オランダの風景が広がる長崎県のテーマパーク、ハウステンボス。園内を流れる穏やかな運河に囲まれた立地にあるのが、「ホテルヨーロッパ」です。本場オランダ・アムステルダムにある同じ名前のホテルを忠実に再現しグレードアップした建築の中には、重厚感あふれるヨーロピアンテイストの贅沢な空間が広がります。園内随一のラグジュアリーホテルで、特別な日を過ごしてみませんか。
※この記事の内容は2021年4月公開のものです。営業時間やサービス内容が変更されている場合があります。
オランダの街並みを眺める「チェックインクルーズ」でホテルまで送迎
ハウステンボスには直営ホテルが4つあります。パーク内の中心地に建つ「ホテルアムステルダム」、森と湖のそばにあり別荘感覚で朝を迎えられる「フォレストヴィラ」、ロボットがお出迎えしてくれるユニークな「変なホテル」。
そして、食事、おもてなし、音楽、眺望とどれをとっても最上級クラスにあたるのが、今回ご紹介する「ホテルヨーロッパ」。オランダの街並みを忠実に再現したハウステンボスから入館すれば、気分は海外旅行。日常から解放される、極上の滞在が待っています。
ハウステンボス内には、全長約6キロメートルの運河が流れ、オランダの穏やかな風景を再現。ホテルヨーロッパは、その運河に囲まれるように建っています。
そのため、ほかの直営ホテルにはないホテルヨーロッパだけの特典といえば、パーク内「ウェルカムエリア」から、宿泊者専用のクルーザーで送迎してもらえること。ヨーロッパさながらの美しい街並みを眺めながら、園内の運河を通ってホテルに着岸する特別感はここでしか味わえません!
クルーザーが着くとドアマンがお出迎え。さっそくラグジュアリーな気分が高まります。船を降りたらロビーに向かいましょう。
ハウステンボス園内は2日目に楽しみたいという方は、長崎空港からホテルヨーロッパへの直行送迎バス「エアポートバス」(無料)も運行しています。
開放感あふれるロビーでは、季節の花がお出迎え
入館前に、徹底した感染対策も
ホテル入口には、感染対策の手指消毒用アルコール、そして靴用の消毒マットが用意されています。
さらに、体調のチェックや感染症対策についての確認書の記入、検温を済ませ、チェックイン時にはエレベーターなど気になった場所で使用できるポケットティッシュを1人1つずつ受け取ります。
季節の香りに満たされる、華やかな演出
ロビーに一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが季節の花いっぱいの演出。取材に訪れた3月下旬は、見頃を迎えていた色とりどりのチューリップが出迎えてくれました。広い窓から光が入るとても明るいロビーでは、さまざまな仕掛けでお花が楽しめます。
2~7月には季節の花々が園内を彩る「フラワーフェスティバル」を開催するハウステンボス。パークからホテルに戻っても、お花畑の続きを歩いているような素敵な光景です。
ロビーだけでなく、フロア各所で季節の花たちの香りが広がる館内。「ハウステンボス」と命名された、かわいいフリルのチューリップも飾られていました。バラやアジサイにも同じ名前の品種があり、見頃に訪ねれば出会えるかも。
ホテルには花の管理を専門とするチームがあるそう。華やかな光景と、フレッシュな生花の香りはとてもうれしいおもてなしです。
ホテルを代表する特別な「ヨーロッパデザイナールーム」へ!
