
1890(明治23)年、日本の迎賓館として東京・日比谷に開業し、130年以上の歴史を誇る「帝国ホテル」。長い歴史の中で、バイキングやホテルウエディングなど、さまざまな“日本初“や“ホテル業界初“を打ち出してきた、日本のホテルのパイオニア的存在でもあります。
代々受け継がれてきた伝統のおもてなしはそのままに、帝国ホテルが大阪に開業したのは1996年。2021年には開業25周年を迎えました。その記念すべき年の10月、「インペリアルフロア ラウンジ」がオープン。インペリアルフロアとスイートに対象となるプランで宿泊するゲストだけが利用でき、ドリンクやスナックを自由に楽しめ、軽食も用意されています。ワンランク上のホテルライフを体験するために「帝国ホテル 大阪」へと向かいました。
都会にありながら、緑豊かな絶好のロケーション

「帝国ホテル 大阪」は、都会にありながら緑豊かな大川沿いに位置し、春には造幣局の桜の通り抜け、夏には天神祭を望む絶好のロケーションにあります。ホテルへは、JR環状線・桜ノ宮駅から徒歩約5分、JR大阪駅からは無料シャトルバスを利用して約15分で到着します。
気品あふれる空間と香りのおもてなしから始まる宿泊

メインロビーは2階に位置し、高級感あふれる雰囲気と甘い香りが迎えてくれます。香りのおもてなしは、帝国ホテル 大阪が日本のホテルで初めて採用。「インペリアルフレグランス 桜」と名付けられ、開業以来、優しい香りで訪れる人をもてなし続けています。
そして、季節ごとにゲストの目を楽しませてくれるのが装花。その装花を中心にシンメトリーに美しく置かれたソファーやテーブルにもスタッフたちの細やかな心遣いを感じます。

「インペリアルフロア」のチェックインは専用デスクで行います。インペリアルフロアの特典やサービスの説明を受け、さっそくお部屋へ向かいます。
ワンランク上のおもてなしを受けられる「インペリアルフロア」
今回宿泊する「インペリアルフロア」は、19~21階の高層階に位置します。1890年の帝国ホテル開業以来、国際的にも高く評価されてきた最上級のポスピタリティを存分に体感できるフロアなのです。

エレベーター内にも1輪の赤いバラのおもてなしが。花びらが落ちてしまわないよう、つぼみが開き始めた状態を常にキープしているそう。こんなところにも細やかな心づかいを感じます。

インペリアルフロアに到着。優しく灯るオレンジ色の光が、くつろぎの空間へと誘います。

6室しかない「ジュニアスイート」の扉を開くと、まず目に入るのが、大きな窓を備えた広々としたリビングスペース。落ち着いた色合いが癒しの空間を生み出しています。

テレビと対角線上に置かれたストレスレスチェア。背もたれに体をあずけると、自然にリクライニングし、楽な姿勢でテレビ鑑賞や読書ができます。

ボタンひとつで本格的なコーヒーが飲めるドリップマシンも完備。コーヒーだけでなく、紅茶やジャスミン茶などもあり、お部屋でのリラックスタイムに一役かってくれる優れもの。

そして、リビングの奥にはベッドルームが。インペリアルフロアには、帝国ホテルが快適な眠りを追求して開発したオリジナル寝具「スリープワークス」を採用しています。
お部屋で少しくつろいだら、さっそく23階のラウンジへ向かいましょう。
「インペリアルフロア ラウンジ」でアフタヌーンプレートを堪能

2021年10月にオープンした「インペリアルフロア ラウンジ」は、インペリアルフロア、およびスイートに宿泊するゲストのために設けられました。イエローやブルーのソファーを配し、高級感と爽やかさを感じるゆったりとした空間には、ラウンジ専属のアテンダントが常駐しています。

窓からは、大阪と奈良を隔てる生駒山系の稜線や大阪の街並み、眼下には桜の名所・毛馬(けま)桜之宮公園と大川が望めます。

今回の宿泊で一番楽しみにしていたラウンジでのひととき。ドリンクはコーヒーや紅茶、ソフトドリンクのほか、スパークリングワイン、赤・白ワイン、生ビールなどのアルコール類も営業時間内は自由にいただくことができます。

コーヒーをいただいていると、お待ちかねのアフタヌーンプレートの登場です。

今回のプレートは「桜あんブレッド」「海の幸のマリネにキャビアを添えて」「アスパラガスとベーコンのキッシュ トリュフの香り」「ローストビーフのサンドイッチ」の4種。小腹が空く時間帯にちょうどいいボリュームです。
桜あんブレッドは、SDGsの活動の一環として、食パンなどを成型する際に残った部分を活用して作られているそう。ほのかに香る桜あんと、柔らかいパンとの相性が抜群。

