『走れメロス』『人間失格』など、日本の近代文学を代表する傑作を数多く残した文豪・太宰治。その太宰ゆかりの宿として知られる山梨・甲府市の「旅館明治」が、老朽化した建物を刷新し、2025年8月1日に全館新築の旅館として復活オープンしました。
館内には太宰が逗留した部屋が再現された「太宰治資料室」など、文学ファンをうならせるコーナーも設けられています。
明治30年創業の老舗旅館が令和にリニューアルオープン
開湯約1200年の歴史を持つ甲府市の「信玄の宿 湯村温泉」にたたずむ「旅館明治」は、1897(明治30)年に創業した老舗旅館。昭和の文豪・太宰治が筆を休めた宿としても知られていますが、近年は建物の老朽化が進み、営業が困難になっていました。
そこで、温泉郷の再開発プロジェクトの一環として、約2年前から全面的な建て替えに着手。最新の工法やモダンテイストのデザインを採用した新たな施設へと生まれ変わり、8月1日に復活オープンを果たしました。「信玄の宿 湯村温泉」に新築の旅館が誕生するのは、実に35年ぶりのことだそうです。
全21室の客室は全て洋室で、シンプルなスタンダードツインから広々としたデラックスツインまで、宿泊客のニーズに応える多彩なタイプが用意されています。
また、2部屋がつながったコネクトタイプの客室も4室あり、3世代家族や友人同士のグループ旅行などにもぴったりです。
プライベート露天風呂が設置された部屋も5室用意。名湯ならではの贅沢な癒やしのひとときを堪能できます。
太宰の魅力が詰まった“資料館”を館内に併設
新施設の見どころの一つは、太宰の写真や初版本などの貴重な所蔵品が並ぶ「太宰治資料室」。太宰が旅館に滞在した際の資料などが数多く展示されています。
太宰が滞在した部屋自体は現在残っていませんが、当時の写真をもとに可能な限り忠実に再現した部屋が館内に設けられました。
令和の今もなお多くの文学ファンを魅了する太宰は、かつて甲府の地で何を感じ、どのように過ごしたのか。往時の文豪の姿に思いをはせることができる、太宰推しにとってはたまらない空間です。
巨大な「ゆ」の字が目印! 共同浴場「鷲の湯」も復活
旅館に併設する形で復活を遂げたのが、長く地域で親しまれてきた外湯「鷲の湯」です。30年以上前に営業休止となり、建物だけ残っていた外湯も、旅館のリニューアルに合わせて一新されました。
建物南側の塀には、高さ約7メートルにもおよぶ「ゆ」の一文字が彫り込まれていて、温泉街の入口からでも一目で見つけられます。インパクト大のシンボルは、フォトスポットとしてもおすすめです。
大浴場は重厚感ある石造りが魅力で、窓の向こうには露天風呂も。湯村温泉は毎分約1トンという豊富な湯量を誇り、やわらかみを感じる弱アルカリ性の泉質は、つい長湯をしてしまう心地よさです。
「鷲の湯」は立ち寄り湯としてはもちろん、「旅館明治」の宿泊客も自由に利用できます。
スタイリッシュなホテルスタイルに生まれ変わりながらも、明治時代の趣が随所に残る甲府の老舗宿は、日々の慌ただしさを一時忘れさせてくれる非日常的な空間といえそう。
往年の文豪の面影を感じながら、のどかな自然と風情あふれる旅時間を満喫してみませんか?
旅館明治
- 住所
- 山梨県甲府市湯村3-10-14
- 総部屋数
- 21室
- アクセス
- 【電車】JR「甲府」駅からタクシーで約10分
【車】中央自動車道「双葉」ICから約10分 - 駐車場
- あり(無料・要予約)
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