式根島のおすすめ観光モデルコース！ビーチに星空やキャンプを満喫

都会の喧騒を忘れて、エメラルドグリーンの海が広がる小さな島に行きませんか。東京から船に乗り、約3時間で到着する「式根島」は、自転車で1周することができるこぢんまりとした島です。東京都とは思えないほど美しい海に、島一面に広がる緑。絶景が見渡せる天然温泉、そして夜は満天の星…。
小さくとも魅力がぎゅっと詰まった楽園での、1泊2日の過ごし方をご紹介します。

東京から式根島への交通手段は3つ。浜松町・竹芝桟橋からジェット船、または大型船。調布飛行場から飛行機と連絡船です。

式根島へ行く前に確認しておきたい、おすすめのアクセス方法をご紹介します。

時間をかけず島に行きたい方、船酔いしやすい方におすすめなのが、ジェット船。波の揺れをあまり感じることなく進むので、乗りやすい船です。
浜松町駅から徒歩5分ほどの場所にある竹芝桟橋から、おおよそ3時間ほどで式根島に到着します。交通費は片道で1万円ほど。シーズンにより本数は変わりますが、繁忙期は1日2本あります。

船旅が好き、または交通費を抑えたいという人は、大型船がおすすめ。往復それぞれ1日1本のみ出航しています。
東京・竹芝桟橋から夜10時頃の夜行便に乗り、最短9時間で式根島に到着します。帰りは午前中に出航し、夜7時過ぎに東京に戻ります。大型船には席の等級があり、一番お手頃な2等席（雑魚寝・リクライニング席）だと、8月は片道で8,000円ほどです。料金は時期によって変動があるので、事前に調べるようにしましょう。

とにかく移動に時間をかけたくない人に、一番おすすめなのは飛行機です。調布駅からバスで15分ほどの調布飛行場から、飛行機で約35分かけて新島に向かいます。

新島に着いたら連絡船に乗り換え、15分かけて式根島に向かいます。新島で連絡船までの待ち時間などはありますが、乗り物に乗っている時間は最短。飛行機の片道は14,100円、連絡船は片道430円なので、合計で14,530円です。

交通費も移動時間も削減したい方は、行きを大型船、帰りをジェット船にするのがおすすめ。東京から式根島に大型船で行く際は、夜の10時頃に出航するため、乗船時間のほとんどが睡眠時間。目が覚めたら島に着いています。

帰りは約3時間で東京まで戻ることができるジェット船で帰るのが良いでしょう。このルートで行けば、往復2万円以内で交通費を抑えることができ、時間も有効活用できます。

今回は行きも帰りもジェット船を利用して、式根島へ！12時に船が着港したらそのまま自転車を借りましょう。式根島は周囲約12kmと小さな島なので、自転車で回ることができます。高低差が激しいので、電動自転車がおすすめです。

今回お世話になったのは「レンタサイクル・げんべい」。電動自転車は1日2,000円です。繁忙期は多くの観光客が訪れるため、事前に電話で予約が必須。また、宿からの送迎も行っているので、町中から少し離れた宿に宿泊する場合も助かります。

自転車を借りたら早速海に向かいましょう。野伏港（のぶしこう）より自転車で約2分。式根島といえばこの海岸「泊海水浴場（とまりかいすいよくじょう）」。岩に囲まれた入り江がまるで貝殻のようで、フォトジェニックなスポットです。

波が入りにくいため海水浴をしやすく、カラフルな魚も泳いでいるため、シュノーケリングにもおすすめ。エメラルドグリーンの海が美しい海岸です。
海水浴場にはトイレ・シャワーを利用できる建物もあります。夏にはビーチに売店が開かれるため、パラソルなどを借りることもできますよ。

提供：島cafe963

たっぷり海を楽しんでから、ちょっと遅めのランチへ。せっかくなら島料理を楽しみましょう。泊海水浴場より自転車で約5分の「島カフェ963（クロサン）」は2017年にオープンした、島の野菜や食材を使い、島料理や創作料理を提供しているカフェです。