エントランスにいるベルボーイに大きな荷物を預け、いよいよ客室へ。
6階建て全310室ある中でも、ヨーロピアンテイストをめいっぱい楽しむなら「ヨーロッパデザイナールーム」。広々とした使い勝手の良い造りで、クラシカルな雰囲気と、お花のかわいらしいデザインが印象的です。
テーマとなる壁紙デザインは客室によって少しずつ異なるので、リピートすればいろんなデザインのお部屋に泊まれるかも。
客室内のインテリアは、19世紀オランダの邸宅を思わせるような、重厚感あるヨーロピアンテイストで統一。
広いデスクも用意されているので、運河を見ながら作業をしたり、なかなか会えない人に思いを馳せてお便りをしたためたり。思い思いの過ごし方ができそうです。
洗面台やお手洗いの内装もデザインを統一。華やかな雰囲気が細部まで表現されています。
洗面所にも生花が一輪。さりげないですが、うれしい演出です。
オーバーヘッドシャワーのバスルーム。水圧もしっかりあり、広さも十分です。広いハウステンボスを1日歩いたあとでもゆっくりと疲れを癒せます。
用途や好みに合わせて選べる、11タイプの客室
ほかに、客室は全11タイプ。より洗練されたこだわりと広さを感じられる「ラグジュアリー」や、1階の内海に面したタイプを含む「デラックス」、リビングと寝室が完全に独立しホテル内最大の広さを持つ「メゾネットスイート」など、どのタイプも重厚感ある雰囲気と、ヨーロッパに来たような特別な眺望が楽しめます。
生演奏のコンサートとともに味わう優雅なアフタヌーンティー
荷解きをしたら、旅の疲れを癒しに1階「アンカーズラウンジ」へ。朝食やカフェ、バーなど1日中営業しているホテルのメインラウンジです。
クルーザーの船着き場に面していて、運が良ければ窓の外に白鳥がやってくることも。パンフレットを広げて旅の計画をゆっくり練るのも楽しいですね。
このラウンジをいっそう格式高いものにしているのが、毎日開催されている生演奏のコンサート。カフェタイム、バータイムともに随時開催されています。
運河から入ってくるクルーザーを背に、ピアノや弦楽器で奏でられるクラシック音楽の生音は、贅沢そのもの。カフェやシャンパンなどを片手にのんびりと過ごせば、特別な気分に浸れます。
心地よいピアノやチェロ、バイオリンの音色を聴きながらいただきたいのが、季節のアフタヌーンティーセット(4,000円)。
春はいちごを中心としたセッティング。スタンドのトップには季節のフルーツをあしらったミニケーキをはじめとしたスイーツ、中段にはタルトやテリーヌ、3段目にはフィンガーサイズのセイボリーが。スコーンは別添えでボリュームたっぷりですので、2人でシェアするのも楽しいかもしれません。
紅茶は季節の紅茶、ダージリン、アールグレイから好きなものを選べます。
夏場はアイスクリームなども乗ったひんやりとしたスイーツ、秋にはりんごやぶどうなど旬の採れたてフルーツをふんだんに使ったデザート、冬はマシュマロを焦がしたスモアパンケーキなど、季節に合わせたスイーツメニューが登場します。
アンカーズラウンジ(アフタヌーンティー)
- 時間
- 12:00~18:00
- 料金
- 「苺のアフタヌーンティーセット」4,000円
格式あるメインダイニング「デ アドミラル」でのディナー
館内を散策したり、部屋でゆっくりしたりしたあとはお楽しみのディナータイム。
1階の「デ アドミラル」は、「提督」の名を持つホテルヨーロッパのメインダイニング。格式と気品にあふれる店内ではフレンチが提供されています。
窓際の席からは、すぐそばに運河を望めます。大きく開かれた窓からは、行き交うクルーザーと波打つ航跡まではっきりと見え、まるで水上に浮かんで食事をしているかのような眺望。
個室も用意。結婚式や結納などで利用する方も多く、特別な日にぜひ訪れたい美食レストランです。
