いて琵琶湖へと続く水路「八幡堀」や131年に創建された古社「日牟禮八幡宮」へ。最後に「八幡山ロープウェー」に登って市街を眺めるのもよいでしょう。

 

 

【画像1】琵琶湖を行き来する船を城の内堀でもある八幡掘に引き入れることで発展した近江商人。水郷めぐりでは船頭が巧みに操る船で掘をめぐります
【画像2】ヴォーリズ建築のひとつ、モダンな旧八幡郵便局
【画像3】江戸時代の町割りが残る「新町通り」には豪商の屋敷がずらり

 

近江八幡

アクセス
【電車】JR琵琶湖線・近江鉄道「近江八幡」駅から徒歩約20分
インフォメーション
近江八幡観光物産協会:0748-32-7003 

 


和歌山県湯浅町

湯浅(ゆあさ)

湯浅(ゆあさ)
湯浅(ゆあさ)
湯浅(ゆあさ)

香ばしい風が吹く、醤油醸造の発祥の地

和歌山県中部西岸に位置する湯浅。江戸、明治、大正、昭和の家屋、醤油や金山寺味噌など醸造業で栄えた建物が残っています。舟に醤油の積み下ろしをした「大仙掘」、醤油醸造家の蔵であった「にしぐら」、慶応2年建築の仕込み蔵「角長職人蔵」など歩くだけで醤油の香りが漂ってきそうな雰囲気です。

 

小腹がすいてきたら「湯浅美味いもん蔵」へ。湯浅のご当地ものを味わえるので立ち寄ってみて。湯浅に残る建物には格子窓や行灯などが健在。現代建築とはひと味もふた味も違う情緒があります。小さい路地まで新しい発見のある街です。

 

 

【画像1】湯浅の発展を支えてきた醸造家のひとつ「太田家」
【画像2】湯浅の特産品を買ったり食事をしたりできる、その名も「湯浅美味いもん蔵」
【画像3】県下随一の水揚げ量を誇るしらすをご当地の香り高い醤油でいただく「しらす丼」は、湯浅に来たらぜひ食べたいメニューの筆頭。提供店が多いので食べ比べもいいかも。生しらすも釜揚げしらすも、鮮度の良さを思う存分味わって

 

湯浅

アクセス
【電車】JR京都線「湯浅」駅から徒歩約15分
インフォメーション
湯浅町観光協会:0737-22-3133 

 


岐阜県郡上市

郡上八幡(ぐじょうはちまん)

郡上八幡(ぐじょうはちまん)
郡上八幡(ぐじょうはちまん)
郡上八幡(ぐじょうはちまん)

地形と郡上人に育まれた清流文化が生きる城下町

本州のほぼ中央に位置する郡上八幡は、日本という国の特徴でもある清らかな水や名城、人情というものが現代に生きる街です。「水の町」「郡上踊り」「天空の城」などキャッチフレーズも多い中、やはり街を歩いて第一に感じるのは水と共にある暮らしでしょう。長良川をはじめ、奥美濃の山々から運ばれる3つの川が合流する場所であり、清流は街の貴重な財産とされています。

 

今もそのまま残る町割りは江戸時代に城下町の大改造が行われた際に築かれたもの。大火をきっかけに用水がつくられ、町中に水路がめぐりました。格子づかいが印象的な町家や商家が並ぶ整然とした街並み。家々の軒先にぶらさげられたバケツは、火事の際にいち早く用水から水を汲んで消火するための備えです。「職人町」「鍛冶屋町」「柳町」など、水路に沿ってあちこちに延びている小道は、どれも味わい深く散策ポイントに事欠きません。

 

並行して走る通りの辻のつきあたりに配置された寺は13も。これも城を守る街の特徴です。「職人町」「鍛冶屋町」は、その名のとおり城下で働く人々の街でした。間口が狭く、奥に深い庶民の家々が立ち並びます。「柳町」は武士が集って住む侍の街。1日かけてぐるりとめぐれば、城下町全体のつくりや、江戸から今に続く人々の暮らしぶりを感じることができます。街を見おろす八幡城までは遊歩道があります。吉田川に沿って寺院の甍(いらか)と民家が建ち並ぶ景観は、20分ほどかけて登る価値十分です。

 

 

