大阪の中心地・梅田には広大な地下街が広がります。JR・地下鉄・私鉄の駅が地下で接続し、さらに複数の地下街や施設が連結しているため、その全容はとても複雑。大阪に住んでいる人でも迷うことがあるので、観光や仕事で訪れる人が迷わないわけがありません。梅田の地下街は、ときに「梅田ダンジョン」「梅田地下迷宮」と呼ばれることがあります。
梅田に泊まることになっても、地下街で迷うのが怖くて、ホテルを選ぶときなんとなく前回泊まったところを選んだり、ついつい適当に決めたりしていませんか?
めっちゃもったいないです!ぜひ梅田地下街を「攻略」しましょう。
梅田地下街を攻略するために有効なのは
・東西南北を意識すること
・代表的な地下街の名前を覚えること
です。具体的な例をあげて、大阪・梅田地下街攻略法について紹介します。
1.攻略の第一歩は、駅の位置と方角の把握から!
まずは、梅田共通の案内図が表示されている場所を見つけましょう。梅田共通の案内図では、案内図の上が北になっているわけではなく、案内板に向かっているあなたを基準に地図が描かれています。地下と地上をマッピングさせて描かれた案内図もあるので、参考にすると良いでしょう。
梅田共通の案内板が見つからない場合には、天井や床に表示された矢印を参考にしましょう。その上で、鉄道駅の位置を参考にすると道がわかりやすくなります。
梅田エリアには、鉄道駅が7駅あります。梅田エリアにある鉄道駅は、JR大阪駅、JR北新地駅、地下鉄(大阪メトロ)御堂筋線梅田駅、谷町線東梅田駅、四つ橋線西梅田駅、阪急梅田駅、阪神梅田駅です。
これらの駅のおおよその位置を押さえることで、東西南北が理解しやすくなり、あなたがいる場所が梅田エリアのどのあたりかイメージしやすくなります。
梅田エリアの中で、
JR大阪駅は「中央よりやや北」に、
御堂筋線梅田駅は「中央よりやや東」に、
谷町線東梅田駅は「東」に、
四つ橋線西梅田は「西」に、
阪急梅田駅は「北東」に、
阪神梅田駅は「ほぼ中央」に、
JR北新地駅は「南」に、
それぞれ位置しています。
ここで練習問題です。写真の右側に進むと、どの方角に向かうことになるでしょうか?
正解は「西」です。
四つ橋線西梅田駅の案内があるのでわかりやすいかもしれませんね。写真の左にしばらく進むと、おそらく阪急梅田駅に向かう矢印と、御堂筋線梅田駅に向かう矢印が、違う方向を指す場所が出てきます。
その場合は、阪急梅田駅方面が「北」だとわかれば、梅田地下街攻略に一歩近づいたと言えるでしょう。
2.旅行者のルート別・梅田地下街攻略ポイント
まずは、梅田までどのようなルートで来るかを基準に考えてみましょう。旅行者が梅田を訪れる際に利用する代表的な駅は、JR大阪駅・御堂筋線梅田駅(東海道新幹線新大阪駅経由)、阪急梅田駅(大阪伊丹空港経由)です。
それぞれの駅から、梅田地下街の攻略ポイントを紹介します。
JR大阪駅から梅田地下街へ
まず、新幹線を利用して大阪まで来た人にとって、梅田エリアに到着する際に戸惑うポイントがふたつあります。
ひとつ目は、JRの駅名は大阪駅なのに、地下鉄・私鉄各線は「梅田」駅であることです。
ふたつ目は、新幹線が大阪駅を通っていないという点です。東京駅や名古屋駅には、新幹線も在来線も乗り入れていますが、大阪で新幹線が乗り入れているのは新大阪駅で、大阪駅から1駅離れています。
新大阪駅から梅田に行くには、JRか地下鉄を利用する必要があります。
JRを利用する場合は、新大阪駅の隣の駅が大阪駅です。新大阪駅からは、下り方面のどの電車に乗っても大阪駅に行くことができます。
大阪駅には、新大阪駅方面からのJR京都線、神戸方面に向かうJR神戸線、大阪環状線などが乗り入れています。どの路線のホームも東西方向になっています。新大阪駅から大阪駅に到着すると、進行方向が西、新大阪方面が東です。
大阪駅は梅田エリアの中央より少し北に位置しています。梅田エリアのどの場所に行くにも比較的便利な場所に位置しています。
大阪駅には、多くの改札と出口がありますが、すべて地上にあります。2階ホームから1階に降り、さらに中央南口から地下に降りるとディアモール大阪へ、御堂筋南口から地下に降りるとEKIMO梅田(ホワイティうめだ方面に連絡)へ、桜橋口から地下に降りるとハービスPLAZAや毎日新聞ビルなどがあるOSAKA GARDEN CITYへ、それぞれ連絡しています。
