
大阪観光といえば梅田やなんばが定番ですが、関西イチ長い商店街「天神橋筋商店街」がある通称「天六(てんろく)」エリアでランチや食べ歩きをするのもおすすめ!
「天神橋筋商店街」は、昼夜問わず地元民でいつもにぎわっており、いつ行ってもお祭りのような雰囲気を味わえます。寿司や串カツ、コロッケやたこ焼き、行列必至の名物絶品グルメも目白押しです。
天神橋筋商店街とは

天神橋筋一丁目から天神橋筋七丁目まで続く「天神橋筋商店街」。全長約2.6キロメートルで、関西一の長さを誇ります。学問の神様・菅原道真を祭る「大阪天満宮」の門前町として栄えたのが始まりで、明治時代に入ってからは現在のような商店街として発展しました。

昔ながらの大衆食堂、惣菜屋、刃物屋、明治元年創業の老舗お茶屋や、大阪グルメが味わえる人気店などが約600店舗以上建ち並んでいます。各丁それぞれに特徴があるので、違いを楽しみながら歩くのも楽しい通りです。
六丁目まではアーケード街なので、雨天や猛暑時でも気兼ねなく散策することができます。
天神橋筋商店街へのアクセス

天神橋筋商店街を歩く際は、起点を「天六(てんろく)」こと地下鉄「天神橋筋六丁目駅」に設定して一丁目に向かって南下して行くのがおすすめ。梅田から地下鉄で2駅先にあります。
「天神橋筋六丁目駅」から出てすぐの場所に商店街の入口があるので、ここから進んでいきましょう。スタートからゴールまでの所要時間は徒歩約40分です。

商店街のちょうど中間・天神橋筋四丁目は地下鉄「扇町駅」が最寄りになります。商店街を半分だけ巡りたい!という人にはこちらを起点にするのもおすすめ。
今回のルートとは逆に、天神橋筋一丁目から天神橋筋六丁目に向かって北上して進みたい場合はJR「大阪天満宮駅」または地下鉄「南森町駅」を起点にすると移動がスムーズです。
行列必至!ランチにおすすめのお店4選
商店街内には大阪の名物グルメが盛りだくさん!開店前から行列ができる名店も多く、遠方からも多くの人が訪れます。今回はその中から4店の名物グルメをピックアップしてご紹介します。
至極の中華そば!「ストライク軒」のMVP

「ストライク軒」は2013年の創業以来、多くのラーメン通に愛されているお店です。店内の席は9つとごくわずかですが、年間約8万人が訪れるほどいつも多くの人でにぎわっています。
一番の人気メニューは、定番の「ストレート(並)」(950円)に全てのトッピングを施した「MVP(スペシャル盛)」(1,450円)。
動物系×魚介系に、独自ブレンドした醤油を合わせた琥珀色の清湯スープ。そこにストレート麺が絡んだ、上質で味わい深い醤油ラーメンです。旨みがぎゅっと詰まったチャーシューやふわふわのワンタン、とろっと半熟の濃厚味玉など、トッピングされた食材ひとつひとつにもこだわりを感じます。

店内には著名人のサインが壁一面にずらり。入店したらまずは入口のすぐそばにある自販機で食券を買って着席しましょう。

お店は「天神橋筋六丁目駅」すぐ、商店街内から一本西へ出た通りにあります。昼時は毎日行列になるので、開店してすぐの時間か、15:00前後に行くのがおすすめです。
ストライク軒
- 営業時間
- 11:00〜23:00(L.O22:30)※スープがなくなり次第終了
- 定休日
- 月曜
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神橋5-8-8
- アクセス
- 地下鉄「天神橋筋六丁目」駅から徒歩約1分
- 公式サイト
- ストライク軒
味&コスパ最高!「春駒 本店」の寿司&赤だし

