回り方はこれで完璧!沖縄南部・三大パワースポットめぐり

「聖地の島」とも呼ばれ、数多くの聖地・パワースポットが点在する沖縄。その中でも格式の高い世界遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」をはじめ、「久高島(くだかじま)」「ガンガラーの谷」と沖縄県南部にある三大聖地をご紹介します。昔から大切にされてきた聖地でのマナーや心得もあわせてご紹介するので、「参拝方法が分からない」「ここは行ってもいいの?」という方もご安心を。自然いっぱいの聖地で、心も体もリフレッシュできるパワースポット旅に出発しましょう!

沖縄の御嶽のトップ「斎場御嶽」で神様にご挨拶を

沖縄パワースポット 斎場御嶽

まずやってきたのは、沖縄の御嶽の中でも最も格式が高い聖地「斎場御嶽」。那覇空港からは車で約1時間の場所です。

「御嶽」というのは神様が祀られている祈りの場所。沖縄には大小様々な御嶽が無数に点在していますが、アマミキヨ(沖縄本島をつくったとされる神様)が琉球王国の始まりのために作った七御嶽(ななうたき)の一つがこちらの斎場御嶽。世界遺産にも登録され、連日たくさんの観光客が訪れますが、ここはあくまで「祈りの場」。「お邪魔させていただく」という気持ちで入りましょう。入る前には一礼し、心の中で挨拶と自己紹介を。入り口にある「緑の館・セーファ」では参拝マナーについての映像を確認できます。

厳かな雰囲気に心洗われる道中

沖縄パワースポット 斎場御嶽

御嶽内に足を踏み入れると、厳かな空気に圧倒されるはず。参道の両端に生い茂る緑からはマイナスイオンのシャワーが降り注ぐようです。参道は石畳で坂道もあり、雨の日は特に滑りやすいので履き慣れた靴で訪れましょう。

御嶽内には6つの拝所があり、写真撮影OKですが、拝みの邪魔になる撮影や、拝んでいる人の撮影は禁止されています。

琉球時代から続く祈りの場所

沖縄パワースポット 斎場御嶽

参道を奥まで進むと突如現れる三角岩。この岩の先に、斎場御嶽の中でも、最も神聖な「三庫理(さんぐーい)」という場所があります。こちらからは神の島と呼ばれる「久高島」を望むことができ、琉球王国時代から祈りをささげてきました。

沖縄パワースポット 斎場御嶽

久高島、斎場御嶽、そしてかつて琉球王国の要所であった首里城は、地図上ではほぼ一直線上に並び、斎場御嶽は久高島と首里城を結ぶ大切な役割も果たしています。琉球王国時代に思いを馳せながら静かに目を閉じ、手を合わせ祈りをささげていると心が穏やかに満たされてくるから不思議。斎場御嶽に来たら是非「三庫理」で祈りをささげてみてくださいね。

沖縄パワースポット 斎場御嶽

およそ1時間もあれば、ゆっくり見て回ることができます。
歩き終えて、斎場御嶽や、アマミキヨのつくった七御嶽についてもっと知りたくなった方は、券売所がある「がんじゅう駅・南城」で無料のビデオ上映を行なっているのでこちらもおすすめです。

斎場御嶽

住所
沖縄県南城市知念字久手堅地内
開館時間
3月〜10月9:00~18:00(最終入館17:30)
11月〜2月9:00~17:30(最終入館17:00)
定休日
毎年旧暦5月1日~3日、旧暦10月1日~3日(2019年は、6月3日~6月5日、10月28日~10月30日)
アクセス
那覇空港から車で約1時間

 

島全体が聖地! 「久高島」をめぐる

沖縄パワースポット 久高島

次にやってきたのは斎場御嶽から約2km、車で約5分の場所にある安座間(あざま)港。ここから高速船なら約15分、フェリーでも約25分、「久高島」に向かいます。

沖縄創世の女神・アマミキヨが地上に降り立った最初の地と伝えられている、通称「神の島」。島全体が聖地であり、「呼ばれた人しか行けない」とのいわれもあります。
民俗的に貴重な神事も数々残っており、島にはまるで神話が生きているかのよう。神秘的なパワーを感じることのできる場所です。