ちなみに、地下街とは直接関係ありませんが、中央南口からは大丸梅田店、中央北口からはルクア・グランフロント大阪・ヨドバシ梅田、御堂筋南口からは阪急うめだ本店へのアクセスが便利ですので、合わせてチェックしておきましょう。
御堂筋線梅田駅から梅田地下街へ
新幹線を利用する人が梅田を訪れるには、JRの他に御堂筋線を利用する方法もあります。新大阪駅から3駅目が梅田駅です。
御堂筋線梅田駅は南北にホームがあります。新大阪駅からやって来ると、進行方向が南、新大阪方面が北です。改札は、北、中央(北と南)、南の3か所にあります。
北改札は、ヨドバシ梅田の地下1階、大阪ステーションシティの地下1階、阪急三番街の地下1階に、中央改札は、阪急うめだ本店地下1階、CROST、ホワイティうめだへの連絡通路に、南改札は阪神梅田本店地下1階、ホワイティうめだにそれぞれ連絡しています。行きたい方向に合わせて改札を選びましょう。
阪急梅田駅から梅田地下街へ
伊丹空港から梅田を訪れる一般的なルートは大きくふたつあります。モノレールと阪急を乗り継ぐ方法と、空港バスを利用する方法です。空港バスの停留所は複数ありますが、最も利用客が多いのが、阪急梅田駅構内のバス停(新阪急ホテル前)です。
阪急梅田駅の改札は地上2階と3階です。改札を出て地下に降りると、阪急三番街があり、ホワイティうめだと連絡しています。
3.地下街を利用して、梅田の主要スポットへ辿り着く!
複数の地下街と、百貨店やテナントビルの地下が繋がりあっているという特徴を持つ梅田地下街。
複雑ではありますが、逆にいえば、梅田エリアの主要スポットには大抵地下を通って辿り着けます。気候や天候に左右されないのは大きなメリットと言えそうです。
また、地下街には魅力的な店舗もたくさん。ここでは、梅田の主要な目的地への行き方と地下街のおすすめポイントを紹介します。
大阪マルビルに向かうには「ディアモール大阪」を目指そう!
梅田エリアのランドマークとして有名なのが「大阪マルビル」です。東京の「丸ビル」は丸の内ビルディングの略称ですが、大阪のマルビルは、丸いのでマルビルなのです。
マルビルに行く場合は、阪神梅田駅、大阪市営地下鉄各線梅田駅、JR大阪駅、JR北新地駅を相互に結ぶ「ディアモール大阪」を目指しましょう。円形広場を通って南(北新地方面)に向かうと、マルビル地下2階につながっています。
ディアモール大阪は、ファッション、カフェが中心の地下街です。マルビル地下2階のほかにも、大阪駅前ビル地下2階、などにつながっています。
食事や呑みの場所を探すなら、「大阪駅前ビル」を目指そう!
ディアモール大阪の東西に位置するのが、大阪駅前ビルです。第1ビルから第4ビルまであり、地上はオフィスや様々な店舗が入居し、地下1階と地下2階に飲食店が多く揃っています。
大阪に住んでいても、どれが第1ビルで、どれが第4ビルか、きちんと理解している人は少ないです。
西梅田駅(四つ橋線)と北新地駅(JR東西線)とが交差するあたりにあるのが大阪駅前第1ビル。第1ビルの西側から東に向けて第2ビル、第3ビルと並び、第3ビルの北側にあるのが第4ビルです。北新地駅から近い順に、第1~第4ビルだと覚えると覚えやすいです。
大阪駅前ビルは、それぞれが地下1階・2階でつながっていて、往来ができます。
東通り商店街、HEP-FIVEの観覧車に向かうなら「ホワイティうめだ」を目指そう!
無数の飲食店が集まる梅田エリアですが、その中でも東通り商店街には、元気でコスパが良い店が多く揃っています。東通り商店街に向かうには、梅田エリアでもやや東側に位置する地下街、「ホワイティうめだ」を目指しましょう。ホワイティうめだの東端「泉の広場」の奥が、東通りの最寄りの出口です。
ホワイティうめだにも、飲食店が多く並んでいます。串カツやお好み焼きなどを楽しむこともできます。ホワイティうめだは、御堂筋線梅田駅、谷町線東梅田駅、阪急梅田駅、阪神梅田駅に連絡しています。
また、梅田を上空から堪能するには、HEP-FIVEの観覧車がおすすめです。空調完備なので、真夏や真冬でも快適。ホワイティうめだのノースモールから、HEP-FIVEの連絡口を目指しましょう。赤い柱が目印です。
北新地に向かうなら、「そねちか(曽根崎地下歩道)」を目指そう!
大阪を代表する高級飲食店が揃う北新地に行くならば、ディアモール大阪を経由して、梅田エリアでも南東に位置するそねちか(曽根崎地下歩道)を目指しましょう。そねちかには店がありません。北新地駅と、自治体のPRブースがあるだけの、連絡通路です。
フェスティバルタワーへ向かうなら、「ドーチカ」を目指そう!