老舗の寿司店「春駒」では、シャリが隠れるほど大振りのネタが載ったお寿司を、2貫110円〜というリーズナブルな価格でいただくことができます。
厚みがあってとろける「まぐろ」(330円)や、脂の甘い「サーモン」(440円)、弾力のある新鮮な身の歯ごたえがたまらない「鯛」(440円)やふわっと優しい甘さの自家製「たまご」(165円)など、どれも絶品!
値段を気にせず、思う存分お寿司を頬張る、ぜいたくな時間を過ごせます。※注文は単品のみです。

本店限定の「あさりの赤だし」(660円)も見逃せません。ふんだんに入ったあさりの旨みとコクのある赤だしが互いの風味を引き立て合っています。お寿司との相性も抜群です。

店内にはカウンターが13席とテーブルが3卓。
「大阪市中央卸売市場」と「大阪府中央卸北部市場」から毎日仕入れる鮮度抜群のネタがガラスケースに並びます。
店主曰く、リーズナブルな価格の秘訣は「採算度外視で営業しています」とのこと。

開店前から行列必至ですが、15:00前後は比較的空いているそう。
また、歩いてすぐのところに3倍ほど大きい規模の「春駒 支店」もあるので、そちらにも立ち寄ってみてください。
春駒 本店
- 営業時間
- 11:00〜21:30(L.O21:00)※ネタがなくなり次第終了
- 定休日
- 火曜、月2回水曜
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神橋5-5-2
- アクセス
- 地下鉄「天神橋筋六丁目」駅から徒歩約5分、JR「天満」駅から徒歩約4分
リピーター続出の欧風カレー!「本格カレーカルダモン」のカツカレー

洋食屋出身の店主が作る、スパイスを効かせた欧風カレーが人気の「本格カレーカルダモン」。
3時間炒められた玉ねぎとフルーツの甘み、5時間煮込まれた鶏ガラや牛骨などの旨みが溶け込んだとろみのあるルーは、14種のスパイスが効いており、一口食べたらもう一口とやみつきになるはず。
トッピングされたサクサクのトンカツともよく合います。

「インパクトよりも、たまにどうしようもなく食べたくなる日常のカレーを」という店主の言葉通り、常連客が多く、密かに通う有名人も多いのだとか。
基本の「カレー」(850円)のほか、ホロホロにとろける牛肉がたまらない「牛肉厚切りカレー」(1,350円)も売り切れ必至のメニューです。
連日大盛況のため、店主はランチとディナー間のお店を閉めている時間も、ルーを大鍋で混ぜ続けているのだそう。


店内はカウンターのみ8席。開店前から行列ができることがほとんどですが、回転は早いのでぜひ並んで極上のカレーを味わってみてください。
本格カレー工房 カルダモン
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神橋6-5-3
- 営業時間
- 11:30〜15:00、17:30〜20:30、土日祝11:30〜16:00
- 定休日
- 火曜
- アクセス
- 地下鉄「天神橋筋六丁目」駅から徒歩約5分、JR「天満」駅から徒歩約4分
- 公式サイト
- 本格カレー工房 カルダモン
大阪のソウルフード!「七福神」の串カツ&土手焼き

大阪名物といえば欠かせない、串カツ。天神橋筋商店街で味わうなら「七福神」へ行きましょう。
サラダ油で揚げた軽い口当たりの衣に包まれた具材はどれもジューシーで、つい何本も食べてしまいます。
箸休めのキャベツは無料で、串カツも1本110円〜とリーズナブル。もちろんソースは二度づけ禁止です。1人あたりの注文数は平均10〜15本なんだそう。手軽にさまざまな種類が食べられます。