「オマージュ」(16,000円)は、長崎県産の海産物を使ったマリネや、雲仙太陽卵を使ったコンフィ、採れたての地場野菜など厳選された食材をふんだんに使った、旬の味を楽しめるコース。運河を行き来するクルーザーを眺めながら、北部九州の食材を最大限に生かした極上フレンチを堪能しましょう。
ほかにもホテル内には、日本料理の「吉翠亭(きっすいてい)」、鉄板焼きの「戎座(えびすざ)」と全部で3軒のレストランを用意。いずれも地元の食材を最上級の調理でいただく贅沢なディナーが楽しめます。
デ アドミラル
- 時間(ディナー)
- 17:30~20:30(LO)
- 定休
- 火曜
しっとりとした大人のひと時を演出してくれるオーセンティックバー
夜も深くなってきたら、上質で豊かな時間を楽しみに、アンカーズラウンジ横のバー「シェヘラザード」に行ってみましょう。
世界各国から集まった洋酒で作られるカクテルや、こだわりのウィスキーを中心に、洗練されたドリンクメニューがそろいます。
ぜひいただきたいのが、オリジナルの「シェヘラザード カクテル」(1,500円)。店名、そして『千夜一夜物語』のプリンセスの名前と同じこのカクテルはジン、カシス、アプリコットリキュール、レモンを合わせたフルーティーで飲みやすいショートカクテルです。
シャンパンをベースにバラの香りが広がるリキュールをクランベリージュースで割った、こちらもオリジナルの「ローズシャンパンカクテル」(2,200円)と乾杯。音楽に耳を傾けながら今日の1日と明日からの楽しみを語り合いたいですね。
シェヘラザード
- 時間
- 17:00~23:30
※カバーチャージあり
目覚めのスパークリングワインから軽やかに1日が始まる朝食ビュッフェ
お部屋の大きな窓からパークの眺望を眺めて目覚めたら、7:00~10:00の間のお好みの時間に朝食会場へ。
朝日の差し込む1階「アンカーズラウンジ」で、和洋80種前後が並ぶビュッフェ形式の朝食がいただけます。
手指消毒と手袋をしっかりして、お料理のもとへ。テーブルの間隔も以前に比べて広く配置されているそうで、安心して楽しめますね。
長崎や九州の食材を使ったメニューがさまざま並ぶ中でも、シェフがその場で焼き上げてくれるオムレツは大人気! アスパラ、チーズなど4種の具をお好みでカスタム可能です。
ハウステンボス内にある工場でその日の朝に作られた、焼きたてパンも。その時々で、8種類程度が並びます。
ホテルヨーロッパオリジナルラベルの「モーニングスパークリングワインサービス」も用意。微発砲が朝の幸せな目覚めをもたらすアイ・オープナーの役割があり、1口含めば贅沢気分もますます高まります。
悩み抜いてほんの一部しかとってきていないのに、テーブルを埋め尽くしてしまうほどのボリュームに! とろっとろの出来立てオムレツをはじめ、軽やかなシャンパン、完熟野菜などでしっかりパワーチャージ。これで1日、ハウステンボスでたくさん遊べそうです。
アンカーズラウンジ(朝食ビュッフェ)
- 時間
- 7:00~10:00
- 料金
- 3,500円
最高の思い出づくりにぴったりのホテルヨーロッパ
直営ホテル宿泊者には、翌日のハウステンボス1DAYパスポートがついてきたり、開園1時間前から入園できたりする特典付き。朝から広い園内をのんびりと遊べます。
ホテルでゆっくりコンサートや食事を楽しんだり、散策したり、ラグジュアリーなお部屋で運河を眺めながら贅沢な時間を過ごしたり。大切な人と素敵な思い出づくりの旅に出かけてみませんか。
ホテルヨーロッパ(ハウステンボス直営)
- 住所
- 長崎県佐世保市ハウステンボス町7-7
- アクセス
- JR「博多」駅から特急ハウステンボス号で約100分
JR「長崎」駅からシーサイドライナーで約90分
長崎空港から高速船で約45分、バスで約60分 - 客室数
- 310室
- 駐車場
- 宿泊者専用駐車場あり、無料
入口よりホテル行き「場内宿泊者専用バス」(無料)が巡回
取材・撮影・文/原 陽子