
東京・お台場にある、世界初の完全没入型作品を集めた「イマーシブ・フォート東京」。このライブエンターテイメント施設の中で特に人気が高く、日本で最多動員を記録したイマーシブシアター「ザ・シャーロック ~ベイカー街連続殺人事件」が、3月1日から大幅リニューアル。体験時間が90分から120分になり、ついにシャーロックの宿敵・モリアーティ教授に焦点が当てられることに。スケールアップした話題の作品を体験してきました。
シャーロックの世界観を存分に体感できる作品

イマーシブ・フォート東京の有料作品で、大ヒット中の一つが「ザ・シャーロック 」。もともと90分だった「ベイカー街連続殺人事件」のストーリーを1幕にして60分に凝縮。20分の休憩(幕間)を挟み、2幕ではその続きを40分に渡って楽しむ、という大ボリュームの構成になりました。

新生「ザ・シャーロック」は、2幕が追加されただけでなく、エリアも拡大。さらに作品名も「ザ・シャーロック ~ジェームズ・モリアーティの逆襲」に変更されました。シャーロックファンなら、ピンと来た人も多いかと思いますが…宿敵ジェームズ・モリアーティ教授との対決を匂わせる内容になっています。
バンダナを顔に巻いて、19世紀末のロンドンへ

入口で渡された黒いバンダナを口元に巻くと、「アノニマス(その場に存在しない存在)」になれます。このバンダナ、体験後はお土産にできますし、ちょっとしたコスプレ感覚もあってワクワクさせられます。
筆者は前作も体験したのですが、その時のキャストはみんな驚くほど足が速くて追いかけるだけで精一杯でした…。さあ、新作はどうなのでしょうか?

一歩中に入ると、そこは19世紀末のイギリス・ロンドン。シャーロックが住んでいるベイカーストリートが物語の舞台になります。
薄暗いベイカーストリートに現れたのは、シャーロックとワトソンのコンビ。事件が起こる前の何気ない日常から始まります。「あっ、シャーロックだ!」と後を追いかけると……

シャーロックとワトソンの建物「221B」にたどりつきます。暗闇の中、目を凝らして見ると、積み上げられた本、事件に関する情報を集めるため新聞、数式が書かれた黒板など、シャーロックの世界観を体感できるものばかり!


やがてシャーロックの事務所に、シャーロットという女性がやってきます。シャーロットから「数日前から姿を消した婚約者を探してほしい」という依頼を受けたシャーロックとワトソンは、さっそく手がかりを求め、捜索に乗り出すことに。

ロンドンの街では「連続猟奇殺人事件」が同じタイミングで発生。ロンドン警察のレストレード警部は、この事件の捜査協力をシャーロックに依頼します。
どんどん物語は進んでいきますが、参加者は広大な空間を自由に動けるため「誰を追いかけるか」がカギになります。キャストは総勢約40名。もちろん、すべての人の動きを追うのは不可能なので、気になるキャラクターを見つけて、追いかけるのがおすすめ。
シャーロックとワトソンと一緒に謎を解いたり、不穏な動きをしている人を見つけたり…
または警察目線で捜査するなど、楽しみ方は千差万別です。

途中で迷子になっても大丈夫。殺人の瞬間を目の当たりにするなど、警察よりも早く連続殺人事件の現場を目撃できるかもしれません。
ちなみに、最初の被害者は娼婦です。全身血まみれ、顔は激しく損壊している状態で発見されるという残酷さ。常軌を逸した凄惨な現場で、誰もが心臓バクバクになるはず。事前に覚悟して観ましょう!

シャーロックの現場検証シーンは、ファンなら絶対見てほしいところ。タイミングが合えば、シャーロックの鋭い観察眼や洞察力を近い距離で体感できます。「シャーロック・ホームズの世界に入り込むことができたら…」が現実のものに。


この後、街の酔っ払いが集まるバーへやってくると、連続殺人事件の被害者が働いていた娼婦宿の女主人や娼婦たちに遭遇。それぞれのストーリーが進んでいきます。

そこへ突如現れたのが、怪しさ満点の黒いケープの男。「彼は.....犯人ですよね?」と誰もがそう思ったころ、シャーロックが登場し、鋭い洞察力で真相を紐解いていきます。ここもシャーロックファンなら見逃せないシーン。名推理にとことん浸ってくださいね。


初めに「黒いバンダナで口を覆うと見えない存在になる」と説明しましたが、ストーリーが進む途中で存在に気付かれ、キャストに話しかけられることがあります。
そのときには、バンダナを取り、登場人物の一人として、思いっきり楽しみましょう。重要な頼まれごとをされたり、一緒に捜索したり没入感を感じられます。
第2章は怒涛の解決編


2幕は、街の教会で行われる、とある人物のお葬式からスタート。ネタバレ厳禁のため、詳しくは話せませんが、ご安心を。1幕で「えっ、どういうこと?」と散りばめられていた伏線が見事に回収されていきます。


2幕は新規パートなので、新しいキャラクターにも出会えてワクワク。シャーロックたちと一緒に動いて、自分の中で犯人の予測を立ててみると、より没入感が増しますよ。

ラストの、シャーロック最大の宿敵・モリアーティ教授との直接対決は必見。オカルト的な要素もあり、点と点が線でつながってく爽快感を味わえます。
1幕は前作同様に会場をたくさん歩き周るため、時間を追うごとに体力が落ちていきますが、2幕はもう少しゆったりとしたペースで楽しめますよ。

3月1日から、フォルテヴィータの中心地だった「ゴールデンプラザ」が、座って休める休憩スポットになりました。終了後にはドリンクチケットがもらえるので、くつろぎながら衝撃的な結末について語り合うのもおすすめ。
雨の日も雪の日も、炎天下の日も、快適に楽しめる「ザ・シャーロック ~ジェームズ・モリアーティの逆襲」。あなたもミステリー小説のレジェンドの世界に、酔いしれてみてはいかがでしょうか。
イマーシブ・フォート東京
- 住所
- 東京都江東区青海1-3-15
- 営業時間
- 11:00〜20:00 ※日によって異なる
- アクセス
- 【電車】ゆりかもめ「青海駅」直結、もしくはりんかい線「東京テレポート駅」より徒歩約3分
【車】首都高速11号台場線「台場ランプ」・首都高速湾岸線「臨海副都心ランプ」より約5分
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取材・写真・文/安藤美紀