串カツと注文されることが多い「土手焼き」も名物なので、ぜひ一緒に頼んでみてください。
白味噌でトロトロに煮込まれた牛スジはビールとの相性もぴったり。


カウンターは常連さんや観光客で常ににぎわっています。本店の隣に建つ「七福神 天五店」にはテーブル席があるので、家族連れやグループの場合はそちらのお店に行くのもおすすめです。
七福神 本店
- 営業時間
- 11:30〜15:00、17:00〜23:00
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は営業、翌平日休み)
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神橋5-7-29
- アクセス
- JR「天満」駅から徒歩約5分
食べ歩きにぴったりのお店3選
商店街内には食べ歩きできるテイクアウトグルメも豊富にそろいます。大阪といえば絶対に外せないたこ焼きから、行列が絶えない名物コロッケ、お土産にも最適な豆腐屋のプリンなど、注目のグルメが目白押し!
シンプルにソースだけ「うまい屋」のたこ焼き

「うまい屋」はなんと創業70年を超える老舗で、日本で2番目に古いたこ焼き屋といわれています。店頭に掲げられた年季の入ったブリキ製の看板が歴史を物語っていますね。

生地自体に味がついているため、トッピングはソースのみとシンプル。
外はカリッ、中はもちトロ食感のたこ焼きは、口に含むとタコの旨みと優しい出汁の味が広がります。中に入った生姜がアクセントになっていて、ソースをかけずに食べてもおいしいですよ。


たこ焼きを一回焼くのに要する時間は約15分とやや長め。
銅板の特注たこ焼き機に生地を流し込み、具を投入し細かく回しながら、3回ほどに分けて生地を足していきます。この手間がもちトロの食感を生む秘訣です。

テイクアウト可能ですが、店内にはイートインスペースもあるので、できたてを座ってゆっくり食べたい場合は利用しましょう。
うまい屋
- 営業時間
- 11:30〜19:00
- 定休日
- 火曜
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神橋5-7-29
- アクセス
- 地下鉄「天神橋筋六丁目」駅から徒歩約3分、JR「天満」駅から徒歩約5分
熱々ホクホク!優しく甘い「中村屋」のコロッケ

創業1955年、数々のメディアでも紹介されている「中村屋」。
名物の「コロッケ」(100円)を求めて、いつも多くの人でにぎわっています。取材時も、お店に近づくにつれて熱々のコロッケを頬張るお客さんが多数見られました。
外はカリッと、中はホクホクの食感と、じゃがいもの甘さがたまりません。おやつ感覚で楽しめて、どんなに満腹でもぺろりと食べきってしまいそう。

コロッケのほか、「ミンチカツ」(160円)、「ハムカツ」(100円)も人気。どれもリーズナブルな価格なので、あれこれ頼みたくなってしまいますね。


昼と夕方は特に並びますが、回転が早いのでそれほど待たずに購入できます。コロッケは冷えてもおいしいので、10個単位で買っていくお客さんも多いそうです。
中村屋
- 営業時間
- 9:00〜18:00、土曜〜16:00
- 定休日
- 日曜、祝日
- 住所
- 大阪府大阪市天神橋2-3-21
- アクセス
- 地下鉄「南森町」駅またはJR「大阪天満宮」駅から徒歩約1分
- 公式サイト
- 中村屋
大豆の旨みがぎゅっと詰まった「前田豆腐店」の豆乳プリン


手作りにこだわり、無添加・防腐剤不使用の豆腐を提供する「前田豆腐店」。木綿、絹豆腐や、厚揚げなど多くの豆腐や、豆腐を使った惣菜が並びます。

中でも、なめらかでプルンとした食感のクリーミーで濃厚な大豆の風味を感じられる「豆乳プリン」は、食べ歩きにもうってつけの商品です。
ココア味は大豆の香りが少し抑えられているので、子どもにもぴったり。
そのままでもおいしいのですが、シロップ(メープル/黒蜜 各50円)で味変を楽しめます。賞味期限は2日間です。

