
羽田空港や東京駅への利便性も良く、さまざまな人が交差する「品川」。再開発が進み、都会的な印象が強い街ながら日本庭園で雅な時を過ごせるホテルが品川駅近くにあるのをご存知でしょうか。「ザ・プリンス さくらタワー東京」は、約2万平米もの日本庭園を持ち、和と洋の趣が調和したラグジュアリーホテルです。
特に3つのホテルのラウンジを利用できる「エグゼクティブフロア」への滞在は、ぜいたくなホテルステイを楽しむのにうってつけ。同じ敷地内にホテルが隣接する、高輪エリアのプリンスホテルでしかできない1泊2日の体験をお届けします。
静寂と自然を感じる都会のオアシスへ
アクセス・チェックイン

「ザ・プリンス さくらタワー東京」は、桜をはじめとする日本庭園の四季をテーマに、豊かで格別な時間をゲストに届ける「ザ・プリンス」ブランドのホテル。日本庭園には春に17種類、約210本もの桜が咲き誇るほか、夏、秋、冬それぞれの自然を楽しめるのが魅力です。
2013年にマリオット・インターナショナルの「オートグラフ・コレクション」に日本のホテルとして初めて加盟。日本人のみならず、世界中のゲストから選ばれています。

アクセスは「品川」駅高輪口から徒歩約3分。少し駅から離れただけで静寂を感じられ、エントランスをくぐった瞬間に非日常の滞在がはじまります。

ロビーは和のエッセンスが散りばめられたモダンなデザイン。「編む」をコンセプトにした装飾が印象的で、江戸時代に宿場町として栄え、現在もさまざまな人が行き交う「品川」から着想を得ています。
ラウンジホッピング(ティータイム)
ザ・プリンス さくらタワー東京「エグゼクティブラウンジ」

チェックインを終えたら、早速「エグゼクティブラウンジ」からラウンジホッピングをスタート。「ザ・プリンス さくらタワー東京」のエグゼクティブフロア宿泊者は、日本庭園を囲うように位置する「ザ・プリンス さくらタワー東京」、「グランドプリンスホテル高輪」、「グランドプリンスホテル新高輪」の3ホテルにある各ラウンジをすべて利用可能です。
ちなみにこの3ホテルすべてのラウンジを巡れるのは、ザ・プリンス さくらタワー東京のエグゼクティブフロア宿泊者のみの特権です。

各ラウンジでは時間ごとに多彩なフードやドリンクが提供され、17:00までは「ティータイム」としてスイーツを楽しめます。
ケーキやマカロンのほか、ザ・プリンス さくらタワー東京のエグゼクティブラウンジではドーナツも提供。コーヒーや紅茶など、好きな飲み物とともに好きなだけ満喫できます。

各ラウンジで異なるビールを楽しむのも、ラウンジホッピングの醍醐味。ザ・プリンス さくらタワー東京の「エグゼクティブラウンジ」ではイタリアンビール「ペローニ」と「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」、グランドプリンスホテル高輪の「クラブラウンジ 花雅」では、「アサヒ プレミアム生ビール 熟撰」と「ザ・プレミアム・モルツ」、グランドプリンスホテル新高輪の「クラブラウンジ」では、「東京クラフト」と「アサヒ生ビールマルエフ」をサーバーから自由に注ぐことができます。(2025年2月時点)

つまり、合計6種類のビールの飲み比べが可能。ほかのアルコールは夜のみの提供ですが、ビールはチェックインからチェックアウトまで、ラウンジ営業時間中はいつでも堪能できます。
グランドプリンスホテル高輪「クラブラウンジ 花雅」

続いてはグランドプリンスホテル高輪「クラブラウンジ 花雅(はなみやび)」へ。和の情緒あふれる空間が特徴で、日本庭園を見ながらくつろぐことができる開放的なラウンジです。


料理も日本らしさを感じるものが並んでおり、ティータイムはわらび餅や雷おこしが。ケーキも抹茶を練りこんだものなど、ザ・プリンス さくらタワー東京の「エグゼクティブラウンジ」とは違ったスイーツを楽しめました。
客室
エグゼクティブジュニアスイートツイン

ラウンジでティータイムを楽しんだら客室へ。エグゼクティブフロアは11~14階のため高層階が確約されていることも特徴で、今回は1室限定の11階「エグゼクティブジュニアスイートツイン」に宿泊。角部屋に位置し、大きな曲面を描く窓から空が広がる開放的な客室です。広さは約52.97平米、定員2人。


スタイリッシュな空間ながら、さりげなく桜のデザインがあしらわれているのがザ・プリンス さくらタワー東京ならでは。壁のアートワークはキモノデザイナーの斉藤 上太郎さんによる編み柄木工と桜紋額です。京組み木工で「編む」を、そして西陣織で「桜」を表現しています。

