
提供:金沢日和
2024年12月4日(水)に、日本酒や焼酎、泡盛など「伝統的酒造り」が、ユネスコ無形文化遺産に登録されることが決まりました。
奥深い日本酒の世界。もっと知りたいと思っていながらも、普段あまりお酒を飲まない自分ではなかなか踏み入ることもできずにいました。途方に暮れるわたしに導きの光を降り注ぐかのように、このたび、石川県小松市にある「東酒造(ひがししゅぞう)」の新しくなった蔵見学コースのモニターツアーにお誘いいただき、参加してきました!
日本酒初心者なのでついていけるか少し不安でしたが、そんな心配も吹き飛ばされるぐらい楽しくて充実した時間が過ごせました。

「神泉(しんせん)」で知られる東酒造は、万延元年(1860年)に創業されました。
石川県小松市に位置しており、地酒らしい日本酒造りを目指し、酒造りに関わるすべての要素が石川県産にこだわることをモットーとしているそうです。

東酒造場は、酒蔵および住居の十二棟が国の登録有形文化財に指定されています。長屋門で格式のある大門をはじめ、四畳半茶室の桂松庵や上質な和風建築の緑寿庵など、老舗の造り酒屋の豊かな建築空間を楽しめます。

以前から酒蔵見学を実施していた東酒造ですが、このたびは酒蔵にラウンジがオープンし、このきっかけで蔵見学コースも一新したそうです。見学が始まる前に、神泉ラウンジ「Kai」でひと息つけるようになりました。

国登録有形文化財の主屋にあがり、日本庭園を眺めながらゆったりできます。この歴史ある空間の中で、150年以上続いてきた酒造りの現場をこれから見学できると思うと、ますますツアーへの期待が高まりますね!
この新しい見学コースで、日本酒ファンだけではなく、より多くの方に酒蔵に来ていただきいとの思いを込めて、何回でも来てほしい、落ち着く場所を目指し、ラウンジの名前を「回(kai)」にしたそうです。

蔵人から説明を聞きながら、日本酒や「神泉」造りの奥深い魅力を感じる酒蔵見学。日本酒造りに必要な原料から、それぞれへのこだわりについても丁寧にお話ししてくださり、初心者のわたしでも聴き入ってしまいました。
日本酒造りは菌とのコミュニケーションが大事だとか、温度管理と調整が大切だとか、時代に合わせてお酒を進化させるとか…興味深いお話ばかりで、時間を忘れるぐらい楽しかったです。

「仕込みには見守る勇気が必要です」とタンクに愛しい眼差しを向けて話す東社長が一番印象に残りました。タンクの温度が少し上がったとしても、発酵が弱まる可能性があるため急に冷やすわけにもいかないらしいです。
長年培ってきた経験と「見守る勇気」を貫いた、繊細な酒造りの現場。酒蔵それぞれのこだわりを守るために注がれたたくさんの愛があるから、日本酒の世界はこんなにも温かくて興味深いと思いました。

東酒造は、酒造りに関わる全ての要素が石川県産にこだわっています。
白山の伏流水を用い、地元の酒米と酵母で醸す、石川らしい地酒造り。小さな酒蔵ですが、ここで生まれた石川県の魅力が詰まった「神泉」は、数々の受賞歴を誇り、世界中でも高評価を得ているそうです。

酒蔵見学後は、いよいよお待ちかねの試飲タイム!神泉が作られる現場の余韻に浸りながら、販売所の奥でさまざまな神泉を飲み比べられるなんて、最高ですね。

わたしは一口で酔える自信があるので、取材終了後に試飲させていただくことになりました。
一緒に参加した先輩が各銘柄を試しつつ、「口当たりが良い!」「しゅってくる!」「日本酒っぽくない!」「ジュースみたい!」(※感想は個人差あり。ちょっと何を言っているかわからないコメントもありました)など、目を輝かせながら日本酒初心者のわたしには抽象的すぎる感想を連発していました。
「飲み比べることでそれぞれの味の個性がより鮮明に感じられて、普段からお酒を嗜んでいる人も、あまり日本酒を飲まない人にもおすすめしたいわ!」だそうです。
わたしはみんなに見守られながら「ジュースみたい!」の「蛍舞プレシャス」を試させていただきました。小松産コシヒカリ「蛍米」を使用した新世代日本酒で、アルコールが11%のジューシーな味わいが特徴なので、普段日本酒を飲まれない方にもおすすめです。

この酒蔵見学ツアー(要予約)は一人1,100円で商品券500円付きなので、試飲後は販売所でお得にお買い物ができます!
せっかくの機会なので、お酒好きのお父さんに甘口と辛口を1本ずつ贈りたいと思いました。好きなものを選んでもらいたく、ほろ酔いながら久しぶりに電話してみたら、ほしい銘柄を即応答されて少し驚きました。東酒造に酒蔵見学をさせていただいてるよと伝えたら、お父さんはすぐ調べたらしく、2本の追加注文がきました。
結局ついさっき日本酒デビューしたばかりのわたしが4本を持ち帰るというシュールな光景になりました。今度金沢に会いにくるときに一緒に飲むことになったので、今から感想が楽しみです。
東酒造 酒蔵見学 (要予約)
【見学時間の目安】
酒蔵見学30分+販売所(試飲)で、計50分程度になります。
※酒造時期には予定が変更になります。詳しくはお問い合わせください。
【要予約】
ご予約は7日前までにお願いします。
予約および注意事項の詳細は公式サイトにて。
東酒造 直営店
- 住所
- 石川県小松市野田町丁35
- 電話番号
- 0120-47-2302
- 営業時間
- 9:00〜18:00
- 定休日
- 日曜日
- 駐車場
- 5台
- 公式サイト
- 東酒造株式会社