
谷川岳などの自然に包まれ、利根川の清流を望む「みなかみホテルジュラク」。滞在中はアルコールを含むドリンクや軽食を自由に堪能でき、作り立てを味わえるライブキッチンを取り入れたブッフェは、お腹だけでなく心も満たしてくれます。好きなものを、好きな時に、好きなだけ。心ゆくままに過ごした極上の1泊2日をご紹介します。
チェックイン


日本有数の山と川の両方がそろう群馬県みなかみ町。山桜と新緑がまぶしい春・夏、谷川岳の紅葉が絶景の秋、一面銀世界になる冬など、色彩豊かな景色が魅力です。

そんな自然豊かな場所にあるのが、温泉リゾートホテル「みなかみホテルジュラク」です。都内からは車でも、公共交通機関を利用しても約2時間半とアクセス良好。最寄りのJR水上駅からは徒歩10分ほどで、無料送迎バスも利用できます。

「みなかみホテルジュラク」の魅力のひとつが、ホテル内の飲食がオールフリーとなるサービス「フリーフロー」。滞在中はラウンジやレストランで、アルコールを含むドリンクや軽食を自由に楽しめます。

窓から見える緑が美しい「こもれびラウンジ」では、アーリーチェックインに合わせて13時から優雅なアフタヌーンタイムに。チェックインしてすぐ、お菓子やソフトドリンクに加えてビールなどアルコール類が楽しめ、フリーフローという非日常が始まります。
客室

今回、宿泊したお部屋は和モダンの「みずのね」。スモーキーカラーをベースにウッド調の家具をしつらえ、障子や灯ろう風のベッドライトが落ち着いた雰囲気を演出。36平米のテラス付きタイプは、セミダブルサイズのシモンズベッド2台が悠々と置ける広さです。

窓からは青々とした山の景色を望め、テラスに出てみると、その近さに手を伸ばせば届きそうな気がします。眼下には翡翠色の利根川が流れ、爽やかな風が吹き抜けます。


「みずのね」は、ひと間続きになっている29平米や広々とした42平米のお部屋など、さまざまなタイプがあります。


おしゃれなハンドドリップコーヒーが用意されているのも「みずのね」の特徴。エチオピア産を中心にブレンドされたコーヒー豆はホテル特製で、豆挽きから抽出まで手間と時間をかけることでより味わい深くなります。

こちらは、畳敷きに広縁など和室タイプの「やまのは」(36平米)。寝具はセミダブルサイズのフランスベットというのがうれしいポイントです。
温泉

お部屋でひと息ついたら、ホテルの1階大浴場へ。ヒーターで室内を加熱するボナサームサウナや露天風呂を備えた「せせらぎの湯」と、ひのき風呂やジャグジーなどがある「翠渓(すいけい)の湯」の2つがあり、男女入れ替え制なので、宿泊中にぜひ両方とも堪能したいところ。
そのほか、地下1階にはドライサウナも付いた「天狗の湯」があります(男女入れ替え制)。

400年以上前、発見した和尚さんと村人が協力して掘り起こしたと言われる水上温泉は、毎分700リットルがこんこんと湧き出ています。カルシウム・ナトリウム硫酸塩・塩化物泉の泉質は、肌ざわりがやさしく、保湿効果も高いことから美肌効果が期待できます。

イタリア製のマッサージシャワーヘッドやジェット水流のシャワーヘッドなどが設置され、洗い場を選ぶのも楽しくなりそうです。

温泉と豆乳がブレンドされたバスアメニティに加え、多種多様なヘアケア用品が集められたシャンプーバイキングもあります。

脱衣所には自由に利用できるマッサージチェアも置かれ、温まった状態ですぐにほぐしてもらえると好評です。


フリーフローは大浴場すぐ近くの「湯上がり処」でも。アイスキャンディーに加え、生ビールなど冷えたドリンクが火照った身体にうれしい!


お部屋には男女兼用の浴衣が備わっていますが、それ以外に鮮やかな華浴衣も用意されていて、男女ともにお気に入りの一枚を選べるのも魅力です。
アペロタイム

夕食・朝食をいただくブッフェダイニング「KAWATONE」で14~16時に開催されるアペロタイムは、ホテル自慢のフリーフローを最も堪能できる時間。バラエティ豊かなドリンクだけでなく、フィンガーフードやスイーツを味わえます。


特にアルコール類は種類が豊富で、ビールだけで4種類も。さらに、群馬県産の日本酒やオリジナルラベルの赤・白ワイン、スパークリングのほか、モクテルなどを作ることもでき、お酒を片手に会話が弾みます。

天気が良い日は隣接する屋上庭園「水のテラス」へ。涼やかな水の上にアヒルのおもちゃがぷかぷかと浮かび、思わず笑みがこぼれます。アジサイなど季節によって浮かべるものを変えているそうで、ちょっとした遊び心も感じる空間です。

「水のテラス」からは、悠然とそびえ立つ谷川岳も望めます。「トマの耳」と「オキの耳」と呼ばれる2つの峰を持つ日本百名山のひとつであり、地元の人たちにとっては、その彩りの変化から四季の移ろいを感じる大切な山なのだとか。
夕食

太陽が山に沈むころ、ブッフェダイニング「KAWATONE」では夕宴を盛り上げるべく、ピザ職人から中華や和食、洋食の料理人まで勢ぞろいし、訪れる人たちをできたての料理で出迎えます。もちろん、夕食時に「KAWATONE」に用意される料理とドリンクもオールフリーです。

石窯で焼き上げるピザは、生地を伸ばすところから工程を見ることができ、火加減に合わせてピザをくるくると回転させるなど、できあがりの瞬間まで思わず見ていたくなるほど。地元野菜たっぷりの農園ピザと、季節ごとのオリジナルピザの2種類を味わえます。

