昔ながらの下町風情とおしゃれな雑貨店・カフェが立ち並ぶ、東京の「谷根千」エリア。谷中・根津・千駄木と隣接する3つの地域名からそれぞれ一文字ずつを取り、「谷根千」と呼ばれ親しまれています。
そんな谷根千は、気軽にふらっと街歩きも楽しいエリア。肩の力を抜いて、ふらりと散歩へでかけてみませんか?
谷根千へのアクセス
「谷根千」エリアへは、東京メトロ千代田線根津駅、千駄木駅、JR日暮里駅などから行くことができます。東京駅からは電車で約10分、新宿駅からも電車で約20分です。徒歩圏内には上野公園や東京国立博物館などがあり、浅草や東京スカイツリーにも近いため、外国人観光客も多く滞在している東京屈指の観光スポットです。
谷根千散策のスタートに「根津神社」へ参拝
谷根千散策は、根津駅からスタート。まずは駅から徒歩約10分の場所にある、根津エリアの名所「根津神社」へ。
根津神社は、およそ1900年以上も前に日本武尊(ヤマトタケルノミコト)によって創建されたとされる由緒ある神社で、国の重要文化財に指定されています。
宝永3(1706)年に建立された本殿、楼門、唐門、拝殿などは、すべてそのままのかたちで現在まで残っているそうです。
表参道口から入り神橋を渡って左を見ると、美しい「千本鳥居(せんぼんとりい)」が並んでいます。そのまま境内西側を千本鳥居をくぐりながら進んでいくと、乙女稲荷神社へと続いています。
この鳥居を北から南に抜けることで邪気が祓われると言われています。
乙女稲荷神社は恋愛運アップ、縁結びのご利益があると言われています。また、根津神社はつつじの名所としても知られ、毎年春には「文京つつじまつり」が開催されています。
つつじまつりの開催期間中には、約100種類3,000株ものつつじが次々に花を咲かせます。千本鳥居とつつじを同時に見られるポイントからは、朱色の千本鳥居と色とりどりのつつじがとても鮮やかで、フォトジェニックな景色を見ることができます。
お祭り中は、甘酒茶屋や植木市、露店なども出店していて、賑わいながらもまったりとした雰囲気に。都会の真ん中にいることを、すっかり忘れてしまうはずですよ。
#根津神社
- 住所
- 東京都文京区根津1-28-9
- 唐門閉門時間
- 3月~9月18:00、2・10月17:30、11月~1月17:00
- アクセス
- 東京メトロ千代田線根津駅・千駄木駅、南北線東大前駅より徒歩約5分
千駄木のカフェ、CIBI(チビ)でランチタイム
谷根千周辺にはたくさんのおしゃれランチスポットがありますが、今回訪れたのは根津神社から徒歩10分ほど、千駄木駅すぐの場所にある「CIBI(チビ)」。オーストラリアのメルボルンに本店があるお店です。
CIBIでは、地元の八百屋さんなどから仕入れた新鮮な食材を使ったランチプレートやランチボウルをいただくことができます。ランチプレートは、使われている野菜の種類が多く、ヘルシーでありながらボリュームもあって大満足!季節によってメニュー内容が変わるのでお店へ訪れたときにチェックしてみてくださいね。
「マイランチボール」は柔らかく、ボリュームのあるチキンがたっぷり乗っています。ランチメニューは野菜も豊富で、味付けはシンプルながらも素材の味がしっかりと感じられておいしいです。ランチの他にも、天然酵母を使ったパンやマフィン、ケーキ、オリジナルブレンドのコーヒーも楽しめます。
また、店内のショップにはかわいいデザインのオリジナルグッズやキッチン用品も置いてあるので、ランチやコーヒーで利用した前後に見てみましょう。お店で使われているカトラリー等も販売されていますよ。
CIBI(チビ)
- 住所
- 東京都文京区千駄木3-37-11
- 営業時間
- 8:00~18:00
- アクセス
- 東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩約3分、JR線・京成線日暮里駅より徒歩約8分
「ビスケット」でヴィンテージ雑貨を発見
おいしいランチで心も身体も元気になったら、次はかわいい雑貨を探しに雑貨店めぐり。まずはCIBIから歩いてすぐの雑貨店「Biscuit(ビスケット)」へ。