窓の外をのぞくと、緑豊かな日本庭園が広がっていました。高層階から望む庭園はまさに絶景で、刻一刻と変化する空とともにずっと眺めていたくなります。

庭園を横目に味わいたい、季節のウェルカムスイーツ。こちらはエグゼクティブフロア宿泊者限定のプレゼントとなっています。飲み物は緑茶、紅茶、カモミールティー、コーヒーが無料です。


自然光が入る大理石の美しいバスルームは「ブロアバス(ジェットバス)」付き。ザ・プリンス さくらタワー東京は全室ブロアバス付きで、エグゼクティブジュニアスイートツインはより大きなバスタブで楽しめます。

バスアメニティはエグゼクティブフロア限定で「19-69(ナインティーン シックスティナイン)」の「CAPRI」シリーズが用意されています。19-69はスウェーデン人アーティストのヨハン・ベルゲリンさんが手がけるフレグランスブランド。フレッシュな柑橘が漂うシャンプーやボディクリームなどで肌と髪をケアできます。

スキンケアセットやバスミルクは全室共通アメニティ。バスミルクは桜と檜の2種類で、和の香りに癒やされます。
エグゼクティブタワービューツイン

エグゼクティブフロアの客室は全8タイプあり、「エグゼクティブタワービューツイン」もおすすめです。約46平米とゆとりがあり、東京の中心地にあるホテルとしてはぜいたくな広さとなっています。定員2人。

「エグゼクティブタワービューツイン」の最大の魅力が、東京のシンボル・東京タワーが見られること。客室によっては旧宮家の邸宅「グランドプリンスホテル高輪 貴賓館」も望むことができます。
日本庭園を散策
鐘つき体験で日本古来の文化を感じる



高層階からの景色を楽しんだ後は、地上に降りて日本庭園を散策。江戸時代は武家屋敷、明治時代は宮家の御用地だった高輪の歴史を感じられる場所で、四季折々の花を楽しめます。

港区指定有形文化財の「観音堂」や「山門」を見学していると、ゴーンと鐘の音が聞こえてきました。3~10月は17:00、11~2月は16:00にスタッフが鐘を鳴らしており、その場で希望するとゲストも鐘をつくことができます。
鐘楼は江戸時代初期の1656年に建立され、その後1959年に奈良県奈良市の念仏寺より移築されたもの。こちらも港区指定有形文化財。日本古来の文化を感じられる、特別な体験です。
ラウンジホッピング(カクテルタイム)
グランドプリンスホテル新高輪「クラブラウンジ」

日本庭園を歩き、到着したのはグランドプリンスホテル新高輪の「クラブラウンジ」。照明が落とされた重厚な雰囲気で、大人の時間を過ごせます。

17:00~19:00の「カクテルタイム」はオードブルとお酒の提供。この日のオードブルは「野菜の黒酢ソースがけ」や「えびのガーリックオイル和え」など、洋と中華を楽しめるラインナップでした。

お酒は各ラウンジで異なるワイン、ウイスキー、日本酒、焼酎、リキュールなどを楽しめます。乾杯の一杯としておすすめは、アペリティフの王道であるスパークリングワイン。まるで隠れ家バーのような空間で、大切な人や友人と上質な時間を共有できます。
グランドプリンスホテル高輪「クラブラウンジ 花雅」

グランドプリンスホテル高輪「クラブラウンジ 花雅」のカクテルタイムで注目は「日本酒」。純米吟醸や純米酒などから選ぶことができ、用意されている和のおつまみともよく合います。

この日のオードブルは、「赤魚甘酢がけ」や「ピリ辛こんにゃく里芋煮」など。「クラブラウンジ 花雅」ならではの日本食に心も落ち着きました。
ザ・プリンス さくらタワー東京「エグゼクティブラウンジ」


ザ・プリンス さくらタワー東京「エグゼクティブラウンジ」のカクテルタイムはリキュールやシロップが豊富に並び、セルフサービスでさまざまなカクテルを作れるのが魅力。バーカウンターがあるため、時にはイベントでスタッフがカクテルを作ってくれるサービスもあります(不定期開催)。この日はバレンタインデーをテーマにした、「ショコラオランジェトニック」をオーダーできました。

「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」も、「エグゼクティブラウンジ」だけで提供しているもの。華やかな香りで上品な余韻が続く日本酒です。

オードブルはイタリアンなど洋食を中心に並んでおり、注目は「テット・ド・モアンヌ」。専用の削り器で削ると花びらのように広がるユニークなチーズで、芳醇な旨味は洋酒にも日本酒にもぴったりです。
ディナー
和の遊び心を感じるイタリアンに舌鼓

3つのホテルが隣接しているため、西洋料理、日本料理、中国料理、鉄板焼きなど多彩なレストランから選べるディナー。今回はザ・プリンス さくらタワー東京内の「リストランテ カフェ チリエージョ」で、イタリアンコース「Fiore-フィオーレ-」を堪能しました。
「リストランテ カフェ チリエージョ」のシェフを務めるのは、イタリアン出身ながらパリやニューヨークのミシュラン星付きレストランなどで世界中の調理法を習得した黒田祐樹さん。「リストランテ カフェ チリエージョ」ではその経験を日本の食材に落とし込み、「和」の遊び心も感じられるイタリア料理を提供しています。