四つ橋線西梅田駅を南に進むと、ドーチカ(ドージマ地下センター)につながっています。ドーチカは四つ橋筋の地下にあり、梅田地下街で最も南に向かう地下街です。
コンサートなどが催される「フェスティバルホール」などが入る、フェスティバルタワーへ向かうなら、ドーチカを南の端まで進みましょう。
北新地へ行くときにも便利な地下街です。
ハービスホールに向かうなら、「OSAKA GARDEN CITY」を目指そう!
大阪駅桜橋口から地下に降りて、西梅田駅に行くまでのところに、OSAKA GARDEN CITYへの入口があります。OSAKA GARDEN CITYは、西梅田エリアの再開発街区で、ハービスPLAZAやハービスENTなどの商業施設のほか、オフィスビルなどが建ち並ぶ高層ビル街です。梅田地下街の西端に当たります。
毎晩プレミアムなライブが行われている「billboard live osaka」へ行くには、OSAKA GARDEN CITYの地下通路「ガーデンアベニュー」を通ります。
展示会やカンファレンスが開催される「ハービスホール」に行くにも、ガーデンアベニューを通ります。billboard live osakaを通り過ぎて、さらに西に向かいます。
阪急電車に乗るなら、「阪急三番街」を目指そう!
阪急梅田駅は梅田エリアの北端に位置します。阪急梅田駅に行くなら、阪急三番街を目指しましょう。阪急三番街は、ホワイティうめだから接続しています。
4.迷わずに行きたい!梅田地下街おすすめスポット
梅田地下街とその周辺には、魅力的な飲食店が数多く揃っています。特に、近年オープンしたスポットは人気が高く、非常におすすめです。
都会の大人のフードコート・阪急三番街「うめだフードホール」
まずは、阪急三番街の北館地下2階にある「うめだフードホール」。こちらは2018年にオープンしたばかりの、都会にできた“大人のフードコート”的スポット。
阪急三番街は阪急梅田駅地下に広がっている地下街で、梅田エリアの北東部分に位置します。
JR大阪駅からならば、阪急梅田駅を目指して向かうと良いでしょう。御堂筋線梅田駅からは、ホワイティうめだのノースモールを経由して向かうとわかりやすいです。
地下の巨大な空間に約1,000の座席が用意されており、厳選された18店舗のメニューを自由に選んで楽しむことができます。
さくっとランチにも!がっつり晩ご飯にも! 仲間でワイワイ飲むにも、しっぽりと一人飲みにも使える!
とても素敵な空間です。
各店舗に魅力的なメニューが準備されているので、なかなか悩ましいのですが、ニューヨークスタイルのバーベキューチキンとビールはいかがでしょうか? ついつい飲み過ぎてしまうかもしれません。
うめだフードホール
- 住所
- 大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街 北館地下2階
- 営業時間
- 10:00~23:00(店舗によって異なります)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 阪急梅田駅より徒歩約5分
素朴な大阪らしさをサクッと楽しもう!阪神梅田本店「スナックパーク」
うめだフードホールがおしゃれに美味しく楽しめるスポットであるのに対して、阪神梅田本店地下1階の「スナックパーク」は、気取らないメニューを美味しくサクッと楽しめるスポットです。
「スナックパーク」がある阪神梅田本店は、梅田エリアの中央から東寄りの場所に位置します。JR大阪駅や各線梅田駅からは、ホワイティうめだを経由して行くと便利です。
スナックパークには、寿司、丼、麺などの他、お好み焼きやたこ焼きなど、大阪らしい味を堪能できる14店舗が集まっています。座席はなく、スタンディングですので、ササッと気軽に食べるのに適しています。
こちらで特におすすめなのが「いか焼き」です。大阪のいか焼きは、イカの姿焼きではなく、小麦粉にイカの切り身を入れてプレスして焼いた“コナモン”です。
スナックパークでは平日は15時以降、土日祝は開店時から、ビールやハイボールも注文することができます。ぜひ大阪の味を楽しんでください。
阪神梅田本店 スナックパーク
- 住所
- 大阪市北区梅田1-13-13 阪神梅田本店地下1階
- 営業時間
- 10:00~22:00
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 阪神梅田駅・御堂筋線梅田駅より徒歩約5分
梅田地下街を攻略するポイントを、鉄道駅によって方角をイメージする方法、梅田へアクセスする主要駅からのポイント、梅田エリアの主な目的地への行き方と地下街のおすすめポイントにわけて紹介しました。
これで、梅田地下街も怖くない!
魅力的な顔を持ち合わせている梅田地下街を攻略して、大阪の滞在を思いきり楽しんでくださいね。
取材・写真・文/地亜貴
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。