旅の楽しみ方

サイクリストを刺激する、しまなみライドの基地「ONOMICHI U2」と「HOTEL CYCLE」

レトロな商店街から延びるいくつもの路地裏には人々の暮らしの匂いがたなびき、山に続く坂道には猫が顔をのぞかせて心なごませてくれる街・尾道。かねてよりノスタルジーを誘う空気が漂う街並みが人気だった広島県尾道市が近年、国内外からのサイクリストで賑わいはじめました。

しまなみ海道

そのきっかけとなったのは、日本で初めて海を自転車で横断できる「しまなみ海道」が開通したことから。本州と四国を結ぶこの海道は米国のCNNをはじめとする海外のテレビ番組や雑誌でも紹介され、海を越えた人たちからも注目を集めるサイクリングコースに。今では「サイクリストの聖地」と言われるほどになりました。

そんな新たな魅力を発信する尾道。今回はしまなみライドの拠点として国内外の人たちから親しまれている「ONOMICHI U2(オノミチ ユーツー)」内にある宿泊施設「HOTEL CYCLE(ホテル サイクル)」を訪ねました。

海運倉庫を改装した「まちの中のちいさなまち」

尾道U2

本州側の起点となる尾道の新しいランドマークとなった「ONOMICHI U2」は2014年3月にオープン。JR尾道駅から西側に向かって徒歩約5分、尾道水道沿いにあるレトロな建物がそうです。この施設は広島県の倉庫活用事業として誕生しました。

尾道U2の内観

かつては「県営上屋(うわや)2号倉庫」という名称だった海運倉庫を改装した館内に一歩足を踏み入れると、約2,000平方メートルの広大かつ開放的な空間が広がっています。

「まちの中のちいさなまち」をテーマに展開する館内は、ホテルをはじめカフェやベーカリー、レストラン、雑貨ショップ、サイクリングショップなどを擁しています。

日本初の自転車を持ったままチェックインできる「HOTEL CYCLE」

ホテルサイクル

U2のほぼ半分の面積を占め、しまなみ海道を走るサイクリストたちの間でも人気が高いのが「HOTEL CYCLE」。日本で初めて自転車を持ったままチェックインできるホテルとして開業しました。

ホテルサイクルのロビー

ホテルエリア内にはサイクルスタンドや自転車のメンテナンススタンドも設けられ、充分な手入れも可能です。

ホテルサイクルのレンタサイクル

また、宿泊客にはレンタル自転車として、世界的メーカーのクロスバイクとロードバイクの2車種が用意されていることもうれしいところ。自分の自転車を持ち込みたい人には自転車受取・発送サービスもあります。

近年はインバウンドの影響もあり、アジアや欧米からの宿泊客が2〜3割を占めるそう。海外からのゲストの中には、自国から愛車をホテルに送ってくる人も珍しくないようです。

ホテルサイクル内観

吹き抜けになった館内は宿泊客だけが立ち入ることができ、ゾーニングにホスピタリティを感じます。

ホテルサイクルのパブリックスペース

2階にはソファが置かれたパブリックスペースが設けられ、グループで利用した時にはここで談笑することも可能です。

見渡すと、造船所のある尾道らしく「鉄」をはじめ、日本家屋の建築に欠かせない「石」や「木」といった素材を組み合わせたデザインがそこここに散りばめられ、スタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。

ホテルサイクルの客室

客室数は全28室で、部屋タイプはデラックスツインが8室、スタンダードツインが20室。
室内はグレイッシュな色彩の壁や自然素材を基調とした心落ち着く空間です。

サイクルハンガー

壁にはサイクルハンガーが用意され、愛車を手元に保管できて安心です。

ホテルサイクルの客室

また、シモンズ製のベッドやフェザーとダウンの2種の枕、そして上質な備後産デニム生地のルームウェアはその快適さに心が解けていくよう。

ルームウエア

なお、一度着用するとファンになる人が多いというルームウェアは後述するU2内の「SHIMA SHOP」で購入(14,000円・税抜)できます。

 U2のロゴが入ったドリンク

U2のロゴが入ったミネラルウォーターやコーヒー、紅茶なども部屋に用意されています。
コーヒーは愛媛県西条市のブランチコーヒーとコラボした「HOTEL CYCLE BLEND」。紅茶は創業が明治11年という尾道の老舗茶舗「今川玉香園茶舗」がブレンドしたオリジナルの茶葉を使用。尾道名産のレモンと合うように、ミントをブレンドしているそうです。