【画像1】観光案内所でもある旧庁舎記念館の横を流れる用水「いがわこみち」。鯉が泳ぐせせらぎは民家の裏口につながっていて、スイカを冷やしたり野菜を洗ったりするのに使われています
【画像2】「やなか水のこみち」の周辺は喫茶店や飲食店などのお店でにぎわっています
【画像3】熱に強い朴の葉を鍋がわりに、滋味あふれる味噌と飛騨牛や山菜などを乗せて焼く朴葉味噌焼き

 

郡上八幡

アクセス
【電車・バス】長良川鉄道「郡上八幡」駅より岐阜バス「郡上八幡城下町プラザ」下車
インフォメーション
郡上八幡観光協会:0575-67-0002 

 


岐阜県高山市

高山(たかやま)

高山(たかやま)
高山(たかやま)
高山(たかやま)

東西南北、文化の交差点は懐かしさとモダンがミックス

日本のほぼ中央にあたること、山中の大集落であったことなどで、古くから東西南北の交易や情報の交錯地だった飛騨高山地方。江戸時代は富山湾で獲れたブリを運んだ越中街道の宿場であり、天領として飛騨の経済の中心地に。数多くの豪商が生まれ、その屋敷が今も懐かしい街並みを形成しています。

 

重伝建地区の範囲が広く、宮川と並行する3本の通りに重要文化財が点在。3本の通りを三町と表現し、それぞれ上と下に分かれて「上一之町」「下三之町」というようにエリア分けされています。縫うように散策すれば、建物めぐりや食べ歩きに買い物、歴史文化探訪と興味に合わせて過ごせます。

 

 

【画像1】黒塗りの格子組が美しい上三之町あたりの街並み。酒屋や味噌・醤油屋など商家の多いエリアです
【画像2】昭和43年まで高山町役場として、その後は公民館として使われていた建物。ふたつの土蔵をもつ和洋折衷の建物は市の指定文化財となっています
【画像3】おいしい食事の店もバラエティ豊かで、古民家カフェや食べ歩き用のスナックも多い高山。飛騨牛コロッケなどが定番ですが、昔ながらの素朴な朴葉寿司や焼き団子もぜひ

 

高山

アクセス
【電車】JR高山本線「高山」駅から徒歩約10分
インフォメーション
飛騨・高山観光コンベンション協会:0577-36-1011 

 

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2021/06/18
昔懐かしい古い町並みで有名な飛騨高山。フォトジェニックなスポットとしても人気があります。食べ歩きできるグルメも多いので、ぜひ女子旅で訪れてみませんか。レトロで楽しい飛騨高山の魅力をご紹介します。

愛知県常滑市

常滑(とこなめ)

常滑(とこなめ)
常滑(とこなめ)
常滑(とこなめ)

海と土と共に生きる、心安らぐ焼き物の街

常滑の歴史は、海運と焼き物によって紡がれました。街歩きの中心地である大野町はかつて「大野湊(おおのみなと)」と呼ばれた港街で、廻船問屋などの商家が残り当時の繁栄を思わせる街並み。豊漁、海上安全などのご利益がある寺社も多く、海と暮らしの深い結びつきが見えます。

 

盛んな海運で全国に広まったのが、素朴な常滑焼きです。焼き物の街・常滑では、窯業の伝統が街中に感じられます。「土管坂」には、土管と焼酎瓶がそれぞれ道の左右に並びユーモラス。近代化産業遺産の登窯では、10本の煙突が明治から昭和の焼き物の歴史を伝えます。陶芸体験できる工房も多数。ぜひ挑戦してみてください。

 

 

【画像1】土管坂のある「やきものの散歩道」では昔の工場を活用したカフェやショップめぐりも楽しめます
【画像2】焼酎瓶や、瓶を保護していたエンゴなどが埋め込まれた道の両側に昔の仕事場や民家が並ぶ独特の風景
【画像3】丸い二頭身に大きなタレ目、小判を抱えた招き猫は「常滑系招き猫」と呼ばれ、常滑が生産量日本一。39体の招き猫が並ぶ「とこなめ招き猫通り」、高さ3.8メートル、幅6.3メートルの「とこにゃん」など名物招き猫スポットに心が和みます

 

