名古屋から一番近い離島「日間賀(ひまか)島」。島ならではの非日常を感じられる場所でありながら、アクセスも手軽とあって若い女性を中心に人気が高まっています。日間賀島は国内屈指のたこ、そしてしらすの産地として有名で、現地で味わう料理はどれも絶品。おしゃれなスイーツや海の美しさを堪能できるフォトスポットも揃っています。島はゆっくり歩いても2時間で1周できる広さなので、のんびり島グルメを堪能しつつ、絶景を眺める散策がおすすめです!
名古屋から一番近い離島「日間賀島」とは
知多半島からアクセスできる日間賀島は、愛知県の三河湾に浮かぶ離島です。電車で向かう場合は河和(こうわ)港から、車を利用する場合は師崎(もろざき)港から船を利用するのが便利です。
名古屋駅から名鉄の河和駅までは約50分、そこから無料のシャトルバスで河和港まで向かい、乗船してからは約20分で日間賀島に到着です。
車なら名古屋から知多半島道路を利用して、師崎港まで約1時間。師崎港では60分100円の駐車場に停め、そこから乗船すること最短10分で日間賀島に到着です。
日間賀島行き高速船
- 料金
(河和港→日間賀島) - 大人(中学生以上)片道1,400円、小学生710円
※未就学児は大人1名につき1名無料
- 料金
(師崎港→日間賀島) - 大人(中学生以上)片道700円、小学生350円
※未就学児は大人1名につき1名無料
- 時刻表
- 名鉄海上観光船公式Webページ(別ウィンドウで開きます)で公開中
ゆっくり歩いても約2時間で1周できる!散策にぴったりの島
日間賀島の散策コースはとても分かりやすく、基本的に島の外周をぐるりとめぐっていきます。西港と東港があり、主な飲食店や土産物屋はいずれかに集まっています。定期船は両方の港に着きますが、今回は西港で下船し散策してみましょう。
西港には2019年4月1日にオープンした船の待合施設「ひまポ」があります。切符売り場のほか、観光案内所やトイレも完備。散策マップはここで入手しておくと便利です。
日間賀島の主役グルメはなんといってもたこ!
港では巨大なたこのオブジェがお出迎えしてくれます。日間賀島の通年料理の主役は、なんといってもたこ! 島では、現在は貴重となったたこ壺漁が行われています。たこが傷つきにくい漁法なので、おいしい状態で水揚げすることができるのです。
島のあちこちに漁師がたこを取るために使う壺が。日間賀島を象徴する光景となっています。
西港近くにある日間賀島駐在所もたこの形をしています! 他では見ることができない可愛らしい交番はSNS映えするスポットとして人気です。
島内ではマンホールにも注目してみてください! 島のシンボルであるたこが描かれていて、ひょうきんな表情がとても印象的。こちらもSNSで話題になっています。
西港周辺のグルメスポットでまずは島グルメを堪能!
オブジェに交番、マンホールとたくさんのたこにお出迎えしてもらったところで、さっそく貴重なたこ壺漁で獲れた日間賀島のたこを味わいに行きましょう。西港付近には、絶品たこグルメを提供するお店が集まっています。
しゃぶしゃぶ、たこ飯…日間賀島たこグルメを味わう
立ち寄りたいのは、西港すぐ目の前にある料理旅館「御やど乙姫」。展望と露天風呂が自慢の宿ですが、ランチの時間帯のみ1階の食堂で日間賀島の海の幸を味わうことができます。人気グルメドラマのロケ地にもなったお店で、リーズナブルな絶品海鮮料理が揃っています。
お店の自慢は日間賀島産のたこを使用した「たこのしゃぶしゃぶ」(864円)や「たこ飯」(972円)。しゃぶしゃぶ用のたこは、冷凍をすることでより味と食感が楽しめるようになるそう。漁港で揚がった新鮮なままを冷凍した獲れたての風味を、コリコリとした歯ごたえとともに楽しむことができます。
たこ飯もぜひ注文したい一品。もち米を6割混ぜて仕上げてあり、弾力のあるたこともっちりご飯の相性が抜群です! たこの味が感じられるようできるだけシンプルな味付けにしてあるのもうれしいポイント。付け合わせとして出されるのりの佃煮や海鮮味噌汁とのコンビネーションもばっちりです。
御やど乙姫
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島西浜12
- 電話番号
- 0569-68-2107
- 営業時間
- 11:30~14:30
- 定休日
- 不定休
目の前でプレスしてもらえる「たこ姿焼き」は絶品
食後には、「御やど乙姫」の真向いにある「鈴円(すずえん)本舗」にも立ち寄りましょう。日間賀島の漁師が釣ったたこやアカシャエビなどを使い、伝統的なせんべいを手焼きし販売しています。魚介の風味がギュッと閉じ込められており、お土産としても人気の品が並びます。