移動中に学ぶ、島でのマナー

沖縄パワースポット 久高島

「久高島は、感謝、祈りの生活により守られ、育まれてきた、他とは少し違う場所です」。
船内で上映される、久高島でのマナーに関するビデオは、こんな印象的なメッセージから始まります。動植物・サンゴの持ち出し、勝手な献花や供え物、決まりを無視した聖域への立ち入りなど、「神の島」ならではの数々の禁止事項に、緊張感は高まっていきます。

サンゴや貝殻などは綺麗なものを見つけたらついつい持っていきたくなってしまいますが、ここは聖地。過去には、うっかり持ち帰ったのちに不運が続き、島に返しに来た人もいるそうです。そもそも沖縄県全域でサンゴの持ち出しは禁止されていますので、ご注意くださいね。

「神の島」をめぐるサイクリング

ビデオを見ながら少し緊張していると、あっという間に久高島に到着します。

沖縄パワースポット 久高島

久高島は周囲約8kmの小さな島。起伏も少ないので自転車で2時間もあればゆっくり見てまわることができます。レンタサイクルを借りて早速出発!

道中いたるところに聖地。パワーを感じながら進む

沖縄パワースポット 久高島

レンタサイクルを借りた集落からすぐの場所にある、「大里家(うぷらとぅ)」は五穀の神様「アカツミー」と「シマリバー」が祀られている神聖な祭祀場であり、久高島で一番古いとされる建物。魔除けの役割がある「ヒンプン」が備えられた、沖縄の伝統的な古民家の造りです。魔除けや厄払いが身近で、常に祈りとともにあったであろう古の人たちの生活を思います。

島で最も大切な場所、「フボー御嶽」へ

沖縄パワースポット 久高島

大里家から自転車で約10分、島の西側を通って「フボー御嶽(うたき)」へ。斎場御嶽と同じ、七御嶽の一つであり久高島で最も大切な場所です。
神女(ノロ)と呼ばれる沖縄のシャーマン以外は立ち入りが許されていないので中には入れませんが、入口から眺めるだけでもその神聖な雰囲気にパワーを感じます。ここは「呼ばれた人しか行けない」島。「呼んでもらった」感謝の気持ちで手を合わせましょう。

ロマンスロードから臨むグラデーションの海

沖縄パワースポット 久高島

フボー御嶽から5分くらい北上すると現れるのが、海沿いの遊歩道「ロマンスロード」です。

沖縄パワースポット 久高島

海風が気持ち良く、グラデーションが美しい海の絶景を見ることができます。

沖縄パワースポット 久高島

道の端で揺れるユリや月桃(げっとう)のお花など植物にも癒されるスポットなので、走り抜けるのはもったいない! 途中の展望台に自転車を停めて、ゆっくりお散歩しながら景色を眺めるのもおすすめです。

久高島散策はラストスパートへ。「カベール岬」を目指す

ロマンスロードから更に北へ。久高島最北端にある「カベール岬(ハビャーン)」を目指しましょう。

沖縄パワースポット 久高島

こちらは、沖縄本島創世の女神・アマミキヨが地上に降り立ったと言われる神聖な岬。ここから望む海の向こう側に神々の楽園「ニライカナイ」があると考えられています。砂浜に腰を下ろし、海を眺め波や風の音を聞いていると、日頃の悩みやストレスまで波がさらってくれそうな自然の雄大さを感じるスポットです。

太古からの自然を眺めながら、島の中央部へ

沖縄パワースポット 久高島

今度は島の東側を通って南下しましょう。集落までほぼ一本道なので迷うことなくサイクリングできるのがうれしいポイント。
道の途中では、立派なガジュマルもお目見えします。自然がいっぱい残された久高島。ゆったりした雰囲気にも癒されます。

沖縄パワースポット 久高島

自然に癒されながら、さらにサイクリングを進めること約5分。島の中央付近に位置するイシキ浜に到着します。
ここは、ニライカナイから神様を乗せた船が上陸したと伝わる神聖な浜です。五穀の種が入った壺が流れ着き、農耕の発祥とも言われる場所。浜から東の方角に向けて祈ると良いと言われているため、ここでも日々の感謝を思いながら手を合わせました。とても綺麗なビーチですが、遊泳禁止なのでご注意を。

散策後のランチはウミヘビ「イラブー汁」!