「かわいい」と「なつかしい」を集めた雑貨店がコンセプトの店内には、モール人形やバッジ、バースデーカード、紙袋、包装紙など、オーナーさんが自ら買い付けてきたヨーロッパの雑貨が所狭しと並びます。
イラストレーターでもあるオーナーがセレクトする商品は、どれもレトロで個性的、女性心をつかむようなかわいいデザインのものばかり。カラフルでプレゼントにも最適なアイテムが多く、見ているだけで楽しめるはず。
ビスケットには、贈り物としても最適な雑貨が多数揃います。レジの横に並ぶのは、ハンガリーの手作りモール人形。リボンやボタンなどもたくさんの種類があり、ハンドメイド好きにはたまらないお店です。
そして、ビスケットのすぐ近くのキッテ通り沿いには、同じオーナーさんが運営しているお店ツバメハウスもあります。
#ビスケット
- 住所
- 東京都台東区谷中2-9-14
- 営業時間
- 11:00〜18:00
- アクセス
- 東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩約3分
セレクトショップ「ツバメハウス」へ
ビスケットから徒歩約2分の場所にある「ツバメハウス」はヴィンテージ服を中心に、バッグや靴など雑貨を幅広く取り扱っています。レディース、メンズアイテムはもちろん、子供服も多数取り揃えられているので、親子でお買い物をするにもおすすめです。
レトロな雰囲気の店内にはカラフルでポップなアンティークの品々がディスプレイされ、見ているだけでわくわくした気持ちになります。
カラフルな古着だけではなく、ベーシックなデザインの洋服も置いてありました。また、食器やインテリア雑貨、アクセサリーもいっぱい。白を基調にしたかわいらしい店内にはオーナーのセンスが光るセレクトアイテムであふれていました。
小さな扉を開けると、かわいいものが多彩に並ぶ空間に出会うことができます。是非立ち寄ってみてくださいね。
#ツバメハウス
- 住所
- 東京都台東区谷中2-15-13 2F
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- アクセス
- 東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩約5分
亀の子束子で、お土産購入!
キッテ通りの1本となり、曲がりくねった細い道「へび道」を約3分歩いて行くと、「亀の子束子(たわし)」谷中店があります。亀の子束子は明治40(1907)年創業、100年以上の歴史を持つ「たわし」の専門店。
店内には定番の「元祖 亀の子束子」の他にも、様々なタイプのたわしグッズが売られています。日本の台所の定番でもあるキッチン用たわし、ボディ洗浄用のたわしはもちろんのこと、オリジナルTシャツ、キーホルダーなども人気なのだそう。
今まで知っていた「たわし」のイメージを覆すようなおしゃれなデザインのグッズも多い店内。
こちらはスポンジやタオルでは洗えないマッサージ効果の高いボディ用たわし。固いものから柔らかいものまで全4種類から選ぶことができるので、初めての人でも安心です。
店内にはたわしの素材の展示もあり、店員さんも素材・用途などを丁寧に説明してくださいます。
小さいサイズのたわしを、かかとの軽石代わりに使ったり、ボディ用たわしの使い方など、今まで知らなかった使い方を教えていただきました。店員さん自身が亀の子束子のファンで、普段からキッチン用、ボディ用を愛用しているそうです。
筆者は、土鍋や鉄フライパン、木のまな板などを洗うたわしを探していたのですが、店員さんから適した商品や、そのお手入れの方法を説明いただき、自宅用に棕櫚(しゅろ)たわしを購入してみました。きちんと手入れをすれば長く使えるそうですよ。生活の用途に合わせて、自分に合ったたわしを買ってみてはいかかでしょうか。
亀の子束子 谷中店
- 住所
- 東京都台東区谷中2-5-14
- 営業期間
- 11:00~18:00
- 定休日