一品目の「金目鯛のカルパッチョ 黒大根のマリナート 紫蘇風味のサルサ 白胡麻のアクセント」は、お漬物のような懐かしさを想起させる野菜のピクルスがカルパッチョにあしらわれた前菜。
2品目のパスタ「九条ネギ サーモン ドライトマトの“マキアート” オレンジの香り」では辛みを楽しむ生の九条ネギがトッピングされており、日本×イタリアが融合した味わいを深く堪能しました。

魚料理は皮目を香ばしく焼き上げた「真鯛のグリエ」。しっかりと焼き目をつけながら、パサつきを感じないように「あさりとジュニパーベリーのブロード(出汁)」を忍ばせた一品です。

イタリアワインとともにマリアージュを楽しんだ、「和牛フィレ肉のグリリアータ コントルノ・ディ・ヴェルドゥーレ」。味付けがあまりにおいしく、その秘密を黒田シェフにお伺いすると、「この日のソースはグリーンペッパーソース。さらに東京産のにんじんの濃厚な部分だけを使い、じっくりと弱火でソテーしたピューレをかけています」と話してくれました。イタリアンのみならずフレンチの経験も持つ、黒田シェフならではのソースです。

デザートはイタリアの定番デザートを再解釈した「ティラミス」。エスプレッソを染み込ませたビスキュイ、バニラアイス、クリーム、カカオが層になっています。クリームは東京牛乳とマスカルポーネチーズを合わせ、エスプーマで仕上げたもの。ふわっとしたクリームの口どけが絶品で、前菜からデザートまで大満足のコースでした。
夜の日本庭園
幻想的な竹あかり&ライトアップ

夜はライトアップされた日本庭園を訪れ、「高輪廿六夜(たかなわにじゅうろくや)」を体験。江戸時代には高輪をはじめ、日本各地で特定の月齢の日に「月の出」をみんなで一緒に待つ「月待ち」の文化があったそうです。

この伝統を現代風にアレンジし、竹あかりライトアップや期間限定のラウンジメニュー、イベントを楽しめる催しが実施されています。


竹あかりで彩られた庭園は昼とはまた異なる印象で、とても幻想的。きらめく竹あかりにはそれぞれアートワークが施されており、中にはハート型の竹あかりもあります。通年で開催されていますが、春夏秋冬で特別なライトアップも行われるので、季節を変えて訪れるのもおすすめです。
日々の疲れを癒やす時間を
サウナ&ブロアバス

1日の最後は「サウナ&ブロアバス」でリフレッシュ。ブロアバスは強い水流をあてることで身体がほぐれ、日々の疲れを癒やすことができます。サウナは「ドライサウナ」と「ミストサウナ」の2種類。ラグジュアリーな気分に浸りながら身体を温め、心地よく眠りにつけました。
朝食
「リストランテ カフェ チリエージョ」で味わうブッフェ

客室の大きな窓から日本庭園を望み、気持ちよく目覚めた翌朝。朝食は軽めに済ませるのであれば各ラウンジでも楽しめますが、今回は朝食付きプランで「リストランテ カフェ チリエージョ」のブッフェを満喫しました。ソーセージ、ベーコン、温野菜、サラダ、フルーツ、ジュース、スムージーなど、多彩なラインナップから選べます。

メインディッシュの卵料理は、エッグベネディクト、オムレツ、目玉焼きから注文でき、オープンキッチンで作られた“出来たて”を味わえるのがうれしいポイント。一番人気はトロトロ卵とベーコンのエッグベネディクトで、爽やかな1日の始まりにぴったりのおいしさです。

ブッフェ台に並ぶ料理は西洋料理が中心ながら、日本料理も選ぶことができます。香の物、しらす、明太子、焼き魚など白米に合うおかずがそろっており、その日の気分で楽しめます。

「品川」駅から徒歩約3分という好立地にも関わらず、自然に癒やされる滞在をかなえてくれる「ザ・プリンス さくらタワー東京」。エグゼクティブフロア宿泊者が楽しめるラウンジホッピングは3つのホテルが隣接している、高輪エリアのプリンスホテルでしかできない体験です。自分へのご褒美に、贅を尽くすホテルステイを楽しんでみませんか。
ザ・プリンス さくらタワー東京
- 住所
- 東京都港区高輪3-13-1
- チェックイン
- 15:00(26:00)
- チェックアウト
- 12:00
- 総部屋数
- 288室
- アクセス
- JR・京急線「品川」駅から徒歩約3分、都営浅草線「高輪台」駅から徒歩約5分 ※品川プリンスホテルから無料シャトルバスあり
- 駐車場
- あり(1,000台・1,500円/1泊)
取材・撮影・文/小浜みゆ