沖縄パワースポット 久高島 イラブー汁

島を一周して集落に戻ってきたらちょうどお昼時。自転車を返却し、ランチを食べに向かいましょう。ぜひ食べたい名物は、集落にある人気店「とくじん」の「イラブー汁」です。
立派なウロコが輝くこちらの正体はなんと「エラブウミヘビ」というウミヘビ! 琉球王国時代には献上品として使われていた高級食材です。 見た目とは裏腹に味はさっぱりしていて、骨まで柔らかく意外なほど食べやすいのが特長。カツオでとられた出汁もよく効いています。滋養強壮に効果があり、食べると体がポカポカしてくる久高島ならではのお料理、ぜひ堪能してみてください。

とくじん

価格
イラブー汁御膳2,000円(税込)
住所
沖縄県南城市知念字久高238
営業時間
11:00~21:00
定休日
不定休
アクセス
徳仁港から徒歩約3分

 

「神の島」で過ごす癒しのひととき

沖縄パワースポット 久高島

「神の島」と呼ばれ、敷居が高いイメージの久高島ですが、マナーを守って散策すれば久高島の神様がきっと素敵な景色を見せてくれるはず。のんびりと流れる島時間と美しい自然に癒される、沖縄の原風景が残る島でした。

久高島

住所
沖縄県南城市知念久高
アクセス
安座間港からフェリー約25分、高速船約15分

 

ロマンあふれる神秘の森探検・ガンガラーの谷

久高島から安座間港に戻り、そこから車で約25分。パワースポットめぐりの最後は「ガンガラーの谷」へ。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

ここは、数十万年前まで鍾乳洞だった場所が崩落によってできた森。太古から続く亜熱帯の自然が今も息づきます。日本人のルーツとも言われる「港川人(みなとがわじん)」の居住区だったともされており、今でも発掘調査が行われている場所。自然の大きな時の流れを感じられるパワースポットです。

天然の鍾乳洞で楽しむカフェタイム

散策を始める前に、到着したらまずはカフェで一息つきましょう。駐車場から少し坂を下ると見えてくる大きな洞窟。天然の鍾乳洞をそのままカフェとして利用している世界的にも珍しい「ケイブカフェ」です。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷 ケイブカフェ

外の蒸し暑さが嘘のように冷んやりした空気が涼しい洞窟内。サンゴで豆を焙煎し、洞窟の地下水で淹れたコーヒーをはじめとして、ケイブカフェならではのドリンクが楽しめます。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷 ケイブカフェ

ドリンクとアイスクリームを自分で組み合わせられる「おきなわフロート」(600円・税込)。それぞれ5種類から選べ、今回は黒糖バニラとアイスコーヒーをセレクト! 黒糖の優しい甘さとコーヒーの香りがこれほどまでに合うとは。甘いものが苦手な方にもおすすめです。

謎深い森の探検へ出発

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

ケイブカフェで涼んだあとは、いよいよガンガラーの谷探検に出発です。所要時間およそ1時間20分。途中、お手洗いはありませんので準備をして臨みます。

見学は、事前予約制のガイドツアーでしか参加ができませんので、あらかじめガンガラーの谷 オフィシャルサイトから予約を済ませておきましょう。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

踏み入れるのは、亜熱帯の森。シダ類など、南国らしい植物にも多く出会えます。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

ランタンを持って入るイキガ洞の中には、子孫繁栄のご利益があるという大きな鍾乳石が! ぜひ触ってパワーを感じてみてくださいね。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

最大の見どころは「大主(うふしゅ)ガジュマル」という樹齢約150年以上の大きなガジュマル。たどり着いた瞬間、あまりの迫力に「おおっ」と声をあげてしまうほど。天に向かって伸びていくような生命力を感じ、圧倒されます。

沖縄パワースポット ガンガラーの谷

ツアー後半には木の上に作られた展望台から絶景のご褒美も。森の木々たちの呼吸を感じながら新鮮な空気をたくさん吸って、自然の神秘や歴史を感じられるツアーでした。

ガンガラーの谷・ケイブカフェ

住所
沖縄県南城市玉城字前川202番地
営業時間
9:00〜18:00
定休日
年中無休(イベント時休業有)
アクセス
那覇空港から車で約30分
ガンガラーの谷 ツアー料金
大人: 2,200円/1名
高・専・大学生: 1,700円/1名 ※要学生証提示
保護者同伴の中学生以下: 無料

 


沖縄を代表するパワースポットをご紹介しました。どのスポットも自然と聖地が密接で、沖縄の人々が大切に守ってきたことが分かります。これからも変わらぬ景色を見せてもらうためにも、敬意を払いマナーを守って足を運びたいですね。

 

 

※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。

取材・撮影・文/鈴木サラサ

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