常滑

アクセス
【電車】名鉄常滑線・空港線「常滑」駅から徒歩約10分
インフォメーション
とこなめ観光協会:0569-34-8888 

 


三重県伊勢市

伊勢(いせ)

伊勢(いせ)
伊勢(いせ)
伊勢(いせ)

お伊勢参りでにぎわう多彩な魅力の神都

古くから、お伊勢参りは人々の憧れでした。神宮のお膝元である伊勢には、豊かな歴史と懐かしい街並みが健在です。伝統的な町屋が並ぶのが、内宮鳥居前の「おはらい町」と、その一角の「おかげ横丁」。「おかげさま」という神への感謝で人をもてなす伊勢の文化が表れています。土産物店や食事処も多く、にぎわう様子はまさに江戸時代の伊勢路の面影です。

 

風情ある顔は他にも。「神宮徴古館(ちょうごかん)」「神宮農業館」「神宮美術館」からなる神宮の博物館は、レトロな洋館や歴史と溶け合う現代建築で建物も見応え抜群。水運で栄え「伊勢の台所」と呼ばれた河崎では、蔵や商人館が問屋街の面影を伝えます。

 

 

【画像1】「おはらい町」に並ぶ民家仕立ての土産物屋や食事処。統一された街並みは木のぬくもりにあふれています
【画像2】「おはらい町」にあり伊勢神宮関連のグッズなども売っている五十鈴川郵便局。ここで郵便を出すと独特の消印(風景印)を押してもらえます
【画像3】ランチにもおやつにもいい「伊勢うどん」。やわらかな麺にタレと絡めたぶっかけ風が特徴の独特なうどんです。伊勢神宮の参道をはじめ街中のどこでも提供されている気軽なソウルフードで「早い」「安い」「うまい」の代表格

 

伊勢

アクセス
【電車・バス】近鉄名古屋線「伊勢市」駅・近鉄山田線・鳥羽線「宇治山田」駅(近接)から徒歩約5分で伊勢神宮と外宮。内宮までは「伊勢市」駅・「宇治山田」駅から三重交通バスで「内宮前」下車
インフォメーション
伊勢市観光協会:0596-28-3705

 

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三重県亀山市

関宿(せきじゅく)

関宿(せきじゅく)
関宿(せきじゅく)
関宿(せきじゅく)

東海道の歴史を歩き、時代の旅ができる街

東海道五十三次の47番目の宿場町であった関宿。街道の分岐点であったことから、参勤交代や伊勢参りの人々が通る交通の要所として大いに栄えました。1.8キロメートルに渡り400軒以上の建物がひしめいたといわれる表通り沿いには、現在でも200軒ほどがその姿を残しています。街道を歩けば気分はすっかり江戸時代の旅人です。

 

現在残っている建物の多くは、江戸から明治時代にかけて建てられた町家です。宿の中心としてにぎわった中町には、当時の建築様式を今に伝える旅館やお土産屋さんも多く、外の柱に馬つなぎの輪が残っていることも。庇の下に雨の降り込みを防ぐ幕板がついていたり、虫籠窓(むしこまど)や漆喰細工、瓦細工などもバラエティ豊かだったりするので、ディテールまでじっくり観察したくなります。

 

見るだけでなく実際に入れる建物が多いのが楽しいところ。手始めに訪れたいのが「関宿旅籠玉屋歴史資料館」。関宿でも屈指の規模を誇った旅籠の建物を活かした資料館です。文献資料のみならず、宿で使われた道具や働いた人を模した人形が展示されており、宿場町の歴史を身近に感じることができます。かつては旅の途中の街。現代ではここを目当てに訪れたい、魅力あふれる場所です。

 

 

【画像1】連なる町屋は東海道中で欠かせない宿場町としてにぎわった活気までそのままのよう。今にも当時の旅人たちが行き交いそうな保存状態です
【画像2】かつて旅は特別な人、特別な用事がある人だけのものでした。懐かしい土産物屋では、深い意味が込められていたであろう記念品に想いを馳せたくなります
【画像3】米粉の生地に餡を包んだ「志ら玉」は関宿を代表する銘菓。三種の神器のひとつ、勾玉をイメージしたといわれるカラフルな印が特徴です。「志ら玉に旅はるかなる宿場町」と歌に詠まれた、江戸時代から続くお菓子なのだとか