「前田豆腐店」は摂津市に店舗と工場を構えており、商店街では創業以来30年以上営業し続けているお店です。
名物店主・前田さんとのおしゃべりも面白いので、買い物の際はぜひ気兼ねなく話しかけてみてください。
前田豆腐店
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 日曜
- 住所
- 大阪府大阪市天神橋3-4-9
- アクセス
- 地下鉄「南森町」駅またはJR「大阪天満宮」駅から徒歩約5分
天神橋筋商店街でおすすめ観光スポット
商店街の周辺には、観光スポットも点在しています。周辺で遊んでお腹を空かせたあと、商店街でグルメを満喫したり、食後の運動も兼ねて足を延ばしたりするのも良いですね。
子どものパラダイス「キッズプラザ大阪」

地下鉄「扇町」駅2号出口からすぐ、関西テレビのビルに併設された「キッズプラザ大阪」は、遊んで学べるこどものための博物館。
ここでは、展示やワークショップなどを通して、体を動かすことや物を作る喜び、科学の実験やバリアフリー社会についてなど、遊びながら多くの学びに触れることができます。

1階エントランスにあるのは「ボールサーカス」。いろいろな仕掛けや演出を交えながら、ビリヤードのボールがレールを転がっていく様子が見られます。

館内の中心にあるのは、オーストリア出身の芸術家・フンデルトヴァッサーが手がけた「こどもの街」。4、5階を貫く巨大な作品で、壁をのぼったり、中に入ったりと自由に遊ぶことができるので、まるで絵本の世界に入りこんだような気分に浸れます。

3階の「つくろう階」にある「デジタル体感ひろばアクア」は、巨大なスクリーンに自分のシルエットを浮かび上がらせたり、指先ひとつでアニメーションを作ったりと、子どもも大人も一緒になって夢中になれる空間です。
キッズプラザ大阪
- 営業時間
- 9:30〜17:00(最終入館16:15)
- 定休日
- 第2・3月曜(祝日の場合翌日、8月は第4月曜)、年末年始、臨時休館あり
- 料金
- 大人1400円、小・中学生800円、幼児(3歳以上)500円
※2025年4月1日から大人料金改定予定 - 住所
- 大阪府大阪市北区扇町2-1-7
- アクセス
- 地下鉄「扇町」駅すぐ、またはJR「天満」駅から徒歩約3分
- 公式サイト
- キッズプラザ大阪
大阪の今と昔を知る「大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)」

「天神橋筋六丁目」駅の上に立つビルの8階にある「大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)」は、大阪の住まいと歴史と文化をテーマにした専門ミュージアムです。

見どころは9階に広がる、1830年代の大阪の町並みを実物大で復元した江戸時代フロア。
ビルの中にいることを忘れるほど、当時の暮らしが再現されたリアリティ満載の空間です。商人の町・大阪の成り立ちもよくわかります。年2回展示替えがあり、「夏祭の飾り」も必見です。

8階は明治・大正・昭和の大阪の町や暮らしぶり、風俗まで細かく再現した「住まいの大阪六景」模型が中心。文明開化から大大阪への発展、戦災と戦後の復興への歴史が精巧な模型で表現されており、見応え満点です。
大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)
- 営業時間
- 10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 定休日
- 火曜(祝日の場合は営業)、12月29日~1月3日、他臨時休館日あり
- 料金
- 大人600円、高校生・大学生300円、中学生以下無料
- 住所
- 大阪府大阪市北区天神6-4-20 住まい情報センタービル8階
- アクセス
- 地下鉄「天神橋筋六丁目」駅すぐ、またはJR「天満」駅から徒歩約10分
- 公式サイト
- 大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)

気取らない素の大阪が楽しめる「天神橋筋商店街」を巡る旅、いかがだったでしょうか。
商店街はその土地に息づく味、モノ、人に出会えるのが最大の魅力です。長い商店街を出る頃には、お店や地元の人の関西弁がうつってしまうかも。
今回ゴールに設定した天神橋筋一丁目には「大阪天満宮」があるので、時間があればあわせて立ち寄ってみてください!
取材・文/加藤 絵里子 撮影/白石 八郎
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