式根島で自生する食材、明日葉（あしたば）を使用したガパオライスや、本日のカレーライスなど、主に4種類のランチメニューが用意されています。
また、ディナー営業もしており、とれたての刺身や伊豆諸島ならではの干物・くさやと明日葉が入った焼きそば・くさ焼きそばなど、ランチタイムにはなかったメニューもありますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

式根島の魅力は海だけではありません。4つの温泉があり、そのうち3つは無料の露天温泉。温泉天国の式根島で、絶景を味わいながら1日の疲れを癒しましょう。

切り立った崖の間を進み、目の前に広がるのは水平線。そんな絶景スポットにある「地鉈（じなた）温泉」は、泊海水浴場から自転車で約10分、野伏港からも自転車で約10分の位置にある、1日に2回しか入ることができない天然露天温泉です。

2回しか入ることができない理由は、海の潮の満ち引きにより、温泉の温度が変化するため。

海水が混ざることにより適温になるため、満潮と干潮の間に入るのがベストです。地鉈温泉にその日、何時に入るべきかは、宿や観光協会で尋ねてみましょう。

男女混浴で水着着用必須のこの温泉、無料で入ることができます。内科の湯とも言われ、冷えにも効果的とか。海と同じ目線で入ることができる露天温泉。自然が生み出した宝物です。

更衣室はないので事前に水着を着ていくか入口付近のトイレで着替えるようにしましょう。

地鉈温泉より自転車で約5分、泊海水浴場より自転車で約10分で到着する温泉「松が下 雅湯（みやびゆ）」です。岩のトンネルをくぐり最初に目に入るのは足湯。こちらには露天温泉と足湯があり、露天風呂は男女混浴のため水着着用の必要があります。洞窟を抜けた先に更衣室があるので、とても便利です。

露天風呂も足湯も、24時間いつでも入ることができるため、時間を気にせず浸かっていられるのが魅力。

また、松が下 雅湯も海の目の前にあり、潮風を感じながら温泉を堪能できます。さらに夜には、星空を眺めながら温泉に入ることもできますよ。

温泉でゆっくり癒されたら、水平線に沈む夕日を眺めに行きましょう。おすすめの夕日スポットは「大浦海水浴場」。松が下雅湯から自転車で約10分、野伏港から自転車で5分ほどで着く海水浴場で、馬のような形の崖が目印です。

提供：式根島観光協会

大浦海水浴場のすぐ上の丘にある敷地は砂地と芝で焼き場と水道が完備。BBQやキャンプもできるので、夕日を見ながらアウトドアを楽しむのもおすすめ。大自然の中でおいしい食材を堪能しながら、夕日で金色に染まる空、赤く染まっていく海を眺めてみてはいかがでしょうか。

式根島観光協会提供

夜は星空を見に行きましょう。島内には街灯が少なく、他の島や本島の光も入りにくいため、運が良ければ満天の星や天の川が見られます。おすすめの星空スポットは「小の口（このくち）公園」。

野伏港より自転車で約10分の場所にあるこの公園は、街灯が少なく、空を180度見渡せるため、空いっぱいの星空を楽しめます。星空観察には、上着と懐中電灯を持って、安全に行きましょう。

静かな島でたっぷりと睡眠を取り、小鳥の声で目覚めたら、朝ごはんを食べていざ出発！2日目の朝、自転車でまず目指すのは「神引（かんびき）展望台」です。

野伏港より自転車で約10分の神引展望台。駐輪場に自転車を止め2～3分登ると、そこには壮大なる絶景が。式根島随一の景観で、新東京百景にも選ばれています。伊豆半島に伊豆諸島、鮮明で美しい海が広がっています。