 

関宿

アクセス
【電車】JR関西本線「関」駅から徒歩約10分
インフォメーション
亀山市観光協会:0595-97-8877 

 


長野県塩尻市

奈良井(ならい)

奈良井(ならい)
奈良井(ならい)
奈良井(ならい)

奈良井千軒と称された日本最大の宿場町

江戸時代の面影を残す民家や旅籠などの多い奈良井。日本各地で伝統的な建物が移築や取り壊し問題などにさらされた戦後の復興期、昭和40年代には官民学連携による保存運動が始まったという、街並み保存の草分け的存在でもあります。

 

純粋な中山道の宿は67。奈良井は江戸側から数えても京側から数えても34番目という真ん中の宿でした。奈良井駅から鎮(しずめ)神社まで約1キロメートル続く宿場は日本最長。街全体が今も当時をしのばせ、伝統的な建物に宿泊できる施設が多いのが特徴です。蕎麦や甘味などの飲食店も豊富で、のどかな気分でほぼまっすぐな1キロメートルの道を散策できます。

 

 

【画像1】ぎっしりと並ぶ建物は2階が少しせり出して見えます。出梁造りといい、すすけた格子や長く伸びた庇などと合わせて奈良井宿の建築様式です
【画像2】文政元年創業の老舗旅籠「伊勢屋」。江戸時代は下問屋と呼ばれる小規模な問屋を営んでいました。伝統的な奈良井宿建築に宿泊できます
【画像3】木曽地方に昔から伝わる「すんき」。ご飯のお供はもちろんですが「すんきそば」も名物のひとつです。カブ菜を乳酸発酵させているので、ほんのり酸っぱく、塩を使わないのにいい味加減。この辺りだけの珍しい食べものです

 

奈良井

アクセス
【電車】JR中央本線「奈良井」駅すぐ
インフォメーション
奈良井宿観光協会:0264-34-3160 

 

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埼玉県川越市

川越(かわごえ)

川越(かわごえ)
川越(かわごえ)
川越(かわごえ)

歩いてみたい道だらけ。五感くすぐる小江戸

小江戸の愛称で親しまれる城下町・川越。都心から電車で約30分の街に、歴史を感じる魅力的な光景が広がります。「一番街」は、蔵造りの商家が並ぶまさに江戸の街。火災の度に再建され400年街を見守る「時の鐘」の音は、「残したい“日本の音風景100選”」に選ばれています。

 

明治初期から栄える「菓子屋横丁」は、小さな菓子店の商店街です。石畳には飴を模したガラスが散りばめられてキュート。素朴な菓子の香りが「かおり風景100選」に選ばれています。レトロモダンな街並みは「大正浪漫夢通り」。土産物店から普段使いの店まで幅広い店舗が並び、ときには人力車も走ります。

 

 

【画像1】「蔵造りの町並み」と並行している「大正浪漫夢通り」は、レトロモダンな建物が。続々増えているおしゃれなカフェや飲食店と並んで、昔ながらの喫茶店も元気に営業中
【画像2】川越散策のメインストリート「蔵造りの町並み」。江戸時代に建てられた商家や町家が豊富に残り、カフェや食べ歩きのお店がたくさん
【画像3】江戸の焼き芋ブームに乗って生産量を伸ばし、さつまいもの一大産地となった川越。現在その生産量はさほど多くありませんが、文化はしっかり残っています。お土産や街歩きのお供に、さつまいもメニューをお楽しみください

 

川越

アクセス
【電車】西武新宿線「本川越」駅・東武東上線「川越市」駅から徒歩約15分
インフォメーション
小江戸川越観光協会:049-227-8233 

 

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千葉県香取市

佐原(さわら)

佐原(さわら)
佐原(さわら)
佐原(さわら)

「江戸優り」の面影と歴史に癒やされる水郷

江戸中期以降、利根川を利用した水運の街として繁栄した佐原。その栄華はめざましく、最盛期には「お江戸見たけりゃ佐原へござれ佐原本町江戸優り」と歌われたというほどです。明治も半ばを過ぎると鉄道や、自動車輸送の普及によって次第に水郷としての役割を終えます。しかし川沿いの商家に柳が揺れる風景は、今でも江戸時代の趣たっぷりです。

 