こちらでぜひ味わってもらいたいのが、日間賀島産のたこを豪快に丸焼きにした「たこ姿焼き」(760円)です。注文するとその場でたこ2匹を取り出し、プレス機でせんべいの薄さになるまで加圧して焼いてくれます。たこをまるまる使った贅沢な一品。ほどよく効いた塩分がギュッと凝縮されたたこのうま味を一層引き立て、噛めば噛むほどに味わいが口の中に広がります。
鈴円本舗
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島西浜28
- 電話番号
- 0569-68-9110
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 定休日
- 元旦のみ
さっそく島の散策開始!効率よく回りたい人にはレンタサイクルもおすすめ
たこの島ならではのグルメでお腹を満たしたところで、散策に入りましょう! 日間賀島は1周約5.5キロメートルの小さな島ですが、今回は効率よくいろんな場所を回るためにレンタサイクルを利用。
西港の目の前にある「レンタサイクルいこい」では、1時間540円で自転車を借りることができます。自転車で30分もあれば島を一周できてしまいますが、写真を撮ったり、食べ歩いたり、ゆっくりと過ごすのであれば2時間借りておけば安心です。
レンタサイクルいこい
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島西浜4
- 電話番号
- 0569-68-2631
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 定休日
- 不定休
日間賀島の海沿いを通り、東港へ
海風が気持ちいい海岸沿い道路を進もう!
散策には、海沿いをぐるっと一周している道を使うと便利です。遊歩道が整備されているので、歩いて回るときにも安心。海風をダイレクトに感じられるのでとっても気持ちいいですよ!
10分ほど自転車を走らせると、すぐに東港が見えてきます。徒歩でも約20分で到着です。
島の東にある「サンライズビーチ」は写真映え必至
東港のすぐ近くでまず立ち寄りたいスポットが「サンライズビーチ」。海水浴場ですが、賑やかな西側と比べると人も少なく静かに過ごすことができます。朝日がきれいに見えることからこのように呼ばれています。
サンライズビーチには人気撮影スポットである「白い監視台」があります。今でも現役で海水浴客の監視用に使われているものですが、一般の方も登って写真撮影が可能。白い色と空の青のコントラストがとてもきれい! ぜひここで記念の1枚を。
縁結びでも力を発揮!?たこが守った阿弥陀様を訪ねてみよう
たこ尽くしの日間賀島には、「たこ阿弥陀」と呼ばれる仏様をお祀りしているお寺も。せっかくなので詣でましょう。東港の目の前、海とは逆側の民家が立ち並ぶ通りに入っていくと、縁結びのパワースポットとしても知られる「安楽寺」があります。
かつて地震で日間賀島と佐久島の間にあった島が沈んだ時、そこにあった寺の仏像が流れ出て、漁師の網に引き揚げられました。その時たこが阿弥陀様を守るように抱き着いていたことから、その仏像を「たこ阿弥陀如来」として祀るように。今でも氏子として信仰は厚く、大漁と安全、子孫長久を祈願する風習が続いています。
吸い付く、吸い寄せるというたこの習性から、良縁を引き寄せるパワースポットとしても有名。絵馬にもたこが描かれています! お参りをする際には、恋愛成就を祈願しましょう。
安楽寺
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島里中 大字日間賀島字里中48
- 電話
- 0569-68-2172
日間賀島の隠れた名産品・しらすを食す!
東港周辺にも飲食店は多く集まっています。立ち寄りたいお店の一つが「島カフェBarca(バルカ)」。島のしらす加工工場「丸幸」が営むカフェで、獲れたてのしらすを使ったメニューが豊富です。
もちろんたこは名産ですが、実は日間賀島近海はしらす漁獲量が日本一。しらすも隠れた名産品なのです。ランチでしらす料理をいただきたい場合は、東港のこちらのお店まで来てからお昼にするのがおすすめです!
人気メニューの「しらす屋さんの生しらす丼」(1,100円)。しらすの加工工場が港から数歩のところにあるので、まさに獲れたての状態を加工することができるのだとか。丼には生しらすと釜茹でしらすの2種類が乗っており、両方の味を楽しむことができます。あっさりとした塩味のしらすに、店特製の魚のうま味を効かせた島ラー油をかけるとコクが出ておいしいですよ。
島カフェBarca
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島小戸地72
- 電話番号
- 0569-68-2895
- 営業時間
- 10:00~15:00(土日祝日は10:30~16:00)
- 定休日
- 水曜日
メルヘンチックな「恋人のブランコ」で映える写真を!