町は木々に囲まれていて、まるで無人島のような静けさ。海に囲まれた島だとは思えない緑の多い大自然。ぜひ肌で感じてみてください。

次は式根島で唯一の寺院へ向かいましょう。神引展望台から自転車で約10分、野伏港から自転車で約8分の「式根島法光山 東要寺（とうようじ）」には、東京都の天然記念物に指定された樹齢900年のイヌマキという大木があり、自然のパワーを力強く感じられる場所です。

さらに東要寺は東京都文化財（天然記念物）ナギの自生地ということもあり、「ナギの葉」がいただけます。ナギの葉は、縁結びや夫婦円満、災難除けに良いとされている有名な葉です。お財布やポーチに入れて持ち歩くのが良いのだそう。是非、立ち寄ってみてくださいね。

式根島には、町の中にもフォトジェニックなスポットがあります。出航前に時間があれば、ぜひ写真を撮りに行ってみましょう。

まずは東要寺から自転車で約5分の場所にある「池村商店」へ。外壁にカラフルな羽の絵が描かれています。池村商店にはおいしいお弁当や名物揚げパンなど種類豊富なフードメニューが置かれているので、ベンチでランチをしながら記念撮影もおすすめです。

こちらは池村商店より自転車で約5分の「みやふさ 釣具店」の近くにある、もう一つのフォトジェニックスポット。「Paradise」の文字が目印の空き家です。真っ青な壁にかわいいタイルが印象的な店構え。以前はお店だったようですが、今は営業していない建物です。近くに立ち寄ったら記念写真を撮りに行ってみてくださいね。

式根島とさよならをするその前に、式根島の思い出を持って帰りませんか？式根島でぜひ買うべき、おすすめのお土産をご紹介。

伊豆諸島の特産物、明日葉を使った明日葉シフォンが人気の「nat2iro（なついろ）」。島の人向けにシフォンケーキを作っていたら、人気になりお土産としても作るようになったのだそう。

普段は「島カフェ963」で食べることができますが、お土産として持ち帰りたい人は、3日以上前に予約しましょう。店舗はないので、発送または島内で受け渡しをしてくれます。シフォンケーキを取りに行く場所は、予約の際に教えてくれますよ。

もともと漁師用のサンダルとして生まれたという「ぎょさん」。ビーチでも滑らず、頑丈で履き心地抜群！たくさんの色があるので、自分好みのぎょさんを見つけてみましょう。お手頃な価格で手に入るので、家族や友人のお土産にもおすすめです。

式根島にはいくつかの地酒がありますが、中でも島でしか購入できない幻の焼酎「神引（かんびき）」と「しきね」はお土産におすすめです。特に「しきね」は年間数百本しか作られない珍しい芋焼酎。後味スッキリな式根島の焼酎を、お家でも楽しんでください。

ぎょさんと焼酎は、町中からアクセスの良い井上みやげ店で購入することができます。先ほどご紹介したフォトジェニックスポットからも自転車で約3分の場所にあるので、立ち寄ってみてくださいね。

井上みやげ店より自転車で約2分「ファミリーストア みやとら」で購入できる「たたき丸」。出航前は慌ただしく、ご飯を食べる時間がなくなってしまった！　という時におすすめ。

郷土料理の魚を切り刻んだ「たたき」を使った名物料理。ごはんの中には、式根島ならではの具が入っており、そのまわりに、たたきをつけて揚げています。小さいながら食べ応え抜群、絶品です。

式根島には、クレジットカードや電子マネーを使える場所がほとんどありません。式根島に行く際は、必ず現金を用意しましょう。土日祝日は郵便局も空いておらずATMが使用できないため、注意が必要です。

1泊2日でも大満足できる式根島。東京から近いのに、こんなにも美しい海や自然を見られるのは、この島ならではです。自転車で回れる規模の大きさなので、ぜひ気軽に行ってみてはいかがでしょうか。

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取材・写真・文／Fujico