歴史ある神社仏閣が数多くあるのも特徴。約2500年前に創建され軍神として名高い「香取神宮」は、豊かな緑と朱色の門が印象的です。水辺の街並みと自然に囲まれた社や寺、佐原は街全体がパワースポットなのかもしれません。

 

 

【画像1】舟運が重要視されなくなっても、商業と香取神社の門前町として勢いを失わなかった佐原
【画像2】街を歩けば明治から大正にかけてのレトロモダンな建築物がちょこちょこと顔を出します
【画像3】水郷佐原あやめパークでは、例年5月下旬~6月下旬にかけて「あやめ祭り」を開催します。最盛期の眺めはため息ものです。なんと船での嫁入り体験というユニークなプランも。もちろん、嫁入りなしの園内舟めぐりも可能です

 

佐原

アクセス
【電車】JR成田線「佐原」駅から徒歩約15分
インフォメーション
水郷佐原観光協会:0478-52-6675

 

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群馬県桐生市

桐生(きりゅう)

桐生(きりゅう)
桐生(きりゅう)
桐生(きりゅう)

産業と暮らしが結びつく、織物業で栄えた「織都(しょくと)」

天満宮を起点として興った桐生は「日本の機どころ」として名を馳せます。その歴史は奈良時代から続くもの。街をあげて京都の西陣織から学んだ技術を導入し「西の西陣、東の桐生」ともいわれたとか。特に栄えたのは大正~昭和の頃。機織りのために多くの女工さんが街に集い、驚くほど多くの銭湯が営業するなど特別な街としての顔がありました。それに加え、江戸時代の面影を残す歴史的建造物群もあり、文化財と近代遺産が混在しています。

 

重厚な歴史的建造物もレトロモダンな近代遺産も、良好な状態で数多く残っているため、懐かしい雰囲気の建物がさまざまに活用されているのも楽しいところ。カフェやイベントスペース、資料館的な使われ方はもちろんのこと、現代的な会社がテナントして普通に使っている建物も。かつては機織り工場だったノコギリ屋根の建物の多くは約150年前のもの。機織りのために工場の奥まで天窓から光を採り入れる工夫として、多くの天窓をつくれるギザギザの屋根が生まれたそうです。今でも約200棟が現存し、現役で機織りが続いている工場も。

 

天満宮の参道で開かれる古民具骨董市は原則、毎月第1土曜日に開催する、関東の三大骨董市のひとつ。歴史の街らしく、まさに蔵出しの掘り出しものが多いとあって大盛況です。

 

 

【画像1】近江商人に端を発する矢野家は桐生の地で酒造、味噌醤油醸造、呉服商などさまざまな商売を手がけました。現在も矢野本店としてお茶や米、味噌をはじめ、地元の産物を商うほか、有鄰館や蔵を活用した喫茶などを運営しています
【画像2】ノコギリ屋根の小規模工場が人気のお菓子屋さんに
【画像3】レンガ造りの建物の内部にノコギリ屋根の造りが活かされた大人気の「ベーカリーカフェ レンガ」。天井が高くゆったりとしたスペースにくつろぎます。迷ってしまう豊富なパンの中から、パンの器の熱々ビーフシチューを

 

桐生

アクセス
【電車】JRわたらせ渓谷鐵道「桐生」駅・上毛電鉄上毛線「西桐生」駅から徒歩約20分
インフォメーション
桐生観光協会:0277-46-1111 

 

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長野県小布施町

小布施(おぶせ)

小布施(おぶせ)
小布施(おぶせ)
小布施(おぶせ)

小さな街に豊かな文化。小径で歴史に迷い込む

長野県で一番小さな街・小布施。江戸時代には千曲川を利用した舟運の要所としてにぎわいました。晩年の葛飾北斎が愛したことでも知られ、この地で描かれた多くの作品が街の中心「北斎館」に収められています。

 

北斎館の周辺は、伝統の趣と人々の暮らしが共存する生きた街。建物の脇の路地である小径を歩けば、歴史に溶け込んだ気分になります。小径歩きを支えるのは、小布施の「お庭御免」文化。「外のものはみんなのもの、内は自分たちのもの」として、家の庭先を開放しているのです。家主と客にひとときの交流が生まれることも。どんどん迷い込みたくなる、小さくもあたたかな街です。