「島カフェBarca」から、海沿いを北上しておよそ2分。続いて向かうのは、「恋人のブランコ」です。二人で一緒に漕ぐことができ、恋人同士で乗ると幸せになれるとも言われています。
高台にある大きな木にブランコが括り付けてあり、漕ぎだす瞬間は、空と海に飛び出していくようで写真映え抜群! こちらもSNSで話題を呼んでいます。
『アルプスの少女ハイジ』のオープニングに出てくるブランコと似ているので、通称「ハイジのブランコ」とも言われています。ブランコへ向かう際には、道路沿いの「ハイジのブランコ」と書かれた看板に従って進んでみてください。
海沿いの道をさらに進み、島の北側も散策
海に面した外周道路をさらに進み、島の北側へ。ビーチのある西港や東港周辺とはまた違い、漁船や漁師さんの姿が多く見られる場所。日間賀島の日常を垣間見ることができます。
島の北側でおしゃれな「しらすソフト」のお店を発見!
そんな風景の中、ひと際おしゃれな店構えで目を引くのは、カフェ「丸豊」。しらす工場「丸豊商店」が直営しているという一風変わった成り立ちのカフェです。
そんな成り立ちを活かして提供されるのは、新感覚のスイーツ「しらすソフト」(400円)。意外な組み合わせですが、食べてみると釜揚げしらすの塩味とバニラソフトの組み合わせが不思議とマッチ! 先ほど西港で訪れた「鈴円本舗」のたこせんべいも添えられた、日間賀島づくしのデザートです。
丸豊
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島広地24-1
- 電話番号
- 0569-68-2113
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 不定休
最後は再び西港へ。帰りの船までのお楽しみも!
北側までくれば、もう西港はすぐそこ。あっという間の1周ですが、帰りの船までのお楽しみもまだまだあります!
名物「多幸まんじゅう」をお土産に購入
カフェ・丸豊から自転車を走らせておよそ8分、西港に戻ったらレンタサイクルを返し、お土産を選びます。
日間賀島土産の定番は、西港前の売店「かもめ売店」に売っている「多幸まんじゅう」(6個入り324円)。その名の通り島の名産品たこを象ったおまんじゅうに加え、島の冬の名産品フグの形のおまんじゅうも入っています。中はこしあんで、あっさりと軽い味わいなので何個でも食べてしまいそう。タイミングが良ければ、店先で実演販売される焼きたてを購入することができますよ。
かもめ売店
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島西浜5
- 電話番号
- 0569-68-2870
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 定休日
- 無休
帰りの船の時間まで島唯一のバルで一杯!
お土産も無事ゲットしたところで、あとは船に乗って帰るだけですが、船までの時間にまだ余裕があるという場合におすすめなのが、西港すぐの場所にある島唯一のバル「島バル daitome(ダイトメ)」。おつまみ系の島グルメが揃うお店です。壁には船の時刻表が書いてあるので、乗り遅れないよう時間をチェックしながら飲めるのもうれしいところ。
「たことしらすのアヒージョ」(1,200円)は、日間賀島の近海で取れた魚介類で作られた、お酒の当てにぴったりな一品。アヒージョやフライに使われているオイルは米油で、食べてみると意外とライトな味わいです。一日サイクリングで体を動かした後でもさっぱりといただけます。島風を感じながら、名産品のおしゃれなバルメニューで一杯飲んでから帰路につく。旅の総仕上げにもってこいのお店です。
島バル daitome
- 住所
- 愛知県知多郡南知多町日間賀島西浜11
- 電話番号
- 0569-68-3006
- 営業時間
- 9:00~17:30(平日は9:30~)
- 定休日
- 水曜日
※夏季は休みなし
日間賀島のぶらり散策、いかがでしたか。たこやしらすなど名産品をさまざまな形で楽しめるグルメや、写真映え間違いなしのフォトスポット、海の見える離島の風景など、名古屋から簡単に行けて1日たっぷり楽しめる場所でした。
日帰りでも満喫できますが、時間に余裕があれば島に一泊して穴場をめぐるのもおすすめ。写真映えすると地元の方から人気の「カラードーナツ」(200円)を提供する「AZUカフェ」は、不定期で営業中。一泊することで、こうしたレアな人気店の営業日に巡り合う確率が高まるかもしれません。
また、夜の星空観察も宿泊滞在者ならではの楽しみ。島のほぼ中央に位置する「日間賀島診療所」裏の坂道は、特に建物が少なく、日帰り観光客が帰り静まった島内で頭上には満点の星空が広がります。名古屋からたった1時間程の距離とは思えない、自然の美しさを体感してください!
女子旅で、カップルで、仲間とグループで。週末のお出かけ先に、ぜひ日間賀島を検討してみてくださいね。
取材・写真・文/カカミ ユカ
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