ホテルサイクルのユニットバス

ベッドルームからガラス越しに広がるユニットバスは、ニューヨークのSOHOあたりにありそうな芸術家のアトリエを彷彿させるクールなデザイン。窓からやわらかな自然光が差し込み、気持ちの良い浴室空間を作っています。

シャンプー類は香りのよいTAMANOHADA製。吸水性の高いタオルは、しまなみ海道の終着地・今治のタオル。水気をたっぷり吸ってくれ、使い勝手の良さを感じるはずです。

コインランドリー

また、フロント横には24時間利用可能なコインランドリーも用意されています(有料)。汗で汚れたウェアを洗濯できるのはうれしいですね。

HOTEL CYCLE(ホテル サイクル)

総部屋数
28室
宿泊料金
おひとり様 9,918円~(2名1室利用時/2食付・税抜)
※掲載料金は2020年7月12日(日)時点のご紹介プランおひとり様あたり最低料金です。ご予約時と異なることがありますので予めご了承ください。
駐車場
あり(提携駐車場2,000円/泊)※1泊につき1,000円分割引券あり

瀬戸内の美味が集うハイブリッドなグルメ空間

地元客のリピーターも多い自家製パン工房「ButtiBakery」

ButtiBakery

U2の館内は衣食住を提案するショップも展開されています。 HOTEL CYCLEの前には「ButtiBakery」。店名の「ぶっち」とは広島の方言で「すごい」という意味の「ぶち」から付けられていて、おいしいパンを届けたいという店の心意気を感じます。

 ButtiBakeryの自家製パン

ここでは天然酵母ルヴァン種を使用した自家製パンを製造販売しています。地元客を中心にリピーターも多いため、毎月2~3種類のパンを開発しているそうです。テイクアウトしてホテルの客室でいただいたり、サイクリングの途中で楽しんだりしてもおすすめ。

尾道ならではの食料品

また、瀬戸内レモンや牡蠣などのシーフードを用いた尾道ならではの食料品も多数揃っています。

尾道さつき作業所とのコラボ商品のチョコレート

こちらはU2と就労継続支援施設「尾道さつき作業所」の協働商品。原料となるカカオを手作業で殻むきし、パッキングまで一貫して手がける「Bean to Barチョコレート」。口に入れるとカカオの香ばしさが広がります。

ButtiBakery(ブッチ ベーカリー)

営業時間
月~金9:00〜18:00、土日祝8:00〜19:00

尾道水道が空間に溶け込む「KOG BAR」と「The RESTAURANT」

KOG BAR

海側のカウンターは「KOG BAR(コグ バー)」。目の前に広がる尾道水道を眺めながら、ワインやオリジナルカクテルなどのドリンクを楽しめます。

KOG BARのKOG CHAIR

ここには「KOG CHAIR(漕ぐチェア)」というサドル&ペダルのシートが1席あり、漕ぐとバーのサインが光るという面白い仕掛けがなされています。サイクリングした後も物足りず、ここでペダルを漕ぎ続けているサイクリストも少なくないとか。

KOG BAR(コグ バー)

営業時間
17:30〜21:30(L.O.21:00)
The RESTAURANT

新鮮な瀬戸内の食材をふんだんに用いた料理やジビエなど、世界から取り寄せたワインとともにいただける「The RESTAURANT(ザ レストラン)」は、モーニングからディナーまで楽しめるオールデイダイニング。HOTEL CYCLEの宿泊者の朝夕食もこちらとなります。

テーブル席やソファ―席、テラス席などからお好みのテーブルを選ぶことができます。

広島牡蠣のカキフライ

ディナータイムはアラカルトのほか、コース(5,500円・税抜)も用意されているので瀬戸内の海と山の幸、どちらも楽しみたい方は選んでは。
こちらは牡蠣をくるんだパンチェッタにカダイフをまとわせて揚げた「広島牡蠣のカキフライ」。

メイン料理

コースのメイン料理は、お魚かお肉をチョイスできます。

瀬戸内レモンを使ったカクテル

ローズマリーをあぶって香り付けする、瀬戸内レモンを使ったカクテルなどは「KOG BAR」でオーダーできます。

メッセージ入りのデザートプレート

事前に伝えるとデザートプレートにメッセージを添えてもらえるサービスも。記念日やサプライズに利用したいですね。

なお、ランチタイムはButtiBakeryのパン・サラダ・ドリンクがついたピザやパスタのセット(1,500円・税抜)などもあります。人気は瀬戸田産の塩レモンを使ったピザだそう。