コーヒーや紅茶、アルコールに合うスナック類も好きなだけいただけます。ホテルメイドのフィナンシェやチョコレート、大阪名物の岩おこしやあられ、せんべいのほか、クッキーやドライフルーツなど充実のラインナップ。

また、ラウンジではタブレット端末の貸出もあり、人気雑誌やグルメ本、旅行ガイドブックなど、600以上の雑誌を自由に読むことができます。雑誌を読みながら、ゆったりとした午後を過ごせました。
インペリアフロア ラウンジ
- セルフサービス
- 11:00~21:30(スナック各種、ドリンクバー)
- アフタヌーンプレート
- 15:00~17:30
- イブニングプレート
- 18:00~21:00
- ミックスサンドイッチ
- 18:00~21:00
※プレートメニューやミックスサンドイッチは1人1プレート
※食材の都合により、メニュー等が変更になる場合あり
※小学生以下は利用不可
快適な睡眠環境を整えてくれるターンダウンサービス

ラウンジから眺めていた大川沿いを散策し、18:00すぎにお部屋に戻ると、ベッドスローがはずされ、就寝に備えてナイトメイクがされていました。タオルなども交換されていて、こんなところにまで行き届く心遣い、「さすが帝国ホテル!」と感動です。

ベッド横には、ナイトチョコレートがさりげなく置かれていました。これも快適な睡眠環境をつくるサービスのひとつ。

窓の外には大阪一の繁華街、梅田方面のきらびやかな夜景が広がります。
夜のひとときを堪能しに、再びラウンジへ向かいましょう。
夜景とスパークリングワインを楽しむラウンジでの優雅なひととき

夜のインペリアルフロア ラウンジは、昼間とは異なり、照明をおさえた落ち着いた雰囲気に。窓際の席をキープして、イブニングプレートをいただきます。

スコットランドの伝統菓子「クラナカン」に、「パテ・ド・カンパーニュとピクルス」、アフタヌーンプレートでもいただいたキッシュと海の幸のマリネの4種。全体的に甘さは控えめで、夕食前や食後にお酒とともにいただくのによさそうです。
「クラナカン」は、スコッチウイスキーやラズベリーなどを使ったスコットランドの伝統菓子で、帝国ホテルの初代会長・渋沢栄一の好物だったオートミールを用いてアレンジしたもの。ラズベリーの甘酸っぱさ、生クリームのほのかな甘味、オートミールのサクサクとした食感で、スパークリングワインと合わせたくなる一品です。
帝国ホテル旧本館「ライト館」の趣を残すメインバーでさらに夜を満喫

もう少し帝国ホテルの夜を楽しみたいと思い、2階のメインバーへ。ここ「オールドインペリアルバー」は、近代建築の巨匠・フランク・ロイド・ライトの設計による帝国ホテルの旧本館、通称「ライト館」の面影を至るところで感じられます。
エントランスや壁には、ライト館同様、大谷石(おおやいし)に幾何学模様が施され、独特の世界感を醸し出しています。

店内も幾何学模様が印象的。壁には、ライト館に滞在したマリリン・モンローら、往年の映画スターや著名人の写真が飾られています。スタッフが撮影したという写真はどれもいい表情で、帝国ホテルでリラックスしている様子が伝わってきます。

こちらでいただいたのは、帝国ホテル 大阪のオリジナルカクテル「SAKURA」(2,130円)。開業記念に作られたカクテルで、桃の風味がふわりと香る少し甘めのとても飲みやすいアルコールカクテルです。
オールドインペリアルバーの雰囲気を味わってみたいけれど、お酒はちょっと…という人でも大丈夫。ノンアルコールカクテルはもちろん、コーヒーも提供しています。
なお、インペリアルフロアの宿泊者は、館内の直営レストランやバーを10%割引で利用可能。ラウンジにいるアテンダントにお願いすると予約してくれます。
オールドインペリアルバー
- 営業時間
- 17:00~24:00(L.O.23:30)
ディナーには館内のレストラン「レ セゾン」もおすすめ



帝国ホテルで受け継がれてきたフランス料理の技法に、最新の技法をプラスした極上のフレンチが味わえる「レ セゾン」。180度広がるロマンティックな景色とともに、四季折々の厳選素材を用いた料理を堪能できます。記念日などの大切な日に最適です。
フランス料理 レ セゾン
- 営業時間
- 12:00~14:00、17:30~21:30(L.O.20:30)
- 定休日
- 月・火曜日(祝日、特別催事期間は振替休業あり)
ジュニアスイートのみに備わるミストサウナでリラックスタイム