大きなかたまりの見た目から、すでに食欲がそそられるローストビーフは夕食ブッフェの大人気メニュー。まず強火で外側を焼くことで旨みが閉じ込められ、さらに低温でじっくり火を入れることで肉質は驚くほどやわらかに。噛めば噛むほどジューシーな肉汁が口の中に広がる一品です。

職人がその日に仕入れた新鮮なネタを握ってくれるお寿司コーナーも。中トロやサーモン、エンガワにコハダなど数種類あり、山間にいながら海の幸も堪能できます。

さらに、群馬県のブランド鶏・赤城鶏を使用した塩ちゃんこ鍋や名物のもつ煮などご当地グルメもあり、品数は数えきれないほど。作り立ての一番おいしい状態を味わってもらいたい姿勢からも、食への並々ならぬ力の入れようを感じます。

デザートもイチゴのショートケーキや桜餅など充実しているほか、好みのアイスとトッピングをオーダーし、冷やした石板の上で作るアイスクリームも人気です。

よりどりみどりの料理とドリンクのおかげで、楽しいひとときはいつも以上に長くゆっくりと。そのまま「水のテラス」に出てみれば、昼間とはまた違う幻想的な光景が広がっていました。
夜の過ごし方

「みなかみホテルジュラク」にはフリーで楽しめるアクティビティもたくさんあり、夜のひとときに彩りを添えてくれます。遊技場には卓球台が数台置かれ、スコアボードも完備という徹底ぶりです。

また、誰でも気軽に楽しめるスポーツとして注目されている「ボッチャ」も。シンプルでわかりやすいルールのうえ、一発逆転が起きる面白さもあり、ついつい白熱してしまいます。


身体を動かすアクティビティ以外にも、昔懐かしいボードゲームからユニークなカードゲームなどがレンタル可能。「じゅらく文庫」には、群馬にまつわるさまざまな書籍が集まっています。

そして、1日の締めくくりは「こもれびラウンジ」で毎晩開催されるMiniコンサート。

サックスやバイオリンなど日によって演奏者は変わり、クラシックをはじめ、ジャズやシャンソン、ジブリソングまでジャンルもいろいろ。生演奏の優雅な調べに耳を傾けながら飲むお酒はいっそう味わい深く、まさに夢心地な時間です。

「こもれびラウンジ」の隣には、炎がともされている暖炉が。この「暖炉ラウンジ」には、訪れる人たちをあたたかく出迎えたいという想いが込められていて、夜になると多くのゲストが暖炉を囲みながら座り、炎のゆらめきや薪のはぜる音に身を委ねています。
朝食

寝心地のいいベッドでしっかり睡眠がとれた翌朝。朝食の前に、大浴場「天狗の湯」へ。ひのき風呂や泡風呂など内風呂が充実しています。

露天風呂では視線の先に青々とした木々が。朝から自然のエネルギーをたっぷりと浴びて、元気もみなぎります。

朝風呂を満喫した後の朝食ブッフェは、新鮮なサラダやフルーツ、自家製のパンや好みの具材で作れるオープンサンド、さらに郷土料理「ちぎりっこ」や卵かけご飯など、夕食に引き続き種類の豊富さに驚きます。

10種類ほど提供されるパンは、ホテルで毎日焼き上げるもの。クロワッサンやデニッシュのほか、バケットを使ったフレンチトーストはその場で調理されるので、熱々でとろける食感を味わえます。

「じゅらくの食パン」として親しまれている食パンを使ったピザトーストは、石窯で焼き上げることで外はカリカリと香ばしく、中はもちもちとした食感に。良質な素材だからこそのおいしさが引き立つ一品です。

注文してから作るオムレツは、つけ合わせの舞茸ペーストと一緒にいただくことで素材本来のコクが深まります。

群馬県産コシヒカリで握るおにぎりも、幅広い世代に人気のメニューです。割烹着に身を包んだスタッフが丁寧に握るおにぎりは、食べやすいよう小ぶりで提供。お米本来のおいしさを実感できる塩むすびのほか、県産の下仁田ねぎを使用したねぎ味噌は味わい深く、風味が豊かです。
お土産



ホテルで食べた味を自宅でも味わえたら、日常も豊かになるはず。館内のショップ「おみやげマルシェ」では、お部屋に用意されたオリジナルのお菓子やコーヒー、朝食に登場したねぎ味噌などが販売されています。

ホテル内で焼き上げるパンも販売しており、一番人気の「じゅらくの食パン」は昼には売り切れることも多く、このパンを求めて宿泊者以外の人も訪れるほど。事前予約も受け付けているので、宿泊と同時に予約をしておくと安心です。

1924年に歴史が始まった株式会社聚楽は、関東大震災直後に創業者の加藤清二郎氏が町中を歩き、人々が求めているものを探したところ、安くておいしい大衆食堂に辿り着いたのだそう。その想いは色褪せることなく、フリーフローという至れり尽くせりのサービスを提供する「みなかみホテルジュラク」にも受け継がれています。
まさに食べ尽くせない、遊び尽くせないほど充実していて、チェックアウトが名残惜しくなる1泊2日でした。
みなかみホテルジュラク
- 住所
- 群馬県利根郡みなかみ町湯原665
- アクセス
- 【電車】JR「水上」駅より徒歩約10分、無料送迎バス約2分(水上駅到着時、要電話)
【車】関越自動車道「水上」ICより約10分 - チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 10:00
- 客室数
- 96室
- 駐車場
- あり/約250台
取材・撮影・文/浅井みら野