- 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
- アクセス
- 東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩約6分
COUZT CAFE (コーツトカフェ)でほっと一息
散歩途中のコーヒーブレイクに、COUZT CAFE (コーツトカフェ)を訪れました。亀の子束子からキッテ通りへ戻り、約3分ほど進んだ場所にあります。
COUZT CAFEは、自家製のおいしい食事やスイーツが人気のお店です。かわいらしい雰囲気の隠れ家カフェですが、魅力は雰囲気だけではありません!自家製にこだわった食事やスイーツを提供しており、居心地よい空間でいただくメニューはどれも「おいしい」と評判です。
コーヒーについても詳しくメニューで説明してくれているのも嬉しいところ。コーヒーや紅茶、ハーブティーなどドリンクの種類もたくさんあります。今回はハンドドリップのコーヒー、コロンビアとタンザニアをいただきましたが、スコーンやビスコッティなどもとてもおいしそうでした。
心地よく光が差し込む窓側のカウンター席も良いですし、奥のソファ席も落ち着いた雰囲気で寛げます。お店はゆったりとした空気感で居心地が良く、つい時間が経つのを忘れてしまいそうです。
ランチメニューは、こだわりの食材、自家製調味料を使って調理。野菜たっぷり玄米カレーやイベリコ豚のローストポークサラダなど、自然の旨味が凝縮されたランチを提供しています。
店内は衣類などを扱うショップが併設されていたり、年に一度発行されるオリジナル新聞「COUZT SHINBUN」が置かれていたりと見ているだけでも楽しめるはずですよ。
COUZT CAFE (コーツトカフェ)
- 住所
- 東京都台東区谷中2-1-11
- 営業時間
- 12:00~23:00(日・祝は~21:00)
- 定休日
- 木曜日
- アクセス
- 東京メトロ千代田線根津駅より徒歩6分、千駄木駅より徒歩8分
ゲスト交流型ホテルで寛ぎと会話を楽しむ
最後に訪れたのは、閑静な住宅街の一角に佇む「HOTEL GRAPHY NEZU(ホテル グラフィ ネズ)」。根津駅から徒歩3分ほどの場所にあり、ゲスト交流型のレジデンシャルホテルです。カフェ&バーも併設されており、ホテルの宿泊者以外も利用可能です。
朝・昼はカフェとしてサンドウィッチやハンバーガー、コーヒー、17:00以降はバーとしてクラフトビールやウイスキーなどを提供しています。GRAPHY特製ハンバーガーは、地元のお肉屋さんや八百屋さんの食材をふんだんに使用している自慢の逸品です。
カフェ&バースペースには日本や東京のガイドブック、地図なども置いてあるので、町散策を考える場所としても活用できます。地元の人たちも多く訪れている場所なので、谷根千おすすめスポットの情報収集もできるかも。
ホテルグラフィーは海外からのお客さんも多いようです。誰でも気軽にコミュニケーションが取れそうなオープンな雰囲気は、ヨーロッパのホステルのようでした。
おしゃれな空間でドリンクを飲みながら旅行雑誌を読んでみたり、外国人観光客とお喋りを楽しんでみたりと、過ごし方は自由。
谷根千散歩のラストは、おいしいご飯とビールでお喋りに花を咲かせてみてはいかがでしょうか。週末は誰でも自由に参加できる映画祭や体験型イベントも開催されているので、そちらもチェックして参加してみるのもおすすめですよ。
HOTEL GRAPHY NEZU
- 住所
- 東京都台東区池之端4-5-10
- アクセス
- 東京メトロ千代田線根津駅より徒歩約3分、南北線東大前駅より徒歩約14分、JR線・東京メトロ銀座線上野駅より徒歩約14分
レトロでモダンな魅力を兼ね備えた谷根千エリア。下町の落ち着いた街に溶け込む、おしゃれスポットを見つけに気ままな散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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取材・写真・文/mikon