The RESTAURANT(ザ レストラン)

営業時間
朝食 7:00~10:00(L.O.9:30)
昼食 11:30~15:00(L.O.14:30)
カフェタイム 15:00~16:30(L.O.16:00)※土日祝のみ営業
夕食 17:30~21:30(L.O.21:00)
席数
80席
電話番号
0848‐21‐0563

瀬戸内の豊かな暮らしを伝える「SHIMA SHOP」

SHIMA SHOP

「SHIMA SHOP(シマ ショップ)」には日本三大絣の1つである備後絣や備後産デニムなど、地元に産業背景がある製品をはじめ、観葉植物や本、食器などの生活雑貨が並んでいます。ここには伝統と斬新が融合して開発された、普段使いできるオシャレなグッズがたくさん!

石田製帽の帽子

こちらの麦わら帽子は、尾道から少し離れた岡山県笠岡の石田製帽のもの。職人による手作業で作られているため、型崩れしにくいので旅のお供におすすめです。

尾道の名物が文字入れされたグラス

猫、ラーメン、お寺など、尾道の名物を英文字で入れたグラス(1,200円・税抜)を発見。これはお土産にいいですね。

ショートソックス

U2のスタッフにも愛用者が多いというショートソックス(1,200円・税抜)。ひらがな文字が愛らしく、普段使いにもサイクリングにもおすすめ。

SHIMA SHOP(シマ ショップ)

営業時間
10:00〜19:00

しまなみライドの頼れる味方「GIANTストア」

ジャイアントストア尾道

初心者から本格的に走りたい人まで、豊富なスポーツバイクを取り揃えているのが「GIANT(ジャイアント)ストア尾道」。
自転車のプロスタッフによる愛車のメンテナンスのほか、最新モデルのレンタサイクルやウェアのレンタルもできる、しまなみライドの頼もしい存在です。スポーツバイクに乗るのは初めて、という方でも出発前にはスタッフが丁寧にレクチャーしてくれます。

また、トレーニングや修理に関するセミナーを不定期で開催しているので、興味のある方は店頭に問い合わせてみてください。

GIANTストア尾道

営業時間
9:00~19:00
レンタサイクル料金
大人:5時間2,700円~、日帰り3,600円~
キッズ:5時間1,800円~、日帰り2,700円~
※価格は税抜。レンタルには身分証明書が必要
電話番号
0848‐21‐0068
詳細
GIANT STORE公式ページ

朝食でエネルギーチャージ!出発前にウッドデッキでのんびり

The RESTAURANTのモーニング

The RESTAURANTではモーニングメニューもあり、朝食をいただけます。
サイクリングや尾道のレトロな街並みを散策する前に、ここでエネルギーチャージするのも朝の楽しみの1つです。

ライブキッチン

卵料理は好みの調理法を選べ、オープンキッチンで作ってもらえますよ。

尾道水道に面した尾道U2のウッドデッキ

また、尾道水道に面したウッドデッキでは潮風を感じる気持ちの良いテラス席が並んでいます。

KOG BARの隣にある「Yard Café(ヤード カフェ)」で人気の瀬戸内レモネードやフレッシュジュース、香り高いコーヒーでくつろぐこともできます。このカフェでは自転車に乗って注文できるサイクルスルーもあるので、しまなみライドの前後にオーダーするのもよいでしょう。

Yard Café(ヤード カフェ)

営業時間
月〜金9:00〜18:00、土日祝8:00〜19:00
ONOMICHI U2

「ONOMICHI U2」はサイクリストに充実したサービスが揃うホテルに滞在できるほか、ライフスタイルを豊かにしてくれる地場の伝統技術によって生み出されたグッズなどを購入できたり、瀬戸内グルメも心ゆくまで楽しんだりできます。尾道のレトロな街並み散策とあわせて訪れてみませんか。

ONOMICHI U2(オノミチ ユーツー)

住所
広島県尾道市西御所町5-11
電話番号
0848-21-0550
アクセス
JR尾道駅より徒歩約5分

取材・写真・文/御田けいこ

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