 

 

【画像1】栗の小径をぐるっとめぐると、整った小布施の街の様子が実感できます
【画像2】高井鴻山記念館には家屋と井戸が残り、自身も絵をたしなんだ鴻山の作品が展示されています
【画像3】広大な庭園広がる「フローラルガーデンおぶせ」や、4キロメートルに渡る八重桜並木の美しい「千曲川リバーサイドパーク」など、花の見どころも多い小布施。個人の庭を公開する「オープンガーデン」も盛んで、季節の花が街を彩ります

 

小布施

アクセス
【電車】長野電鉄長野線「小布施」駅すぐ
インフォメーション
小布施文化観光協会: 026-214-6300 

 

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福島県下郷町

大内宿(おおうちじゅく)

大内宿(おおうちじゅく)
大内宿(おおうちじゅく)
大内宿(おおうちじゅく)

茅葺屋根が連なる昔話のような宿場町

江戸時代、会津と下野(しもつけ・現在の栃木県日光市)を結んだ西会津街道。実はこの西会津街道という名は関東に住む人々の呼称で、会津方面では「下野街道」や「南山通り」と呼ばれたそうです。そしてその下野街道の宿場町として大きな役割を果たしたのが大内宿です。

 

茅葺屋根の街並みは、さながら日本昔話の舞台。職人を中心に、村の人々が協力しながら葺き替えをしてこの景観を守っています。この街並みを堪能するなら丘の上の「大内見晴台」へ。春は桜、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪化粧……。400年前から変わらずそこにあると思えるような、素朴な美しさを堪能することができます。

 

 

【画像1】見た目はのどかでも手入れは大変な茅葺き屋根。集落全体で協力しあいこののどかな風景を守っています
【画像2】ひと味違う情緒を醸し出す雪化粧の集落
【画像3】食べ歩きが楽しい大内宿。じゃがいもと片栗粉をまぜて焼く「いももち」や「そばがき団子」「まんじゅうの天ぷら」など試してみたいものが多く迷ってしまいます

 

大内宿

アクセス
【電車・バス】会津鉄道「湯野上温泉」駅から会津バス「大内下」下車
インフォメーション
大内宿観光協会:0241-68-3611 

 

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山形県酒田市

酒田(さかた)

酒田(さかた)
酒田(さかた)
酒田(さかた)

「北前船ドリーム」で築かれた商人の町

この港街は、かつて「日本の中心」と称されるほどの栄華を極めました。その秘密は北前船。江戸や大阪と北海道とを結ぶ商船の主要な寄港地だったのです。北前船は単なる貨物船とは異なり、寄る土地土地で積荷を売買するいわば動く商家。その船が集まる酒田は、富の集まる場所でした。

 

主力商品の米を守った「山居(さんきょ)倉庫」は、今でも農業倉庫として活躍中。大商家として街を支えた本間家が、幕府の役人派遣時のために建てた「本間家旧本邸」は、武家屋敷と商人屋敷が合わさった珍しいつくりです。武家社会の時代、商人たちの「北前船ドリーム」の片鱗が、今も街中に残っています。

 

 

【画像1】武家と商家がいっしょになった建物は貴重。商人が栄華を極めた酒田の歴史を物語るような「本間家旧本邸」
【画像2】尖った屋根がのこぎりの歯のように立ち並ぶ米倉。NHK朝の連続ドラマ『おしん』の舞台にもなりました
【画像3】名物の多い山形でも特に地元の人々に愛される芋煮。秋には各地の河原などで芋煮会が催されます。地方によって味噌、醤油の味つけや、豚肉、牛肉、野菜の種類などがまちまちで、県民同士で味自慢の芋煮戦争が勃発することも

 

酒田

アクセス
【電車】JR白新線「酒田」駅から徒歩約20分
インフォメーション
酒田観光物産協会:0234-24-2233 

 


山形県尾花沢市

銀山温泉(ぎんざんおんせん)

銀山温泉(ぎんざんおんせん)
銀山温泉(ぎんざんおんせん)
銀山温泉(ぎんざんおんせん)

山あいにひっそり残る趣あふれる温泉街

江戸初期には三大銀山のひとつであった延沢(のべさわ)銀山。その鉱夫が見つけたといわれるのが銀山温泉です。大正以降は温泉地として整備が進み、木造の旅館を中心に栄えました。情緒あふれる様子は、どこを切り取っても絵になります。