ラウンジやバーでの夜を充分に堪能したら、お部屋に戻ってバスタイム。クラシックで重厚な雰囲気のパウダールームには、テレビが設置されています。



シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディローションは「MIKIMOTO COSMETICS」。女性には、KOSE「アンテリージェ」のクレンジング、洗顔料、化粧水、乳液のスキンケア4点セットも用意されています。男性には、マーガレット・ジョセフィンの「RAGORA(ラゴラ)」のアフターシェーブローション、ヘアトニック、ヘアリキッドの3点セットが。現在はホテル用にしか製造していないので、これはかなりレア。

ジュニアスイートのバスルームは、超微細な気泡のシャワーで美肌に導いてくれるウルトラファインバブルのシャワー付き。さらに、バスルームの一角にはミストサウナも。じんわり汗をかいて、リフレッシュできます。ウルトラファインバブルのシャワーとミストサウナがあるのはジュニアスイートだけです。


お風呂上がりにさっと羽織れるバスローブは上質な肌触り。ナイトウェアは、上下セパレートタイプのパジャマと、「ていこくほてる」とひらがなでレタリングされた浴衣が用意されています。
贅沢なバスタイムに、上質なアメニティやナイトウェア、最上級の眠りを追求した「スリープワークス」のベッド。極上の睡眠環境が整っています。
朝食はルームサービスで優雅に

朝食はルームサービスで。あらかじめ指定した時間にお部屋に届き、明るい窓際にセッティングしてもらいました。お部屋で大パノラマを眺めながら、のんびり朝食をいただくのは、とても贅沢な体験です。



オーダーしたのはアメリカンブレックファスト。卵料理はオムレツ、目玉焼き、スクランブルエッグから、付け合せはハム、ベーコン、ソーセージから1種ずつ選択可能。パンはトーストか、クロワッサンやブリオッシュなどの盛り合わせ、ジュースもオレンジジュースやトマトジュースといった数種類から選べます。

アメリカンブレックファストのほか、コンチネンタルブレックファスト、和朝食も用意。和朝食は、館内にある老舗料亭「大阪なだ万」の朝食をいただけます。
朝食後はお部屋でゆっくりしたり、大川沿いの遊歩道を散歩したり…。また、11:00から営業するラウンジで、チェックアウトまでの1時間を過ごすこともできます。

そして12:00、チェックアウトの時間。ロビーに下りると、吹き抜けのアトリウムが目の前に。1階には、中央で存在感を放つ水のオブジェが外からの光を反射し、明るく開放的な雰囲気の「ブフェ&ラウンジ ザ パーク」が広がります。アフタヌーンティーや期間限定のスイーツバイキングなどを、チェックアウト後に楽しんでいくのもよさそうです。ただし、人気のため、事前の予約がおすすめです。
「インペリアルフロア ラウンジ」を利用できる客室はほかにも
今回宿泊したジュニアスイート以外にも、「インペリアルフロア ラウンジ」利用対象の素敵なお部屋がまだまだあります。
スイート



東に向いた窓から遠くに生駒山系、眼下には大川を望む「インペリアルフロア リバースイート」。快適な滞在を約束する約100平米のお部屋から、さらにゆとりのある約400平米のお部屋までそろいます。



こちらは「レギュラーフロア パークスイート」。180度のリバービューが楽しめ、広々としたリビングスペースとベッドルーム、ドレッサー付きのバスルームを備えた帝国ホテル 大阪を代表するスイートルームです。
インペリアルフロア スーペリア

ビジネスエグゼクティブやカップルに好適な30~38平米の「スーペリア」の客室。スーペリアはすべてシティビューになります。
インペリアルフロア・スイート宿泊特典
※対象となるプランで宿泊の場合に限る
・インペリアルフロア ラウンジ利用
・館内直営レストラン10%割引
・ランドリー10%割引
・駐車場料金無料(1泊1室につき1台)
130年以上の伝統を誇る「帝国ホテル」のホスピタリティを存分に体験できる「インペリアルフロア」。今回の滞在でなによりも感動したのが、すぐに気付いて声をかけてくれる細かな心遣いです。それは、ラウンジだけでなく、フロントやロビーでもしかり。こういうさりげない気配りが、多くの人から愛される理由なのだと実感しました。
最初から最後まで「さすが帝国ホテル」と言わしめる最高レベルのサービスを、「インペリアルフロア」での滞在を通して体験してみませんか?
帝国ホテル 大阪
- 住所
- 大阪府大阪市北区天満橋1-8-50
- アクセス
- JR環状線「桜ノ宮」駅より徒歩約5分
JR「大阪」駅より無料シャトルバスで約15分 - チェックイン
- 14:00(最終チェックイン24:00)
- チェックアウト
- 12:00
- 駐車場
- 1泊2,000円(予約不要)
- 宿泊予約
- 楽天トラベル「帝国ホテル 大阪」宿泊プラン一覧
※レストラン・バーの営業時間は変更になる場合があります。
撮影:福羅広幸 取材・文:惣元美由紀