 

夜の温泉街もお見逃しなく。ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の舞台のモデルになったといわれる、豪華ながらどこかノスタルジックな光景が広がります。5~10月の土曜日の夜には、花笠踊りのパフォーマンスが、街をさらに華やかに彩ります。

 

 

【画像1】大正末期から昭和初期に建てられた、洋風木造多層の旅館が銀山川の両岸に軒を連ねます
【画像2】異世界に迷い込んだよう。日帰り温泉可能な宿や巨匠・隈研吾設計の公共温泉施設も
【画像3】大正浪漫にひたれるカフェも数件あるので、ぜひ1泊して湯めぐりも楽しんで

 

銀山温泉

アクセス
奥羽本線級「大石田」駅からはながさバス「銀山温泉」下車
インフォメーション
銀山温泉:0237-28-3933 

 

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北海道小樽市

小樽(おたる)

小樽(おたる)
小樽(おたる)
小樽(おたる)

海と山に囲まれた港街。運河を流れて時間旅行

開拓の玄関口として栄えた港街・小樽。市の指定有形文化財である「日本銀行旧小樽支店」などいたるところにレトロな建物が見られますが、注目はなんといっても運河沿いの街並みです。まずは「小樽国際インフォメーションセンター」で観光情報や名物をチェックして街へ。役割を終えた運河には散策路が整備され、カメラ片手のお散歩にぴったりです。疲れたら、明治時代の倉庫を改修した石造倉庫群のカフェでひと休み。

 

そして絶対におすすめなのが夜の運河を見ること!ガス灯に浮かびあがる街は、まるで映画のワンシーンです。夜風に当たりながら、運河が街を支えた時代へとタイムスリップ気分を味わうことができます。

 

 

【画像1】小樽運河沿いの街並み
【画像2】これを見ずに帰れない?運河の夕景は大にぎわいの鉄板ポイント。小樽運河クルーズもよりロマンティック
【画像3】小樽にはワイナリーが数軒あり、隣の余市と合わせると数々のワイナリーめぐりが楽しめるワインの産地。ワイン祭りなどもあり、高品質のワインが手軽に買える、味わえる街です。食事やお土産選びの際はちょっと注目してみて

 

小樽

アクセス
【電車】JR函館本線「小樽」駅から徒歩約10分
インフォメーション
小樽市観光振興室:0134-32-4111 

 

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※内容は一部加筆修正しています。
※街歩きの際は、歩きやすい靴と水分補給の用意をおすすめします。
※本書に紹介した街並みは、住民の方々の日常生活の場です。街歩きや写真撮影のマナーを守りましょう。
※施設やお店の営業日、営業時間、来訪ルールは社会情勢などから急きょ、予告なく変更になる場合があります。来訪の際は当日の状況をご確認ください。
※アクセスのデータは、代表的と思われる交通手段を記したものです。
※各所要時間は目安となります。

 

書籍紹介

 

『全国 むかし町めぐり』(ジー・ビー/1,848円)

駅を降りてちょっと歩いたら目の前に現れる宿場町や、蔵造りの通り。山間のわずかな地に寄せ合い、川から引かれた水路に沿って静かに佇む茅葺屋根の家々。大正モダンな木造建築。そんな街並みが残る、歴史の香りに満ちた「むかし町」65カ所を全て独自現地取材し、掲載しました。

レトロを愛でる喫茶店や食事処に立ち寄ったり、懐かしい光景を目当てに出かけたり。本書をたよりに、日本のむかし町めぐりをお楽しみください。

 

単行本はこちら(楽天ブックス)
> 電子書籍はこちら(楽天Kobo)

全国むかし町めぐり
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旅を彩る出版社G.B.(ジー・ビー)がお届けする「めぐりシリーズ」は、「ちいさな美術館」「動物園」「水族館」「神社・お寺」「街の本屋さん」「ワイナリー」「秘境」など、1つのテーマに沿った“街歩き”を提案しています。その他、日々の生活が豊かになるライフスタイル本や実用書、育児書、教養本なども数多く発刊しています。

・公式サイトはこちら/書籍のラインナップはこちら

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